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【事例】児童買春罪の疑いをかけられ自白してしまった男性からのご相談を受けました

(30代・男性)

取り調べで自白してしまった男性からのご相談を受けました。
具体的な相談内容は以下のとおりです。

■相談前

私は普段から出会い系サイトをよく利用しており、今回も常連のサイトで一人の女性と出会いました。

顔を合わせる前にサイト内でやりとりをしていたときは、女性は自分のことを24歳だと言っていました。
プロフィール画面に写真も載せていましたが、確かにそれくらいに見えました。
ただし、少し加工をしているようでしたから、むしろ「20代後半~30代前半くらいでもおかしくない」と思っていました。

ですが、実際にデートをしてみると本当に24歳くらいに見えましたし、
年相応の落ち着きもあるように思えました。

真面目な結婚相談所ではなく、あくまで出会い系サイトです。
ですから、すぐに肉体関係を持ちました。

そして、行為が終わった後に事前に取り決めていた額の金銭を渡そうとしたのですが、
なぜか「じゃあ半額だけもらいます」と言われました。

私としては、むしろお金を全額受け取ってくれないほうが気持ち悪いのですが、
事情を聞いたところ、なんと「とても優しくしてくれて好きになった。真剣に交際したい」と言われてしまいました。

そのときに「なぜ半額なのか」と聞いたところ、
「お金を全く受け取らないというのも失礼だろうから」と返されました。
確かにその通りではあるのですが、それを女性側から言い出すのも何となく不思議なように思えました。

それからしばらく話をしましたが、彼女の面白い雰囲気に惹かれてしまい、
私もすっかり彼女のことを好きになってしまいました。
また、下世話な話ではあるのですが容姿がかなり整っていましたし、このような女性と交際できるのは夢のようだと感じました。

とはいえ所詮は出会い系サイトによる出会いですから、しばらく警戒は解きませんでした。
例えば、「逆にお金をくれる」などという話になったらすぐに縁を切るつもりでした。それは、あまりにも怪しすぎますよね。

また、高価な商品を買わされたり、ネットワークビジネスの勧誘を受けたりする可能性もあると考えていました。

ですが、1カ月ほど交際を続けてもそのような事は一切ありませんでした。
お互い毎日のようにラインでメッセージを送り合い、土日は二日ともデートするような勢いでした。
私も彼女もお互いにあまり遠慮をしなくなり、行為に及んだあとは「売春ごっこ」などと言って私のほうから1円だけ彼女に渡すなどして遊んでいました。

しかしある日、彼女からラインで妙なメッセージが届きました。

それは
「大丈夫!そろそろ○○(私の名前です)との遊びは終わりにするから!」
というものです。

何が何やら分からずにいましたが、その数分後には
「私は、やっぱり△△(私ではない男性の名前です)じゃないとダメだね!」
というメッセージが追加で届きました。

つまりは、
「本命の彼氏」にあの男とは別れるというメッセージを送るつもりが、間違えて私に送ってしまったという事なのでしょうね。

ただ、もしかしたら何らかの行き違いという事もあるかもしれないので、
私は冷静に「ん?どういうこと?」とだけ連絡しました。

するとしばらく経って彼女から
「ああ、浮気だよ浮気。
楽しかったでしょ?(笑)」

というメッセージが来ました。
これまで見たことがなかった口調なので驚きました。

ただ、繰り返しになりますが、
やはり所詮は出会いサイトで知り合った女性です。
交際を始めてから2カ月も経っていないという事もあり、あまり未練はありませんでした。

真剣な別れ話をするのも面倒だと思い、
「じゃあ、お互いこれで縁を切るということでお願いします」
とだけメッセージを送りました。

すると彼女から
「え、お金くれるならヤラせてあげてもいいけど?」
という返事が。

直後に私はラインで彼女をブロックし、
諸々の連絡先も消しました。

しかし、それから数日後、
警察が自宅に来て、私は児童買春容疑で逮捕されてしまったのです。

警察官の言うことが最初は全く分からなかったのですが、
何と別れた彼女は本当は14歳だったのです。

「どう見ても20代半ばくらいにしか見えなかったし、彼女も24歳だと自称していた。本当の年齢を伝えてきたことは一度もない」と主張しましたが、聞き入れてもらえませんでした。

ですが本格的に捜査が始まってから、怖くなってしまい自白してしまいました。
「否認し続けるよりも、認めたほうが罪が軽くなるかもしれない」と考えたのです。

しかし、いざ罰金宣告を受けてから後悔の念が。
何とか無罪を勝ち取りたいと思い、弁護士さんに相談した次第です。

※これらの内容は個人を特定できないよう、
相談者の承諾を得て編集し載せております。
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■相談後

弁護士さんに相談すると、すぐにどのような方針で進めていくかの説明をしてくださいました。

それは、

・取り調べに問題があったせいで虚偽自白をしてしまったと主張する
・法医学書などを活用して女性が児童には見えないことを示す
・「女児が一度も児童ですと告げなかった」と主張する

「女性が児童に見えない」というのは100人いれば100人がそう感じるレベルだと思いますので、私としても自信がありました。

ただ、私自身は「女性が児童だと告げなかった」と直接的に示すことができるような証拠を持っていませんでした。

しかし女性は、
本命の交際相手に「年齢を黙って付き合っているけど、あっさり騙せた。今度大金を巻き上げようと思っている」という内容のメッセージを送っていたそうです。
それが、「私が女性の年齢を知らなかった」という証拠になったのかもしれません。

ただ、「嘘の自白をしてしまった」というのは単なる私の落ち度であり、
それほど威圧的な取り調べをされたわけではなかったと思っていました。

しかし、睨んできたり、不必要な嫌味を言われたりはしました。

その事を弁護士さんに伝えたところ、
「十分酷い取り調べだと思いますよ」
と言われました。

そして上記の3点をきちんと示すことができたおかげか、無罪判決となりました。
本当に助かりました。ありがとうございました。

ちなみに、後から調べてみて知ったのですが、
「当番弁護士制度」を使えば、逮捕されても即座に弁護士を呼べるんですね。
普通は警察がこの事を教えてくれるそうですが、私のケースでは伝えてくれませんでした。
すぐに弁護士さんを呼んで、嘘の自白をしなければ面倒な事にはならなかった可能性が高いと後悔しています。

今ではもう、出会い系サイトを利用することは一切なくなりました。
別に利用している人を否定するわけではありませんが、やはり完全にクリーンなものだとは言えないと思いますしね。

今度はちゃんと年齢確認が行われて、真剣に交際相手を探すことができる結婚相談所などを使おうと思っています。
いずれにせよ、もう少し落ち着いてからですが。

この度は本当にありがとうございました。

※これらの内容は個人を特定できないよう、
相談者の承諾を得て編集し載せております。

■弁護士からのコメント

一度自白するとそれを覆すのは非常に難しいです。

依頼者様のおっしゃる通り、逮捕・勾留の時点ですぐに弁護士を呼び、
「年齢を伝えられなかった、年齢について嘘をつかれていた」と主張していれば、起訴される可能性は低かったと予想できます。

児童買春事件における「年齢を伝えた、伝えていない、知っていた、知らなかった」の問題については、判例を通じて検証していくことが重要です。
当職はその辺りの経験が豊富ですので、効果的な対応をすることができたと自負しております。

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