
「元交際相手の性的な画像をSNSに投稿してしまった」「ばらまくと送っただけだが、リベンジポルノは犯罪になるのか」と不安を抱えている方もいるのではないでしょうか。相手の同意を得ずに性的な画像・動画をネット上へ公開する行為は、リベンジポルノ防止法違反として3年以下の拘禁刑、または50万円以下の罰金が科される犯罪です。撮影や送信にとどまる場合でも、性的姿態等撮影罪や脅迫罪にあたることがあります。
ただし、公表罪は親告罪であり、被害者の告訴が取り消されれば、起訴されないまま終わる道が残されています。分かれ目になりやすいのは、画像をどう扱ったのか、そして被害者との関係をこれからどう修復できるかです。
この記事では、この種の事件で示談交渉に携わってきた弁護士が、次の点について解説します。
- リベンジポルノで成立する犯罪と罰則
- 逮捕された後の流れと身体拘束の期間
- 起訴・不起訴を分ける親告罪の仕組み
- 前科を避けるために今できること
お読みいただくことで、ご自身の行為がどの犯罪にあたるのかを見分け、今日から何をすべきかを整理できます。
なお、お困りの方は、この記事をお読みいただいた後、当事務所の無料相談へお早めにご連絡ください。地域を問わずご相談を承っており、早期の対応が結果を左右します。
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リベンジポルノとは
リベンジポルノの定義
リベンジポルノという呼び名は法律上の用語ではなく、条文では「私事性的画像記録」という言葉で対象が定義されています。一般には、破局したことの復讐や嫌がらせ目的などから、元交際相手や元配偶者を写した性的な画像・動画を、本人の承諾を得ずにインターネット上へ公開する行為をいいます。こうした行為はリベンジポルノ防止法に触れ、刑事責任を問われます。
リベンジポルノ防止法とは
リベンジポルノを取り締まる法律の正式名称は「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律」で、一般にリベンジポルノ防止法と呼ばれています。
近年、リベンジポルノによって被害者が深刻な精神的苦痛を受ける事案が社会問題となり、法律による規制の必要性が強く求められていました。
そして、2013年にトラック運転手が元交際相手へストーカー行為を繰り返したうえに刺殺した事件(三鷹ストーカー殺人事件)をきっかけとしてリベンジポルノ防止法が成立し、平成26年(2014年)11月27日に公布・施行され、処罰規定である3条は同年12月17日から適用されています。
この法律は、私事性的画像記録の提供等により私生活の平穏を侵害する行為を処罰するとともに、そうした情報の流通で名誉や私生活の平穏が侵害された場合に投稿の削除(送信防止措置)を通常より早く進められるようにする情報流通プラットフォーム対処法(旧・プロバイダ責任制限法)の特例を設け、あわせて被害者への支援体制を整備するために制定されました。
リベンジポルノで成立する犯罪と罰則
リベンジポルノ防止法で犯罪行為とされているのは、「公表罪」と「公表目的提供罪」の2つです。ただし、性的な画像や動画を拡散する行為は、同法だけでなく刑法や児童ポルノ禁止法など複数の法律に同時に触れることがあります。
法務省の令和7年版犯罪白書によると、令和6年(2024年)に私事性的画像被害に係る事案で検挙された件数は、リベンジポルノ防止法違反そのものが57件であるのに対し、脅迫・児童買春児童ポルノ禁止法違反・強要などの他法令による検挙は275件と、約5倍にのぼります(警察庁生活安全局の資料による。いずれも件数であり人数ではありません)。
本記事で扱う主な8つの罪を、成立する典型的な場面と法定刑で整理すると次のとおりです。
| 罪名(根拠法) | 成立する典型的な場面 | 法定刑 |
| 公表罪(リベンジポルノ防止法3条1項・2項) | 元交際相手の性的画像をSNSや掲示板に投稿した | 3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金 |
|---|---|---|
| 公表目的提供罪(同法3条3項) | 「拡散してほしい」と頼んで特定の第三者に送った | 1年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金 |
| わいせつ物頒布等罪(刑法175条) | わいせつな画像・動画をネット上で不特定多数に送信した | 2年以下の拘禁刑もしくは250万円以下の罰金もしくは科料、または拘禁刑および罰金の併科 |
| 名誉毀損罪(刑法230条) | 相手が特定できる形で性的画像を公開し社会的評価を下げた | 3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金 |
| 児童ポルノ禁止法違反(同法7条6項ほか) | 相手が18歳未満で、その画像を不特定多数に提供・公然陳列した | 5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金、またはその併科 |
| 性的姿態等撮影罪(性的姿態等撮影処罰法2条) | ひそかに、または相手が拒めない状態に乗じて性的な姿態を撮影した | 3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金 |
| 脅迫罪(刑法222条) | 「裸の写真をばらまくぞ」と告げて相手を怖がらせた | 2年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金 |
| ストーカー規制法違反(同法18条・19条) | 拒まれても連絡を続け、性的羞恥心を害する内容を送った | 1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(禁止命令違反は2年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金) |
