風俗で引き抜き被害に遭った経営者がとるべき対処法を徹底解説
経営する風俗店でキャストが引き抜きされた…法的な対処をすることができるのだろうか…

風俗店経営者の方の中には、このようにお考えの方もいるのではないでしょうか。

結論から言いますと、風俗で引き抜きされた場合、損害賠償請求することが可能です。ただし、引き抜きをした者は誰か、その者と店との間でどのような契約関係があったのかなどによって損害賠償請求できる要件が異なってきます。

また、損害賠償請求をするにしても、引き抜き行為の存在やその被害を立証する必要があるため、容易に損害を回復できるとは限りません。そのため、引き抜き被害に遭わないための対策を施しておくことが今後の風俗店の運営において重要なってくるでしょう。

そこでこの記事では、風俗トラブルに強い弁護士が、

  • 風俗で引き抜きされたら損害賠償請求できるのか
  • 風俗で引き抜きされた場合の対処法
  • 風俗で引き抜きを防ぐための対策

などについて徹底解説していきます。

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目次

風俗での引き抜きとは?

風俗における「引き抜き(ヘッドハンティング、スカウト)」とは、風俗で働く女の子を他店で働くよう勧誘する行為です。

風俗業界では、引き抜き行為はタブーとされています。風俗店は、女の子を採用するための求人広告などに多額の費用を費やしています。しかも、人気のあるキャストが引き抜かれると、そのキャストを指名していたお客が根こそぎ店から離れていってしまうリスクがあります。そのため、風俗店の引き抜きは、業界では「ご法度」とされているのです。

しかし現実問題として、風俗での引き抜き行為は存在します。実際、当事務所にも、風俗店を経営されている方からの引き抜き被害に関するご相談が寄せられています。

そこでまずは、風俗での引き抜きに対して損害賠償請求ができるのかについて以下で解説していきます。

風俗で引き抜きされたら損害賠償請求できる?

風俗で引き抜きをされた店のオーナーは、引き抜きした者や引き抜かれたキャストに対して損害賠償請求することが可能です

ただし、全ての引き抜き行為に対して損害賠償請求ができるわけではなく、

  • 誰が引き抜きをしたのか
  • 従業員・キャストと風俗店の間でどのような内容の契約を交わしていたのか

などによって損害賠償請求できる要件が異なってきます。

そこでここでは、

  • 在職中の従業員
  • 元従業員
  • スカウトマン・ライバル店のスタッフ

が引き抜き行為をしたことを想定し、それぞれ損害賠償請求が可能かどうかにつきわかりやすく解説していきます。合わせて、引き抜きされたキャストに対する損害賠償請求の可否についても解説します。

在職中の従業員による引き抜きの場合は?

風俗店で在職中の従業員(キャストを除く)の多くは店と労働契約(雇用契約)を結んでいます。そして在職中の従業員は労働契約に付随した誠実義務を負っています(労働契約法第3条4項)。この誠実義務には「競業避止義務」が含まれていると解されています。

競業避止義務とは、企業に在職中の従業員や退職した元従業員が、その企業と競合する他社に就職したり、あるいは自分で会社を立ち上げてその企業と競業する業務を行うなどして、その企業の利益を不当に侵害する行為をしてはならない義務のことです。

したがって、例えば、退職予定の従業員が退職後に自分が立ち上げる予定の風俗店のキャストを確保しておくために、今現在勤務している店のキャストを引き抜く行為は競業避止義務(誠実義務)違反として違法となります。そして、違法な行為は不法行為(民法第709条)にもとづく損害賠償請求の対象となり得ます

一方、キャストには憲法第22条によって保障される「職業選択の自由」が認められているため、在職中の従業員による引き抜き行為の全てが違法になるわけではありません。具体的には、その引き抜き行為が、「単なる転職の勧誘を超え、社会的相当性を逸脱し、極めて背信的な方法で行われた場合」に限定して、違法と評価されることになります(東京地裁平成3年2月25日判決)。

