
風俗嬢から突然「妊娠した」と連絡が来て、「本当に自分の子なのか」「自分が妊娠させたのなら中絶費用を全額払わなければならないのか」「家族や職場にバレたらどうしよう」と不安を抱えていませんか。
風俗での妊娠トラブルは、焦って相手の要求に応じてしまうと、際限のない金銭要求に発展するおそれがあります。まずは冷静に事実確認を行い、安易にお金を渡さないことが鉄則です。適切に対処すれば、家族や職場に知られることなく穏便に解決できるケースがほとんどです。
この記事では、風俗での妊娠トラブルの解決実績が豊富な弁護士が、次の点について解説します。
- 風俗嬢から妊娠を告げられたらまず何をすべきか
- 風俗嬢や風俗店からの不当な要求への対処法
- 中絶費用・同意書・期限の法的ルール
- 弁護士に依頼して内密に解決する方法
なお、風俗での妊娠トラブルでお困りの方は、この記事をお読みいただいた後、全国どこからでもご利用いただける当事務所の無料相談へお早めにご連絡ください。早期対応が結果を左右します。
| 誰でも気軽に弁護士に相談できます |
|
風俗嬢から妊娠を告げられた場合の対処法
妊娠を告げられた直後の対応を誤ると、後から追加請求や脅しに発展することがあります。この段階でやるべきなのは、無視も即答も避けたうえで、本当に妊娠しているのか、自分の子なのかを確かめることです。まずやるべきことと、やってはいけないことを整理します。
トラブルを長引かせない・無視はしない
法律上、中絶手術を受けられるのは妊娠22週未満(21週6日まで)に限られます。トラブルが長引いたり無視を決め込んだりすれば、最悪のケースでは風俗嬢が出産せざるを得なくなります。
風俗嬢と客という関係でしかないのに、養育費や親権、将来的には相続問題などが発生すれば双方にとって大問題です(詳しくは後述します)。妻帯者であれば、離婚に発展するおそれもあるでしょう。
そのため、話し合いをする姿勢をもち、早急に解決に向けた対応をとる必要があります。
事実確認するまでは絶対に中絶費用を払わない
話し合いをする姿勢は大切ですが、風俗嬢の要求に安易に応じてはいけません。
妊娠の事実確認もせずに中絶費用を支払えば、「早急に事態を収拾したい」と焦っているように風俗嬢の目に映ります。その結果、以下の相談事例のように、支払い後の追加請求や、支払いを迫る脅しといった二次被害に発展する可能性があります。
- ソープ嬢から「手術の影響で出勤できなくなったので休業補償をしてほしい」と言われています。
- 「中絶の影響で子供が産みにくい身体になったので慰謝料を払え」と風俗嬢に言われています。
- 同意のある本番行為であったのに、「お金を払わないと強姦されたと警察に被害届を出す」と脅迫されています。
- 「店にバレて、私が店から罰金をとられたのでその分を支払ってほしい」とデリヘル嬢から言われています。
- 「払わないなら家族や職場に全部バラす」「店長に本番行為をしたことを言いつける」と脅されています。
こうならないよう、「妊娠を確認するまではびた一文払わない」という毅然とした態度が必要です。
事実確認をするためには、
- ①産婦人科に同行して直接医師の口から聞く
- ②病院の診断書を持参させる
最低でもこの2つのどちらかについては、風俗嬢に協力してもらう必要があります。
中には、陽性反応の出た妊娠検査薬やエコー写真を見せて妊娠を証明しようとする風俗嬢もいますが、他人から譲り受けたものや、オークションサイトで手に入れたもの、あるいは偽造されたものである可能性もあります。診断書も書式をもとに偽造されることがあるため、可能であれば①の同行を目指してください。妊娠の嘘を見抜く具体的な方法については、妊娠の嘘を見抜く4つの方法と本当に妊娠していた時にとるべき対処法で詳しく解説しています。
協力を拒むようであれば、妊娠詐欺の可能性が高いでしょう。その場合も要求を放置せず、支払いを断ったうえで弁護士に相談しましょう。
中出しや避妊の有無で決めつけず、自分の子かを確かめる
