相談者(50代・男性)
相談前
初めて利用したデリバリーヘルスで,いわゆる本番行為をしてしまい,店側から500万円を請求されているという方からのご相談でした。
ご相談者様がデリバリーヘルスを利用し,プレイ中に誤って挿入してしまったことで,女性が激怒し,その場でプレイが中止され,女性が電話で店の人を呼んでしまったとのことでした。
まもなく,そのホテルに店の黒服の男性数名が到着して囲まれ,免許証や携帯電話番号を控えられた上,「女の子がとても怖がっており,警察に被害届を出すと言っている。
この場で示談すれば店側で女の子を説得する。」と詰め寄られたとのことでした。
ご相談者様が示談金としていくら必要か確認したところ,黒服の男性から「女の子は500万円必要だと言っている。」と言われたため,ご相談者様の提案で警察を呼んでもらい,事情を説明したものの,警察には対応してもらえなかったとのことでした。
その後,ご相談者様は,黒服の男性から,「被害届を出されるか,500万円を払うか」の選択を迫られ,そのまま黒服の男性とともにATMに行き,150万円を支払ってしまいました。
しかしながら,店の男たちからの請求や連絡は止まず,残りの金額を持ってこなければ家や会社に行く等との連絡があるため,すぐにでも助けて欲しいとのことでした。
また,家族があるため,家や会社に来られることは何としても避けたいということでした。
相談後
ご相談当日に受任し,同日中に弁護士から相手方に連絡を行いました。
当方より,ご依頼者様やその家族・勤務先等への直接の連絡は,方法のいかんを問わずやめることを相手方に伝えた上,相手方の金銭請求の態様が恐喝的であることを指摘しました。
その上で,既に150万円を支払っているため,女性と店舗双方とそれぞれ示談書を取り交わすよう交渉を行いました。
数回の交渉を経て,無事,店舗と女性双方との示談書を取り交わすことに成功し,相手方からご依頼者様への連絡や接触もしない旨の誓約も取り付けることができました。
コメント
デリバリーヘルスを利用し,本番をしてしまったことから,高額の金銭を要求されるケースは多くあります。
本件のように,黒服の男性に囲まれて詰め寄られ,脅されて,その場で金銭の支払いをしてしまっているケースも少なくありません。
しかしながら,せっかく高額の金銭を支払っても,手渡しであれば後日支払いの証明ができませんし,女性から宥恕を受けたわけではないため,後日警察に強制性交罪として被害届を出される可能性も残ったままということになります。
店側から,後日,「女の子がショックを受けて欠勤している」とか,「営業損害が生じた」等と主張され,追加請求をされるリスクも残ったままとなります。
また,その場で支払ってしまった金銭は,取り戻すことは極めて難しいため,注意が必要です。
風俗店とトラブルになった場合には,その場で安易や約束や支払いをせず,弁護士等の第三者を挟んで冷静に交渉していくことが肝心です。