
「元交際相手に裸の写真をネットに投稿された。リベンジポルノの慰謝料はいくら請求できるのか」「相場より高く取る方法はあるのか」と、怒りと不安を抱えながら調べている方も多いのではないでしょうか。
リベンジポルノの慰謝料は、相場が50万円〜100万円程度で、加害者を特定できれば請求できます。営利目的の販売など悪質性が重なった事案では、200万円の慰謝料を認めた判決もあります。
この記事では、性的画像の無断公開トラブルの解決に力を入れる弁護士が、次の点を解説します。
- 相場と4つの増額要因
- 慰謝料以外に請求できる損害
- 証拠保全から示談・訴訟までの請求方法
- 弁護士に依頼するメリットと費用
お読みいただくことで、自分のケースで請求できる金額の目安と、今日から何をすべきかを整理できます。
なお、性的な画像を晒される被害でお困りの方は、この記事をお読みいただいた後、当事務所の無料相談へお早めにご連絡ください。地域を問わずご相談を承っており、早期対応が結果を左右します。
| ネットで誹謗中傷されたら弁護士に無料で相談してみよう |
|
リベンジポルノ被害で請求できる慰謝料相場は50万円〜100万円
リベンジポルノの被害者が加害者に請求できる慰謝料は、50万円〜100万円が相場です。性的な画像や動画を本人に無断でネットに公開する行為は、プライバシー権や名誉権を侵害する不法行為(民法709条・710条)にあたり、被害者は精神的苦痛に対する慰謝料を請求できます。
元交際相手や元配偶者が、別れた腹いせに相手の性的な画像・動画(私事性的画像記録)をネットに公開する行為が、リベンジポルノと呼ばれるものです。刑事上も、リベンジポルノ防止法(私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律)3条1項が、不特定または多数の者への公表を3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象と定めています。
刑事事件としてのリベンジポルノ防止法違反の判例は、「リベンジポルノ防止法の有名判例を弁護士が解説」で別途まとめています。
一般的な名誉毀損の慰謝料は10万円から50万円程度にとどまることが多い一方で、リベンジポルノはこれを上回る水準が認められる傾向にあります。ただし示談で解決する事案が多く、判決に至った公表例は多くありません。相場はあくまで目安と考え、次に挙げる増額要因に当たる事情があれば、相場を超える請求を検討してください。
慰謝料が相場より高くなる4つの増額要因
慰謝料の額は、行為の悪質性と被害の深刻さで上下します。相場の50万円〜100万円を超える額が認められやすい事情は、大きく次の4つです。
①画像の内容が露骨で、被害者を特定できる
下着姿より全裸や性行為の動画のほうが、精神的苦痛は大きく評価されます。顔や身体の特徴が写っていて第三者が本人を特定できる場合や、氏名・勤務先とセットで投稿された場合は、社会生活への影響が重いため増額の根拠になります。なお、第三者が本人を特定できる方法で公表することは、刑事上のリベンジポルノ防止法の公表罪(3条1項)が成立するための要件でもあります。モザイクなどで特定が難しい場合は、刑事責任を問えないことがあるうえ、慰謝料の増額幅も限られます。被害者が18歳未満の場合は児童ポルノ禁止法違反も成立し得るため、加害者の責任はより重く評価されます。
②SNSや掲示板で広く拡散された
限られた知人にしか見えないチャットより、誰でも閲覧できる掲示板やSNSへの投稿のほうが、回復が難しい分だけ重く評価されます。閲覧数やリポスト数、転載先の数は増額を裏づける客観的な指標になるので、スクリーンショットで残しておきましょう。海外サイトへの転載や、画像を使ったなりすましアカウントの作成といった二次被害も、慰謝料の算定に反映されます。拡散が広範囲に及んで完全な削除が難しくなった状態(デジタルタトゥー)の対処法は「デジタルタトゥーの消し方と削除にかかる費用を弁護士が解説」で解説しています。
③盗撮や脅迫など撮影の経緯が悪質、または営利目的がある