そして、その引き抜き行為が社会的相当性を逸脱しているかどうかの判断にあたっては、

  • 引き抜きをした従業員の会社内での地位・待遇
  • 引く抜かれた人数
  • (キャストの)転職が会社に及ぼす影響
  • 引き抜きの態様・方法

など諸般の事情が考慮されることになります。

風俗でいえば、以下に挙げるような引き抜き行為は社会的相当性を逸脱しているという評価に傾きやすく、損害賠償請求が認められる可能性があります。

  • 風俗店の取締役や店長などの高い地位にある者による引き抜き
  • 風俗店の経営に重大な損害を与えるほどの大量のキャストの引き抜き
  • 計画性が高く、店に秘密裏に勧誘行為が行われていた
  • キャストに虚偽の情報(「この店はもうすぐ潰れる」「店長は色恋管理で複数のキャストとできてる」など)を伝えて勧誘する悪質な引き抜き

また、従業員との間で引き抜き禁止の個別の特約を設けていた場合や、就業規則で引き抜き行為を禁止していた場合には、債務不履行にもとづく損害賠償請求も可能となります。

元従業員による引き抜きの場合は?

風俗店を退職した従業員(元従業員)は上記でお伝えした「誠実義務」を負いませんので、競業避止義務も負わないことなります。

したがって、元従業員が、元勤務先の風俗店のキャストを別の店に転職するよう勧誘する行為は基本的には違法となりません

ただし、退職した後でも競業避止義務を負う特約を結んでいたような場合は、引き抜きをした元従業員に対して債務不履行による損害賠償請求をできる可能性があります。

もっとも、そのような特約が存在していたとしても、雇用関係が終了し退職した元従業員に、どこまで競業避止義務を課すことができるかどうかには慎重な検討が必要となります。実際、退職者の職業選択の自由や営業の自由に対する制限が厳しすぎるという理由から、その合意が無効と判断された裁判例は数多く存在します

そこで、従業員の退職後の競業避止義務が合理的な範囲として有効となるためには、以下のような要素がポイントとなります。

  • 退職した従業員が、役職付き地位にあったため営業秘密に触れる機会が多かった
  • 「退職後、当該風俗店の半径〇キロ以内での営業禁止」など地域限定の競業避止義務を課していた
  • 「退職後1年は競合店への就職や風俗営業を禁止」など競業避止義務の存続期間を限定していた
  • 競業避止義務を課すかわりに比較的高額な給与を支払っていたなど代償措置が講じられていた

退職後の競業避止義務の有効性についてご自身で判断するのは難しいと思われますので弁護士に相談することをお勧めします。

なお、退職後の競業避止義務につき特約がなかった場合でも、その引き抜きが「単なる転職の勧誘を超え、社会的相当性を逸脱し、極めて背信的な方法で行われた場合」には、「在職中の引き抜き」のケースと同様に不法行為に基づく損害賠償請求も可能となります。

スカウトマンやライバル店のスタッフに引き抜きされた場合は?

スカウトマンやライバル店のスタッフと、風俗店との間には、何らの契約関係はありません。

したがって、契約違反に基づく請求はできません

もっとも、多数のキャストの引き抜きや、虚偽情報を用いての勧誘など社会的相当性を逸脱する悪質な引き抜き行為については、「在職中の引き抜き」のケースと同様に不法行為に基づく損害賠償請求が可能となります。

引き抜かれたキャストにも損害賠償請求できる?

キャストは個人事業主(フリーランス)として、お店と「業務委託契約」を締結して働くことが多いと思いますが、個人事業主との間でも競業避止義務を契約書の中で合意することはでき、当事者間の自主的な判断に委ねられています。

そのため、個人事業主であるキャストについても、競業避止義務違反や秘密保持義務違反がある場合には、当該契約に基づき損害賠償請求や違約金請求ができると考えられています

ただし、お店と個人事業主との情報量や交渉力には自ずと差があることから、お店がそのような優越的な地位を濫用して不公正な取り引きを行った場合には、独占禁止法により規制される可能性もあります。

風俗で引き抜きされた場合に請求できる賠償額は?

