モラハラ離婚の証拠と集め方!どのくらい必要?日記の書き方は?

「モラハラで離婚したいけど、どんな証拠を集めればいいの?」「日記が証拠になるって聞いたけど、書き方が分からない…」

モラハラはDVと違い目に見える傷が残らないため、証拠集めに悩まれる方は少なくありません。しかし、裁判離婚や慰謝料請求を視野に入れるのであれば、モラハラを立証できる証拠を確保しておくことが重要です。

この記事では、モラハラ離婚に強い弁護士が、証拠として有効なものの種類や具体的な集め方、証拠がない場合の対処法まで詳しく解説します。

なお、配偶者のモラハラについて早急に対応したいとお考えの方は、この記事をお読みいただいた後、全国どこからでもご利用いただける当事務所の無料相談をご検討ください。

モラハラとは?

モラハラとは、モラルハラスメントの略称で、倫理・道徳に反した嫌がらせのことです。簡単に言えば、肉体的虐待(DV)とは違いモラハラは「精神的虐待」をすることです。

夫婦間でのモラハラ行為の具体例としては、以下のようなものがあります。

  • 暴言や侮辱的な言葉で配偶者の人格を攻撃する
  • 配偶者を異常に束縛し行動を常に監視する
  • 「男(女)のくせに」と貶してくる
  • 話しかけても無視をする
  • 配偶者の考えを認めず丸め込んで自分に従わせる
  • 自分の間違いを認めないばかりか平気で嘘をつく
  • 反論すると機嫌が悪くなる
  • 配偶者だけでなくその親族や友人まで貶す
  • 子供に妻(夫)の悪口を吹き込む

モラハラの証拠がないと離婚できない?

モラハラは精神的DVと言われるように、被害者の心に傷を残すものです。しかしながら、モラハラはDVで怪我を負うケースのように目に見える傷が残らないため証拠が残りにくいといった問題点があります。

では、モラハラの証拠がないと一切離婚することはできないのでしょうか?

この点、「審判離婚」や「裁判離婚」では、モラハラの証拠がないと離婚するのは非常に難しくなります。なぜなら、審判離婚や裁判離婚では裁判所が離婚を認めるかどうかを判断するため、あなたが証拠によってモラハラがあったこと(モラハラという離婚原因により婚姻関係が破綻していること)を立証しなくてはならないからです。

他方で、「協議離婚」と「調停離婚」であれば証拠がなくても離婚することが可能です。

夫婦で話し合う協議離婚や、家庭裁判所の裁判官と調停委員を介して話し合う調停離婚では、夫婦双方が離婚について合意すれば離婚できますので、モラハラの証拠がなくても離婚できるのです。

もっともモラハラの加害者は、「自分が正しく相手が間違っている。相手の為を思って言っているに過ぎない」と考えていることが多く、また、モラハラをしている自覚に欠ける人が多いことから、協議離婚や調停離婚で離婚に応じる可能性は低いでしょう。

その場合、最終的には離婚裁判で決着をつけることになりますが、裁判官に「これ以上、婚姻関係を継続させておく意味がない」と判断してもらうためにはやはりモラハラの証拠が重要となるのです。

モラハラ離婚の証拠となるものと集め方

上記ではモラハラ離婚における証拠の重要性についてお伝えしましたが、以下では、モラハラの証拠となるものやその集め方について解説していきます。

  • ①録音した音声
  • ②被害について書かれた日記やメモ
  • ③LINE(ライン)やメール
  • ④SNSへの投稿
  • ⑤モラハラ夫や妻が壊した物の写真
  • ⑥親族や友人等の第三者の証言
  • ⑦公的機関への相談履歴
  • ⑧医療機関のカルテや診断書

①録音した音声

日常的にモラハラの言動を受けているのなら、会話をICレコーダーやスマホの録音アプリで録音しておきましょう。モラハラ夫や妻にとっては、自分の声がしっかりと残っているため、言い逃れはできません。

ここで注意しておきたいのが、前後の会話も録音しておくということ。文脈から判断してモラハラだと分かることもありますし、前後の会話まで録音できていればモラハラの程度がどれくらいのものなのかも判断がつきやすくなります。

