
離婚後の養育費の相場は、母子家庭で月額平均50,485円、父子家庭で26,992円です(令和3年度全国ひとり親世帯等調査)。ただし、養育費の適正額は父母の年収や子供の人数・年齢によって大きく変わるため、平均額だけでは自分のケースの目安にはなりません。
「養育費はどれくらいもらえるのだろう」「相手にいくら請求できるのか見当がつかない」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、裁判所が公表している養育費算定表をもとに、年収200万円から1500万円までの各パターンにおける養育費の相場を一覧表で紹介しています。
- 年収・子供の人数・年齢別の養育費相場の早見表
- 養育費の取り決め率や不払いの実態など支払いの現状
- 養育費の不払いを防ぐための公正証書の活用法
離婚問題に強い弁護士がわかりやすく解説していますので、ご自身の状況に近いケースを確認してみてください。
なお、養育費の取り決めについて早急に対応したいとお考えの方は、この記事をお読みいただいた後、全国どこからでもご利用いただける当事務所の無料相談をご利用ください。
年収・子供の人数・子供の年齢別でわかる養育費の相場
養育費算定表(参考:裁判所|平成30年度司法研究(養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告について)から算出される養育費の相場は、
- 義務者(養育費を支払う側の人)と権利者(養育費を受け取る側の人)のそれぞれの年収
- 義務者と権利者のそれぞれの職業(会社員等の給与所得者か、自営業者か)
- 子供の人数
- 子供の年齢
により異なります。
以下でお伝えする養育費の相場は、権利者が給与所得者で年収が200万円と仮定して算出しています。
そして、夫の年収が「200万円」「300万円」「400万円」「500万円」「600万円」「800万円」「1000万円」「1500万円」の各パターンで、養育費の相場がどれくらいなのかご紹介します。
義務者の年収が200万円の場合の養育費相場
| 義務者の年収200万円の場合の毎月の養育費相場 | |||
|---|---|---|---|
| 義務者が給与所得者 |
子供が1人の場合 | 14歳以下の場合 | 1万円~2万円 |
| 15歳以上の場合 | 1万円~2万円 | ||
| 子供が2人の場合 | 2人とも14歳以下の場合 | 1万円~2万円 | |
| 1人が14歳以下で、1人が15歳以上の場合 | 2万円~4万円 | ||
| 2人とも15歳以上の場合 | 2万円~4万円 | ||
| 子供が3人の場合 |
3人とも14歳以下の場合 | 2万円~4万円 | |
| 2人が14歳以下で、1人が15歳以上の場合 | 2万円~4万円 | ||
| 1人が14歳以下で、2人が15歳以上の場合 | 2万円~4万円 | ||
| 3人とも15歳以上の場合 | 2万円~4万円 | ||
| 義務者が自営業 |
子供が1人の場合 | 14歳以下の場合 | 2万円~4万円 |
| 15歳以上の場合 | 2万円~4万円 | ||
| 子供が2人の場合 | 2人とも14歳以下の場合 | 2万円~4万円 | |
| 1人が14歳以下で、1人が15歳以上の場合 | 2万円~4万円 | ||
| 2人とも15歳以上の場合 | 2万円~4万円 | ||
| 子供が3人の場合 |
3人とも14歳以下の場合 | 2万円~4万円 | |
| 2人が14歳以下で、1人が15歳以上の場合 | 2万円~4万円 | ||
| 1人が14歳以下で、2人が15歳以上の場合 | 4万円~6万円 | ||
| 3人とも15歳以上の場合 | 4万円~6万円 | ||
義務者の年収が300万円の場合の養育費相場
| 義務者の年収300万円の場合の毎月の養育費相場 | |||
|---|---|---|---|
| 義務者が給与所得者 |
子供が1人の場合 | 14歳以下の場合 | 2万円~4万円 |
| 15歳以上の場合 | 2万円~4万円 | ||
| 子供が2人の場合 | 2人とも14歳以下の場合 | 2万円~4万円 | |
| 1人が14歳以下で、1人が15歳以上の場合 | 2万円~4万円 | ||
| 2人とも15歳以上の場合 | 2万円~4万円 | ||
| 子供が3人の場合 |
3人とも14歳以下の場合 | 4万円~6万円 | |
| 2人が14歳以下で、1人が15歳以上の場合 | 4万円~6万円 | ||
| 1人が14歳以下で、2人が15歳以上の場合 | 4万円~6万円 | ||