風俗でキャストを引き抜かれたことで「逸失利益(退職者の競業行為によって失われた利益)」が生じた場合、その賠償額はどのように算出すればよいのでしょうか。

逸失利益の算出方法はさまざまなものがあり得ますが、一般的なお店の損害としては以下のように考えることができるでしょう。

引き抜きによる損害=(当該キャストの1日の平均売上ー当該キャストの取り分)×当該キャストの残勤務日数

業務委託契約書において、キャストが働く期間を限定して明記していた場合には、その期間を元に残勤務日数を算出することができるでしょう。

また、当該キャストの業務委託期間が定められてはいるものの残勤務日数を明確に算出するのが困難という場合であっても、その人の代わりのキャストが稼働するまでにかかる日数などを基準にすることができるでしょう。

さらに、新しい風俗嬢を採用するために必要となった求人広告費用や、お店のホームページに載せる写真撮影などにかかった費用についても、相当因果関係のある損害として認められる可能性があります。

しかし、期間の定めのない契約形態である場合には、損害額の立証が困難であったり、請求の相手方から金額を争われたりする可能性もあります。そのため、キャストを採用する際の業務委託契約書に損害賠償額の予定を記載しておくことが重要となります(後述します)。

風俗で引き抜きをされた場合の対処法

ここでは、実際に風俗店のキャストが引き抜かれた場合の法的対処(損害賠償請求)の方法につき順を追って解説していきます。

手順①違法引き抜きの証拠を集める

キャストの引き抜き行為は、一般的に当該キャストと第三者との間で秘密裡に行われることが多いです。したがって、ほとんどのケースでは証拠が残っておらず、引き抜きに対して法的措置が取れない可能性が高いのです。

そのため、お店のキャストが他から引き抜かれた・引き抜かれそうになっているのではないかと思った場合には、早い段階から証拠を収集・保管に動き出すことが何よりも重要なのです。

具体的に引き抜きの証拠となるのは、以下のようなものです。

  • キャストや他店からの引き抜き行為が持ちかけられたメールやLINEの履歴
  • キャストから他店に対するメールや通話の記録・録音
  • 他店からキャストに送られたメールや通話の記録・録音
  • 店外でキャストと元従業員等が会っている写真や動画
  • 引き抜き先となるお店の詳細情報 など

通常、風俗店のキャストの引き抜きによりトラブルとなる場合は、1人のキャストの引き抜きというよりは、複数のキャストが短期間の間に引き抜かれるようなケースも発生しています。

したがって、そのような損失を被らないためにも、キャスト全員の動向はチェックできる体制を整えてきましょう。キャストのLINEやメールのやり取りが把握できる場合には、引き抜き行為を立証することができます。

なお、お店と信頼関係が構築できているキャストがいれば、その人物は引き抜きの勧誘には応じませんし、他のキャストが引き抜きにあっている場合には、お店側の調査に協力してくれる可能性もあります。そのキャストのLINEやメールなどの情報を確認できれば、以下の点も明らかになる可能性が高いです。

  • 引き抜き行為を行っている第三者(元従業員)の氏名
  • 引き抜き行為を行っている競合風俗店の名前
  • 引き抜き行為を行う際の、勧誘方法や手口
  • どのような勧誘文句によってキャストの引き抜きを行っているのか

引き抜きを直接証明する資料が少ない場合でも、できるだけたくさんの証拠や資料を集めることで、全体として引き抜きの事実を推認できる可能性があります

手順②関係者に事実確認をする

引き抜き行為の証拠を収集・保全がある程度できたあとは、関係者を呼び出して事実関係を確認することも有効です

問題のキャストや関係者が引き抜き行為の事実を認めた場合には、スムーズに損害賠償請求を進めていくことができるでしょう。

さらに、証拠が不十分な場合であっても、当該キャストが引き抜き行為を認めさえすればその後言い逃れをするのは難しくなります。

引き抜きをかけられている可能性のあるキャストに対しては、以下のような事実を引き出すことがポイントとなります。

  • 収集している証拠に基づいて、引き抜きの事実を把握していること
  • キャストのLINEやメールのやり取りもつかんでいること
  • キャストとの事実関係は録音または録画しておいて事後的に言い逃れができないようにしておく

