「風俗店が警察に摘発されるのはテレビでたまに目にするけど、風俗嬢が逮捕された事例を知りたい!」という方も多いのではないでしょうか。
そこでここでは、マスコミでも報道された風俗嬢の逮捕実例3つを弁護士の解説付きで紹介します。
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風俗嬢の3つの逮捕事例
①恐喝容疑で風俗嬢が逮捕された事例
直近では、令和2年6月23日、二人の風俗嬢が恐喝の容疑で逮捕された事例があります。
出会い系アプリで知り合った男性からホテルで全裸姿を盗撮されたことをきっかけに、現金60万円を脅し取ろうとしたとして、風俗店従業員の女2人が警視庁に逮捕されました。
恐喝未遂の疑いで逮捕されたのは、新宿区の風俗店従業員、小泉絢美容疑者(21)ら2人です。2人は、先月、出会い系アプリで知り合った40代の男性に新宿区歌舞伎町のホテルで全裸姿を盗撮されたことをきっかけに、男性に対し「1人30万ずつで60万円払え。警察に取り調べを受ければ会社にもばれる。奥さんに電話しようか」などと言って現金を脅し取ろうとした疑いがもたれています。
取り調べに対し、小泉容疑者は「裸の動画を撮影されたので示談金を請求しただけです」などと容疑を否認しています。2人は出会い系アプリを利用し、同様のトラブルを6件起こしているということで、警視庁が捜査しています。
引用:TBS NEWS
恐喝罪は刑法249条1項で、「人を恐喝して財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する」と規定されています。
簡単に言えば、暴力や脅迫を手段として、相手を畏怖(怖がらせること)させて金品を脅し取る犯罪です。
脅迫罪になる言葉とは?でも詳しく書かれていますが、脅迫とは、生命・身体・自由・名誉または財産に対して害悪の告知(危害を加えることを告げること)することです。
そして、この事例では、「会社にもばれる、奥さんに電話しようか」と風俗嬢が男性に告げていますが、既婚男性が出会い系で知り立った女とホテルに入ったうえに盗撮したことが周囲に知れれば”名誉”が害されることになります。
このように、名誉権を侵害することを告げて金銭を請求したため、恐喝罪の容疑で風俗嬢は逮捕されました。
また、この事例の引用記事では「同様のトラブルを6件起こしている」と書かれていますが、実際は、「盗撮された」「体を触られた」「付きまといをうけている」などと訴える110番通報を20件以上していました。
推測ですが、警察の方でも110番通報の記録から、”常習的に被害者ビジネスを行っている者”としてマークしていたところ、今回の事例で被害届が出されたことをきっかけに捜査・逮捕に動いたものと思われます。
なお、盗撮をしたお客側が逮捕されるかどうかについて知りたい方は、以下の関連記事でわかりやすく解説されています。
②詐欺容疑で風俗嬢が逮捕された事例
風俗嬢が逮捕される事例でも群を抜いて多いのが”詐欺”です。
お金で身体を売り買いしている関係とはいえ、身体を密着させて恋人のように接することで男性客から好意を持たれる風俗嬢も少なくありません。
もともと、女性が風俗勤務に踏み切る動機として最も多いのは「お金のため」であるところ、カモがネギを背負ってやってくるため、手っ取り早くお金を稼げる犯罪に手を染めてしまうのです。
詐欺罪で風俗嬢が逮捕される事例は非常に多いため、ここでは被害額の大きかった事例を一つ紹介します。
風俗店の客として知り合った男性に「難病と診断された」と嘘をつき、治療費として現金5500万円をだまし取ったとして、静岡県警藤枝署は9日、詐欺の疑いで東京都渋谷区代々木、無職、大島杏礼(あれい)容疑者(26)を逮捕した。
逮捕容疑は昨年4月中旬から5月上旬にかけ、藤枝市に住む歯科医師の男性(52)にリンパ系の特定難病と診断されたと偽り、5500万円を口座に振り込ませてだまし取ったとしている。
同署によると、大島容疑者は「治療に1億5千万円くらいかかる」「家族全員で働いて返す」などとだまし、被害総額は1億数千万円に上る可能性があるという。
大島容疑者は以前、東京の風俗店で働いており、平成26年に男性が客として来店して知り合った。だまし取った金はブランド品購入や旅行に充てていたとみられる。調べに対し、「間違いありません」と容疑を認めているという。
男性が今年3月、「だまされたかもしれない」と同署に相談し、事件が発覚した。
引用:産経ニュース
詐欺罪とは、刑法246条1項で、「人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する」と規定されています。
簡単に言えば、他人から金品を騙し取ることです。
この点、風俗嬢に詐欺罪が成立するには、風俗嬢がお客に嘘をつく際に、最初から金品を騙し取る意思があったことが必要です。
本件では、お金を借りる理由が真っ赤な嘘であったことに加え、額からして風俗嬢が返済できる見込みも当初からなく、端から騙し取るつもりで金銭を受け取ったと客観的に認めることができるでしょう。
逮捕された風俗嬢は容疑を認めていますが、仮に否認していたとしても逮捕を免れることは難しかったものと考えられます。
ほかにも事例を知りたい方は、風俗嬢が詐欺罪で逮捕された2つの事例をご覧になってください。
③公然わいせつ容疑で風俗嬢が逮捕された事例
違法風俗に警察の摘発が入った際に風俗嬢が公然わいせつ容疑で逮捕されたケースもあります。
京都・祇園のラウンジでストリップショーを開いたとして、京都府警は10日、公然わいせつの疑いで京都市東山区祇園町北側のラウンジ「マラカニアンパレス」を家宅捜索するとともに、経営者の男(47)とストリップ嬢の女(41)を逮捕した。
引用:産経ニュース
いわゆるストリップショーは、店舗型性風俗特殊営業の3号営業として風営法で規定されており、分類としては風俗店となりますので、ストリッパーは風俗嬢という扱いになります。
そしてこのストリッパーが、公然と(不特定多数または多数の人が認識することができる状態)わいせつな行為(いたずらに性欲を興奮または刺激させ、かつ、普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するもの)をすれば、公然わいせつ罪が成立します。
(公然わいせつ)
第174条
公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
本件では、観客の見守る中、ステージ上でストリッパーが下半身(陰部)を露出させており、公然性やわいせつ性の要件を満たします。
このお店は口コミで集客し、他府県から出張で来ている者も多く訪れるなど繁盛していたところ、過激な見せ物を目玉に営業していたことから警察に目をつけらものと思われます。
なお、風俗店を警察が摘発。居合わせた客は逮捕される?【事例もあり】で詳しく書かれていますが、風俗店の摘発で、経営者以外に風俗嬢も逮捕されるのはレアケースと言えるでしょう。
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