同意なく盗撮された場合や、脅して撮影させた場合は、撮影自体が独立した不法行為となり、公開の責任に上乗せされます。撮影に同意していたとしても公開まで許したことにはならず、撮影への同意は加害者の免責理由になりません。画像を有料配信や販売で収益化していたケースは、計画的で継続的な行為として悪質性が高く評価されます。
④退職や精神疾患など、実害が生じた
被害を苦にうつ病や適応障害、PTSDを発症した場合や、職場に知られて退職・休職に追い込まれた場合は、被害の深刻さが客観的に裏づけられます。医師の診断書には、リベンジポルノ被害との因果関係を明記してもらいましょう。通院を継続し、診療記録や領収書も保管してください。
慰謝料以外に請求できる損害
退職や通院、転居などの実害が生じた場合は、慰謝料とは別枠で治療費・通院交通費、休業損害、転職による減収分(逸失利益)、住所が拡散されて転居した場合の引っ越し費用も請求できます。加害者の特定にかかった発信者情報開示請求(投稿者を特定するための法的手続き)の費用も、必要な支出として請求の対象になります。
いずれも被害との因果関係を示す資料(診断書・給与明細・領収書など)が必要です。逸失利益は将来分の見込みを含むため、立証のハードルは高めと考えておきましょう。
慰謝料と損害を合わせて請求できる額は事情の組み合わせで変わるため、証拠を持って弁護士に相談してください。弁護士を含む相談先の選択肢は「リベンジポルノ被害の相談先はどこ?状況別に選ぶ4つの窓口」で整理しています。
リベンジポルノの慰謝料の請求方法
リベンジポルノの慰謝料は、証拠の保全から加害者の特定、示談交渉、必要に応じて刑事告訴や訴訟という順で進めて請求します。手順は次の5つです。
- 証拠を保全してから削除を依頼する
- 発信者情報開示請求の手続きで加害者を特定する
- 内容証明郵便を送って示談交渉する
- 被害届・刑事告訴で示談を引き出す
- 損害賠償請求訴訟を提起する
①証拠を保全してから削除を依頼する
投稿に気づいたら、削除を依頼する前に証拠を残してください。投稿が消えると被害の事実の立証が著しく難しくなり、慰謝料請求の出発点に立てなくなるおそれがあります。
スクリーンショットは、投稿内容・投稿者のアカウント名・投稿日時・URLが1画面に収まるように撮ります。X(旧Twitter)やInstagramはアプリではなくブラウザで開くとURLを残しやすく、動画は画面録画で保存しておきましょう。LINEやDMで送りつけられた画像も、送信者の情報が分かる画面ごと保存します。
証拠を確保したら、SNSの通報フォームなどからの削除依頼や、送信防止措置依頼(定型の書式でサイト運営者に投稿の削除を求める申出)を進めます。応じてもらえない場合は、裁判所に削除の仮処分(削除を命じる暫定的な決定)を申し立てる方法があります。削除の手順と窓口は「リベンジポルノ画像・動画の3つの削除方法と依頼窓口」をご覧ください。
②発信者情報開示請求の手続きで加害者を特定する
匿名で投稿された場合は、発信者情報開示請求(投稿者の氏名や住所の開示をプロバイダに求める手続き)で加害者を特定しなければ、リベンジポルノの慰謝料を請求する相手が定まりません。SNS運営会社などにIPアドレスの開示を求め、判明したIPアドレスからアクセスプロバイダに契約者情報の開示を求める2段階が基本です。2022年10月施行の法改正(現在の情報流通プラットフォーム対処法、旧プロバイダ責任制限法)で、この2段階を1つの裁判手続きで進められる発信者情報開示命令が新設されました。
注意したいのは、アクセスログの保存期間がプロバイダによって3か月から半年程度と短いことです。ログが消えると加害者の追跡は事実上できなくなるため、被害に気づいてから動き出すまでの速さが結果を左右します。
投稿者が元交際相手だと分かっている場合でも、「自分は投稿していない」と否認されることがあります。開示請求や状況証拠で投稿者を確定させる作業は専門性が高いため、費用や期間は「発信者情報開示請求とは?費用や期間などの情報をまとめました」で確認したうえで、弁護士に依頼するのが現実的です。
③内容証明郵便を送って示談交渉する
