
1997年からずっと続いている巨大掲示板「teacup」。スポーツやペット、ビジネスなどさまざまなカテゴリーに分かれており、誰でも自由に利用・閲覧できるのが大きな魅力です。
ただ、不特定多数の人が利用・閲覧できることから、掲示板上で誹謗中傷が行われてしまうのも事実です。誹謗中傷の投稿をそのまま放置してしまえば、多くの人の目に触れ、それが他のSNSや掲示板などに転載されて被害が拡大しかねません。
そこで今回は、teacupに誹謗中傷の投稿がされてしまったときの削除方法についてご紹介します。
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記事の目次
teacupとは
teacupは、GMOが運用するレンタル掲示板です。サーバのレンタルなど面倒な作業が必要なく、会員登録をすれば誰でも掲示板を開設して利用することが可能です。
teacupは1997年から解説しており、すでに20周年を超えています。これまでに、100万以上の掲示板が稼働しているという巨大なレンタル掲示板です。
掲示板はカテゴリー別に探すことができ、投稿をするだけならアカウントの作成も必要ありません。手軽に利用できる掲示板として長く人気を博しています。
こうした、不特定多数が自由に書き込み・閲覧できるteacupですが、そのために掲示板上で誹謗中傷や名誉毀損などのトラブルが起こることも珍しくはありません。
teacupではどのような書き込みが禁止されている?
teacupでは、利用規約によって禁止行為を定めています。そして、利用規約に反する投稿が行われた場合は、当事者ではなく第三者からであっても「こうした利用規約に反する投稿が行われている」として運営に通報することができるようになっています。
では、どのような書き込みが規約で禁止されているのでしょうか。禁止事項の中でも、誹謗中傷に関連するものは以下のとおりです。
第14条(その他の禁止事項)
会員は、以下の行為を行ってはならないものとします。
(1)第三者、他の会員、もしくは当社の知的財産権を侵害する行為。
(2)第三者または他の会員の財産権、肖像権、プライバシー権を侵害する行為。
(3)第三者または他の会員の基本的人権を侵害する行為。
(4)詐欺や脅迫、侮辱、名誉毀損、信用毀損または猥褻物陳列などの犯罪に結びつく行為。
(18)この会員規約に違反する行為、法令に違反する行為、公序良俗に反する行為あるいはそのおそれがある行為、本サービスの運営を妨害する行為、当社の信用を毀損し、もしくは当社の財産を侵害する行為、または他者もしくは当社に不利益を与える行為。
(20)上記各号の禁止事項に該当、あるいはそのおそれがあることを知りながらすみやかに削除せず放置する行為。(21)その他、当社が不適切と判断する行為。
このように、利用規約の中でも法令違反が含まれていることが分かります。では、具体的に誹謗中傷が行われた時の削除方法について見ていきましょう。
規約違反の投稿を通報し、削除を依頼する
まずは、規約違反の投稿を通報するという方法です。
teacupが定める利用規約に違反している投稿については、記事通報機能という機能を通じて運営に通報することができます。具体的な手順は以下のとおりです。
通報する時に必要な記載事項
通報を行うときには、以下の項目を記載する必要があります。
- 掲載されているURL
- 記事のタイトル
- 投稿者名と投稿日時
- 掲載されている情報の中で、問題となっている記述
記事の中で、どの文言が規約や法令に違反しているのかを明確にし、具体的に記載します。
- どの規約に違反しているのか、また、どの法律に違反しているのか
運営側が規約違反を見つけやすいよう、規約のどこに違反しているのかを客観的にわかるように記載します。また、法令に違反していることが明らかな場合は、法令違反についても記載しておきましょう。
- 権利が侵害されたとする理由や、削除を依頼する理由
ここには、被害の状況や証拠についても記載する必要があります。
通報時の注意点
被害者本人からの通報はフルネームの記載が必要
通報した場合、基本的に返信されることはありませんが、被害者自身が通報する場合には、本名をフルネームで記載するよう求められます。
また、ケースによっては本人確認書類などを提出するようにteacupから求められることがあるため、ハンドル名などではなく本名で通報を行うことが必要です。
通報内容が管理者などに通知される
通報の歳には、通報の対象となっている投稿や投稿者などを特定する必要がありますが、この情報はその掲示板やブログの管理者に通知されます。
