このような不安をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
結論からお伝えしますと、風俗での本番行為や盗撮・盗聴などのトラブルで店がお客の免許証のコピーをとる主な目的は、損害賠償請求などトラブルの清算をするにあたりお客に逃げられないようにするためです。また、他人の免許証のコピーでお金の借り入れをするなどの悪用も不可能です。したがって、過度に不安になる必要はありません。
もっとも、免許証記載の個人情報を把握したことを脅迫のネタにして、法外な金銭を要求してくる悪質な風俗店も存在します。また、お客の氏名や住所といった個人情報を詐欺業者に売られてしまい、二次被害に遭うケースもあります。
この記事では、風俗トラブルに強い弁護士が、
- 風俗でとられた免許証のコピーは悪用できるのか
- 風俗店が免許証記載の個人情報を悪用するケース
- 風俗で免許証のコピーをとられた場合の対処法
などについて詳しく解説していきます。
なお、風俗トラブルで免許証のコピーをとられてしまい、悪用されるか心配な方、高額な金銭請求をされてお困りの方で、この記事を最後まで読んでも問題解決しない場合には全国無料相談の弁護士までお気軽にご相談ください。
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目次
風俗トラブルで店が免許証のコピーをとる理由
風俗トラブルで店がお客の免許証のコピーを取る主な理由は、お客が逃走するのを防ぐためです。
風俗での本番強要は不同意性交等罪、盗撮は撮影罪という犯罪に該当するとともに、民事上でも不法行為による損害賠償責任を負います。
デリヘルの場合はお客の電話番号を店が把握していますので、トラブルの現場からお客が逃走したとしても電話番号から氏名や住所を割り出すことは可能です。もっとも、それを行うには費用も手間もかかります。
また、ソープやヘルス、イメクラといった店舗型風俗店では、会員登録したお客でない限りお客の電話番号を把握していません。そのため、風俗トラブルの現場からお客が逃げてしまえば、刑事告訴や損害賠償請求をすることが困難になる場合もあります。
このように、風俗店が免許証のコピーを取る理由は、お客に逃げられて、刑事責任や民事責任が追及できなくるなることを防止するための対策であるのです。
また、免許証のコピーを取るもう一つの理由として、店のスタッフが出禁客を把握するためです。本番行為や盗撮、盗聴などのトラブルを起こすと、通常はその店や系列店で出入り禁止の措置がとられます。とくに店舗型性風俗店では受付時にお客の顔を確認できますので、過去に本番行為や盗撮、盗聴などのトラブルを起こしたお客の顔写真付きの身分証明書、すなわち免許証のコピーが当該店舗および系列店で共有され、出禁客が店を再び利用することを防ぐために用いられることもあります。
風俗でとられた免許証のコピーは悪用できる?
上記の通り、店が風俗トラブルでお客の免許証のコピーを取るのは基本的には店側の防衛手段のためです。とはいえ、免許証は身分証明書の最たるものの一つですから、何かしら悪用されるのではと心配される方もいることでしょう。
そこでここでは、免許証のコピー利用して、金融機関からお金を借りる等の悪用が可能なのかどうかにつき解説していきます。
サラ金(消費者金融)から借り入れされることはある?
サラ金(消費者金融)からのお金の借り入れは、無人機で行うことができます。この場合、免許証の原本ではなくコピーでも申し込み可能です。しかし、サラ金は無人機での契約の場合もカメラで顔を確認しています。免許証のコピーの顔写真と異なっていればお金を貸すことはありません。
この点、FAXや郵送、WEBフォームからの申し込みであれば、申し込みしようとする人の顔と免許証コピーの写真の顔を照らし合わせることができません。しかし、過去にクレジットカード等の申し込みをしたり、カードローンや自動車ローンを利用した人の情報は、JICCやCICといった信用情報機関に記録されています。記録されている情報とは、氏名や住所のほか、勤務先・自宅固定電話番号など、カード申し込み時に申し込み書に記載したあらゆる情報です。
FAXや郵送、WEBでサラ金の申し込み手続きをするにあたって、免許証記載の氏名・住所・生年月日以外にも多くの個人情報を申込書に記載しなくてはなりません。サラ金が、信用情報機関の情報と照らし合わせて間違いなく本人であるかどうかの審査を行うためです。
つまり、申込者の顔確認がとれない、FAXや郵送、WEBからの申し込みであっても、免許証のコピーがあるだけでは勝手に借り入れはされないのです。
銀行口座の開設はできる?