引き抜き行為の当事者であるキャストや元従業員が、事実確認の場で正直に引き抜き行の言質が取れた場合には、その事実に基づき損害賠償請求や違約金の請求に話を進めることができます。

逆に、相手方が事実を否定する場合には、客観的に引き抜きの事実を立証・推認することができる証拠をどれくらい手中に納めているのか、が重要な決め手となります。

手順③損害賠償の金額を算定する

キャストや元従業員に引き抜き行為に基づく損害賠償請求をする場合には、お店がその引き抜き行為と相当因果関係のある損害について請求することができます。

損害賠償の算定方法について、前述で解説した箇所を参考にしてください。

ただし、引き抜き行為によるお店の損失額については、立証が難しいケースもかなりあります。引き抜き後のお店の売り上げが下がったからと言って、その損失は引き抜き行為が原因とは言えない可能性が残るからです。つまり経済状況やその他要因によってお店の経営状況が悪化した可能性があります。

このように損害の立証が難しいケースに備えて、フリーランスのキャストと業務委託契約を締結する際には、競業避止義務等に違反した場合の賠償金額を予め予定しておくという対策も考えられます

手順④相手方に対して内容証明郵便で請求する

損害額を算出できた場合、これを相手方に請求していく必要があります。

損害賠償等の請求は口頭でもすることができますが、「内容証明郵便」を利用して請求するのがおすすめです

「内容証明郵便」とは、「いつ・誰から・誰に宛てて・どのような内容」の書面が送付されたのかを、日本郵便株式会社が証明してくれる一般書留郵便のことを指します。

内容証明郵便自体は現金の支払いを請求する通知にすぎませんので、これを送付したからといって請求者側の地位が好転するという性質のものではありません。

しかし、いつ・どのような請求書面を誰に対して送付したのかという事実を証明することができるため、請求した・していないという水掛け論を回避することができます。また、

内容証明郵便に記載する内容としては、以下のようなものです。

  • 請求者の会社名、所在地、連絡先
  • 相手方の名前、住所
  • 損害賠償請求をする趣旨・理由
  • 日付
  • 請求する損害賠償額
  • 支払い期限もしくは返答期限
  • 期限までに返答等がない場合には、法的措置を講じるという記載 等

記載すべき内容や書き方が分からないという場合には、弁護士に依頼して内容証明郵便を送付してもらうことも検討しましょう。弁護士から送付することで、「支払いを免れることができない」「裁判になってしまう」といった強いプレッシャーを与えることもできます。また、弁護士が代理人についてくれる場合には、これに続く交渉や訴訟についても対応を一任することができます。

手順⑤示談交渉をする

内容証明郵便の送付によって相手が話し合いに応じる姿勢を見せてきた場合には示談交渉を開始します。

交渉の結果、相手方が非を認め賠償金の支払いに応じるケースもあります。

その場合、賠償金について減額や分割を交渉してくることもあります。あまりに大きな減額や長期にわたる分割になった場合には、損害が十分に補填されないリスクがありますので、適切に対応することが重要です。

この点も弁護士に相談・依頼しておけば、依頼者の希望に沿う内容で合意を取りまとめてくれる可能性が高まります。また、法的に不備のない示談書の作成も弁護士に一任することができます。

手順⑥示談に応じない場合には、民事訴訟を提起する

相手方が、内容証明の受け取りを拒否したり、任意の話し合いに応じない場合には、民事訴訟を提起して、裁判所に請求の可否を判断してもらう必要があります

民事訴訟は、任意での話し合いとは異なり、相手方の故意、違法性、損害、因果関係などを証拠に基づいて主張・立証していく厳格な手続きです。したがって、ご自身で対応するのは手続的な負担が非常に大きくなるため、弁護士に依頼することが適切です。

風俗で引き抜き被害にあっても店がやってはいけないこと

ここで、風俗店が引き抜きの被害に遭った場合でも、店側がやってはいけない注意点があります。

それは、従業員や元従業員、キャストに対して暴行や脅迫を用いて金銭の支払いなどを請求することです。

引き抜き被害に遭った場合には店に損失が出ているため、関係者には憤りを感じているでしょうし、相手方が不誠実な態度や対応を示した場合には語気が強くなってしまう気持ちも理解できます。