また、1回だけではなく繰り返し録音することが重要です。そうすることで、日常的にモラハラが繰り返されていたことの証明にもなりますし、頻繁にこんな言葉を投げかけられたら精神的にも参ってしまうな、と第三者が判断する要素にもなります。

なお、相手配偶者に黙って録音することが「盗聴」として違法にならないのか、違法証拠として裁判で採用されないのではないかといった心配をされる方もいます。この点、夫婦間の会話を相手の承諾なく録音することは、違法ではありませんのでご安心ください。

②被害について書かれた日記やメモ

モラハラを受けた被害者が書いた日記やメモなども証拠として使うことができます。

書き方の注意点

書くときは、モラハラされた日時、場所、相手の言動をできるだけ具体的に記録しましょう。より詳細に書くことで説得力が増します。また、改竄を疑われないためにも消せないタイプのペンで書き、後から書いた内容を修正しないようにしましょう。

なお、日記を書く際は、紙媒体ではなく、LINE投稿による日記をオススメします。具体的方法としては、LINEに自分一人だけのグループルームを作り、その中で、日々のモラハラ被害を投稿しておきます。LINEは日時や投稿した内容を後から書き換えることはできませんので、紙媒体よりも信用度の高い日記に仕上がります

また、紙媒体の日記だと保管場所にも困りますし、万一モラハラ配偶者に見つかれば破棄されるリスクもあります。一方LINE日記であれば、そのグループルームのトークを非表示にしておけば、仮にモラハラ配偶者からスマホを勝手に見られたとしても日記の存在が知られて破棄されるリスクは限りなく低くなります。

事実を補完するものも証拠になる

ただし、日記やメモは、被害者自身が自由に書くことができるものである以上、動画や音声に比べたらどうしても証拠能力が弱まります。そこで、もし日記に書かれていることを補完できるものがあればそれも必ず残しておくようにしましょう。

例えば、外食先の飲食店内や旅行先のホテル内でモラハラ発言を受けたといった場合、レシートや領収書を日記に添付しておくことをオススメします。これらは、"○月○日に飲食店・ホテルに行った"という事実がわかるだけの物ですが、日記に書かれていることの信憑性を増すための補完的役割は果たします。証拠として使えなかったら、そのときに処分すればいいのです。一見役に立たなそうに思えるものでも、モラハラに少しでも関係するものは残しておくようにしましょう。

③LINE(ライン)やメール

LINEやメールは送受信日時が記録されており、モラハラ被害を時系列で説明できます。また、日記やメモと違い後からその内容を改竄することも難しいため、モラハラの証拠として有力です。そのため、LINEやメールのやり取りは全て、削除せずに保存しておきましょう

特に携帯の機種変更をすることで過去の履歴が消えてしまうLINEなどは、復旧することが非常に難しいこともあります。できるだけパソコンやスマホなどの複数のデバイスにインストールしておき、複数の履歴を残しておくと安心です。また、念のためにスクリーンショットにして保管しておきましょう。

④SNSへの投稿

モラハラ配偶者が、FacebookやX(旧Twitter)といったSNSに配偶者を悪く言う投稿、例えば、「うちの妻は家事もろくにできないんだよな…」といったものも証拠になります。モラハラ加害者が投稿やアカウントを削除してしまう恐れもあるため、日付とURLが分かる状態でその投稿画面のスクリーンショットを保存しましょう。

また逆に、モラハラ被害者が、加害者の言動をメモや愚痴のつぶやきとしてSNSに投稿したものも証拠となり得ます。FacebookやX(旧Twitter)は投稿の日付を改ざんできないため、モラハラ被害を時系列で説明できるものとなります。そのため、モラハラ被害を受ける前のものも含め全ての投稿を削除しないよう注意してください。

⑤モラハラ夫や妻が壊した物の写真

モラハラ配偶者の特徴として、急に感情的になって抑制ができない、という性質があります。爆発した感情を抑えきれずに壁を蹴ったり、配偶者が大事にしている物を壊したりします。そうしてモラハラ夫や妻が壊したものの記録写真も証拠になりますので、しっかり撮影しておきましょう。

⑥親族や友人等の第三者の証言

夫婦を含む親族の集まりや、自宅に友人を招いた際に、夫(妻)が親族や友人の前でモラハラ発言をしたのであれば、彼ら第三者の目撃証言も証拠となります。いざという時に証言してもらえるよう前もってお願いできる体制を整えておきましょう。