銀行の窓口で口座開設する場合には免許証は原本の提示が必要になります。しかし、郵送での口座開設申し込みであれば、免許証のコピーでも多くの銀行で受け付けています。
一見すると、免許証のコピーが悪用されそうに思えますが、じつは、郵送での銀行口座開設の申し込みでは、身分証のコピーのほかに他の本人確認資料を別途添付して送らなくてはなりません。
例えば、三菱UFJ銀行であれば、免許証のコピーのほかに、電気・ガス・水道などの請求書または領収書の原本を必要としています。りそな銀行であれば、上記の公共料金の請求書や領収書のほか、印鑑証明書や住民票の写しの原本が本人確認資料として必要とされています。
つまり、免許証のコピーだけでは銀行口座の開設はできません。
なお、考えにくいことですが、もし仮に、免許証のコピー以外に上記の本人確認資料まで風俗店の手に渡ってしまったとしてもご安心ください。郵送で開設された銀行口座のキャッシュカードは、身分証記載の住所以外に銀行は送ってくれないからです。
キャッシュカードの郵送は、「転送不要郵便物」として扱われますので、転送届を出していたとしても銀行が指定した住所以外には届かないようになっています。勝手に銀行口座を開設されても、キャッシュカードが免許証記載の住所以外に送付されることはありません。
クレジットカードの申し込みは?
クレジットカードの郵送申し込みの場合、郵送での銀行口座開設と異なり、免許証のコピー以外の本人確認資料は求められません。しかし、クレジットカードの申し込みの際は、必ず引き落とし銀行口座の情報が必要となります。上記の通り、免許証のコピーのみでは勝手に銀行口座を開設できない以上、クレジットカードを作ることもできません。
仮に、銀行口座の情報(支店名・口座番号・名義人氏名)を風俗店に教えてしまっていたとしてもご安心ください。
クレジットカードの申込書には必ず、引き落とし銀行口座の銀行印を押す欄があります。銀行印まで風俗店に取り上げられることはまず考えにくいことですので、クレジットカードが勝手に作られる心配はないのです。
パスポート申請はできる?
パスポート申請には必ず身分証の原本が必要であるため、免許証のコピーのみでは申請できません。
Q7 申請時に必要な戸籍謄(抄)本や身元確認書類はコピーで大丈夫ですか?
A コピーではなく原本を準備してください。パスポート申請の際には,戸籍謄本又は戸籍抄本(発行後6か月以内のもの)の提出や運転免許証等身元確認を行うための書類の提示が必要です(旅券法第3条)。本人確認を行うために必要となる書類ですので,原本をご準備ください。
住民票の移動・住民票や戸籍等の交付申請はできる?
住民票の住所を移動させたり、住民票や戸籍謄本(抄本)の交付を受けるには、身分証の原本が必要です。免許証のコピーではこれらはできません。
本人確認書類の例
有効期限内のもので,原本のもの(コピー不可)を提示してください。A.次のものは1点提示
運転免許証,顔写真付き住民基本台帳カード,マイナンバーカード,パスポート(旅券)などの官公署発行の顔写真付き身分証明書
風俗店も割に合わないことはしない
サラ金から勝手に借り入れしたいがために、免許証の顔写真の箇所を画像加工ソフト等で自分の顔写真に載せ替えて変造すると、公文書偽造等の罪(刑法155条)として1年以上10年以下の懲役刑で処罰されます。
また、他人の個人情報を悪用してクレジットカードやサラ金の申込書を作成すれば、私文書偽造等の罪(刑法159条)が成立し、3か月以上5年以下の懲役刑に処せられます。
免許証のコピーをとられた人のもとに、身に覚えのない請求書が届けばすぐに偽造がバレ、被害届がだされればすぐに警察は逮捕に動きます。
言い方は悪いですが、警察に逮捕されて刑務所暮らしになるデメリットと、免許証のコピーを悪用して得られる金額を比較すると、正直割に合わない犯罪といえるでしょう。
風俗店側もそこまでのリスクを冒すことはありませんので安心してください。
風俗店が免許証記載の個人情報を悪用するケース
これまで免許証のコピーそのものが悪用される怖れはほぼ無いことはお伝えしましたが、悪質な風俗店では、免許証に記載された氏名や住所といった個人情報を悪用することがあります。どのようなケースでしょうか。