しかし、相手方に殴る蹴るの暴行を働いたり、お金を払わなければ危害を加える旨を発言したりしてしまうと、こちら側が暴行・脅迫・恐喝・監禁等の犯罪に問われてしまうリスクがあるのです。

このような点に注意しておかないと、逆に相手方から告訴されて逮捕されたり慰謝料を請求されたりと無意味に紛争が拡大してしまいかねません

実際、2018年には、風俗店従業員の男ら3名が、元従業員が引き抜きをしたと因縁をつけて、八王子市の風俗店に連れ込んで1時間ほど監禁した疑いで逮捕されています。また、2021年には、名古屋でデリヘルを経営する男を含む9名が、引き抜き行為をしたスカウトマンに腹を立て、路上でスカウトマンを無理やり車に乗せて移動し、同じ名古屋市内の集合住宅内に監禁した疑いで逮捕されています。

このような事態に陥らないためにも、あくまで生じた損失を関わった人間に補填してもらうという目的のために、粛々と冷静に対応していくことが求められます。

風俗で引き抜きされないための対策

それでは風俗でキャストを引き抜かれないために店側ができる対策はあるのでしょうか。

キャストが引き抜かれてしまってから対応に追われるのでは、費用・時間・労力がかかってしまう可能性が高いため、できるだけ以下で解説するような事前の対策を講じるようにしておきましょう。

従業員・キャストとの間で不備のない契約書を交わす

まず、従業員やキャストとの間で不備のない雇用契約書・業務委託契約書を取り交わすことが重要です。

風俗店の規模によっては、口約束や簡単な書面の取り交わしだけで、十分な契約書の取り交わしをしていないこともあるでしょう。

しかし、事後的に複雑なトラブルを抱えないようにするためにも事前に正しい契約書で合意しておくことは重要です。

引き抜きを防止するためには、雇用契約書や業務委託契約書には、以下のような事項を合意しておくことが重要です。

  • 秘密保持義務
  • 競業避止義務
  • 禁止事項
  • 契約に違反した場合の損害賠償・違約金の支払い合意

利用規約に警察への通報を明記しておく

風俗店で客を装ったスカウトが出入りする可能性があります。

スカウトであることが判明した場合には、店の利用規約の中に警察に通報する旨を明記しておくことも抑止力となる可能性があります。

スカウトが違法として逮捕された過去の事例では、以下のような法律の適用がありました。

  • 職業安定法(有害業務紹介)
  • 各都道府県の迷惑防止条例
  • 刑法(偽計業務妨害) など

この中で、職業安定法(職安法)では、「有害な業務」の職業紹介や募集などを禁止しています。

職業安定法63条2号は、「公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で、職業紹介、労働者の募集若しくは労働者の供給を行つた者又はこれらに従事した者」には「1年以上10年以下の懲役」または「20万円以上300万円以下の罰金」が科される旨を規定しています。

「公衆道徳上有害な業務」は社会共同生活上守られるべき道徳を害する業務をいい、ソープランドやデリヘル・ホテヘルなどの風俗店については「公衆道徳上有害な業務」に該当する可能性が高いです

覆面調査員を雇っていることをキャストに伝えておく

また、お店で働くキャストに「覆面調査員」を雇っていることを伝えておくことも、引き抜きを防止するためには効果的です。

「覆面調査員」とは、キャストに秘密で来店して風俗嬢の接客サービスや言動をチェックする調査員のことを指し、業界によっては「忍者」や「ミステリーショッパー」と呼ばれることもあります。

キャストは誰が調査委員か分からないため、本番行為の誘いに応じたり、店の悪口・愚痴などの話題について顧客相手に話せなくなるだけでなく、引き抜きの勧誘に安易に応じることも難しくなります

