風俗嬢の方向け|お客の子を妊娠した場合の対処法と注意点
風俗で働いていますが、お客の子を妊娠してしまいました…どう対処すればいいのだろう…

このようなことでお悩みではないでしょうか。

本番行為に応じてしまい、ゴムが最中に外れた、お客が中出ししてしまった、あるいは本番強要されたといったことが原因で妊娠してしまい、弁護士に相談される女性も少なくありません。

そこでこの記事では、風俗での妊娠トラブルに強い弁護士が、

  • 風俗で妊娠した女性がやるべき対処法
  • 風俗で妊娠した時にお客との話し合いで注意すべきポイント

などにつき、わかりやすく解説していきます。

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風俗嬢がお客の子を妊娠した場合の対処法

交際しているわけでもなく、恋愛感情もない風俗客の子供を産みたいと考える女の子は皆無に等しいでしょう。

とすれば、中絶手術で赤ちゃんを堕ろす必要がありますが、後述するように中絶手術ができる期間は法律で定められています。つまりその期間を過ぎると出産しなくてはならないということです。

そのため、妊娠に気付いた時点で女の子は早急な対応をする必要があります。以下では、具体的な対処法につき順を追って解説していきます。

①まずは妊娠や中絶について最低限の知識を頭に入れる

後で説明しますが、妊娠トラブルを解決するにあたり、最終的にはお客との話し合いが必要です。

しかし、女の子側に妊娠や中絶についての知識が全くない状況ではスムーズに話し合いがまとまることはないでしょう。例えばお客に中絶費用を請求したとしても、「なぜ父親が自分と言えるの?中絶費用を支払わなくてはならない根拠は?」と返答されることは目に見えています。お客から受けた質問に対してある程度明確な回答ができなければ妊娠詐欺を疑われてしまう可能性も十分あります

そこで、以下の妊娠や中絶に関する知識は最低限頭に入れておくことをおススメします。

自分が妊娠した日の調べ方

普段は本番行為に応じていないが、たまたま(お手当てをはずむと言われたなど)本番行為をした場合や本番強要されたケースでは、お腹の子の父親がどのお客かを特定することはできるでしょう。

しかし、日常的に複数の男性客と本番行為をしていた場合には、父親が誰であるかを絞り込む必要があります

産婦人科で受診して出産予定日がわかっているのであれば、出産予定日から行為日を計算ツールで受精日(性行為をした日)を調べることができます。

ただしこういったツールはあくまでも「目安」が分かるだけで、確実とは言い切れません。より正確性の高い情報が必要であれば一度産婦人科の専門医に相談してみましょう。

出生前のDNA鑑定ができる時期や費用

母親の血液と父親の口腔上皮(ほっぺたの内側をこすった綿棒)があれば、子供が出生する前に父親と胎児のDNA親子鑑定をすることもできます。費用はおよそ190000円~250000円程度が相場です。

参考サイト:出生前DNA鑑定ってなに?いつからできるの?検査の「気になる」を解決! - プレママクリニック

中絶可能な時期

母体保護法という法律で、妊娠22週目からは中絶を禁止されています。つまり中絶可能な期間は、妊娠21週と6日目までです。妊娠週数を調べたい方は、妊娠週数の計算方法・自動計算ツールが便利で分かりやすいでしょう。

中絶に関する費用

  • 妊娠してから中絶するまでの間の診療費や交通費
  • 中絶前の検査費用や入院費用や交通費
  • 中絶手術の費用
  • 手術により仕事を休んだ場合の休業損害
  • 術後に後遺症が残った場合の治療費や交通費 など

なお、中絶費用の相場としては、初期中絶(妊娠12週未満)で10万円~15万円中期中絶(妊娠12週以降)では20万円~50万円となります。

中絶に関する費用の負担割合

お客との合意のもとで本番行為をして妊娠した場合は、上でお伝えした「中絶に関する費用」の半分をお客に請求できます。ただし、本番強要をされた、ゴムをつけていないにつけていると嘘をつかれていた、行為の途中で勝手にゴムを外していた、といったケースでは全額負担をお客に求めることができます。

慰謝料請求の可否

合意の上の本番行為で妊娠したのであれば、原則として慰謝料は請求できません

ただし、中絶で慰謝料が認められるケース4つ。相場と請求方法を解説でも書かれていますが、女性からの妊娠の連絡を受けたのに男性が無視をしたり、手を差し伸べる行為を一切しないなどの事情がある場合は慰謝料請求が認められることもあります。

また、本番強要された、ゴムをつけたと嘘をついて生で挿入した、行為の最中に勝手にゴムを外した、といったケースでは慰謝料請求が認められます。あくまでも目安ですが、慰謝料相場としては、50万円~、とくに暴力や脅迫でレイプされたようなケースでは100万円~300万円、多いと800万円~1000万円で示談が成立することもあります

②病院で診断書をもらう

お客に妊娠したことを伝え、妊娠週数などからそのお客が子の父親であることが高いことを説明したとしても、「口ではなんとでも言える」と返されることがあります。

そこで、事前に産婦人科で検診し、診断書をもらっておきましょう。診断書には、診断書を発行した日に妊娠〇週〇日といった記載がされていますので、それをもとに、そのお客がお腹の子の父親である可能性が高いことを説明していくことになります。

なお、エコー写真にも妊娠週数が書かれていますが、病院によっては患者名を入れていないこともあります。そのため、男性客から「他人のエコー写真かもしれない」と反論されることも考えられるため、やはり診断書をもらっておいた方が無難でしょう。