⑦公的機関への相談履歴

モラハラがエスカレートして脅迫的な言動を受けて警察に相談したり、配偶者暴力相談支援センター、婦人相談所等の公的機関に相談した記録も証拠となる場合もあります。

相談に関する記録を手に入れるには、相談した機関に対して、「自己情報(相談記録)の開示請求をしたい」と伝え、案内に従って手続きをしてください。

⑧医療機関のカルテや診断書

配偶者のモラハラにより、うつ病等の気分障害を患ってしまい、精神科や心療内科に通院される方もいることでしょう。その際に、モラハラによりうつ病等の精神的な病が生じた事実を担当医師に話しておくことが大切です。そこでの会話や相談内容を記録したカルテ、診断書なども証拠になるからです。

診察を受けた医療機関にカルテを開示してもらいコピーしたり、担当医師に診断書を書いてもらいましょう。

モラハラの証拠を集める時に注意すること

モラハラは基本的には言葉によって行われるため、証拠収集としては録音が一番簡易的です。ただ、モラハラ発言がいつどのタイミングで始まるのかは予想できないため、モラハラ行為が始まったら直ぐにスマホの録音アプリやICレコーダーを起動させられるよう準備しておきましょう。

もっとも、モラハラ配偶者が側にいるなど、モラハラをされている最中にスマホの録音アプリやICレコーダーを作動させられないような場面もあるでしょう。そのため、長時間録音が可能なICレコーダーを常時作動させておくか、スマホをバッテリーに繋いだ状態で録音アプリを常時作動させておく方法も検討しましょう。

また、せっかく集めたモラハラの証拠を誤って削除したり紛失したりしないよう、パソコンのハードディスクやDVD、SDカードなどに何重にもバックアップを取って大切に保管しておきましょう。ただし、それらの証拠を自宅保管しておくと、モラハラ配偶者に見つかって破棄されてしまう恐れもあります。そのため、クラウドサービスを利用してネットワーク上に保存しておいた方が万一の時に安心です。

モラハラの証拠はどのくらい集めればいい?

裁判離婚や慰謝料請求を認めるに足るだけの証拠か否かはあくまでも裁判官が判断するものですので、明確にお答えすることはできません。とはいえ、ご自身の主張を裏付けるためにも、できるだけ多く、長期間、モラハラの証拠を集めておいた方が良いでしょう。

また、モラハラ離婚に詳しい弁護士に手持ちの証拠で足りているのか判断を仰ぐことも一つの方法です。法律事務所に相談に出向く際は、ご自身で証拠になる・ならないを判断せずに、証拠となり得る可能性のあるもの全てを持参するようにしましょう。

モラハラで慰謝料はもらえる?証拠がない場合は?

モラハラを立証できるだけの有力な証拠があれば、モラハラによる精神的苦痛に対する慰謝料請求をすることができます。

モラハラの慰謝料相場はおよそ50万円〜300万円程度です。ただし、慰謝料額を決めるにあたり、モラハラの悪質度や頻度、被害者が受けた被害の程度などを総合的にみて裁判官が判断するため、50万円を下回ることもあれば、300万円以上の慰謝料が認められることもあります。

一方、モラハラの証拠がない場合は裁判で慰謝料請求が認められることは難しいでしょう。

配偶者のモラハラでお悩みの方は弁護士にご相談ください

モラハラを理由に離婚や慰謝料請求を進めるのであれば、有力な証拠を確保しておくことが重要です。録音データやLINE・メールの履歴、日記など、できるだけ多くの証拠を長期間にわたって集めておくことで、協議や調停を有利に進められる可能性が高まります。

しかし、日常的にモラハラを受けてきた方が、加害者と対等に交渉を進めるのは精神的にも大きな負担となります。モラハラ加害者は自分が悪いとは思っていないことが多く、離婚に応じないケースも珍しくありません。

当法律事務所では、配偶者のモラハラに苦しんでいる方が一日も早く新しい生活をスタートできるよう、弁護士が親身にサポートいたします。証拠の集め方から離婚交渉、財産分与や養育費の取り決めまで、一貫してお任せいただけます。まずはお気軽に無料相談をご利用ください。