このようにお考えではないでしょうか。
デリヘルやソープなどの風俗で働いていることはもちろん、面接に行ったことですら他人には知られたくないという女性がほとんどですから、このような不安なお気持ちになることは当然です。
結論からお伝えすると、風俗店が女の子の個人情報を外部に流出させることはありません。入店時に店が女の子の個人情報を確認するのは、従業員名簿の作成や就業資格の確認などのために必要であるためです。店が女の子の個人情報を個人情報買取業者に売っても微々たるお金にしかなりませんし、犯罪にもなるため流出させることはまずありません。もっとも、女の子が風俗店を辞めるのを阻止するために「個人情報をバラす」と脅したり、退店後もホームページに顔写真を載せるといった悪用をすることはあります。
この記事では、上記内容につき、風俗トラブルに強い弁護士がわかりやすく解説してきます。
なお、この記事を最後まで読んでも問題解決しない場合には、全国無料相談の弁護士までご相談ください。
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目次
入店する時に風俗店が女の子の個人情報を確認する理由は?
風俗店が女の子を雇用する際には、必ず、氏名・住所・生年月日・国籍を確認します。なぜでしょうか?
従業員名簿の作成等のため
風営法という法律で、風俗営業を営む者は氏名・住所が記載された従業員名簿を備え付けなければならないと規定されています。警察の立ち入り等で違反が発覚すると、100万円以下の罰金に処せられますので、氏名や住所の個人情報を確認するのです。
就業資格があるか確認するため
風営法では、接客従業員の生年月日と国籍を確認し、記録を作成して保存するよう義務付けています。
18歳未満の女子や、日本国籍ではない者(特別永住者や配偶者が日本人の者などを除く)を雇ってお客との接客にあたらせると、公安委員会から8か月以内の範囲で営業停止の処分が下されます。
なお、接客にあたった者が18歳未満の女子であった場合には、オーナーや店長などが風営法や児童福祉法違反として逮捕されます。
こういった事態を避けるために、生年月日や国籍といった個人情報も確認しているのです。
顔写真付きの身分証を求められる理由は?
面接や入店の際に、パスポート、運転免許証、マイナンバーカードといった顔写真付きの身分証を持参するようにお店から言われます。
住民票や健康保険証といった顔写真が付いていない身分証だけだと入店させてくれない店がほとんどです。なぜでしょうか?
じつは、顔写真付きの身分証で本人確認しなくてはならないという法律はありません。
しかし、顔写真なしの身分証での入店を許してしまうと、例えば、17歳の女の子が19歳の姉の健康保険証(写真が付いていません)を持参して姉を装って入店してくる怖れもあります。
もしその女の子が在籍して接客していることが警察に発覚すれば、「17歳だとは知らなかった。身分証では19歳だった」と反論してもオーナーや店長は逮捕されてしまいます。
風営法、児童福祉法において、「年齢を知らないことを理由として処罰を免れることはできない」とはっきりと規定されているからです。
そのため、面接に来た女の子の顔と身分証写真の顔が一致するかを店は確認する必要があるのです。
身バレ対策をとりつつシフトを組むため
女の子が面接や入店をする時に、氏名・住所・生年月日・国籍・携帯番号・メルアド等の連絡先のほかに、実家住まいか一人暮らしか、交際相手はいるか、結婚しているか、子供はいるか、昼の本職はあるか、学校に通っているかなど様々なプライベートな情報も聞かれます。
これは、もし女の子が入店した場合に、身バレしないように配慮しつつ、生活状況に合わせたシフトの組み立てを考える目的があるからです。
例えば、女の子が実家暮らしであれば、深夜の帰宅になるシフトは避けるべきですし、交際相手がいるのであれば土日祝日は空けておいた方が無難でしょう。
また、デリヘルのような派遣型の風俗であれば、昼の職場や実家、彼氏の自宅付近などの近寄りたくないエリアをNGにすることで、女の子の知り合いに偶然出くわすリスクを減らすこともできます。
風俗店は個人情報をどう管理しているの?