| 3人とも15歳以上の場合 | 4万円~6万円 | ||
| 義務者が自営業 |
子供が1人の場合 | 14歳以下の場合 | 2万円~4万円 |
| 15歳以上の場合 | 4万円~6万円 | ||
| 子供が2人の場合 | 2人とも14歳以下の場合 | 4万円~6万円 | |
| 1人が14歳以下で、1人が15歳以上の場合 | 4万円~6万円 | ||
| 2人とも15歳以上の場合 | 4万円~6万円 | ||
| 子供が3人の場合 |
3人とも14歳以下の場合 | 6万円~8万円 | |
| 2人が14歳以下で、1人が15歳以上の場合 | 6万円~8万円 | ||
| 1人が14歳以下で、2人が15歳以上の場合 | 6万円~8万円 | ||
| 3人とも15歳以上の場合 | 6万円~8万円 | ||
義務者の年収が400万円の場合の養育費相場
| 義務者の年収400万円の場合の毎月の養育費相場 | |||
|---|---|---|---|
| 義務者が給与所得者 |
子供が1人の場合 | 14歳以下の場合 | 2万円~4万円 |
| 15歳以上の場合 | 2万円~4万円 | ||
| 子供が2人の場合 | 2人とも14歳以下の場合 | 2万円~4万円 | |
| 1人が14歳以下で、1人が15歳以上の場合 | 2万円~4万円 | ||
| 2人とも15歳以上の場合 | 2万円~4万円 | ||
| 子供が3人の場合 |
3人とも14歳以下の場合 | 4万円~6万円 | |
| 2人が14歳以下で、1人が15歳以上の場合 | 4万円~6万円 | ||
| 1人が14歳以下で、2人が15歳以上の場合 | 4万円~6万円 | ||
| 3人とも15歳以上の場合 | 4万円~6万円 | ||
| 義務者が自営業 |
子供が1人の場合 | 14歳以下の場合 | 4万円~6万円 |
| 15歳以上の場合 | 4万円~6万円 | ||
| 子供が2人の場合 | 2人とも14歳以下の場合 | 4万円~6万円 | |
| 1人が14歳以下で、1人が15歳以上の場合 | 4万円~6万円 | ||
| 2人とも15歳以上の場合 | 4万円~6万円 | ||
| 子供が3人の場合 |
3人とも14歳以下の場合 | 6万円~8万円 | |
| 2人が14歳以下で、1人が15歳以上の場合 | 6万円~8万円 | ||
| 1人が14歳以下で、2人が15歳以上の場合 | 6万円~8万円 | ||
| 3人とも15歳以上の場合 | 6万円~8万円 | ||
義務者の年収が500万円の場合の養育費相場
| 義務者の年収500万円の場合の毎月の養育費相場 | |||
|---|---|---|---|
| 義務者が給与所得者 |
子供が1人の場合 | 14歳以下の場合 | 4万円~6万円 |
| 15歳以上の場合 | 6万円~8万円 | ||
| 子供が2人の場合 | 2人とも14歳以下の場合 | 6万円~8万円 | |
| 1人が14歳以下で、1人が15歳以上の場合 | 6万円~8万円 | ||
| 2人とも15歳以上の場合 | 8万円~10万円 | ||
| 子供が3人の場合 |
3人とも14歳以下の場合 | 8万円~10万円 | |
| 2人が14歳以下で、1人が15歳以上の場合 | 8万円~10万円 | ||
| 1人が14歳以下で、2人が15歳以上の場合 | 8万円~10万円 | ||
| 3人とも15歳以上の場合 | 8万円~10万円 | ||
| 義務者が自営業 |
子供が1人の場合 | 14歳以下の場合 | 6万円~8万円 |
| 15歳以上の場合 | 8万円~10万円 | ||
| 子供が2人の場合 | 2人とも14歳以下の場合 | 8万円~10万円 | |
| 1人が14歳以下で、1人が15歳以上の場合 | 10万円~12万円 | ||
| 2人とも15歳以上の場合 | 10万円~12万円 | ||
| 子供が3人の場合 |
3人とも14歳以下の場合 | 10万円~12万円 | |
| 2人が14歳以下で、1人が15歳以上の場合 | 10万円~12万円 | ||
| 1人が14歳以下で、2人が15歳以上の場合 | 10万円~12万円 | ||
| 3人とも15歳以上の場合 | 10万円~12万円 | ||
義務者の年収が600万円の場合の養育費相場
| 義務者の年収600万円の場合の毎月の養育費相場 | |||
|---|---|---|---|
| 義務者が給与所得者 |
子供が1人の場合 | 14歳以下の場合 | 4万円~6万円 |
| 15歳以上の場合 | 6万円~8万円 | ||
