血族とは?親族や姻族との違い【色分け家系図ですぐわかる】

監修:弁護士 小師 健志(弁護士法人若井綜合法律事務所 パートナー弁護士・東京弁護士会所属)

婚姻、相続などの場面で必ず出くわす言葉が「血族」です。

血族とは「血縁関係にある人」などという漠然としたイメージをお持ちの方がいるかもしれません。しかし、血族とは必ずしも血が繋がっている人に限りません。逆に、血が繋がっていても血族ではない人もいます。

このように、法的な意味での血族と一般的にイメージされる血族との間には若干のズレがあるかもしれません。

また、相続の場面においては、「姻族」「親族」といった紛らわしい言葉も頻繁に目にすることも多いでしょう。

そこでこの記事では、遺産相続問題に強い弁護士が以下の3点を中心にわかりやすく解説していきます。

  • 血族とは
  • 血族と姻族・親族との違い
  • 血族の分類

血族の意味や分類について知るとともに、姻族や親族についてもまとめて理解しておきたい方は是非最後まで読んでみて下さい。

なお、相続人の範囲や相続の手続きについてお悩みの方は、この記事をお読みいただいた後、全国どこからでもご利用いただける当事務所の無料相談をご検討ください。

血族とは

血族には自然血族と法定血族の2種類があります。

⑴ 自然血族

自然血族とは、生物学的な血縁関係にある血族をいいます。たとえば、父母・祖父母・子・孫・おじおば・兄弟・甥姪・いとこ、などがその典型です。一般的に「血縁者」といわれる場合、自然血族を指すことが多いと思います。

自然血族の関係図

なお、生物学的な血縁関係にある場合でも血族関係が認められない場合があります。それが、「父と非嫡出子」の場合です。

非嫡出子とは、法律上婚姻関係にない男女の間に生まれた子どものことをいいます。この場合、父と子(非嫡出子)との間には生物学的な血縁関係はありますが、法律上は血族関係があるとはいえないのです。血族関係があるというためには、子を自分の子とするための認知の手続を経る必要があります。なお、母と非嫡出子とは血族関係にあります。

嫡出子・非嫡出子の違いや認知の手続きについては「嫡出子とは?非嫡出子との違いやメリット・デメリットを解説」で詳しく解説しています。

⑵ 法定血族

法定血族とは、生物学的な血縁関係はなく本来であれば血族関係はないとされるものの、法的に血縁関係があるとされる血族をいいます。法定血族(関係)は、「養親と養子」、つまり、養子縁組をした場合にのみ成立します。

親族・姻族とは?血族との違い

血族と似た言葉として「親族」があります。皆さんが使う「親戚」に近い意味ですが、厳密には民法という法律で親族の範囲がきちんと規定されています。

言葉だけだと親族・血族・姻族、と頭がこんがらがってしまうと思いますので、以下に家系図を載せておきますので、文章を読み進めながら家系図を見ると簡単に理解できるようになっています。

本人から見て、

  • 長方形の枠内は【親族】
  • 青色文字は【血族】
  • 赤色文字は【姻族】
  • ①~⑥の数字は【親等数】

を表しています。

親族図

⑴ 親族とは

親族の範囲は民法725条で規定されています。

(親族の範囲)
第725条 次に掲げる者は、親族とする。
一 六親等内の血族
二 配偶者
三 三親等内の姻族

出典:e-Gov法令検索

つまり、親族とは民法725条1号から3号にあたる人、ということになります。

なお、「親等(しんとう)」とは、自分から見た親族関係の遠近を示す単位のことをいいます。自分から見て近い人から1親等、2親等、3親等・・・・と表現します。たとえば、自分から見て両親は1親等です。祖父母は親の親ですから2親等です。兄弟姉妹は2親等と考えます。したがって、自分の兄弟姉妹は2親等ですが、親の兄弟姉妹、つまりおじ・おばは3親等(=1親等(親の親等)+2親等(兄弟姉妹の親等))です。

親等の数え方や親等早見表については「【親族図や親等早見表でわかりやすい】親族の範囲や親等の数え方」で詳しく解説しています。

そして、こうして計算された6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族が親族(民法725条)ということになります。

【6親等内の血族の例】
自分の両親(1親等)
自分の祖父母(2親等)
自分の子(1親等)
自分の孫(2親等)
自分の兄弟姉妹(2親等)
自分の兄弟姉妹の子(おい、めい)(3親等)
自分の両親の兄弟姉妹(おじ、おば)(3親等)
自分の両親の兄弟姉妹の子(いとこ)(4親等)

⑵ 姻族とは

姻族とは、①自分と他方配偶者の血族、②自分の血族の配偶者をいいます。

分かりやすくいうと①は、自分がもともとは赤の他人だった妻(あるいは夫)と結婚したことによって、その妻(あるいは夫)と血族関係にある人と顔見知りになった、という場合です。②は、自分ではない別の血族の人(たとえば兄弟姉妹)が赤の他人と結婚してその人と顔見知りになった、という場合です。いずれの人とも自分とは生物学的な血縁関係が認められない点が血族と大きく異なります。それでも「3親等内の姻族」は親族とされているのです。

