リベンジポルノ総論と法的にできること段階別解説と弁護士ができること
女性が受ける被害- 「軽い気持ちで裸の写真を友達に送ったら、あとでそれをネタに脅迫された」
- 「彼氏に頼まれて撮ったエッチな映像が、いつのまにかネットにアップされている」
性的な画像・映像をネット上などにばらまくリベンジポルノは、被害者になってしまった女性にとっては深刻な問題です。
現に被害に遭ってしまった、もしくは被害に遭いそうになってしまったら、早めに警察や専門機関に相談しましょう。
目次
リベンジポルノとは
リベンジポルノとは、相手への嫌がらせ目的で、相手が写った性的な画像や映像を拡散する行為をいいます。
一度SNSやインターネットの掲示板でリベンジポルノが拡散されてしまうと、アダルトサイトなどに転載されてしまうおそれもあり、それこそ全世界の人が閲覧できる状態になってしまいます。
日常生活を送るのも困難になり、追いつめられる被害者も少なくありません。
リベンジポルノは隠し撮り画像を使って行われることもありますが、カップルが交際中に双方合意の上で撮影したものが使われることもあります。
二人の関係が順調なうちはよいのですが、その後関係がこじれた際に脅迫の材料として使われたり、自分を振った相手への恨みからネット上にばらまかれたりするケースもあります。
自分の性的な画像や映像を交際相手が持っている場合は注意が必要です。
被害に気づいた場合にやるべきこと
リベンジポルノの被害は被害者自身、あるいは被害者の友人・知人が気づいて発覚するケースも珍しくありません。
画像の拡散が進むと被害が大きくなりますので、被害に気づいたら早めに行動を開始することが重要です。
証拠を保全する
まずは画面のスクリーンショット、掲載先のURL、拡散したアカウントといったリベンジポルノの証拠になりうるものを集め、保存します。
被害に遭った方にとってはつらい作業だと思いますが、証拠がなければ警察も動けません。
加害者を処罰するためにも、証拠をきちんと集め、保全することが大切です。
削除依頼を出す
すでにリベンジポルノの拡散が始まってしまっている場合は、セーファーインターネット協会などに連絡し、問題の画像や映像の削除を依頼しましょう。
警察や弁護士に連絡する
リベンジポルノは悪質な犯罪行為です。
被害に遭った場合、または遭いそうになっている場合は警察にも相談しましょう。
加害者に損害賠償を請求する可能性もあるため、一度弁護士にアドバイスを求めてみるのも有益かもしれません。
リベンジポルノ被害に対して弁護士ができること
「リベンジポルノの被害にあってしまった」「元彼に、別れるなら写真をばらまくと脅迫されている」といった事情がある場合、一刻も早く対処する必要があります。
弁護士や専門機関、警察などに相談しましょう。
弁護士に相談した場合、法的知識と専門性をいかしたさまざまな支援を受けることができます。
事前の警告
まだ写真や映像を相手がインターネット上にアップしていない段階であれば、弁護士がリベンジポルノを拡散しようとしている相手に対して警告を行います。
具体的には、刑事罰の対象となること、損害賠償を請求することになると 伝え、法的根拠にもとづいて説得を行うことになります。
関係性の遮断および交渉
被害者に近づかないようにすること、さらにデータを削除することなど被害者の希望に添った内容を主張し、相手方との交渉を行います。
削除・発信者情報開示
すでに画像や映像がアップロードされている場合は、専門機関に削除を依頼します。
さらに発信者情報開始請求を行い、発信元の身元を明らかにしていきます。
加害者への損害賠償請求
リベンジポルノは民法上の不法行為にあたるため、加害者に損害賠償を請求することも可能です。
裁判外での交渉、あるいは裁判といった手段を通して、加害者に賠償金の支払いを求めていきます。
刑事告訴をする場合の被害者支援
刑事事件になった場合も、弁護士がサポートできる場面があります。
刑事告訴をする際は告訴状の作成をお手伝いするだけでなく、提出時には警察への付き添いも行います。
また裁判になった際の付き添い、マスコミ対応なども任せることが可能です。
リベンジポルノは早期対応が重要に
リベンジポルノは被害にあった女性を一生苦しめかねない卑劣な犯罪行為です。
画像・映像がネット上にアップされる前に対処できるのがベストではありますが、アップ後についても削除依頼などで対応することもできます。
「人に相談するのが怖い」「恥ずかしい」と感じている方もいらっしゃるかもしれませんが、リベンジポルノについては一刻も早く対応することが被害の拡大防止につながります。
弁護士には守秘義務があり、相談した内容は外には漏れません。
秘密厳守で対応いたしますので、一度お話だけでも聞かせていただければと思います。
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