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さて、本日は交渉力についてお話したいと思います。
明確に分けて考えられている訳ではありませんが、交渉力は交渉術とは異なる概念かと思います。
交渉術は、社会心理学など利用した「テクニック」であり、学ぶことである程度高めることができるでしょう。
無意識に使っているものを、意識的に使うことのできる「テクニック」にしてあげることで交渉の進め方などを向上させることができるかと思います。
他方、交渉力はテクニックとは異なり、当事者の属性や相手方との関係性、法的紛争で言えば証拠の有無、充実度、請求の内容やタイミングによって変わる要素を指すものと考えております。
要するにある程度、固定化されてしまうものと私は考えております。
小難しい話をしても分かりにくいので、例として、不貞行為について慰謝料請求をする場合を考えてみましょう。
不貞の証拠がバッチリ存在する場合ですと、当然、請求する側の交渉力は上がります。仮に訴訟になり、相手方が不貞の事実を争って来ても不貞の事実を証明することができる可能性が高いからです。
他方、相手方としては訴訟になったら負けてしまう可能性がある訳ですから、交渉時における交渉力は下がると言わざるを得ません。
ところが、上記のケースに、請求する側に全くお金がないという事情が加わるとどうなるでしょうか。
証拠はあるが、弁護士を雇うお金がなく、また、訴訟を戦い切るだけのお金もないとなれば、交渉での解決を図ることが現実的な選択肢となります(本人が自ら訴訟をするという選択肢はここではおいておきましょう)。
とすれば、強気の交渉をするだけでは、交渉が決裂してしまい、自分が望まない方向に進んでしまう可能性があるため、どうしても相手方に合わせざるを得ない部分が出てきます。
さらに、相手方が独身で、無職であるという条件を加えてみたらどうなるでしょうか。
こうなると、交渉によって解決を図る必要性はより高まり、かつ、相手方の資力から現実的な金額での和解を目指さざるを得ないところから、請求する側の交渉力はさらに下がってしまいます。
このように、交渉力は様々な要素に影響を受けて、上がったり、下がったりします。
すなわち、状況をきちんと見極めて、いつ、どんな請求を、どのように行うかといった点を決めていかなければ、勝てるはずの戦いも、結果として負けてしまうということにもなりかねない訳です。
既にお話をしたとおり、交渉力はある程度、固定化されてしまいます。
ですが、全て固定化されており、一切の工夫ができないかと言われれば、そういう訳ではありません。
工夫次第で交渉力を上げることもできます。
また、テクニックである交渉術を駆使して、交渉力が上がったように見せることもできる場合があります。
交渉は以上のように意外と複雑な要素が絡みあっています。
真正面から突破するという男気溢れる交渉も魅力的ですが、時に冷静に状況を分析し、最も交渉力が高まる条件を探し出すことが重要です。
現在まで多くの交渉を経験してまいりました。
中には絶対に不利であるという状況を、工夫と馬力で突破したこともあります。
もちろん、残念ながら工夫では乗り越えられない壁にぶつかったこともあります。
それでも状況を分析し、工夫を凝らすことで、今まで見えなかったものが見えるようになり、当初考えていた解決法とは全く別の道が見つかることもあります。
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