| 子供が2人の場合 | 2人とも14歳以下の場合 | 6万円~8万円 | |
| 1人が14歳以下で、1人が15歳以上の場合 | 8万円~10万円 | ||
| 2人とも15歳以上の場合 | 8万円~10万円 | ||
| 子供が3人の場合 |
3人とも14歳以下の場合 | 8万円~10万円 | |
| 2人が14歳以下で、1人が15歳以上の場合 | 10万円~12万円 | ||
| 1人が14歳以下で、2人が15歳以上の場合 | 10万円~12万円 | ||
| 3人とも15歳以上の場合 | 10万円~12万円 | ||
| 義務者が自営業 |
子供が1人の場合 | 14歳以下の場合 | 8万円~10万円 |
| 15歳以上の場合 | 10万円~12万円 | ||
| 子供が2人の場合 | 2人とも14歳以下の場合 | 10万円~12万円 | |
| 1人が14歳以下で、1人が15歳以上の場合 | 10万円~12万円 | ||
| 2人とも15歳以上の場合 | 12万円~14万円 | ||
| 子供が3人の場合 |
3人とも14歳以下の場合 | 12万円~14万円 | |
| 2人が14歳以下で、1人が15歳以上の場合 | 12万円~14万円 | ||
| 1人が14歳以下で、2人が15歳以上の場合 | 14万円~16万円 | ||
| 3人とも15歳以上の場合 | 14万円~16万円 | ||
年収800万円のサラリーマンの場合
元夫の年収が800万円の場合、算定表によると毎月の養育費はつぎのようなものが相場となります。
| 元夫の年収800万円の場合の毎月の養育費相場 | |||
|---|---|---|---|
| 妻が専業主婦 | 子供が1人の場合 | 14歳以下の場合 | 8万円~10万円 |
| 15歳以上の場合 | 10万円~11万円 | ||
| 子供が2人の場合 | 2人とも14歳以下の場合 | 11万円~14万円 | |
| 1人が14歳以下で、1人が15歳以上の場合 | 14万円~16万円 | ||
| 2人とも15歳以上の場合 | 14万円~16万円 | ||
| 妻の年収が100万円 | 子供が1人の場合 | 14歳以下の場合 | 6万円~8万円 |
| 15歳以上の場合 | 8万円~10万円 | ||
| 子供が2人の場合 | 2人とも14歳以下の場合 | 10万円~11万円 | |
| 1人が14歳以下で、1人が15歳以上の場合 | 11万円~14万円 | ||
| 2人とも15歳以上の場合 | 11万円~14万円 | ||
年収1000万円のサラリーマンの場合
元夫の年収が1000万円の場合、養育費算定表によると毎月の養育費の相場は、つぎのようになります。
| 元夫の年収1000万円の場合の毎月の養育費相場 | |||
|---|---|---|---|
| 妻が専業主婦 | 子供が1人の場合 | 14歳以下の場合 | 10万円~11万円 |
| 15歳以上の場合 | 11万円~14万円 | ||
| 子供が2人の場合 | 2人とも14歳以下の場合 | 14万円~16万円 | |
| 1人が14歳以下で、1人が15歳以上の場合 | 16万円~17万円 | ||
| 2人とも15歳以上の場合 | 17万円~20万円 | ||
| 妻の年収が100万円 | 子供が1人の場合 | 14歳以下の場合 | 8万円~10万円 |
| 15歳以上の場合 | 11万円~14万円 | ||
| 子供が2人の場合 | 2人とも14歳以下の場合 | 11万円~14万円 | |
| 1人が14歳以下で、1人が15歳以上の場合 | 14万円~16万円 | ||
| 2人とも15歳以上の場合 | 16万円~17万円 | ||
年収1500万円のサラリーマンの場合
元夫の年収が1500万円の場合、養育費算定表によると毎月の養育費の相場はつぎのようになります。
| 元夫の年収1500万円の場合の毎月の養育費相場 | |||
|---|---|---|---|
| 妻が専業主婦 | 子供が1人の場合 | 14歳以下の場合 | 14万円~16万円 |
| 15歳以上の場合 | 17万円~20万円 | ||
| 子供が2人の場合 | 2人とも14歳以下の場合 | 22万円~24万円 | |
| 1人が14歳以下で、1人が15歳以上の場合 | 24万円~26万円 | ||
| 2人とも15歳以上の場合 | 26万円~28万円 | ||
| 妻の年収が100万円 | 子供が1人の場合 | 14歳以下の場合 | 11万円~14万円 |
| 15歳以上の場合 | 17万円~20万円 | ||
