リベンジポルノとは、復讐目的で元交際相手や元配偶者の性的な画像や動画をネットにアップロードする行為ですが、これらの画像や動画がネット上に拡散されてしまうと、全てを削除することが困難となります。
そのため、リベンジポルノの被害にあったらできるだけ早急に専門の窓口に相談すべきですが、
このように悩まれている方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、リベンジポルノ被害に強い弁護士が、
- リベンジポルノの目的別の相談窓口
- リベンジポルノをされるおそれがある場合の相談窓口
- リベンジポルノの相談前に準備しておくべきこと
- リベンジポルノ被害を弁護士に相談・依頼するメリット
についてわかりやすく解説していきます。
ネットで誹謗中傷されたら弁護士に無料で相談してみよう |
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記事の目次
リベンジポルノの目的別の相談窓口
リベンジポルノの被害に遭われた方が相談したい内容としては、次のようなものが挙げられるでしょう。
- ネットに拡散された性的な画像や動画を削除したい
- 加害者に刑事罰を与えたい
- 損害賠償請求をしたい
- 再発防止をしたい
そこでここでは、リベンジポルノ被害に遭われた方の目的別の相談窓口について紹介していきます。
セーファーインターネット協会|無料で削除依頼をしてもらいたい場合
リベンジポルノ被害にあって、無料で削除依頼をしてもらいたいという場合には、セーファーインターネット協会(SIA)に相談することができます。
正式には、一般社団法人セーファーインターネット協会といい、2013年に民間企業を主体として設立された団体です。インターネット上の情報を監視し、違法・有害であると見なしたデータについて、日本の国内・国外を問わずインターネットサービスプロバイダやサイト管理者に削除を要請しています。
同協会のwebサイトには、セーフラインが設置されており、リベンジポルノを含むインターネット上の誹謗中傷行為に対して、掲載されているサイトの利用規約に沿った削除などの対応を促す通知を行っています。
同協会に相談するためには、webサイト上の「セーフラインに連絡する」のボタンより連絡することが可能です。
リベンジポルノに該当する情報は、原則として被害者本人またはその保護者(ご本人が児童の場合)から通報することができます。事実確認のために同協会から連絡がくる場合もあるため、氏名やEメールアドレスを記入する必要があります。また、削除を求めるリベンジポルノ画像についての説明や対象画像を特定するための情報(画像のURL等)を記入する必要があります。
セーフラインに連絡する前に、下記の事項を記録しておくことが推奨されています。
- 該当の画像のスクリーンショット
- 該当の画像の投稿日時
- 該当の画像が掲載されたページのURL
なお、ネットに投稿されたリベンジポルノ画像の削除依頼については、ご自身で行うことも可能ですので、詳しくはリベンジポルノを削除する方法と削除を依頼できる窓口を解説をご覧になってください。
法務省の人権相談|無料での削除依頼や助言をして欲しい場合
リベンジポルノ被害に遭った場合には、法務省の人権相談窓口を利用することができます。
法務省は人権擁護機関を設けて、インターネットを通じて人権相談を受け付けています。相談フォームに氏名・住所・年齢・相談内容などを記入して送信すると、最寄りの法務局から後日、電話やメールまたは面談により回答が得られるようになっています。
この相談窓口を利用することで、リベンジポルノの被害者本人が削除依頼をする方法などの助言のほか、事案によっては法務局がプロバイダ等に削除要請をしてくれます。
警察|投稿者の刑事罰を望む場合
リベンジポルノについては、犯罪行為である可能性が高いため、警察に相談することもできます。
リベンジポルノ行為は、リベンジポルノ防止法(私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律)に違反するため、警察などの捜査機関に犯人の逮捕などの対応をお願いすることができます。
犯罪の要件に該当しているのかわからない、まずは警察に電話相談してみたいという場合には、警察相談専用電話「#9110」を利用してください。全国どこからでも電話をかけた地域を管轄する警察本部などの相談窓口につながります。
受付時間は、「平日 午前8:30〜午後5:15まで(各都道府県本部で異なります)」です。
また、リベンジポルノは性犯罪にあたりますので、各都道府県警察の性犯罪被害相談電話「#8103」を利用することもできます。