本番で中に射精していれば妊娠の可能性が高いのは言うまでもありませんが、「コンドームをつけていた」「外に出した」という理由で、自分が父親であるはずがないと考える男性も少なくありません。しかし、避妊をしていても妊娠は起こり得ます。
コンドームは、破れていたり途中でずれていたり、装着の仕方が不十分だったりすると避妊効果が下がり、正しく使っても妊娠の可能性が完全にゼロになるわけではありません。膣外で射精したつもりでも、射精前に分泌される液に精子が含まれていることがあり、それによって妊娠する場合もあります。なお、コンドームの破損などによって避妊が失敗しうることは、日本産科婦人科学会の緊急避妊法の適正使用に関する指針でも前提とされています。
「避妊したから妊娠しない」「中で出していないから自分の子ではない」と即断して連絡を絶つのは危険です。実際に妊娠していて自分の子であった場合、無視を続ければ風俗嬢が出産に至り、後から父子関係を主張されて認知を求められ、養育費を負担することになるという、取り返しのつかない事態を招きかねません。
もっとも、避妊の有無だけで自分の子かどうかが決まるわけではありません。父親かどうかを確認する方法として、出産予定日や排卵日から逆算して受精日を調べるサイトもありますが、正確な受精日を特定できるものではありません。風俗嬢は多くのお客を相手にしていますので、この方法で父親を断定することはできません。
あわせて、妊娠週数の数え方も知っておく必要があります。妊娠週数は最後の月経が始まった日を妊娠0週0日として数えるため(参照:国立成育医療研究センター)、実際に受精が起こるのはそこから2週間ほど後になります。「いま妊娠◯週」と告げられた数字をそのまま性交渉のあった日に当てはめると、時期を読み違えることになります。もっとも、告げられた週数から割り出した受精時期が自分の利用日とまったく重ならないのであれば、自分の子ではない可能性を示す一つの材料にはなります。その場合は、支払いに応じる前に弁護士へご相談ください(なお、時期が重なっても、それだけで自分の子と確定するわけではありません)。
出生前のDNA鑑定という方法もありますが、風俗嬢が拒めば強制はできません。鑑定費用も10万円~25万円程度と安くはないため、現実的な方法とはいえないでしょう。父子関係を確かめる手段としては有力でも、中絶の期限が迫っている場面では、結果を待つ間に手術可能な時期を過ぎてしまうおそれがある点にも注意が必要です。
一方で、避妊具をつけたふりをするなど故意に避妊を妨げた事情があれば、のちの慰謝料の判断に関わってきます(後述します)。思い込みで動く前に、まずは妊娠の事実を確認し、やり取りを記録しておくことが欠かせません。
妊娠の事実が確認できたらどうすべきか
自分がお腹の子の父親かどうかもわからないのに費用を払いたくない、と考えるのは当然です。もっとも、妊娠が事実だと確認できたら、次に決めるのは費用の負担と手術までの段取りになります。自分が父親かどうかを完全に見極めるのは難しく、確認に時間をかけるほど選べる道は狭まっていきます。なお、中絶費用を支払っても、それだけで法律上父親と認めた(認知した)ことにはなりません。
週数の照合などで自分の子である可能性を否定できないのであれば、中絶費用は男性客が全額負担するのが最良の方法と当事務所は考えます。中絶費用の法的な負担割合については後述しますが、費用を巡る交渉が長引くとお腹の子はどんどん成長し、中絶手術が可能な妊娠22週未満の期限を過ぎてしまえば取り返しがつかなくなるからです。
ただし、単にお金を渡すだけで済ませてはいけません。風俗嬢と一緒に病院に行き、中絶したことを自分の目でしっかりと確認する必要があります。お金だけ受け取って中絶手術を先延ばしにされるケースもあるためです。
また、安易にお金を渡すと足元を見られ、相手がさまざまな理由をつけて金銭を要求してくるケースも少なくありません。そのため、遅くとも中絶費用を払うと決めた段階までに弁護士を介入させ、風俗嬢との交渉や書面の作成などを一任した方が今後のためにも安心です(後述します)。