| 子供が2人の場合 | 2人とも14歳以下の場合 | 20万円~22万円 | |
| 1人が14歳以下で、1人が15歳以上の場合 | 22万円~24万円 | ||
| 2人とも15歳以上の場合 | 24万円~26万円 | ||
養育費は当事者の事情によって大きく異なる
ご覧いただいたように、養育費の相場はケースバイケースで大きく異なることになります。
たとえば夫婦間の子供の数が1人であった場合を例として見てみると、養育費を支払う側ともらう側の年収によっては養育費の相場は上記事例で見た場合「1~2万円」から「17~20万円」と、かなりの違いがあるのです。
このように養育費の相場とは、当事者の事情により相当な違いが出てくるものです。
養育費支払いの現状
子供を引き取って育てている以上、日常の生活費はもちろんのこと、教育費などいろいろお金がかかるものです。当初の約束どおり養育費が支払われたとしても、生活が手一杯という母子家庭も多いのではないでしょうか。このような場合に、養育費の支払いが滞ってしまったら大変です。最悪の場合、生活が破綻する恐れまで出てきてしまうからです。
しかし統計を見る以上、大半の場合において、養育費は約束どおりには支払われていないのです。
半数以上は養育費の取り決めすらしていない
上記調査結果によると、離婚に際して養育費の取り決めをしているケースは46.7%となっています。つまり、半数以上のケースでは養育費の取り決めすらせずに離婚がなされていることになります。
養育費をもらう必要がないのであれば話は別ですが、もしもらわなければ生活が苦しいなどという場合には、これでは心配です。養育費の取り決めすらせずに離婚した場合、離婚後に養育費をもらえる可能性は相当低下すると考えるべきです。
離婚に際してはできるだけ、養育費の支払いについて取り決めしておくことが望ましいといえます。なお、養育費について当事者間の話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てることもできます(参考:裁判所|養育費請求調停)。
取り決めしていても口約束では不十分
養育費の支払いに関して取り決めしている事例においても4分の1強のケースにおいては、取り決め内容に関して文書を作っていません。単なる「口約束」にとどまっているケースが多いのが実態です。
口約束だけでは、いざ養育費の支払いが滞った場合に、法律的に支払いを求めることが難しくなってしまいます。養育費の支払いに関する取り決めが口約束だけの場合、合意内容について主張が対立し、結果的に養育費を支払ってもらえなくなる事例も多数あるのです。
養育費の取り決めをした場合には文書の作成を
そのような事態を避けるためには、約束内容を文書という形で残すことが大切です。養育費の支払い額、支払い期間など必要事項を文書に明記しておくことで、のちのトラブルを未然に防ぐことができるかもしれません。
まったくもらえていないケースが半数以上
今回の調査によって、離婚後1度も養育費をもらったことのない母子家庭が、多数存在することも分かっています。上記統計によると、その割合は56.9%。半数以上のケースで養育費がいっさい支払われていないのです。
養育費の支払い率は年々下がる傾向に
養育費の支払い状況に関しては、離婚後数年の間は毎月きちんと支払われていた養育費も、年月が経つうちに徐々に支払い率が下がってくるのが一般的です。
令和3年度の調査結果によると、「過去に養育費を受けたことがあるが現在は受けていない」と回答した母子家庭は14.2%にのぼります。当初は支払われていた養育費が途中でストップしてしまうケースも少なくありません。
養育費という母子家庭にとって大切な収入源を確保するためには、不払いなどのトラブルが発生する前に何らかの対策をとっておく必要があります(後述)。
離婚後ずっともらい続けている家庭は約28%
上記のように、養育費の支払い率は年々下がっていくのが世間の実情です。離婚後、現在においても継続して養育費をもらえている割合は、わずか28.1%。つまり、約4分の1程度の家庭しか継続して養育費をもらえていないのです。
母子家庭の約4割は預貯金額50万円未満
上記統計によると、母子家庭の母の預貯金額が「50万円未満」である割合は39.8%と最も多くなっています。一般的に見た場合、母子家庭の家計は決して楽ではないといえるでしょう。
このような状況であるにもかかわらず、毎月の養育費の支払いが滞ることになったら、すぐにも日常生活に支障が出かねません。
日常生活の不安を取り除くためにも、離婚に際してはつぎのような対策を講じておきましょう。
のちのトラブルを避けるために必要な対策とは?
