リベンジポルノで成立する犯罪・罰則と逮捕後の流れを弁護士が解説

リベンジポルノ防止法とは、リベンジ(復讐)目的で、撮影者の同意を得ることなく、個人的な性的画像・動画をインターネット上に流通させる行為を規制するための法律です。個人の名誉や私生活の平穏の侵害を処罰するとともに、被害の拡大を防ぐ目的で制定されました

ここで、

  • 具体的に、どんな行為をするとリベンジポルノ防止法違反になるの?
  • リベンジポルノをするとどんな犯罪が成立するの?

といった疑問をお持ちの方もいることでしょう。

そこでこの記事では、刑事事件に強い弁護士が、リベンジポルノの構成要件と成立する犯罪、罰則についてわかりやすく解説していきます。

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リベンジポルノとは

リベンジポルノの定義

リベンジポルノとは、破局したことの復讐や嫌がらせ目的などから、元交際相手や元配偶者の性的な画像や動画をその撮影対象者の同意なく、SNSやネット掲示板などインターネットを通じて公表する行為をいいます。リベンジポルノをするとリベンジポルノ防止法違反で逮捕され、処罰される可能性があります。

リベンジポルノ防止法とは

リベンジポルノ防止法という法律をご存じでしょうか。この法律の正式な名称は、「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律」といいます。

近年、リベンジポルノによって、その被害者が精神的苦痛を受ける被害が社会問題となり、法律によるリベンジポルノを規制する必要性が声高に要請されていました。

そして、2013年にトラック運転手が元交際相手へストーカー行為を繰り返したうえに刺殺した事件(三鷹ストーカー殺人事件)をきっかけとしてリベンジポルノ防止法が成立し、平成26年(2014年)12月7日から「リベンジポルノ防止法」が施行されました。

この法律は、「私事性的画像記録」の提供等により私生活の平穏を侵害する行為を処罰するとともに、そのような性的プライバシーの高い情報の流通による名誉や私生活の平穏の侵害の防止、発信者情報開示の法律の特例や被害者に対する支援体制を整備するために制定されました。

リベンジポルノで成立する犯罪の構成要件と罰則

リベンジポルノ防止法で犯罪行為とされているのは、「公表罪」と「公表目的提供罪」の2つです。ここでは、これらの犯罪の構成要件(成立要件)と罰則について解説していきます。

公表罪

「公表罪」とは、第三者が撮影対象者を特定することができる方法で、インターネットを通じて私事性的画像記録を不特定または多数の者に提供することです。また、同様の方法で、「私事性的画像記録物」を不特定もしくは多数の者に提供し、または公然と陳列する行為も、公表罪となります(リベンジポルノ防止法第3条)。

リベンジポルノ防止法に規定されている、「私事性的画像記録」とは、以下のような人の姿態が撮影された画像にかかる電磁的記録その他の記録のことを言います(リベンジポルノ防止法第2条)。

  • 性交または性交類似行為にかかる人の姿態
  • 他人が人の性器等(性器、肛門又は乳首)を触る行為、または人が他人の性器等を触る行為にかかる人の姿態であって性的に興奮させまたは刺激するもの
  • 衣服の全部または一部を着けない人の姿態であって、殊更に人の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀部または胸部)が露出されまたは強調されいるものであり、かつ性欲を興奮させまたは刺激するもの

例えば、他人の裸や性行為の画像・動画が保存されている印刷物・CDロム・USBメモリなどが私事性的画像記録物にあたります。

公表罪の具体的な行為としては、元交際相手や元配偶者との性交を記録した動画や裸・下着姿の画像などを、SNSやインターネット掲示板などに投稿するような行為が典型的でしょう。

公表罪が成立した場合には、「3年以下の懲役」または「50万円以下の罰金」が科されることになります。

なお、この「私事性的画像記録」からは、撮影の対象とされた者「撮影対象者」において、撮影した者、撮影対象者及び撮影対象者から提供を受けた者「以外の者(第三者)」が閲覧することを認識したうえで、任意に撮影を承諾しまたは撮影をしたものについては対象から除外されています。

これは、アダルトビデオやグラビア写真などについてを対象から除外するための趣旨です。これらの媒体は、本人が第三者が閲覧することが前提として成立しているビジネスモデルですので、撮影対象者の名誉やプライバシー権を侵害することにはならないからです。

公表目的提供罪

公表目的提供罪とは、不特定または多数の者に提供する目的や、私事性的画像記録物を不特定若しくは多数の者に提供・公然と陳列する目的で、インターネットを通じて私事性的画像記録や私事性的画像記録物を提供することです(リベンジポルノ防止法第3条3項)。

具体的には、「SNSやインターネット掲示板で拡散して欲しい」と依頼したり、提供した人物が拡散すると確信して特定の第三者に提供することが、この公表目的提供罪にあたります。

公表目的提供罪に該当した場合には、「1年以下の懲役」または「30万円以下の罰金」が科されることになります。

リベンジポルノ防止法以外にも問われる可能性がある犯罪

リベンジポルノ防止法に違反するような、性的な写真や動画を投稿する行為は、他の犯罪に該当する可能性もあります。ここでは、リベンジポルノ防止法以外にも問われる可能性のある犯罪について解説していきます。

わいせつ物頒布罪

性的な動画・画像をインターネット上で拡散した場合には、リベンジポルノ防止法のほかに、刑法上のわいせつ物頒布罪(刑法175条)に該当する可能性があります。

(わいせつ物頒布等)
第百七十五条 わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し、又は公然と陳列した者は、二年以下の懲役若しくは二百五十万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も、同様とする。