風俗嬢とのやり取りや画像は必ず保存する
風俗嬢とのメールやLINEのやり取り、添付されたエコー写真や検査薬の画像などは、後から弁護士や警察に相談する際の重要な証拠になります。これらは妊娠の証明そのものにはなりませんが、相手がいつ何を主張したかを記録したものとして意味を持ちます。
風俗嬢の主張に嘘や矛盾がないかを検証するうえでも、やり取りの履歴は欠かせません。たとえば、妊娠の時期や中絶費用の金額、「病院で手術を受けた」といった報告内容に食い違いがあれば、妊娠詐欺を見抜く手がかりになります。こうした手口については、妊娠詐欺の手口と4つの対処法|無視してもいい?警察に相談すべき?もあわせてご確認ください。
また、「払わないなら家族にバラす」「知り合いに取り立てに行かせる」といった発言があれば、脅迫罪の証拠となり、実際に金銭を支払わされた場合には恐喝罪の証拠として、警察への相談や弁護士の交渉に活用できます。
風俗嬢とのメール・LINEのやり取り、添付画像は絶対に消さないようにしましょう。電話で会話するときは、スマホの録音機能やアプリで記録を残すことも忘れないでください。
携帯番号を教えない
携帯番号から契約者情報である氏名や住所、さらには勤務先を調べることも可能です。風俗店が電話番号からどこまで調べられるかについては、「風俗店が電話番号を聞いてくる理由と悪用の可能性を弁護士が解説」で詳しく説明しています。
風俗嬢に携帯番号を教えることで住所を割り出され、妻や子供がいる自宅に押し掛けられるリスクもあります。現時点で風俗嬢にはメールアドレスやLINEしか教えていないのであれば、やり取りは全てメールやLINEで済ますようにしましょう。
ただし、デリヘルや予約制のソープランド、メンズエステなどでは店がお客の携帯番号を把握しています。在籍する女性が店のスタッフに聞いて、そこから漏れてしまう可能性も否定できません。そのため、携帯番号から個人情報を割り出される前に妊娠トラブルの収束を図る必要があるでしょう。すでに番号を知られている場合でも、弁護士が介入し、自宅や職場への連絡・接触をしないよう相手に警告することができます。
できるだけ早い段階で弁護士に相談する
風俗嬢から妊娠を告げられた直後は、誰でも冷静な判断が難しくなります。焦りや不安から風俗嬢の言い分をそのまま受け入れてしまったり、妊娠詐欺を見抜けずに中絶費用を払ってしまったりする方は多くいらっしゃいます。
自力で交渉を進めると、風俗店の男性スタッフが加わって恫喝されたり、本来払う必要のない金銭を要求されて応じてしまったりするリスクがあります。弁護士が代理人として早い段階で介入すれば、妊娠の事実確認から金額交渉、示談書の作成まで一括して対応できるため、不当な要求に応じてしまう事態を避けやすくなります。
「まだ弁護士に相談する段階ではない」と思われるかもしれませんが、風俗での妊娠トラブルは対応が遅れるほど選択肢が狭まります。相談だけでも早めに行動することが、最善の結果につながります。
風俗での妊娠トラブルでよくある不当要求と対処法
風俗嬢や風俗店から妊娠を告げられた場合、中絶費用だけでなく、名目の異なるさまざまな金銭要求を受けることがあります。なかには、法的根拠のない請求をされたり、支払わせるために脅しをかけられたりするケースも少なくありません。当事務所に実際に寄せられる相談で多い要求パターンを、対処法とあわせて見ていきます。
中絶費用とは別に慰謝料を上乗せされる
風俗嬢から、中絶費用とは別に「精神的苦痛を受けた」として慰謝料を請求されることがあります。
双方の合意がある性行為で妊娠した場合、原則として男性側に慰謝料の支払い義務は生じません。ただし、以下のようなケースでは慰謝料の支払い義務が認められることがあります。
- 風俗嬢の同意なく本番行為を強要して妊娠させた場合
- 避妊具(コンドーム)をつけたふりをして性行為に及んだ場合や、途中で意図的に外した場合
