
ヘルス嬢に本番行為を拒否されたにもかかわらず行為に及び、300万円の慰謝料を請求された男性からのご相談事例です。
- ヘルス嬢に拒否されながら本番行為をしてしまった
- 慰謝料300万円を請求され、家族や勤務先への通知をほのめかされた
- 弁護士介入により40万円の示談で解決
※プライバシー保護のため、ご相談内容の一部に変更を加えています。
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【依頼までの経緯】拒否された本番行為でトラブルに発展
相談者は、東京都内のヘルスを利用した際、以前から馴染みのある女性を指名しました。
過去にも何度か本番行為を行ったことがありましたが、その日は特に盛り上がってしまい、「中に入れていい?」と尋ねたところ、「嫌だ」と女性に拒否されました。
しかし、興奮した相談者は女性の拒否を無視し、挿入してしまいました。
女性は行為中に特に抵抗する素振りは見せなかったため、相談者は「嫌だ」と言ったのは建前だったのだろうと安易に考えていました。
ところが、店を出ようとしたところで男性スタッフに呼び止められ、「嫌がっているのに無理やりしたと嬢が泣きながら訴えている」と告げられました。
本番行為自体は事実でしたが、「無理やりしたわけではない」と強く否定しました。
しかし、男性スタッフは「バックヤードでまだ泣いている。いい加減にしろ!」と怒鳴り、相談者は恐怖を感じながら事務所に連れて行かれました。
事務所では、免許証と会社の名刺を出すよう指示され、逆らえずに従いました。
デスク上に出された利用規約には、「本番行為は禁止、違反した場合は当店の処分に従う」と記載されていました。
次に渡された「念書」には、本番を無理やり行ったことと、慰謝料300万円を支払うことが記載されていました。
相談者は支払いを拒否しましたが、男性スタッフから「じゃあ会社に請求する」「家族に連絡する」と脅され、恐怖に陥りました。
念書へのサインは拒否できたものの、家族や勤務先に知られるリスクに怯えながら、弁護士に相談することとなりました。
【依頼者の希望】会社や家族に知られず、適正な金額で解決したい
相談者の希望は、
- 家族や勤務先にトラブルが知られることを絶対に避けたい
- 300万円もの高額な慰謝料を支払わずに済ませたい
- 可能であれば穏便に示談を成立させたい
というものでした。
【弁護士の対応と結果】示談金40万円で早期解決
弁護士は、まず今回の事案を法律的に整理しました。
確かに、女性が口頭で拒否しているにもかかわらず本番行為に及んでいる点で、相談者側に重大な過失があることは否定できません。
2023年7月の刑法改正により、いわゆる不同意性交罪が新設され、
- 相手の同意がない性交行為は、それ自体で処罰対象となる
- 暴行・脅迫がなくても不同意であれば罪に問われる
という点を踏まえる必要があります。
ただし今回、
- 女性側が行為中に明確な抵抗を示していなかったこと
- 事件化を前提とした正式な被害申告がないこと
から、刑事事件化のリスクは高くないと弁護士は判断しました。
一方で、民事上は慰謝料請求される余地があり、適正金額で早期に解決すべきと考えました。
まず弁護士は、風俗店に対し、相談者の謝罪と示談の意思を正式に伝えました。
さらに、勤務先や家族への連絡があれば違法行為(脅迫や名誉毀損)に該当する旨を説明し、接触禁止を確約させました。
交渉の場で店側は当初「300万は当然だ」と強硬な態度でしたが、弁護士が、
- 不同意性交罪の構成要件に至っていない点
- 民事の示談相場は30万~50万円である点
- 「会社・家族に知らせる」と脅した行為は恐喝に該当する可能性がある点
を冷静に指摘したことで、店側も妥協しました。
最終的に、
- 慰謝料40万円で示談成立
- 免許証コピーの破棄
- 守秘義務(秘密保持)の条項を含む示談書作成
- 今後一切の請求・連絡禁止
という内容で解決しました。
示談締結後、相談者に対して風俗店や女性からの連絡は一切なく、平穏な生活に戻ることができています。
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