以上のように、離婚後子供が成人するまでの間、ずっと養育費をもらい続けることは容易なことではありません。しかし、養育費をもらえなければ子供を満足に育てることができず、生活が破綻してしまう家庭も多いことでしょう。
そのような事態を避けるためには、養育費の支払いをなるべく確実にしておくことが大切です。
公正証書を作っておくのがベスト
すでにご紹介したように、世の中の大半の事例で養育費は満足に支払われていません。少しでも養育費の支払い率を高めるためには、離婚に際して充分な用意をしておくことが肝要です。
そのためには、養育費に関する取り決めを公正証書という書面で残しておくことがお勧めです。公正証書とは、公証役場という公的な場所で、公証人という公務員によって作成される厳格な書類です(参考:日本公証人連合会|公正証書)。離婚に際して決められた各種重要事項を公正証書という書面に残しておけば、さまざまなメリットを受けることができます。
公正証書を作るメリット
養育費の取り決めに関して公正証書を作成する場合、つぎのようなメリットを受けることができます(参考:法務省|公証制度について)。
①裁判で有力な証拠となる
公正証書は公証人という特別な公務員が、一定の厳格な手続きを踏んで作成する書類です。
書類に明示されている養育費に関する当事者の合意内容に関して、後から異議がでる可能性が低くなります。
そのため、養育費の支払いについて将来何らかのトラブルが発生した場合でも、裁判の場において公正証書が自分に有利な材料となります。
②書面紛失の対策になる
養育費の取り決めを公正証書によってした場合、作成された書面は公証役場に保管されることになります。当事者に交付されるものだけでなく、同一内容のものが公証役場という公的な機関にも保管されます。
このため、当事者が万一公正証書を紛失するなどした場合でも、養育費に関する合意内容が不明確になってしまうなどといったトラブルを防ぐことができます。
③不払いの場合に即強制執行可能
統計的に見た場合、養育費の支払い率は離婚後時間が経過するとともに徐々に低下していきます。現在支払いがなされていたとしても、将来的には不払いとなる可能性が高いといえます。
しかし養育費の支払いを公正証書で作っておいた場合には、将来養育費が不払いとなったとしても安心です。なぜなら不払いとなった際には、公正証書によってすぐに相手方の財産を差し押さえることが可能とされているからです。
養育費の不払いに対する法的手続きの詳細については「裁判所|養育費に関する手続」をご参照ください。
養育費の増額が検討されている
日本弁護士連合会(日弁連)では、現在家庭裁判所で採用されている養育費算定表による養育費の額が少なすぎると主張しています。この点を是正するため、日弁連は独自に新しく養育費算定表を作成し、ウェブサイト上でも公開しています。
養育費の額が最大約2倍に
日弁連が提唱している新算定表によって養育費を計算した場合、現在家庭裁判所などで利用されている現行算定表より1.5倍から2倍程度に養育費が増額されることになります。
この点に関しては、弁護士の中にも養育費の額が高くなりすぎるなどの意見も散見されており、統一的な見解となってはいないようです。
養育費を増額したい場合に利用可能
上記のように、日弁連が提唱している新算定表は、現時点においては養育費を算定するための主流としての基準となっているわけではありません。
しかし、離婚に際して養育費の増額を求めたい場合には、家庭裁判所で採用されている算定表ではなく、日弁連の算定表をベースとして協議するのも有効な手段かもしれません。
参考:「養育費・婚姻費用の新しい簡易な算定方式・算定表に関する提言」(日弁連サイト)
養育費の取り決めでお悩みの方は弁護士にご相談ください
養育費の適正額は、父母の年収や子供の人数・年齢によって大きく異なります。算定表を参考に相場を把握したうえで、不払いを防ぐための取り決めを行うことが大切です。
養育費の問題は、金額の算定だけでなく、公正証書の作成や将来の不払いへの備えなど、法的な知識が求められる場面が少なくありません。弁護士に依頼することで、ご自身のケースに応じた適正額の算定から、確実に支払いを受けるための法的手続きまで一貫したサポートを受けることができます。
離婚に際して養育費を決めなければならない状況は、精神的にも大きな負担がかかるものです。「相手と養育費の話し合いがまとまらない」「すでに離婚しているが養育費を受け取れていない」といった状況であれば、早めに専門家へ相談されることをおすすめします。
当事務所は離婚問題に豊富な実績があり、養育費の算定から公正証書の作成、不払い時の回収対応まで幅広くサポートしています。全国どこからでもご利用いただける無料相談を実施しておりますので、養育費についてお悩みの方はお気軽にご相談ください。