加害者を特定できたら、内容証明郵便(いつ・誰が・誰に・どんな内容を送ったかを日本郵便が証明する書留)で慰謝料を請求し、示談交渉に入ります。書面には、行為が違法である根拠(リベンジポルノ防止法違反・プライバシー権侵害など)、請求額、支払期限を明記し、期限内に支払いがなければ刑事告訴と訴訟に進む旨を伝えます。請求額や予告は、事実に基づく正当な権利行使の範囲にとどめることが大切です。
示談金の額は、前述の相場と増額要因を踏まえて決めます。金銭だけでなく、所持している画像・動画データの削除、再発防止の誓約、SNSアカウントの閉鎖、接触禁止、違反時の違約金を示談書に盛り込むことが、被害を根本から止めるうえで欠かせません。
④被害届・刑事告訴で示談を引き出す
任意の交渉に応じない加害者には、警察への被害届や刑事告訴が有効です。リベンジポルノ防止法の公表罪(3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金)と公表目的提供罪(1年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金)は親告罪(同法3条4項)なので、加害者を起訴してもらうには被害者の告訴が必要です。親告罪の告訴は犯人を知った日から6か月以内にしなければならないため(刑事訴訟法235条1項)、加害者が判明したら早めに動く必要があります。
捜査が進んで加害者が逮捕されると、加害者本人や、加害者が依頼した弁護士から示談の申し入れがされることが多くなります。逮捕後の刑事手続きの流れは「リベンジポルノで成立する犯罪・罰則と逮捕後の流れを弁護士が解説」で解説しています。
加害者には身柄拘束や前科を避けたい動機が働くため、被害者側にとって通常の交渉より有利な条件で合意できる可能性があります。相手から示談を持ちかけられたときは、金額だけで即答せず、削除や再発防止の条項を含めた内容で検討してください。
⑤損害賠償請求訴訟を提起する
交渉が決裂した場合や加害者が示談に応じない場合は、損害賠償請求訴訟を提起します。判決が確定すれば、加害者が任意に支払わなくても、給与や預金などの財産を差し押さえる強制執行が可能です。確定判決で認められた権利の時効は10年です(民法169条1項)。加害者に資力がない場合に備え、訴訟前に財産の調査や仮差押えを検討することもあります。
損害賠償を請求できる期間には制限があり、損害と加害者を知ったときから3年で時効にかかります(民法724条)。うつ病やPTSDの発症など生命や身体を害された場合の損害は5年です(民法724条の2)。匿名投稿では、発信者情報開示で加害者の氏名・住所が判明した時点が起算点になるのが一般的ですが、不法行為の時から20年が経過すると請求できなくなります。期限が迫っている場合は、内容証明郵便で催告すれば6か月間は時効の完成が猶予されます(民法150条1項)。ただし猶予は1回限りで、再度の催告では延びないため(同条2項)、その6か月の間に訴訟の提起などへ進む必要があります。時効の詳細は「リベンジポルノ防止法の時効は3年です|民事の時効も解説」をご確認ください。
加害者が未成年でも、自分の行為の責任を理解できる年齢(おおむね12歳前後以上)であれば本人に請求できます。責任能力がない年齢の場合は、監督義務を怠らなかったことを親が証明しない限り、監督義務者である親に賠償を請求できます(民法714条)。刑事手続きと民事訴訟は並行して進められるため、両面から圧力をかけて早期の解決を目指す戦略も有効です。
弁護士に依頼するメリットと費用の目安
リベンジポルノの慰謝料請求は、削除・特定・交渉・告訴・訴訟という複数の手続きを同時に進める必要があります。被害者本人だけで対応すると、本来得られる慰謝料を取りこぼしやすくなります。弁護士に依頼するメリットは次の3つです。あわせて、依頼にかかる費用の目安も示します。
①相場より高額な慰謝料を獲得しやすい
弁護士は判例と交渉の相場感(50万円〜100万円)を把握しているため、加害者側から不当に低い額を提示されても、その場で反論できます。増額要因に当たる事情を証拠とともに主張し、刑事告訴のタイミングと示談交渉を組み合わせることで、相場を上回る慰謝料につながることも少なくありません。