- 妊娠が判明した後、連絡を無視したり着信拒否をしたりするなど不誠実な対応をとった場合
慰謝料請求の金額が数百万円に及ぶこともありますが、風俗嬢や風俗店が提示する金額がそのまま妥当であるとは限りません。金額に疑問がある場合も、まずは上記の例外に当てはまるのかを確認し、その場で応じずに弁護士に相談して適正額を確かめてください。
休業期間の補償を求められる
中絶手術の影響で風俗嬢が一定期間働けなくなったとして、休業補償を求められることもあります。しかし、休業補償についても、合意のうえでの性行為であれば原則として支払い義務はありません。義務が生じ得るのは、本番行為の強要や妊娠発覚後の不誠実な対応など、男性側に違法と評価される事情がある場合に限られます。
もっとも、風俗嬢や風俗店の側が実態とかけ離れた日額や休業日数を一方的に設定し、高額な請求をしてくることは少なくありません。提示された金額に根拠があるのかを含め、弁護士に相談して法的に妥当な範囲かどうか確認するのが賢明です。
風俗店から本番行為の「罰金」を請求される
妊娠トラブルが発覚したことで、風俗店が「本番行為は店の規約違反だから罰金を払え」と迫ってくることがあります。店のホームページや誓約書に「本番行為は罰金100万円」などと記載されているケースもあります。
しかし、風俗店が独自に定めた「罰金」には、刑事罰のような法的拘束力はありません。利用時に店へ誓約書を差し入れていた場合でも、そもそも店は本番行為の被害者ではありませんし、高額な罰金の定めは暴利行為として公序良俗に反し無効と評価されるのが一般的です。
風俗嬢が店から罰金を科されたとして、その分の支払いを求められることもありますが、これは店と風俗嬢の間の問題であり、お客が負担する法的根拠はありません。ただし、罰金の求償とは別に、同意のない本番行為で風俗嬢本人に精神的苦痛を与えたり怪我を負わせたりした場合などは、その範囲での損害賠償義務が発生し得る点には注意が必要です。店からの請求も、風俗嬢を通じた請求も、そのまま受け入れず、弁護士を通じて対応しましょう。本番行為を理由とする罰金に支払い義務があるのか、請求された場合にどう対処すべきかは、風俗店・デリヘルの罰金は払わなくていい?本番など4ケースと対処法で詳しく扱っています。
「周囲にばらす」と金銭を要求される
「払わないなら家族に全部バラす」「職場に電話する」といった脅し文句は、風俗の妊娠トラブルにおける常套手段です。
風俗嬢や風俗店がこうした脅しで金銭を要求する行為は、脅迫罪(刑法222条)にあたり、実際に金銭を支払わせれば恐喝罪(刑法249条)にも発展し得ます。脅迫罪は、一般に人を畏怖させるに足りる害悪を告知する犯罪で、こちらが実際に怖いと感じたかどうかを問わず成立し得ます。恐喝罪は、脅しや暴行で相手を畏怖させ、それによって金銭などの財物を交付させる犯罪です。恐喝罪の法定刑は10年以下の拘禁刑と重く、風俗嬢や風俗店の側が刑事責任を問われるリスクがあります。
こうした発言があった場合は、録音やスクリーンショットで証拠を残しておくことが重要です。弁護士に依頼すれば、相手に対して「これ以上の脅迫行為は刑事告訴の対象になる」旨の警告を出せます。刑事責任を問われるリスクを示すことで、要求が続きにくくなります。このような脅しによる金銭要求を受けている場合の具体的な対処法については、風俗・デリヘルの恐喝・脅迫|本番・盗撮などケース別の対処法もあわせてご確認ください。
「警察に被害届を出す」と迫られる
妊娠トラブルの交渉がこじれると、風俗嬢や風俗店から「レイプされたと被害届を出す」「逮捕されたくなければ金を払え」と脅されるケースもあります。
双方の同意のうえで本番行為に及んだのであれば、不同意性交等罪(刑法177条)は成立しないのが原則です。この罪が成立するのは、暴行・脅迫をはじめ、アルコールや薬物の影響、恐怖・驚愕、経済的・社会的関係上の地位による不利益を憂慮させることなど、8つの類型やこれらに類する事由による場合です。相手が同意しない意思を形成・表明・全うすることが困難な状態で、性交等に及んだ場合に成立します。なお、相手が18歳未満の場合は、同意があっても児童買春罪などが成立し得ます。