面接したが不採用であった場合
面接の際に女の子が個人情報を記載した応募シートや渡した履歴書については、不採用時には後で店側でシュレッド処分されます。
ただし、「こちらでシュレッドしておきますね」という言葉だけでは不安な方は目の前で処分するのを確認させてもらうか、返却をお願いしましょう。
「あの店は面接で落としても応募用紙や履歴書の返却をしてくれない」と風俗嬢が情報交換する掲示板等に書き込まれて評判を落としては困るため普通は応じてくれます。
なお、応募シートにしても履歴書にしても、一度店に渡した以上は、法律上は店に所有権が移転します。つまり、返却やシュレッドをしてくれないからといって違法にはなりませんのでその点は注意が必要です。
採用された場合
風営法という法律で、従業員名簿と、年齢や国籍等の確認を行った際の身分証のコピーを保管する義務が店には課せられています。
この保管場所については、「各営業所ごとに」と定めらえているため、風俗のチェーン店であったとしても本社で一括管理するのではなく、それぞれの店内で保管されています。
また、従業員名簿や身分証のコピーは、各事業所のパソコンですぐに表示でき、印刷できる状態が整っていれば、紙ではなくデジタルデータで保存することも法律上許されています(風営法施行規則)。
まともな店であれば、紙であれば鍵付きロッカーや書庫等に保管し、スキャン画像等のデジタルデータはパスワードロックのかかったPC等に保存されており、店長やマネージャークラスでないと見れないようにしています。
退店した場合
勤務していた風俗店を辞めた場合、できることなら”風俗で働いていた痕跡”をできるだけ抹消したいと思う女性が多いはずです。
しかし、風営法施行規則という法律で、従業員名簿や身分証のコピーについては紙であるかデジタルデータであるかに関わらず、退職日から3年間は事業所で保管することが義務付けられています。
また、従業員名簿や身分証のコピーについても、履歴書や応募シートと同様に所有権は店にあります。3年経過したら返却・削除を必ずしてもらえる保証はありません。
風俗店が個人情報を流出させることはある?
個人情報の流出というと、個人情報買取業者に売買することを想像すると思いますが、風俗ではまず考えにくいでしょう。
医者や、ゴルフ会員権を持っているお金持ちの個人情報が数百件~載っている名簿ですら2000円~3000円程度で買い取られています。数十人~の風俗嬢の個人情報を売ったところでほとんど利益がないことはお分かりでしょう。
また、個人情報保護法により、「従業員や元従業員が、業務で取り扱った個人情報のデータベースを、不正な利益を得るために第三者に提供したり盗用した場合」、データベース提供罪として、1年以下の懲役または50万円以下の罰金で処罰されます。
しかも、もし個人情報が売られ、今現在在籍している、または過去に在籍していた風俗嬢に怪しげな電話等が来るようになれば、SNSや掲示板でその噂はすぐに広まります。
微々たる利益のために逮捕され、悪い評判により今後女の子が応募してこないリスクを踏むことはまずあり得ないでしょう。
風俗嬢の個人情報が悪用されるケースは?
風俗店が風俗嬢の個人情報を悪用するケースは主に2つあります。
脅して店に引き留めておく
ズバリ、風俗嬢がお店を辞めようとしたときに、店の社長や店長、人事担当者が悪用します。
風俗嬢が店から個人情報を悪用されて悩んでいる書き込みが相談サイトに多く寄せられていますので、ここで一例を紹介しましょう。
先日、風俗店(デリヘル)を即日で辞めたいと申し出たら、1か月前に言わなきゃいけないルールがあるから無理だと言われ
さらに今辞めるなら各所で私が働いていたことをばらす、と強い口調で脅されました。
もちろん全ての店がこのような卑劣な引き止めをするわけではないにせよ、ネットで出回っているこのような相談事例は”氷山の一角”と考えた方が良いでしょう。
店は風俗嬢の様々な個人情報を握っています。風俗嬢に辞められて売上げが下がるのを阻止するために事例のように脅してくることもあるのです。
被害にあった時の対処法については、風俗を辞めたいのに辞めさせてくれない悩みに弁護士が明確に回答にわかりやすく解説されています。
退店後もホームページから写真を消さない
退職したのに店のホームページから写真を消してくれない、あるいは勝手に使われているという被害が相談サイトに多く寄せられています。一例を実際に見てみましょう。
退店済みの風俗店がホームページの写真を消してくれません。
退店から四年近くたちます。昨年一度メールで写真を消すようにお願いしたところ、一度消してくれたのですが、数ヶ月後に源氏名を変えてまた同じ写真が掲載されていました。
写真を完全に消してもらうにはどうしたらいいですか?
個人情報保護法では、写真であっても、本人が特定できるものであれば個人情報にあたるとされています。
しかし、風俗嬢が多く在籍していると見せかけるために、過去に在籍していた風俗嬢の写真をホームページや風俗情報サイトに掲載したままにする店も少なくありません。
個人情報が悪用されたら弁護士に相談
弁護士は国から代理交渉権限を与えられていますので、店の責任者と面談したり電話することで、風俗嬢の個人情報を悪用・流出させないよう直接交渉することができます。
また、弁護士が介入することで、依頼者やその家族・友人知人等へ店が連絡することは禁止されます。また、肖像権の侵害を理由に写真の掲載をすぐに取り下げるよう要請もできます。
弁護士に刑事告訴や民事訴訟を起こされたくないため、ほとんどのケースで店は従います。
家族や周りの人に風俗勤務を絶対に知られたくない、一刻も早くネットから自分の写真を消したい方であれば、まずは弁護士に相談し、必要に応じて交渉を依頼しましょう。
当法律事務所は、穏便且つ内密に風俗トラブルを解決することを得意としております。親身誠実をモットーとしておりますので、お困りの方はまずはお気軽にご相談ください。
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