【東京地裁】個人再生の費用・流れ・書式|弁護士が解説

東京地裁で個人再生を申し立てる場合、全件で個人再生委員が選任されるなど、他の地方裁判所にはない厳格な運用が行われています。そのため、弁護士への依頼が原則となり、費用も期間も一般的な地裁より多くかかる傾向があります。

「東京都内に住んでいるけれど、個人再生の手続きはどう進むのだろう」「費用や期間はどれくらいかかるのだろう」とお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、東京地裁における個人再生手続きの特徴や流れについて、以下の内容を解説します。

  • 東京地裁の3つの特徴(弁護士依頼が原則・個人再生委員の選任・履行テスト)
  • 裁判所への費用と手続き期間
  • 手続きの流れと必要書類
  • 東京地裁の管轄区域(本庁と立川支部)

なお、東京地裁での個人再生について早急に対応したいとお考えの方は、この記事をお読みいただいた後、全国どこからでもご利用いただける当事務所の無料相談をご検討ください。

東京地裁での個人再生の3つの特徴

個人再生の手続きは地方裁判所ごとに運用が異なりますが、東京地裁は全国的に見ても特に厳格な運用が行われています。

東京地裁における個人再生の手続きは、基本的に小規模個人再生の流れと同様ですが、以下の3つの点において特徴的です。

  • ①弁護士への依頼が原則
  • ②全件で個人再生委員が選任される
  • ③履行テストが実施される

①弁護士への依頼が原則

東京地裁では、個人再生の手続きに関しては、原則として弁護士を代理人とする必要があります

申立人個人で行うこともできますが、裁判所への費用が増えるなど不都合が発生します。また、司法書士が関与している場合でも、基本的には本人申し立てと同様の扱いをされるため、弁護士への依頼が原則と考えたほうがよいでしょう。

②全件で個人再生委員が選任される

東京地裁で個人再生を申し立てる場合、全件において個人再生委員が選任されます。これは、弁護士が代理人となっている申し立てでも同様です。

このため、裁判所に納めなければならない費用が、最低でも15万円は増えることになります

③履行テストが実施される

東京地裁では、個人再生委員への報酬を分割して予納するシステムが採用されています。この分割予納を履行テスト(「履行可能性テスト」ともいいます)として、個人再生手続き後に始まる債務の返済が可能かどうかの判断材料としているのです。

このテスト期間は、申立人に毎月きちんと返済することを学習させるという意味から、「トレーニング期間」とも呼ばれます。

東京地裁での個人再生にかかる費用

東京地裁で個人再生する場合、弁護士など専門家への費用に加えて、裁判所への費用が必要になります。

東京地裁で個人再生する場合に裁判所へ納める費用は、以下のとおりです。

費用項目 金額 備考
申し立て手数料 1万円 収入印紙として納付
予納郵券 1,600円程度 書類送付用の切手
予納金(官報公告費) 1万1,928円 官報での公告費用(3回分)
個人再生委員への報酬 15万円〜25万円 弁護士代理:15万円/本人申立て:25万円

弁護士が代理人として申し立てる場合は個人再生委員への報酬が15万円で済みますが、司法書士に依頼した場合や本人申し立ての場合は最低25万円が必要となります。この報酬は、履行テストで積み立てる金銭から充当されます。

手続きにかかる期間は約6か月

東京地裁で個人再生が行われる場合、申し立てから手続きが終了するまでの期間は、他の地裁よりも長くなる傾向があります。

一般的な地裁では約4〜5か月程度ですが、東京地裁では6か月前後となります。これも、東京地裁における個人再生手続きが厳格に運用されていることを表しています。

東京地裁での個人再生の流れ

東京地裁では、個人再生の標準スケジュールが公開されています。主な流れは以下のとおりです。

  1. 個人再生委員の選任(申し立て即日)
  2. 個人再生委員との面談(1〜2週間以内)
  3. 意見書の提出と開始決定(3〜4週目)
  4. 履行テストの実施(1〜2か月)
  5. 再生計画案の認可(25週目)

①個人再生委員の選任(申し立て即日)

東京地裁では、個人再生の申し立てがなされた場合、その当日に個人再生委員が選任されます。申し立て当日に選任されることで、手続きの迅速化が図られています。

②個人再生委員との面談(1〜2週間以内)