この管理者というのは、誹謗中傷を行っている加害者ではありませんが、第三者に開示されることを念頭に置いて通報内容を作成しましょう。
権利侵害について削除依頼を行う
次に、掲示板上で、誹謗中傷や侮辱行為などがなされていることについて、被害者自身が投稿の削除を求めるときには、「権利侵害に関する削除依頼フォーム」からの削除依頼を行うという方法があります。
このフォームから送られた依頼についてteacup側は、プロバイダ責任制限法に基づいて、送信防止措置を行うかどうかを判断することになります。
削除依頼の手順
権利侵害を理由とした削除依頼の手順はこの通りです。
侵害された権利を選ぶ
著作権・肖像権・プライバシー権・パブリシティ権・名誉権・その他の中から、該当するものを選びます。簡単にこれらの権利について解説しておきましょう。
著作権
著作権とは、文章やイラスト、音楽など、自分が著作したものを複製・翻訳・放送などを独占する権利です。
肖像権
肖像権とは、要旨や画像をみだりに利用または公表されない権利のことです。
プライバシー権
プライバシー権は、人が私生活や私事をみだりに他人の目にさらされない権利のことを指します。
パブリシティ権
パブリシティ権とは、肖像や氏名を利用して経済的利益が生み出されるときに、肖像や氏名の利用を制限することでその経済的利益を支配する権利のことを指します。
名誉権
名誉権とは、名誉を害されない権利のことです。
必要な事項を記載する
名前や連絡先、掲載されている情報や権利が侵害されたとする理由などの必要な情報について記載し、送信します。
削除依頼時の注意点
削除を依頼するときに注意して起きたいポイントをまとめました。
本人確認書類の提出が求められることがある
削除依頼を行った後は、運営が削除が適切かどうかを審査することになります。
このとき、管理者に対して「このような削除依頼が来ています」という照会を行うことになりますが、管理者からの反応に応じて、削除依頼を申し立てた人の本人確認書類の提出が求められることがあります。
個人の場合は運転免許書やパスポートの写しとなり、法人の場合は法人の印鑑証明書の写しが求められることになっていますので、注意しておきましょう。
権利侵害の理由については客観的に記載する
このフォームは、teacupの利用規約に違反したということではなく、権利侵害があったことを理由として削除の申立を行うものです。そのため、具体的にどのような権利が侵害されているのかをteacup側に伝えなければなりません。
侵害された権利については最初の方で選ぶことになりますが、併せて「権利が侵害されたとする理由」についても記載する必要があります。
例えば、侵害された権利が「著作権」だったとしたら、掲示板のどの文言が著作権の侵害に当たるのかについて記載し、その根拠となる証拠や情報についても併せて記載することが必要となります。
掲示板の削除を行う方法
もしも自分が運営している掲示板で誹謗中傷が行われてしまったら、掲示板ごと削除するという方法もあります。掲示板の削除方法は、掲示板が無料か有料化によって変わってきます。
ちなみにどちらの場合も、削除した掲示板を復活することはできませんので注意してください。
掲示板が無料の場合
- teacupにログイン
- 削除したい掲示板の「管理画面へ」というボタンをクリック
- 「サービスの一時停止・削除」をクリック
- 「掲示板サービスを一時停止する」をクリック
- 「サービスの削除(永久停止)」の理由をチェックするとともに、「以下の内容で設定する」をクリック
- 「掲示板を完全に削除(永久停止する)」をクリック
- 掲示板が削除されていることを確認する
掲示板が有料の場合
- teacupにログイン
- 「お支払い方法の確認」をクリック
- 「お支払い方法の確認と変更」をクリック
- 「サービス一時停止と解約について」をクリックし、ページを移動
- 解約申請フォームから解約の申請を行う
- 解約完了後、問い合わせフォームから削除希望を依頼する
まとめ
今回は、teacupで誹謗中傷を受けてしまったときの削除方法についてご紹介しました。
利用規約に違反しているだけでなく法令に違反している場合や、権利侵害が行われている場合には、弁護士に相談しながら進めていくことで、どの権利を侵害しているのか説得力を持ってteacupに主張しやすくなるため、併せて検討してみると良いでしょう。
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