引き抜きの勧誘の断り方をキャストに指導しておく

風俗嬢が引き抜きの勧誘を受けた場合には、対処法として断り方をキャストに指導しておくことも重要でしょう。

  • 「今のお店で満足しています。ごめんなさい。」
  • 「そういう話は事務所を通さないとダメなんです。」
  • 「仲良しの友達もスカウト断っていたので、私も守りたいんです。」
  • 「そういう揉めそうな話は面倒くさいので、ごめんなさい。」
  • 「スカウトの話はお店に相談することになっているので、控えてください。」

ポイントとしては、客もスタッフもストレスなく引き抜きの話題がスルーされることですが、執拗なスカウトの場合には、店側に相談するように指導しておくことが重要でしょう。

なお、店やホテル(デリヘルの場合)で勧誘をせずに、店外デートに誘ってから引き抜きにかかる手口もあります。店外の誘いに応じる女の子は店の給与に不満がある(あるいはもっと欲しい)と推測できるため、今の店の待遇よりも好条件を提示することで引き抜きに応じやすいためです。また、店外で色恋に発展させてから引き抜きをするスカウトマンも存在します。そのため、店外デートにも応じないよう女の子に徹底した指導をしておくことが重要です

スカウトマンに狙われないために写メ日記で対策をしておく

キャストが更新しているお店のSNSや写メ日記などの投稿内容を指示しておくことで、スカウトマンから引き抜きのターゲットにされる可能性を下げることができます。

なぜなら風俗嬢のスカウトマンは、店のSNSや写メ日記の更新頻度や投稿内容を参考にして、引き抜きの相手を定めているからです。以下のような特徴のあるキャストはスカウトマンに狙われる可能性があるため注意が必要です。

  • 愚痴やネガティブな内容の投稿が多いキャスト
  • 投稿頻度が少なく稼働率が低そうなキャスト
  • 投稿で顧客に対してお礼をあまりしないキャスト など

このようなキャストは店に何かしらの不満を抱えていることが多く、引き抜きのターゲットとして狙われやすいといえます。

そのため、写メ日記の投稿前に必ず店舗責任者の目視チェックを入れるなどのルールを設け、スカウトマンにつけ込まれる隙を作らないようにすることが重要です。

出勤率は高いが予約の空きが多い子には丁寧に指導する

さらに具体的なキャスト対応としては、出勤率は高いものの予約の空きが多いキャストに対して、丁寧な指導を行うことが大切です

なぜなら予約の空きが多いキャストは、他のキャストに比べて稼げていない可能性が高く、現状の仕事に満足していない可能性が高いからです。

そのような不満から引き抜きに応じてしまうリスクがあるため、稼げるように接客対応等の指導を丁寧に行うことで、キャストにも店側にもメリットが生まれてくるのです。

従業員やキャストが居心地よく働きやすい環境を整える

当然、従業員やキャストが居心地よく働きやすい環境を整備することは使用者として当然の義務です。

キャストや従業員の愚痴を拾い上げ、より良い職場環境に改善する努力をすることで、キャストも働き続けようと思う職場になるのです。

以下のような環境整備は、すぐにでも始められるものも多いため検討してみてください。

  • 待機場所:軽食やお菓子を常備/Wi-Fi環境を整備する/個人のスペースをできるだけ確保する
  • 個室:清掃や換気を徹底して清潔さを保つ/設備や備品に不足がないかチェックする
  • 給与:インセンティブ報酬などを用意してキャストのモチベーションを維持する など

引き抜きでお困りの風俗店経営者は弁護士に相談

以上、この記事では風俗の引き抜きのトラブルについて解説してきました。

風俗で引き抜き被害に遭ってから、忙しい中で対応するのは、非常にストレスやコストがかかってきてしまいます。

できるだけ引き抜き被害を事前に予防するためにも、正しい契約書の作成が必要です。

万が一、引き抜きトラブルが発覚した場合も、損害賠償請求をするのは、法律の専門家に任せるのがベストでしょう。

もし、風俗の引き抜きトラブルで損害賠償請求をご検討中の経営者の方がいらっしゃったら、風俗トラブルに精通している当事務所の弁護士に一度ご相談ください。親身誠実がモットーの法律事務所です。

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