個人再生委員は選任後早い段階で、申立人と面談します。個人再生委員は弁護士の中から選任され、申立人の財産や収入などについて質問を受けることになります。

面談時間は通常30分前後で、長くても1時間程度です。

③意見書の提出と開始決定(3〜4週目)

個人再生委員は、面談での調査結果などを考慮し、裁判所に対して個人再生開始決定の可否に関する意見書を提出します(3週目)。

裁判所は、この意見書を参考に個人再生の開始決定を判断します(4週目)。この決定により、個人再生は本格的に手続きが開始されます。

④履行テストの実施(1〜2か月)

開始決定後、個人再生委員は申立人に対して履行テストの実行を指示します。履行テストは個人再生委員が主導して行われます。

⑤再生計画案の認可(25週目)

申し立てから6か月程度が経過すると、個人再生委員は履行テストの結果などに基づき、裁判所に対して再生計画案の認可の可否に関する意見書を提出します(24週目)。

裁判所は、この意見書を参考に再生計画案の認可を判断します(25週目)。特に問題がない限り、通常は認可されます。

東京地裁での個人再生に必要な書類

東京地裁に個人再生を申し立てる際の書式は、日弁連が公表している「東京地裁モデル」が利用されています。以下のホームページからダウンロードできます。

参考:個人再生手続の各種参考書式-東京地裁モデル

裁判所へ提出する書類

個人再生の申し立てに際して裁判所に提出する主な書類は、以下のとおりです。

  • 再生手続開始申立書:個人再生の手続きを始めるための申立書。弁護士に依頼した場合は専門家が作成してくれます。
  • 収入一覧および主要財産一覧:毎月の給与額やボーナス、現金、生命保険の解約返戻金、退職金の見込み額(8分の1の額)、不動産の評価額などを記載。最低弁済額の算定ベースになることもあります。
  • 債権者一覧表:借金の相手業者や債務額などを記載。
  • 住民票の写し:原本を添付。裁判所が管轄の有無を判断するために使用します。
  • 報告書と財産目録:過去10年間の職務経歴、個人再生に至った事情、過去7年以内の自己破産・給与所得者等再生・ハードシップ免責の有無などを記載。
  • 給与明細:最新2か月分とボーナス分を提出。
  • 源泉徴収票:過去2年分を提出。
  • 家計収支表:最新2か月分を提出。
  • 退職金の見込み額を証明する書類:会社の就業規則など、現時点で退職した場合の退職金額を証明する書類。
  • 銀行通帳のコピー:過去2年分を提出。
  • 債権調査票:債権者に対して、法律上正当な債務額を記載。

個人再生委員に提出する書類

東京地裁では個人再生委員が必ず選任されるため、個人再生委員への提出書類も必要です。

基本的には裁判所に提出する書類とほぼ同一ですが、住民票の写しについてはコピーでも大丈夫です。

東京地裁の管轄区域

東京都内に住所のある人が個人再生する場合、手続きは原則として東京地裁で行います。東京地裁には本庁と立川支部があり、住所地によって管轄が分かれています。

本庁(23区・島しょ部):千代田区の霞が関に所在。23区内および島しょ部(八丈島などの離島)に住んでいる人が利用します。

立川支部(多摩地区):立川市に設置。多摩地区の市町村に住んでいる人が利用します。

東京で個人再生をお考えの方へ

東京地裁での個人再生は、弁護士への依頼が原則となっており、全件で個人再生委員が選任され、履行テストも実施されるなど、他の地方裁判所と比べて厳格な運用が行われています。そのため、費用も期間も一般的な地裁より多くかかる傾向があります。

しかし、弁護士に依頼すれば個人再生委員への報酬は15万円で済みますが、司法書士に依頼した場合や本人で申し立てた場合は25万円が必要となります。東京地裁での個人再生を成功させるためには、実績のある弁護士への依頼が重要です。

借金の返済が苦しく、個人再生を検討しているものの「手続きが複雑そうで不安」「費用がどれくらいかかるか心配」という方もいらっしゃるかと思います。一人で悩まず、まずは専門家にご相談ください。

当事務所は債務整理に注力しており、個人再生の実績も豊富です。全国どこからでもご相談いただける無料相談を実施しておりますので、東京地裁での個人再生についてお悩みの方は、お気軽にご連絡ください。