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【事例】多数の情報商材業者と契約してしまった女性からのご相談

相談者(70代・男性)

多数の情報商材業者に金銭を支払った女性からのご相談
具体的な相談内容は以下のとおりです。

■相談前

私はもう70代となりましたが、孫に教えられてインターネットを利用しています。
最初は自分にはこんなものを使いこなせないと思いましたが、結局のところ基本的な使い方はできるようになりました。

最近、ツイッターを始めてそれが一つの生き甲斐となっておりました。
孫のツイッターアカウントと相互フォローになっています。

しかし、ある日特に宛てもなくネットサーフィンをしていたところ、突然意図せぬ画面が表示されました。
画面には「おめでとうございます。あなたは当選しました。当情報商材を99パーセントオフで購入する権利を差し上げます」というメッセージが出ていました。

私は「遊園地などの来店○○人目に豪華プレゼント」のようなものかと思い、この幸運を逃さないようにと、必死に画面に表示されている解説文を読みました。

内容をまとめると、

・初月1日1時間、2カ月目以降は1日10分の作業でOK
・初月20万円、2カ月目以降は200万円の利益が出る
・成功率98パーセント、ただし目標金額の半分以下しか稼げていない人は0パーセント

というものでした。
そして「購入者の声」として、この情報商材を絶賛するレビューがたくさん掲載されていました。

さらに、「200万円→2万円」という大きな文字が。
私は「本当に99パーセントオフになるのか!」と驚き、即座に購入しました。

そして、情報商材のファイルが私のメールアドレスに届きました。
パソコンのファイルを開いた事がなかったので少し苦戦しましたが、なんとか確認することができました。

しかし、情報商材を読んでみて自分でも驚いたのですが、内容がほとんど分かりません。
パソコンやインターネットに慣れている若い世代の方であれば理解できるのでしょうか。

それでもしばらく粘って色々調べてみましたが、やはりちんぷんかんぷんでした。

ただ、そうは言ってもせいぜい2万円の出費です。
ですから、「もうインターネットで買い物をするのはやめよう。今回のことは忘れよう」と考えることにしました。

ですがその数時間後、登録したメールアドレス宛に大量のメールが届きました。
そのうちの一つは「最初にお送りした教材の内容を補足する教材」というもので価格は5万円程度でした。
私は「やはり2万円などという美味い話はなかったか」と思い、その補足教材を購入してしまいました。

残りのメールも全部開いてみましたが、ほとんどが教材を宣伝してくるものばかりでした。
メールの量自体が多すぎたので混乱しましたが、それぞれ10万円以下だったので、全て購入してしまいました。

しかし、それから数日経ってもメールの受信が止まりませんし、どの教材を読んでも内容がさっぱり分かりませんでした。
その段階になってようやく返金申請をしようと思ったのですが、ほとんどの教材に申請方法が載っていませんでした。

そして冷静になって分かりましたが、合計で150万円ほど、20を超える業者の情報商材を買ってしまっていました。
一つ一つの料金がそれほど高くなかったので、いつの間にか購入してしまっていました。
実際、それぞれの情報商材を買うときには「案外安いものだな」と感じていたくらいです。

貯金はありますので、率直に言ってそこまで危機的な状況に陥ったわけではありません。
ですが、この先もメールが届き続けるのは困ります。
それに、泣き寝入りしてしまうとこのまま自分が老いて枯れていくような気がしたので、弁護士さんに相談することとしました。

※これらの内容は個人を特定できないよう、
相談者の承諾を得て編集し載せております。
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■相談後

弁護士さんであれば一括でスムーズに問題を解決できるのかと考えていましたが、そうではありませんでした。

まず、弁護士さんに
「1社1社優先順位を決めつつ、個別に解決していくことになります」
と言われました。

確かに冷静に考えれば、別々の業者なのですから一括でどうにかできるはずがありませんよね。
ある程度協力しなければならないと思っていましたが、メールの受信履歴や情報商材代の振込履歴をお見せするくらいしか、私が行ったことはありませんでした。

つまりは、「私は一括で弁護士さんに依頼したが、弁護士さんは個別に作業した」ということですね。私はずいぶん楽をさせていただきました。

一つ一つ対応していただいたので、かなり大変だったと思われます。
ありがとうございました。
結果としては150万円中、130万円以上を取り戻すことができました。
「半額でも戻ってくれば万々歳」と考えておりましたので、本当に嬉しい限りです。

それまでは黙っていたのですが、問題が解決してから今回の件について孫に話したところ、物凄く怒られてしまいました。
「こんなものに騙されるなんて信じられない!」と。
優しい孫がここまで怒ったのは初めてです。

そして、今では「私がパソコン・インターネットを使うときは孫に見てもらう」というルールができました。
最初だけは怒っていましたが、現在は嫌な顔一つせずにサポートしてくれます。本当に優しい子です。

孫に「とにかく何があっても絶対にお金を振り込むな」と言われましたので守ります。

また、孫が「怪しい商品のサイトには、嘘の口コミがたくさん載っているのが普通なんだよ。ヤラセだよ、ヤラセ」と言っていました。
確かに今冷静に考えてみれば不自然に絶賛していましたし、「本当にこういう感想があった」という証拠もありませんよね。

※これらの内容は個人を特定できないよう、
相談者の承諾を得て編集し載せております。

■弁護士からのコメント

情報商材詐欺に関してですが、「メールアドレスを登録する→他の企業からも大量にメールが送られてくる」という事態になりやすいので気を付けてください。
混乱して判断能力が鈍ってしまうと、「普段であれば絶対に買わないような情報商材」でも次々に買ってしまうかもしれません。

さて、大変失礼ながら依頼者様はお年を召しており、「一般的なレベルの判断力があった」とは言えない状態でした。
そのため、ほとんどの作業を当職が行いました。

依頼者様がおっしゃるとおり、まずは1社ずつ情報の取得・整理をしました。
この段階で、「別企業を装っている同一企業」もいくつかありました。

そして優先順位の決定。
スピーディーに決めることができたと自負しております。

さらに、

・錯誤無効
・詐欺取消
・消費者契約法
・特定商取引法

などなど、それぞれの要素に関して問題がないかどうか検証を行いました。
(返金する必要があるレベルの問題がある業者がほとんどでした)

そして、代金返金や契約解除の弁護士レターを各企業に送りました。
また、クレジットカード企業への決済停止要請も行いました。

これにより、150万円中130万円以上を取り戻すことができたという次第です。
(残りの20万円に関しては、業者側に法的な落ち度がなかったために返金させることができませんでした)

さて、「多数の業者に引っ掛かってしまったけれど、弁護士にきちんと対応してもらえるのだろうか」と心配されている方もいるかもしれません。
ですが、私もそうですが「一括でご相談いただければOK」というシステムにしている弁護士が少なくありませんので、ご安心ください。

「一つ一つ別の弁護士に任せたほうが時間短縮になるのでは」と感じるかもしれませんが、弁護士費用がかさみますし、依頼者様の負担が非常に大きくなりますので推奨しません。

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