
個人再生の手続きが終わったら、いつから返済が始まるのか、一括で返済することはできるのか。手続き後の返済スケジュールについて不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、返済は再生計画の認可確定後3か月以内に開始されるのが一般的です。また、手続き中の一括返済は認められていませんが、手続き終了後であれば一定の条件を満たせば可能です。
この記事では、個人再生後の「返済」にまつわる疑問について、弁護士が詳しく解説します。
- 返済開始時期と返済期間
- 一括返済・繰り上げ返済の可否と条件
- 返済が遅れた場合のリスクと対処法
なお、返済額の計算方法や減額の目安については、以下の記事で詳しく解説しています。
個人再生後の返済について早急に相談したいとお考えの方は、この記事をお読みいただいた後、全国どこからでもご利用いただける当事務所の無料相談をご検討ください。
個人再生手続き終了後の返済開始時期について
裁判所で個人再生手続きが無事終了した場合、基本的には3年の期間をかけて分割で債務の返済をする必要があります。
裁判所で行われる個人再生の手続きは、再生計画案が裁判所によって認可されることによって実質的に終了します。あとは、再生計画で定めたスケジュールどおりに返済をしていけば、通常3年後には晴れて債務の返済がすべて終了することになります。
それでは、実際にいつから債務の返済が開始するのかというと、通常は裁判手続き終了後3か月以内であることが一般的です。そのため、いざ返済開始となってから慌てることのないように、資金を準備しておく必要があります。
個人再生の残債務の一括返済について
個人再生が成功した場合、元の借金額は大幅に減少することになります。借金額によって異なりますが、借金を5分の1から最大10分の1程度にまで減額でき、残りの債務に関して将来利息が発生することもなくなるのです。
このため、場合によっては残債務の一括返済を希望する方がいます。ただ、ここでいう「一括返済」には、1. 裁判手続き内での一括返済と2. 裁判手続き終了後の一括返済(繰り上げ返済)の2つのケースがあり、それぞれ扱いが異なります。
1. 裁判手続き内での一括返済は認められない
個人再生における各種手続きは、民事再生法という法律によって厳格に定められています。このため、個人再生後の返済方法に関しても法律の定めに従わなければなりません。
個人再生した場合、一般的には借金の大半が免除されることになります。手続きの結果、残債務額が100万円にまで減額されることも珍しいことではありません。元の借金の大半が免除・減額されるため、個人再生される方の中には、残債務の一括返済を希望される方がまれに存在します。
しかし残念ながら、個人再生の手続き上、残債務についての一括返済は認められていません。裁判所に認可された「再生計画」に基づき、計画的に分割して返済することが必要なのです。仮に残債務額を一括で返済できる資力がある人でも、基本3年間の分割で返済を行う必要があります。
これは、個人再生という手続きが、借金を毎月確実に返済していくことを身につけてもらうという趣旨の制度だからです。
2. 裁判手続き終了後の一括返済は条件付きで可能
個人再生手続きが裁判所で成功のうちに終了すると、通常の場合には数か月のうちに債務の返済が始まります。大半の方は裁判所によって認められた「再生計画」に基づき、分割払いをすることになります。
しかし、個人再生した方の中にはまれにではありますが、残債務の一括返済を希望する方がいます。上で述べたように個人再生の手続き上では債務の一括返済は認められませんが、裁判所における個人再生の手続きが実質的に終了し、実際に債務の返済が始まっている場合には不可能ではありません。つまり、裁判所での手続きが終了した後であれば、残債務の「繰り上げ返済」は可能と考えてよいでしょう。
ただし、これを行う場合には、次のような条件を満たす必要があります。
条件①:債権者全員に平等に返済すること
法律上の大原則として、債権者は平等に扱わなければなりません。これを「債権者平等の原則」といいます。この原則があるため、一括返済を行う場合には、すべての債権者に対して返済を行う必要があります。
実務でよくある事例ですが、債権者の中に親族や友人、知人が存在することがあります。このような場合、身近な人びとに迷惑をかけたくないという思いから、その他の債権者より優先してこれらの債権者に返済を行おうとする方がいます。しかし、このような行為は債権者平等の原則に反する違法行為ともいえるものです。ほかの債権者に発覚した場合、最悪のケースとして、個人再生の認可取り消しという事態に及ぶ可能性もあります。
条件②:債権者の同意を得ること
個人再生後の債務の支払いについては、分割で返済することとなっています。これを一括返済するのであれば、当然各債権者の同意を得る必要があります。
債権者としては貸金などを繰り上げて一括返済してもらうことは利益となりますので、基本的には拒否されることは考えにくいでしょう。
注意点:早期の一括返済は「財産隠し」を疑われる恐れも
個人再生手続き後に何らかの理由により債務を一括で返済できる資金を入手できた場合、上記の条件を満たせば一括返済も不可能ではありません。しかし、個人再生手続きが裁判所で終了し、返済が始まって間もない時期に一括返済することは避けたほうが賢明でしょう。
個人再生の手続き終了後、早い時期に一括返済する場合には、債権者から財産隠しを疑われる恐れがあります。つまり、本当は財産を持っていたにも関わらず、裁判手続き上ではそれを隠していたのではないかと疑われる可能性があるのです。このような事態を避けるためにも、一括返済する場合には、返済を行う時期についても十分な検討が必要となります。
返済が遅れた場合どうなるか
個人再生後の債務の返済期間は法律上、基本的に3年間とされています。実際に返済する場合、3年間は意外と長い期間です。そのため、その期間中に返済に行き詰まることも往々にしてあることでしょう。
もし返済に行き詰まった場合には、なるべく早めに債権者に連絡することが大切です。早めに連絡すれば、事情を理解してもらえる可能性もあります。連絡もせずに放置するという行為は、最悪の結果を招きかねません。誠意をもって対応すべきです。
返済が滞っているにもかかわらず債権者に連絡しなかったり、何度も返済が滞ったりした場合には、最悪のケースとして裁判所によって個人再生の認可が取り消されることもあり得ます。せっかく苦労して成功させた個人再生ですから、そのようなことのないように気を付けてください。
個人再生後の返済でお悩みの方へ
個人再生の手続きが終われば、あとは再生計画どおりに返済を続けるだけです。返済は認可確定後3か月以内に開始され、原則3年間で完済を目指すことになります。
返済期間中は、計画的な家計管理が求められます。もし返済に行き詰まりそうな場合は、放置せずに早めに対処することが大切です。また、一括返済を検討する場合も、財産隠しを疑われないよう、返済時期や方法について慎重に判断する必要があります。
返済スケジュールに不安がある方、一括返済や繰り上げ返済を検討されている方、あるいは返済が難しくなってきた方は、お早めに弁護士へご相談ください。
当事務所では、個人再生をはじめとする債務整理のご相談を全国から承っております。返済に関するお悩みがございましたら、まずは無料相談をご利用ください。