ただし、実際に被害届が出された場合は、警察から事情聴取を受ける可能性があります。その場合に備えて、行為が合意に基づくものであったことを示す証拠(LINEなどのやり取り)を保存しておくことが大切です。
相手からこうした脅しを受けた段階で弁護士に相談しておけば、万が一被害届が出された場合にも、早期に適切な弁護活動を受けられます。被害届を出されないための対応や、出されてしまった後に取り下げてもらう方法は、デリヘルで被害届を回避する方法は?取り下げてもらう方法も解説で具体的に紹介しています。
中絶費用・同意書・期限の法的ルール
風俗嬢の妊娠が事実と確認され、中絶を選択する場合、法律上のルールを押さえておく必要があります。法律事務所の立場から、特に重要なポイントに絞って解説します。
中絶の同意書にサインを求められたら
風俗嬢や風俗店から「中絶手術の同意書にサインしてほしい」と求められることがあります。
母体保護法14条(参照:e-Gov法令検索)は、人工妊娠中絶について「本人及び配偶者の同意を得て」行うと定めています。ここでいう「配偶者」とは、法律上の婚姻関係にある者や事実婚の相手を指します。
日本産婦人科医会の見解によれば、法律婚も事実婚もしていない女性の場合は本人の同意のみで中絶手術を受けることが可能であり、相手方男性の同意書は法律上必須ではありません。風俗嬢と客の関係は通常「配偶者」には当たりませんので、法的にはサインがなくても手術を受けられるケースが多いといえます。
ただし、方針として相手方のサインを求める医療機関もあり、その運用は一律ではありません。
なお、同意書にサインしたとしても、それだけで法律上「自分が父親であると認知した」ことにはなりません。中絶費用を支払った場合も同様です。認知は市区町村役場への届出(任意認知)または裁判(強制認知)によって成立するものであり、中絶の同意書へのサインとは別の手続きです。
ただし、「同意書」という表題でも費用の負担や示談の内容が書き加えられていれば、その部分は合意として扱われ、支払い義務が生じることがあります(脅されて署名させられた場合や内容が著しく不当な場合は、取消しや無効を主張できる余地があります)。署名を求められたら、手術への同意以外の条項が入っていないかを最後まで確認してください。また、同意書には氏名や住所を書いて署名するのが通常のため、相手にこれらを知られることにもなります。相手に知られたくない場合は、風俗嬢を介さず医療機関へ直接提出する方法もあります。迷うときは、弁護士に相談してから決めても遅くありません。
中絶手術には期限がある
母体保護法(参照:e-Gov法令検索)が中絶を認めているのは、胎児が母体外で生命を保てない時期に限っており、その時期は国の通知により妊娠22週未満(21週6日まで)とされています。この期限を過ぎると、法律上中絶手術を行うことはできません。
風俗嬢との交渉が長引いている間や、連絡を無視して放置している間にこの期限を過ぎてしまうと、出産以外の選択肢がなくなります。
出産に至った場合、子の側からまず認知調停を申し立てられ、話がまとまらなければ認知の訴え(民法787条)を提起されることがあります。この段階では、DNA鑑定を拒んでも認知を避けられるとは限らず、拒んだ事情が不利に評価されることもあります。鑑定で自分の子と判明すれば、裁判所の判断によって強制的に認知させられる可能性があります。認知が成立すれば養育費の支払い義務が生じ、親権や将来の相続にも関わってきます。裁判で強制的に認知が認められる流れや、認められないケースは、強制認知とは?手続きの流れ・費用・認められないケースを解説にまとめています。
こうした事態を避けるためにも、妊娠の連絡を受けたらできるだけ早い段階で対応を開始することが重要です。
中絶費用は法的にどちらが負担するのか