性犯罪被害相談電話は、性犯罪の被害に遭った方が相談しやすい環境を整備するため、各都道府県警察が専用の全国共通番号で運用しています。ダイヤルすると発信した地域を管轄する各都道府県警察の性犯罪被害相談電話窓口につながります。
性別・年齢に関わらず相談でき、また匿名での相談も受け付けています。ただし、緊急を要する場合には、110番通報をする必要があります。
弁護士|削除・投稿者の特定・損害賠償・再発防止を望む場合
またリベンジポルノ被害にあって、投稿の削除や投稿者を特定して加害者に損害賠償請求を望む場合には弁護士に相談する必要があります。
リベンジポルノ被害について弁護士に依頼した場合には、投稿された動画・画像について任意で削除を要請したり、裁判所を利用して強制的に削除し、投稿者に関する個人情報の開示を求めることができます。
投稿者に対して慰謝料やその他の金銭の支払いを請求したいと望む場合には、相手方加害者の氏名や住所などの個人情報を調査する必要があります。相手方加害者が特定できた場合には、任意で交渉して慰謝料の支払いを求めることができますし、応じない場合は民事訴訟を提起して損害賠償請求をすることも可能です。
また、弁護士が交渉することで、投稿者に対し、元データの削除や今後リベンジポルノを行わない旨の合意に応じさせることも可能です。
なお、弁護士に事件を依頼する場合には、当然ながら弁護士費用がかかってきます。しかし、リベンジポルノ被害の場合には、弁護士費用よりも慰謝料の金額の方が高額になる可能性もあるため、予め費用や請求できる慰謝料の額等についての詳細は各事務所に相談しておくようにしておきましょう。
リベンジポルノの損害賠償(慰謝料)相場と高額賠償を獲得する方法
違法・有害情報相談センター|どう対応すべきか助言が欲しい場合
「違法・有害情報相談センター」は、リベンジポルノを含むインターネット上の誹謗中傷・嫌がらせの書き込みについて削除するにはどうすれば良いのか、書き込んだ相手を特定するにはどうしたらよいのかなど、インターネット上のトラブルについて適切に対応するためのアドバイスや関連の情報提供を行っています。
相談に関しては、技術や制度等の専門知識と経験を併せ持ち適切なアドバイスが可能な相談員が、助言を行っています。その他、相談内容に応じて対応可能な他機関の窓口を案内してくれる場合もあります。
相談は無料であり、相談センターのホームページから利用登録を行い、相談フォームから相談することが可能です。
ただし、違法・有害情報相談センターではインターネットにおける違法・有害情報に対する削除等の対応方法について案内していますが、プロバイダやサイト管理者等への削除依頼代行は行っていませんので注意が必要です。
リベンジポルノをされるおそれがある場合の相談窓口
現時点では特にトラブルになっておらず、問題が現出していない場合はどうすればよいのでしょうか。相手に性的な写真や動画を撮影されたり、性的なデータを保有されていたりする場合には、いつかリベンジポルノ被害に遇うのではないかと不安を抱いている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
現行法のもとでは、性的な動画や画像を保有しているだけでは、何らかの犯罪に問うことが難しくなっています。
しかし、相手方との交際関係に亀裂が入り復讐心を抱かれていると思う場合には、警察や弁護士に予め相談しておくことをおすすめします。
弁護士や警察に相談しておくことで事前に対応を準備しておくことができ、いざというときも迅速に対処することが可能になります。また、慎重に対応を進めることができることで、性的な動画や画像の拡散を未然に防止できる可能性も高まります。
また、まだ画像や動画をネット上に投稿されていないものの、掲示板やSNS等への投稿や拡散をすると脅されている場合も、警察や弁護士に相談しましょう。
例えば、「別れるなら写真をネットに晒す」「性的な動画を公表されたくなければ、金銭を支払え」などと言ってきた場合には、刑法上の脅迫罪・強要罪・恐喝罪などの犯罪に該当する可能性が高いためすぐにでも弁護士・警察に相談することで適切に対処のために動くことができるでしょう。
相手を逮捕してもらいたい場合は警察に、交渉や警告によりリベンジポルノを実施しないよう相手に確約を求めたい場合には弁護士に相談するようにしてください。
リベンジポルノの相談前に準備しておくべきこと
それでは、リベンジポルノ被害に関する相談をする前に準備しておく必要があるのはどのようなことでしょうか。