刑法 | e-Gov法令検索

わいせつ物頒布罪とは、わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し、または公然と陳列した場合に成立します。リベンジの意図がなかった場合でも同罪は成立します

同罪の法定刑は、「2年以下の懲役」または「250万円以下の罰金若しくは科料」、またはそれらが併科されます

わいせつ物頒布等罪・わいせつ物陳列罪とは?逮捕後の流れと対処法

名誉棄損罪

また、他人の性的な動画や画像をインターネットを通じて投稿した場合には、名誉棄損罪(刑法230条)に該当する可能性もあります。

(名誉毀損)
第二百三十条 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。

刑法 | e-Gov法令検索

名誉棄損罪とは、公然と事実を摘示し、人の社会的な評価を低下させる行為です。他人の裸や性行為を写した画像・動画を公表することは、撮影対象者の社会的評価を侵害する行為にあたるため、同罪に問われる可能性があります。

名誉棄損罪の法定刑は、「3年以下の懲役若しくは禁固」または「50万円以下の罰金」です。

名誉毀損罪はどこから成立する?構成要件を解説

児童ポルノ禁止法違反

リベンジポルノ動画・画像が、児童買春・児童ポルノに該当する場合には、児童ポルノ禁止法に違反する可能性があります。

リベンジポルノ動画や画像が、児童(18歳に満たない者)に対して、性交等をした記録である場合には、児童買春の証拠となります。また、児童を相手方とする性交・性交類似行為を記録したデータは児童ポルノに該当します。

児童ポルノ禁止法では、児童買春や児童ポルノを所持等することは禁止されています(同法第3条の2参照)。

児童買春をしたものには、「5年以下の懲役」または「300万円以下の罰金」が科されます。

また、児童ポルノを所持、提供したものには、「3年以下の懲役」または「300万円以下の罰金」が科されます。

性的姿態等撮影罪

性的な動画や画像を撮影する行為は、令和5年(2023年)7月から施行された性的姿態等撮影罪に該当する可能性もあります。

正当な理由もないのに、ひそかに性的姿態等を撮影する行為には、撮影罪として「3年以下の懲役」または「300万円以下の罰金」に科されます。

また、性的姿態等の画像(性的姿態等記録)を特定・少数の者に提供する行為は、性的影像記録提供罪として、「3年以下の懲役」または「300万円以下の罰金」に科されます。

さらに、性的影像記録を不特定・多数者に提供または公然と陳列した場合には、「5年以下の懲役」または「500万円以下の罰金」に科されます。

撮影罪とは?刑法改正で令和5年7月13日に施行された盗撮の罪を解説

よくある質問

リベンジポルノが未遂でも処罰される?

リベンジポルノ防止法における、公表罪や公表目的提供罪には未遂処罰の規定がありません

しかし、性的な動画・画像をリベンジポルノとしてインターネット上に公表せずとも、それ以前の撮影する行為や所持行為が違法となる可能性はあります

前述のように正当な理由がないのに、性的姿態等を撮影する行為は「撮影罪」として違法ですし、相手が児童の場合には、児童ポルノ所持に当たります。その他、リベンジポルノ防止法の未遂段階であっても他の犯罪に該当する場合には、処罰される可能性があります。

公表罪は親告罪?

リベンジポルノ防止法違反にあたる罪については、告訴がなければ提訴することができません(リベンジポルノ防止法第3条4項)。このように検察官が公訴を提起(起訴)するときに被害者などの告訴が必要となる犯罪のことを「親告罪」といいます。

そして親告罪の告訴については、「犯人を知った日から6か月を経過したときは」告訴できなくなります(刑事訴訟法第235条)。

この「犯人を知った」に該当するためには、リベンジポルノの投稿者を特定しうる程度に認識することが必要とされています。そのため、投稿者がどこの誰なのか全くわからない段階では、告訴期間は進行しません。

リベンジポルノ防止法違反に問われた場合の対応方法

被害者との示談交渉が重要

リベンジポルノ防止法違反行為は、親告罪ですので、被害者からの告訴がなければ検察官は起訴することができません。

そのため、被害者との示談交渉を成立させることが重要となります。示談が成立して、被害者が告訴を取り消した場合には、同法では起訴されません

したがって、刑事裁判にかけられて有罪となり、前科がつくという不利益を回避できる可能性があります。

なお、リベンジポルノの被害者に支払う示談金、すなわち、損害賠償や慰謝料の額について詳しく知りたい方は、(被害者向けの記事ですが)リベンジポルノの損害賠償(慰謝料)相場をご覧になってください。

示談交渉は弁護士に任せる

リベンジポルノ防止法の公表罪や公表目的提供罪に問われた場合には、すぐに弁護士に依頼して示談交渉を任せることがポイントです。

弁護士に示談交渉を任せることで、被害者とスムーズに示談が成立して、早期での身体拘束からの解放や、不起訴処分となる可能性が高まります。また被害者が告訴を取り下げない場合であっても、示談金や解決金を支払っていれば、被疑者・被告人に有利な事情として起訴猶予とされたり、軽い刑罰で済むというケースもあり得ます

したがって、リベンジポルノ防止法で逮捕された・立件されそうな場合には、できるだけ早く弁護士に相談・依頼するようにしてください。

当事務所では、リベンジポルノの被害者との示談交渉を得意としており実績があります。親身誠実に弁護士が盾となって依頼者を全力で守りますので、リベンジポルノ防止法に違反する行為をしてしまい逮捕のおそれのある方や、既に逮捕された方のご家族の方は当事務所の弁護士までご相談ください。お力になれると思います。

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