中絶費用の負担について、法律上の明確な規定はありません。しかし、裁判例や実務上の考え方としては、双方の合意による性行為で妊娠に至った場合、中絶費用は男女折半が原則とされています。
妊娠初期の中絶費用の相場は10万円~20万円ですので、折半であれば5万円~10万円程度の負担となります。ただし、妊娠週数が進むほど費用は高額になり、中期中絶(12週以降)になると30万円~60万円程度かかり、医療機関や週数によってはそれ以上になることもあります。
費用に差が出るのは、週数によって中絶の方法が変わるためです。妊娠12週未満の初期中絶は吸引法などの手術で行われ、日帰りで済むことが多いといえます。妊娠9週0日までであれば経口中絶薬を使う方法もありますが、この場合は薬の投与後、排出が確認されるまで入院または院内での待機が必要です。これに対し12週以降の中期中絶は、薬剤で人工的に陣痛を起こし出産と同じ経過をたどるため、数日の入院が必要になります。日本産婦人科医会も、危険度の面から妊娠11週までに手術を行うことが望ましいとしています。
もっとも、風俗嬢が金銭的に困窮しているケースでは、折半分を支払えないことも珍しくありません。交渉が長期化すれば手術可能な時期を逃すおそれがあるため、実務上は早期解決を優先して男性側が全額負担するケースも多く見られます。風俗嬢が半額を支払う姿勢を見せるのであればそれに越したことはありませんが、揉めて時間を浪費するよりも、速やかに解決する方が得策です。
いずれの場合も、中絶費用を支払う際には、それ以外の金銭は一切請求しない旨の合意を書面で取り交わしておくことが不可欠です。口約束だけでは後から「慰謝料」「休業補償」などの名目で追加請求を受けるリスクがあります。弁護士を通じて示談書を作成すれば、こうしたリスクを大幅に減らせます。
中絶に関して慰謝料が認められるケースや金額の目安は、中絶で慰謝料が認められる4つのケースと相場・請求方法を解説をご参照ください。
弁護士に相談するメリット
ここまでお伝えしてきた風俗での妊娠トラブルの対処法を一人で実行するのは、相手との力関係や精神的な負担を考えると簡単ではありません。弁護士に依頼すれば、相手とのやり取りの窓口が代理人に切り替わり、要求された金額が妥当かどうかの判断から示談書の作成までを任せられます。ここでは、依頼することで何がどう変わるのかを具体的に見ていきます。
法的な判断や今後の対応方法についてアドバイスをもらえる
ご自身で対応すると、スムーズに解決しないばかりか事態を悪化させることもあり得ます。
たとえば、風俗嬢から妊娠している証拠(医師の診断書など)の提出を拒まれたり、相場からかけ離れた不当な金額を要求されたりすることがあります。支払いを拒否すると、前述のような「家族にバラす」「警察に訴える」といった常套句で脅されたり、複数人がかりで高圧的に迫られたりすることもあります。中には、高額な示談金を支払う内容の示談書を無理やり書かされるケースさえあります。
そのため、風俗嬢から妊娠を告げられたら、ご自身で対応する前にまず弁護士に相談するようにしましょう。弁護士は、風俗嬢が要求してきている金額が妥当なのか、ご自身の行為が不同意性交等罪などに該当するのかといった法的な判断もしてくれます。これからどう行動すべきかのアドバイスももらえます。
また、弁護士は「何について支払い義務があって、いくらの支払いが妥当か」を熟知していますので、交渉を依頼すれば、不当な金銭要求を拒み、適切な金額かつより良い条件で解決を図ることができます。
風俗トラブル全般について、どこに相談すべきか、弁護士費用や解決までの流れも含めて知りたい場合は、風俗トラブルの対処法|相談から解決までの流れと弁護士費用もあわせてご覧ください。
内密・穏便に解決することができる
上記の通り、風俗で妊娠トラブルが起きると、風俗嬢や風俗店は「バラす」「逮捕される」といったお決まりの文句でお客からお金を引き出そうとします。過去には、実際に自宅に押し掛けられたり勤務先に何度も電話をされたりして、困り果ててご相談に来られた方もいました。また、警察に出頭を求められて慌ててご相談される方もいます。
