離婚届に代筆できる?同意ある場合、ない場合の離婚はどうなる?

離婚届の代筆は、相手の同意があれば可能です。ただし、同意なく代筆した場合は離婚が無効となるだけでなく、刑事罰に問われる可能性もあります

「相手が離婚届に署名してくれない」「代わりに署名することはできないのか」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。

この記事では、離婚問題に詳しい弁護士が以下の点について解説します。

  • 離婚届の代筆が認められる条件
  • 相手の同意を得て代筆した場合の離婚の効力
  • 同意なく代筆した場合のリスクと刑事罰
  • 相手が離婚に同意しない場合の対処法

なお、離婚届の代筆や離婚手続きについて早急に相談したいとお考えの方は、この記事をお読みいただいた後、全国どこからでもご利用いただける当事務所の無料相談をご検討ください

離婚相手の同意を得て離婚届に代筆した場合の離婚は有効?

離婚届には届出人が署名する「届出人 署名」という欄が設けられています。

協議離婚する場合は、まず、この「届出人 署名」欄には届出人自らが署名することが原則です。

では、他人が届出人に代わって離婚届に代筆することは可能なのでしょうか?

この点、離婚届などの書き方などについて規定した戸籍法施行規則62条には次のように規定されています。

戸籍法施行規則62条

1 届出人、申請人その他の者が、署名すべき場合に、署名することができないと市町村長において認めるときは、氏名を代書させるだけで足りる。

2 前項の場合には、書面にその事由を記載しなければならない。

出典:e-Gov法令検索

この規定からすれば届出人が「署名することができないと市町村長において認めるとき」は、他人が届出人の氏名を代書することができるといえます。

ただし、上記のとおり、離婚届には届出人が署名するのが原則ですから、他人が代書する場合は届出人の同意が必要と解することができます。

また、のちのちのトラブルを避けるためには届出人が代書に同意したことを明らかにする書面を残しておいた方が無難です。

なお、規定では「署名することができないと市町村長において認めるとき」としており、他人が代書できるケースについては詳細に規定していません。

しかし、離婚届という重要な書類について、単に忙しいから、別居しているからなどという理由のみで代書に同意するのは避けた方がよいでしょう。

ご自身で署名できる場合はなるべくご自身で署名するようにしましょう。

以上をまとめると、離婚相手の同意を得て離婚届に代書(代筆)することは可能です。

また、離婚相手が代筆に同意する場合は離婚相手に離婚届を提出する時点で離婚意思があるのが通常ですから、離婚届や必要書類に不備がなければ離婚は成立します。

離婚相手の同意を得ないで離婚届に代筆した場合の離婚は有効?

この場合は①離婚相手に離婚届提出時に離婚意思がある場合と②離婚意思がない場合とに分けることができます。

①は、たとえば離婚相手が「離婚はしたいがサインは自分でする」などと言っていたケースが考えられます。

このようなケースでは、離婚届の署名は届出人がする、の原則に反しますから、やはり離婚は無効です。

②についても、これまでのご説明でお分かりいただけるように離婚は無効です。

もっとも、①の場合も②の場合も離婚届は受理され、形式上は離婚が成立してしまう可能性が高いです。

離婚を無効としたい場合は、まずは調停を申立てる必要があります。

なお、他人が届出人の同意なく署名し、その離婚届を市区町村に提出した場合は有印私文書偽造罪、偽造有印私文書行使罪に、提出したことで戸籍に不実の記載をさせた場合は公正証書原本不実記載罪に問われる可能性があります

離婚相手が離婚届の代筆に同意してくれない場合、離婚できない?

離婚相手が離婚届の代筆に同意してくれない場合とは、すなわち、相手方に離婚意思がない場合でしょう。

相手方に離婚意思がない以上、協議離婚による離婚はできませんが、裁判上の離婚は可能です

もっとも、裁判上の離婚を請求するには配偶者に次のいずれかの事由が認められることが必要です。

  • 配偶者に不貞な行為がある
  • 配偶者から悪意で遺棄された
  • 配偶者の生死が3年以上明らかでない
  • その他婚姻を継続し難い重大な事由がある

※令和6年5月公布の民法改正により、従来の「配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき」は法定離婚事由から削除されました(2026年5月までに施行予定)。
また、裁判上の離婚といっても、まずは話し合いによる離婚を試みる調停の手続を踏むことが必要です(調停前置主義)。

そして、調停でも離婚が成立しない場合にはじめて訴訟を提起することができます。

離婚届の代筆でお悩みの方は弁護士にご相談ください

離婚届の代筆は、相手の同意があれば認められます。しかし、同意なく代筆した場合は離婚が無効となり、有印私文書偽造罪などの刑事罰に問われるリスクもあります。

相手が離婚に同意してくれない場合は、協議離婚ではなく調停や訴訟による裁判上の離婚を検討する必要があります。これらの手続きは法的な知識が求められるため、弁護士のサポートを受けることで、適切な対応が可能になります。

離婚の手続きは精神的な負担も大きいものです。「どう進めればいいかわからない」「相手との交渉がうまくいかない」とお困りの方は、一人で抱え込まず、専門家に相談することをおすすめします。

当事務所は離婚問題に豊富な実績があり、全国どこからでも無料相談をご利用いただけます。離婚届の代筆に関するお悩みや、離婚手続き全般について不安をお持ちの方は、お気軽にご相談ください。