男性客からお金を脅しとるケース
悪質な風俗店は、免許証のコピーをとったことに乗じて、罰金や示談金、解決金名目で、お客に法外な金銭を要求してくることがあります。
免許証には氏名と住所といった個人情報が載っているため、家に押しかけて取り立てることもできますし、「払わないなら自宅の住所もわかっているから、家族に洗いざらい全部バラすぞ」と脅して支払いを促すことができるからです。
また、この手の店は、免許証のコピーにとどまらず、お客に勤務先の名刺も差し出させますので、「お前の職場に連絡したら解雇されるけどそれでもいいのか」といった常套句を用いることも多いです。
さらに悪質な店では、上記の脅しに屈してお金を支払ってしまったお客に対して追加請求してくるケースもあります。
脅して金銭を要求する恐喝行為に一度応じてしまうとカモ扱いされてしまい、
- 「あの後、女の子が盗撮されたショックで店を辞めたのでその分の損害金も支払え」
- 「女の子が、本番強要されたのにあの額じゃ納得しないと言っている。示談金をもっと払わないと大変なことになる」
- 「前回支払ったお金は店に対する賠償金で、女性キャストの慰謝料の支払いはまだもらっていない」
- 「妊娠や性病の検査で余計にお金がかかったのでそれも支払え」
など、様々な理由をつけて追加でお金を請求される被害も少なくないのです。
詐欺業者に個人情報を売られるケース
上記の通り、風俗トラブルを起こすと、免許証のコピーや会社の名刺、その他、保険証のコピーをとられることもあります。また、携帯番号も必ず控えられます。
悪質な風俗店では、これらから得られた、氏名・住所・勤務先・携帯番号などの個人情報を詐欺業者に売って利益を得ることもあります。
そして詐欺業者は、その得られた情報を元に、風俗を利用したことのあるお客に電話をかけ金銭を詐取しにかかります。具体的には、風俗店店員や、風俗嬢の親族、探偵業者などを装い、
- 「〇年前に風俗を利用されましたよね?その時の女の子がアナタに性行為を強要されたので警察に被害届を出すと言っています」
- 「〇〇さん(氏名)ですよね?〇ヶ月前にあなたがデリヘルで呼んだ子が17歳でして、児童買春で警察沙汰になるかもしれません」
などと話をでっちあげ、事件化しないためには示談金が必要などと言いお金を振り込ませたり、指定した場所にお金を持ってこさせてお金を騙し取ります。
風俗で免許証のコピーを取られた場合の対処法
風俗店の手元にある免許証のコピーを回収することにあまり意味はありません。返却されたとしても、それをさらにコピーされていたり、氏名や住所を紙に控えられていることがほとんどだからです。
また、店から要求されたとおりの金額を満額支払うことを条件に、自前で用意した示談書で店と示談を結ぶ人もいます。しかし、皆さんご存じのように、風俗店関係者の中には反社会的勢力と関わっているような人物もいます。示談内容を反故にして再び金銭請求してくる事例も少なからずあるのです。
※どうしてもご自身で風俗店関係者と示談交渉したい方は、風俗トラブルを示談する3つのメリットと、実例による示談金相場が役に立つと思います。
今後、不安を抱えることなく元通りの生活に戻りたいのであれば、回収ではなく、個人情報を悪用されない状況、具体的には、弁護士を後ろ盾にした方が良いでしょう。
弁護士が介入しているのに、依頼人やその家族や職場への連絡をしたり、脅して金銭を要求するなどの行為をすれば、弁護士が即刻、風俗店関係者を刑事告訴したり損害賠償請求訴訟を提起できます。
もちろん風俗店関係者も弁護士権限については重々理解していますので、後ろ盾に弁護士がいる人にはこれ以上の危害を加えてこなくなるのです。
当法律事務所では、家族や職場に知られることなく風俗トラブルを解決することを得意としております。親身誠実に全力で依頼者を守りますので、まずはお気軽に弁護士にご相談ください。相談する勇気が解決への第一歩です。
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