しかし、弁護士に相談し、対応を依頼することで、家族や職場に知られずに内密・穏便に解決することが可能です。
弁護士は代理人として介入後、ただちに風俗嬢(場合によっては風俗店)に連絡を入れ、本人(お客)及びその周囲(家族・職場など)に連絡・接触をしてはならない旨の警告を出します。相手が警告に反する行動に出た場合は、刑事告訴・民事訴訟での法的手段も辞さないことを伝えます。
風俗嬢のお客に対する金銭請求の態様によっては、前述の通り恐喝罪にあたりますし、職場に連絡した場合には名誉毀損罪に該当し得ます。もちろん民事でも損害賠償責任を負うことになります。そのため、弁護士が介入すれば、相手にとって脅迫行為を続けるリスクは格段に高まり、多くのケースで不当な要求はそこで止まります。少なくとも当事務所の弁護士が介入した後に、家族や職場へ連絡や接触をされたケースはありません。
また、「強姦された」として警察に被害届を出されるケースにおいても、刑事事件に精通した弁護士が適切な弁護活動をすることで冤罪による逮捕のリスクを大きく下げることができます。
示談書で追加請求を断ち切れる
風俗嬢との妊娠トラブルは、お金を払った後にも起こり得ます。
- 「中絶費用を払ったのに、手術で体調を崩したので慰謝料と休業損害を払えと言われています」
- 「中絶費用にプラスして見舞金まで払ったのに、足りないからもっと払えと脅されています」
といった相談も弁護士には多く寄せられます。
一刻も早く今の状況から脱したい、お金で解決するならさっさと払って終わりにしたい、このような焦りや動揺から風俗嬢に金銭を渡してしまい、「カモ」扱いされて次々と金銭を要求されるスパイラルに陥る方も少なくありません。
この点、弁護士が介入すれば、清算条項(示談で定めたもののほかに債権債務がないことを相互に確認し、追加請求を断つ条項)や守秘義務条項(示談内容を口外しないことを約す条項)、違約金条項(示談書の内容に反した場合に違約金を払うことを約す条項)などを入れた法的に不備のない示談書を作成してくれます。
弁護士が代理人として就いていれば、相手が示談内容を誠実に履行しない場合にこちらから法的手段をとれるため、約束を破らせないための抑止力となります。
風俗での妊娠トラブルを誰にも知られず解決したい方へ
妊娠を告げられたときに欠かせないのは、事実確認を済ませることと、相手の要求を鵜呑みにしないことです。この記事で解説した通り、風俗嬢や風俗店からの要求には法的根拠のないものも多く、冷静に対処すれば解決の道は開けます。
しかし、ご自身だけで風俗嬢や風俗店と交渉を続けると、不当な金額を支払わされたり、脅迫がエスカレートしたりするおそれがあります。弁護士が窓口になれば、相手との直接のやり取りを遮断でき、金額の交渉から再発を防ぐ書面の作成まで一括して対応してもらえます。
「すでに中絶費用を請求されている」「家族にバラすと脅されている」「警察に通報すると言われている」など、今まさにお困りの状況であっても、弁護士が間に入ることで状況を立て直せるケースは数多くあります。一人で抱え込まず、まずはご相談ください。
当事務所は風俗での妊娠トラブルを多数取り扱ってきました。ご家族や勤務先に気づかれないまま収束させることを最優先に対応いたします。依頼者の不利益を最小限に抑えるため、弁護士が迅速に動き、全力を尽くしてお守りします。無料相談は全国どちらからでもご利用いただけますので、まずはお気軽にご連絡ください。
誰でも気軽に弁護士に相談できます
この記事の監修者
風俗トラブルの解決に豊富な実績を持つ。本番行為や盗撮を理由とした高額な罰金請求、風俗店からの脅迫・恐喝被害など、他人に相談しにくいトラブルに数多く対応。「家族や職場に絶対に知られたくない」という依頼者の事情を最優先に、迅速かつ穏便な解決を心がけている。一般社団法人 詐欺・不当要求対策協会 代表理事。