家系図からすると、主に以下の方が「3親等内の姻族」にあたります。

【3親等内の姻族の例】
自分の配偶者の両親(1親等)
自分の配偶者の兄弟姉妹(2親等)
自分の兄弟姉妹の配偶者(2親等)
自分の親の兄弟姉妹(おじ・おば)の配偶者(3親等)

⑶ 血族との違い

以上より、「血族」、「姻族」は親族の中の一部ということがお分かりいただけると思います。したがって、血族と親族、姻族と親族は意味として重なる部分があります。他方、⑵のとおり、姻族と血族は全く異なるものです。

血族の分類

血族は直系と傍系、尊属と卑属に分類することができます。

⑴ 直系と傍系

直系とは、自分から見た上下の系列のことです。

他方、傍系とは自分から見た兄弟姉妹など、上下ではなく横の系列のことです。直系血族の例、傍系血族の例を以下に挙げています。直系血族も傍系血族も血族であることにかわりませんから、6親等内であれば親族です。

【直系血族の例】
自分の両親(1親等)
自分の祖父母(2親等)
自分の子(1親等)
自分の孫(2親等)
【傍系血族の例】
自分の兄弟姉妹(2親等)
自分の兄弟姉妹の子(おい、めい)(3親等)
自分の両親の兄弟姉妹(おじ、おば)(3親等)
自分の親の兄弟姉妹の子(いとこ)(4親等)

直系血族と傍系血族という言葉は、たとえば近親者間の婚姻の禁止に関する規定(民法734条)に出てきます。それによると、「直系血族又は3親等内の傍系血族の間では、婚姻することができない」(同条本文)とされています。したがって、自分と自分の子(直系血族)とは婚姻(結婚)できません。また、自分とおい、めい(3親等の傍系血族)とは婚姻できませんが、いとこ(4親等の傍系血族)とは婚姻することができます。

なお、直系血族、傍系血族があるのですから、同じように直系姻族、傍系姻族もあります。たとえば、自分の配偶者の両親(1親等)などが直系姻族、自分の配偶者の兄弟姉妹(2親等)などが傍系姻族にあたります。

⑵ 尊属と卑属

尊属とは、自分から上の世代にある血族をいいます。他方、卑属とは自分から下の世代にある血族をいいます。では、同世代はどうかというと尊属でも卑属でもありません。また、尊属、卑属は血族だけにしか認められない区別です。したがって、直系(尊属・卑属)、傍系(尊属・卑属)という場合はすべて血族のことを意味しています。それぞれの例を以下に挙げています。

【直系尊属の例】
自分の親(1親等)
自分の祖父母(2親等)
【直系卑属の例】
自分の子(1親等)
自分の孫(2親等)
【傍系尊属の例】
自分の両親の兄弟姉妹(おじ・おば)(3親等)
【傍系卑属の例】
自分の兄弟姉妹の子(おい、めい)(3親等)

直系尊属という言葉は、たとえば相続の順位に関する規定(民法889条)に出てきます。それによると、被相続人に子がいない場合は直系尊属、直系尊属もいない場合は兄弟姉妹が相続人となります。なお、直系尊属が複数いる場合は、被相続人から親等の近い者が優先されます。

兄弟姉妹が相続人になるケースや、兄弟姉妹に遺産を渡したくない場合の対処法については「独身の方が遺産を兄弟に渡したくない場合の3つの対処法を解説」をご覧ください。

まとめ

血族の意味としては自然血族と法定血族の2種類があります。6親等内の血族は親族です。姻族とは意味が異なります。

血族の種類としては直系血族、傍系血族、直系尊属・卑属、傍系尊属・卑属の6種類があり、いずれにあたるかによって婚姻や相続などに影響してきます。

相続人の範囲でお悩みの方は弁護士にご相談ください

誰が相続人になるのかは、血族・姻族・親等の考え方を正しく理解していないと判断を誤りやすいところです。「兄弟姉妹は相続人になるのか」「認知していない子に相続権はあるのか」「養子と実子で違いはあるのか」など、相続人の範囲をめぐるご相談は少なくありません。

相続人の確定を誤ると、遺産分割協議が無効になったり、後から相続人が現れてやり直しになったりするリスクがあります。判断に迷われた際は、早めに弁護士へご相談ください。

当事務所では、相続問題に精通した弁護士が、全国どこからでもご利用いただける無料相談を実施しております。お一人で悩まず、まずは初回無料相談からお気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者

弁護士 小師健志

弁護士 小師 健志(こもろ・たけし)

弁護士法人若井綜合法律事務所 パートナー弁護士/東京弁護士会所属

中央大学法学部卒業、慶應義塾大学法科大学院修了。遺産分割・遺留分・相続放棄などの相続トラブルをはじめ、慰謝料請求、不当要求対策、企業法務など幅広い分野を担当。依頼者の状況に応じた現実的な解決策の提案を重視している。

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