ここで重要となるのは、「証拠の確保」という視点です。いくらリベンジポルノ被害に遭ったと言葉で説明してもすでに投稿が見当たらない場合や相談しながら検察するのでは効率が悪くスムーズな対応ができません。
リベンジポルノ行為に対して、削除依頼をお願いする場合や警察に捜査を進めてもらう場合、また弁護士に損害賠償請求を依頼する場合のいずれのケースであっても証拠を示して受けている被害を客観的に説明できることは重要になるのです。
リベンジポルノ被害に関する相談や削除依頼をする場合に、重要となる証拠としては以下のようなものが挙げられます。
- 動画・画像が投稿されているWebサイトのURL情報
- 投稿されたWebサイトのページの印刷やスクリーンショット
- 投稿者や投稿日時がわかる場合には、それらの情報
- 被害が発覚したに日時
- 動画・画像を撮影した経緯やその後投稿までの経緯をまとめた時系列表・メモ
- リベンジポルノ被害前後の被害者と加害者のやり取りの記録 など
以上のような証拠を収集し保存しておくことで、弁護士や警察への相談がスムーズに行われ、告訴や刑事・民事裁判手続きでも重要な証拠として利用できる可能性が高いです。
リベンジポルノ被害を弁護士に相談・依頼するメリット
最後に、リベンジポルノ被害を弁護士に相談・依頼するとどのようなメリットがあるのかを解説します。
削除や犯人の特定調査を代行してくれる
リベンジポルノ被害に関する相談窓口の中には、アドバイスや情報提供をしてくれる機関はありますが、実際に被害者の代わりに被害回復のために行動してくれるわけではありません。
性的な動画・画像が投稿されたWebサイトの削除手続きから裁判対応まで一貫して任せられるのは弁護士のみです。
削除依頼や犯人の特定については、被害者個人でも対応可能ですが、弁護士に任せた方が証拠の保全や発信者情報の開示手続きをスムーズに行える可能性が高いでしょう。
刑事手続きのサポートを受けることもできる
前述のリベンジポルノ行為は、民事上の責任の他に、刑事上も犯罪として刑罰の対象となる可能性が高い行為です。代表的なところでは、リベンジポルノ防止法違反、名誉棄損罪、わいせつ物陳列罪、脅迫罪、強要罪などに構成要件に該当する可能性があります。
そして警察にリベンジポルノ行為を申告して犯人を刑事罰に処してもらうためには被害届・告訴状を提出する必要があります。警察は告訴を受理した場合には捜査を行う必要がありますが、証拠が不十分で犯罪事実があるとはいえないと判断された場合には告訴を受理してもらえないケースも想定できます。
しかし、弁護士であれば、証拠の収集や重要となる事実の整理の仕方を心得ていますので、弁護士を通じて刑事手続きを進めることで、警察も積極的に対応してもらえる可能性が高まります。
そこで、弁護士に相談して証拠の収集・保全、告訴状の作成についてアドバイス・サポートを受けることで、適時・適切に刑事告訴ができることが期待できます。
犯人特定後の対応まで一任できる
リベンジポルノ行為は、被害者の名誉やプライバシー権を侵害する不法行為に該当します。そのため、被害者は加害者に対して不法行為に基づく損害賠償請求をすることができます。
したがって、投稿された性的な動画・画像を削除したあとは、投稿者個人を特定して慰謝料などの損害賠償請求をしていくことになります。
弁護士に依頼することで、加害者からの金銭支払いを任意で交渉したり、相手方が応じない場合には民事裁判手続きによって強制的に権利を実現したりするために動いてもらえるのです。
トラブルの根本的な解決を図れる
リベンジポルノ被害を受けた場合、投稿されたwebサイトのページを削除しても別のサイトに同じ動画・画像を投稿されてしまっては意味がありません。
そのため、被害者は加害者から慰謝料などの損害賠償を受け取る他に、性的な写真・動画のオリジナルデータを削除するように要請することもできます。
弁護士の目の前でデータを削除してもらい、今後同じように動画・画像を公表した場合には事前に合意した賠償金を支払うという約定で合意書・念書などを作成できるケースもあります。相手方の態度次第によっては刑事告訴も辞さない構えで臨む必要があるでしょう。
このように弁護士に依頼しておくことで、リベンジポルノ被害を根本的に解決できる可能性が高まるのです。
当事務所では、リベンジポルノの削除、投稿者特定、損害賠償請求はもちろんのこと、投稿者に元データを削除させるなどの再犯防止対策にも力を入れております。親身誠実に弁護士が依頼者を全力で守りますので、リベンジポルノ被害でお悩みの方で、弁護士による解決をご検討中の方は当事務所の弁護士までご相談ください。お力になれると思います。
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