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【事例】離婚に関する協議が進行せずお困りの方から相談をいただきました

相談者 30代・女性

30代の女性から離婚問題についてご相談を受けました。

具体的な相談内容は以下のとおりです。

■相談前

夫と別々に暮らすようになってから2年ほどが経過していました。
どちらかが不倫したわけではありませんし、嫌い合うようになったわけでもありません。最初の頃ほどではありませんが、愛情もあるつもりです。
ただ、何と言いますか、「それでも一緒に生活できるような状態ではない」と互いに判断したのです。

子どもは2人いて年齢は3歳と4歳です。
どちらの子どもも夫のところで生活していました。

2人とも保育園に行く年齢ですが、もちろん夫はきちんと通わせており、その辺りに関して私としても全く不満はありません。
その他、夫と話したり子どもと色々聞き出してみたりした限りでは、2人とも何不自由なく生活することができているようです。

こう言ってしまうのは心苦しいですが、別居する前は様々な事情によって、子どもにも多少辛い思いをさせていたと感じるので、別居したこと自体は子どもにとってプラスになったのではないかと思っています。

そして、夫の気まぐれでたまに私のところに(夫と一緒に)子どもが私のところに来るという形でした。

たまに私のほうから「子どもに会いたい」と夫に相談することもありましたが、私から主張した場合は絶対に認めてもらえませんでした。
それでも最初のうちは食い下がっていましたが、いずれ「頼めば頼むほど意固地になる」と分かり、私から頼むことはしなくなりました。

なんとなく「俺の気分で子どもと会わせるかどうかを決める。俺がコントロールしているんだ」とアピールしているのではないかと感じていました。
まあ、その気持ちは分からないではありません。

ちなみに、子どもは2人とも私の事を好きでいてくれているようであり、
夫がふと食事中に席を外したときに、2人で「大きくなったら、お父さんに頼んでもっと会いに行くね」と言ってくれたこともあります。

率直に言って、子どもには私のそばで暮らしてほしいという気持ちがありましたが、経済面や世間体など色々なことを考慮して、状況を受け入れていました。

ただ、とにかく別居しており通常の夫婦関係でないことは明らかだと確信していたので、離婚の相談をすることにしました。
離婚しても折り合いをつけて生活している男女(と子ども)はいますし、私達もすぐには無理かもしれませんが幸せになると感じたからです。

「私から離婚の話を切り出せば、夫も喜んで応じてくれるだろう」と予想していたのですが、「はい」とも「いいえ」とも言わず、なんとなく有耶無耶にされるばかりでした。
意外な反応だったので困惑しましたが、引き下がってもどうにもならないと思い、何度か夫に連絡を入れました。
しかし、いつしか電話に出ることもメールの返信をすることもなくなりました。

そして、「LINEを見ないということはないだろう」と思い、「○日の○時に△△(待ち合わせ場所)にいるので来てください。大事な相談です」と何度か強引に話し合いの場を設けようとしたこともあります。

ですがそれにも全く応じないので、夫の自宅に押し掛けてみましたがどうやら居留守を使われてしまったようです(複数回)。

このままでは埒が明かないですし、もしも夫に離婚をする気がないのであれば、それはそれでこちらも相談に応じるつもりではあります(もしそうだとしても夫から言ってくれなければ分かりませんが)。

そこで弁護士さんに相談することにしました。
「とにかく相手が反応してくれない」というケースがどのように扱われるのかは分かりませんが、評判のいい弁護士さんを探して頼ることにした次第です。

※これらの内容は個人を特定できないよう、
相談者の承諾を得て編集し載せております。
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■相談後

まずびっくりしたのは、「2年別居している程度では絶対に離婚できるわけではない」と言われたことです。一般的な感覚からすれば「2年も別々に生活するのは異常」と言えると思いますが、だからといって離婚まで可能なわけではないんですね。
自分の常識だけでものを考えるのはやめようと思いました。

本題に入りますが、弁護士さんと相談してまずは、
「離婚調停の申し立てを行い、それも無視するのであれば訴訟すると提示する」という方法を取ることになりました。

あとは、「私の方から離婚請求を行う」という形にしました。
そうすれば、「夫としての世間体があまり悪くならないので、認められやすいから」という事でした。
まあ、夫が動きやすいようにこちらが歩み寄っていく形ですよね。

親権に関してですが、できれば私が獲得したいと思っていましたが、あまりにも調停などが長引くようであれば、夫に譲ってもいいと考えていました。
子供2人は私に愛情を向けていてくれていますし、親権にこだわる必要はないと感じたからです。

このような方針で動き出したところ、夫はあっさり調停に出席してくれました。

夫としては、親権を獲得したら子供と私は面会させないつもりだったようでした。
ですが、裁判所の介入もあって「面会交流可能。制限なし」という事でまとまりました。
これは私にとっては最高の結果ですね。子どもにとってもそうだと信じたいです。

「親権にこだわるつもりはない」と言っても、面会は今まで通りか、それ以上にできるものと考えていました。
そのため、徹底的に争うつもりしかないのかもしれないと一度は感じましたので、最終的にこのような形でまとまって良かったです。

夫としても何か思うことがあったのか、最近では私が子供と会う頻度を増やしてくれました。まあ、子ども2人ももう3歳と4歳であり当然自我もありますので、私に会いたいとせがまれれば断ることはできないという事なのでしょうか。
その辺りの真意はまだ分かりませんが。

もっと泥沼になるかと思いましたが結果的には
「夫が反応してくれない→私が弁護士に相談→夫が調停に出席→速やかに話がまとまる」という形で終結しました。
今振り返ってみると本当にあっさり離婚できました。
正直なところ精神的にかなり疲弊していたので助かりました。
ありがとうございました。

※これらの内容は個人を特定できないよう、
相談者の承諾を得て編集し載せております。

■弁護士からのコメント

今回のように、単純に「話し合いが嫌で避け続ける」という人は案外多いです。
本件の相手方の男性のように、経済力のある大人が本気を出せばそれなりに逃げ続けることができてしまいます。ですから、深追いしても意味がありません。泥沼化する前に弁護士に相談するなどして、具体的なアクションを取るのが得策です。

最悪なのは、その「深追い」をし過ぎてストーカー扱いされてしまう事ですので気を付けてください。感情的になって相手を追い詰め過ぎてしまえば、逆にこちら側が窮地に立たされてしまってもおかしくないのです。

そして、相手方に話し合いに応じてもらうためには、「相手にとって都合の良い状況」を作るのがポイントです。ただしその際、こちらが不利になるような譲歩をし過ぎては本末転倒ですから気を付けなくてはなりません。

以上のような事に気を付けて相手方を話し合いの場に引き込むことができれば、そこからは話が迅速にまとまることも少なくないと言えます(本件ほどスムーズに進むケースは珍しいですが)。

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