③できれば店のスタッフに相談する

素股の最中の事故や本番強要で妊娠した場合は女の子に責任はありませんので、店長やスタッフに堂々と相談しましょう

女の子は風俗店にお金を運んできてくれる大切な存在ですので、お客の行為が原因で女の子が困っている状況を知れば通常は手助けしてくれます。女の子に代わってお店がお客と電話交渉したり、話し合いの場を作るよう動いてくれることが期待できます。

ただし、店外デートや店に内緒で本番をして妊娠した場合には店に相談することは難しいでしょう。店外デートや本番行為が発覚すれば、女の子に数百万円の罰金を科すような厳しい店もあるからです。この場合は、次の「④(自分で)お客と話し合いをする」または、「⑤弁護士にお客との交渉を依頼する」のどちらかを選択する必要があるでしょう。

④お客と話し合いをする

「あのお客が子供の父親で間違いない」と確信できたのであれば、お客に連絡を入れます。

話し合いの場所・日時が決まったら、診断書を持参しましょう。

ただし、「妊娠していることが事実であることはわかったが、私が子の父親だと証明するものはなにもない。あくまでも推測に過ぎない」とお客が反論してくることは容易に想像できます。お客の言う通り、たしかに受精日はあくまでも推測ですし、その日に性的サービスをしたほかのお客が父親であることも十分あり得ます。

お客に対してDNA鑑定に協力するよう求めるのも一つの手段ですが、鑑定費用にお金がかかるうえに、鑑定に協力しなければならない法的義務もありません。つまりお客が否認する以上、女の子や店のスタッフがそれ以降の交渉をすることは難しいと考えた方がいいでしょう

⑤弁護士に依頼して交渉してもらう

女の子側が弁護士を立てることで訴訟も辞さないというメッセージがお客に伝わります。それにより、面倒ごとにしたくないという心理がお客に働くため、話し合いに応じる姿勢を見せるようになります。

しかし既にお伝えしたように、合意のある本番行為での妊娠では中絶費用を折半した額しか請求できません。弁護士費用もかかるため、費用対効果の観点から弁護士に依頼せずに泣き寝入りする女の子が多いのが現状です。

ただし、前述の通り、本番強要や行為の最中に意図的にゴムを外されたケースでは、中絶費用等に加え慰謝料を請求できることもありますので、弁護士に依頼する意味はあるでしょう。もちろん、お客に資力がないなどのリスクもあるため、弁護士に相談して今後の見通しを聞いてよく検討してから依頼すべきでしょう。

当事務所では、お客の本番強要により妊娠した場合の中絶費用や慰謝料の請求を得意としており実績があります。親身誠実に依頼者を全力でバックアップしますので、まずは当事務所の弁護士までご相談ください。お力になれると思います。

風俗嬢が妊娠した場合にお客との話し合いで注意すべきポイント

身元がわかるまではお客に連絡をしない

風俗嬢から妊娠したことを告げられるとほとんどの男性客は連絡を絶って逃げようとします。そのため、逃げられた場合でも接触を図ることができる情報、具体的には、お客の氏名や住所がわかっていない段階では妊娠したことは伏せておくようにしましょう

ここでお客の氏名や住所を知るためには、お客の携帯番号が必要です。風俗店はお客の電話番号から何を調べられるか知っていますか?に書かれていますが、弁護士や探偵であれば携帯番号から契約者の氏名や住所を割り出すことができます。デリヘルのお客であれば予約時に携帯番号を店に通知しているはずですので、店のスタッフに事情を話して教えてもらうようにしましょう。

また、お客の携帯電話のキャリアメールのアドレスやLINEのIDがわかっているのであれば弁護士照会により契約者情報の開示を求めることもできます。ただし、必ずしも開示されるとは限らないことに留意する必要があります。

また、デリヘルのような無店舗型ではなく、飛び込みも可能なソープやヘルスのような箱型風俗店については、お客の携帯番号などは一切把握していないこともあるでしょう。そのようなケースではそのお客が再び自分を指名して店に来るのを待つしかないでしょう。もっとも、その間に中絶可能期間を過ぎてしまうリスクもあるため現実的ではありません。残念ながらこのケースでは自身で中絶費用を全額負担せざるを得ないでしょう。

話し合いの際にお客を脅さない

お客が中絶費用の支払いに応じないからといって、「払わないなら会社や家に全部バラす」「不良の知り合いがいるから取り立ててもらう」などと脅せば恐喝罪が成立します。逮捕されれば10年以下の懲役刑となりますので、感情的な行動をとらないよう気を付けましょう。

風俗で妊娠しないためには

ずばり、本番行為をしないことです

本番すると客からお手当てをもらえる、本番しないと指名がつかないので稼げない、といった事情はわかりますが、妊娠して身体が傷つくのは女性です。術後はしばらくお仕事ができなくなりますし、妊娠以外にも性病に感染するリスクもあります。お客から強く求められてもはっきりと拒否するようにしましょう。

また、弁護士という立場上、多くの妊娠した風俗嬢とお話させていただく機会がございますが、お客の子とはいえやはり自分のお腹に宿った子を中絶することは精神的にもかなり辛いようです。身体だけでなく自分の心まで傷つけることもありますので、当事務所としては本番行為をしないことをお勧めします

もしどうしても本番行為をするのであれば、上記のような辛い状況を生まないためにも、徹底した避妊が必要となるでしょう。

ゴムをつけただけでも妊娠する可能性はありますし、途中でゴムが破けるなどのアクシデントもありますので、ゴムと併用して低用量ピルを飲むなどの対策も必要です。

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