被害者本人が交渉すると、相手の言い分に押されたり、早く終わらせたい一心で不利な条件に応じてしまったりしがちです。第三者である弁護士が間に入ることで、感情に流されない交渉ができます。
②加害者の特定から削除・請求までワンストップで任せられる
リベンジポルノの削除請求や仮処分、発信者情報開示請求、刑事告訴、示談交渉、訴訟提起までを、弁護士が一貫した戦略のもとで進めます。海外のアダルトサイトに転載された場合は英語での削除申請が必要になることもあり、個人での対応は難しい領域です。
示談書の条項作成も弁護士が担います。転載が続く場合の監視と削除対応まで含めて任せられる点が、被害の長期化を防ぐうえで大きな利点です。
③加害者と直接やり取りせずに済む
慰謝料をめぐる加害者との連絡や交渉はすべて弁護士を通して行うため、被害者本人が相手と接触する必要がなくなります。被害画像を何度も確認する作業も弁護士が代行できるので、自分の性的な画像と向き合い続ける苦痛を減らせます。
警察での事情聴取に弁護士が付き添える場合は、性被害について繰り返し尋ねられる精神的な負担を和らげ、意思に反する供述を防ぐ助けにもなります。精神疾患を発症している場合は、対応を弁護士に預けて回復を優先することが、結果として解決を早めます。
弁護士費用の目安
弁護士費用は、依頼する範囲と事務所の料金体系で変わります。一般的な内訳は次のとおりです。
| 費目 | 内容 |
| 相談料 | 正式契約前の法律相談の費用。30分5,000円程度が一般的だが、無料相談を設ける事務所も多い |
| 着手金 | 契約時に支払う費用。結果にかかわらず返金されない |
| 報酬金 | 解決時に支払う費用。獲得した慰謝料の10〜20%程度で算定する事務所が多い |
| 実費 | 収入印紙代・郵便切手代・交通費など、手続きに実際にかかる費用 |
| 日当 | 遠方への出廷や出張の費用。1日あたり数万円程度 |
匿名投稿の削除から発信者の特定、慰謝料請求までを一括で依頼した場合は合計70万円から150万円程度、加害者が特定済みで交渉のみを依頼する場合は20万円から50万円程度が目安です。訴訟で勝訴すれば、認容額の1割程度を弁護士費用として加害者に負担させられる運用がありますが、実際に支払った分の全額が戻るわけではありません。費用が慰謝料を上回りそうなケースでは、開示請求にかかった費用を損害として加害者に請求できることや、刑事告訴を先行させて示談で回収する方法も含め、相談時に手取りの見通しを確認してください。契約前に「どの作業に、いつ、いくらかかるか」の見積もりを確認しておきましょう。
リベンジポルノの慰謝料請求は早めに弁護士へ相談を
リベンジポルノで請求できる慰謝料の相場は50万円〜100万円で、営利目的の販売のように悪質な事情が加わると、200万円規模の賠償金が認められることもあります。請求は、証拠を保全し、加害者を特定したうえで、示談交渉や刑事告訴、訴訟を組み合わせて進めます。
弁護士に依頼すれば、削除から加害者の特定、示談交渉、訴訟までを一貫した戦略で進め、増額要因を的確に主張して相場を上回る解決を目指せます。加害者と直接やり取りする必要もなくなります。
性的な画像を無断で公開された被害は精神的な負担が大きく、家族や職場に知られないかという不安の中で一人で対応するのは限界があります。すでに拡散が始まっている方も、「ばらまくぞ」と脅されている段階の方も、時間が経つほど証拠が消え、加害者への対応が難しくなる点は同じです。
当事務所はリベンジポルノ被害の解決実績が豊富であり、ご家族や職場に影響が及ばないよう配慮しながら、加害者への迅速な対応と適正な賠償の獲得に全力を尽くします。全国どこからでもご利用いただける無料相談を設けておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
| ネットで誹謗中傷されたら弁護士に無料で相談してみよう |
|
この記事の監修者
ネット誹謗中傷の削除請求・犯人特定・損害賠償請求に豊富な実績を持つ。掲示板やSNSでの名誉毀損・プライバシー侵害・風評被害に対し、発信者情報開示請求による投稿者の特定から慰謝料請求まで一貫して対応。法人・個人を問わず、ネット上の権利侵害から依頼者を守るために迅速に行動している。