また、リベンジポルノ防止法違反の罪は親告罪で、条文は「告訴がなければ公訴を提起することができない」と定めています(リベンジポルノ防止法3条4項)。被害者などが告訴しない限り、検察官は起訴できません。ただし、告訴を取り消せるのは公訴の提起があるまでで、起訴された後に取り消されても裁判は続きます(刑事訴訟法237条1項)。親告罪の告訴は、犯人を知った日から6か月を経過するとできなくなります(刑事訴訟法235条)。ここでいう「犯人を知った」といえるためには、投稿者を特定しうる程度に認識していることが必要とされているため、投稿者が誰か全くわからない段階では告訴期間は進行しません。
なお、公表罪の公訴時効は、犯罪行為が終わった時から3年です(法定刑の長期が5年未満の拘禁刑にあたる罪のため。刑事訴訟法250条2項6号・253条1項)。公訴時効や民事上の時効について詳しくは「リベンジポルノ防止法の時効は3年です|民事の時効も解説」をご参照ください。
公表罪
公表罪は、私事性的画像記録を、写っている本人が誰かを第三者に判別できる形で電気通信回線を通じて不特定または多数の人へ提供したときに成立します(リベンジポルノ防止法第3条1項)。「私事性的画像記録物」を、本人を判別できる形で不特定もしくは多数の人へ提供したり公然と陳列したりした場合も、同じ扱いです(同条2項)。記録物は物として渡すものなので、回線を使わない手渡しでの配布も対象になります。
同法にいう「私事性的画像記録」とは、次の3類型のいずれかにあたる姿を写した画像・動画のデータなどを指します(リベンジポルノ防止法第2条)。
- 衣服の全部または一部を脱いだ姿で、性器・その周辺部・臀部・胸部といった性的な部位が殊更に露出または強調され、性欲を刺激する内容のもの
- 性器・肛門・乳首に相手が触れる、あるいは相手の性器等に触れる場面のうち、性的に興奮させたり刺激したりするもの
- 性交や性交類似行為をしている最中の姿
一方の「私事性的画像記録物」は、こうしたデータを焼き込んだUSBメモリやディスク、紙に印刷した写真など、物として形のあるものを指します。リベンジポルノでは、この両方が規制の対象になります。
リベンジポルノとして典型的なのは、別れた恋人や元配偶者と写した性行為の動画、裸や下着姿の写真を、SNSや掲示板へ投稿するケースです。
なお、「不特定」ではなくても「多数」への提供であれば成立するため、仲間内のLINEグループへの共有や、ある程度の人数へのメール送信でも公表罪が成立する可能性があります。
リベンジポルノとして公表罪が成立すると、「3年以下の拘禁刑」または「50万円以下の罰金」が科されます。
※2025年6月1日施行の改正刑法により、従来の「懲役」と「禁錮」は「拘禁刑」に一本化されました。本記事の法定刑の記載は改正後の内容に基づいています。
なお、写された本人が、撮影者・本人・本人から渡された人以外も目にすると分かったうえで、自らの意思で撮影に応じた場合や自分で撮影した場合は、「私事性的画像記録」から除かれます。
これは、アダルトビデオやグラビア写真などについてを対象から除外するための趣旨です。これらの媒体は、第三者が閲覧することを本人が認識したうえで撮影に応じることが前提となっているため、本人の意思に反する公表を処罰するという同法の趣旨が及ばないからです。
なお、公表罪と公表目的提供罪には未遂を処罰する規定がありません。しかし、投稿する前の段階でも、撮影行為や画像を持っていること自体が別の罪にあたります。正当な理由がないのにひそかに性的な姿態を撮影していれば性的姿態等撮影罪が、相手が18歳未満であれば児童ポルノの製造・所持が問題になります。「まだ投稿していないから大丈夫」とは限らない点に注意が必要です。
公表目的提供罪
公表目的提供罪は、受け取った相手に拡散させる目的、つまり不特定または多数へ提供させたり公然と陳列させたりする目的で、私事性的画像記録や記録物を誰かに渡す行為に成立します(リベンジポルノ防止法第3条3項)。
具体的には、「掲示板で広めてほしい」と頼んで画像を送る行為や、渡せば必ず広められると分かったうえで特定の相手に送る行為が、これにあたります。
公表目的提供罪の法定刑は、「1年以下の拘禁刑」または「30万円以下の罰金」です。
実際の裁判では、被害者の人数や拡散の範囲、示談の成否といった事情が量刑を大きく左右します。裁判所がどのような事情を考慮して執行猶予を付したのかは「リベンジポルノ防止法の有名判例を弁護士が解説」で具体的な事例を紹介しています。
わいせつ物頒布等罪
性的な動画・画像をインターネット上で拡散した場合には、リベンジポルノ防止法のほかに、刑法上の犯罪であるわいせつ物頒布等罪(刑法175条)にも該当することがあります。
(わいせつ物頒布等)
第百七十五条 わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し、又は公然と陳列した者は、二年以下の拘禁刑若しくは二百五十万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は拘禁刑及び罰金を併科する。電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も、同様とする。
わいせつ物頒布等罪は、わいせつな画像・動画や、それを保存した媒体を配ったり、誰でも見られる状態に置いたりしたときに成立します。リベンジポルノとしての投稿は、まさにこの「公然と陳列」にあたります。リベンジポルノのような報復の意図がなかった場合でも同罪は成立します。
同罪の法定刑は、「2年以下の拘禁刑」または「250万円以下の罰金若しくは科料」で、拘禁刑と罰金が併科されることもあります。
頒布にあたる行為の範囲や「公然と陳列した」の判断基準については「わいせつ物頒布等罪・わいせつ物陳列罪とは?弁護士が解説」で詳しく取り上げています。
名誉毀損罪
リベンジポルノとして他人の性的な動画や画像をインターネットへ投稿した場合には、名誉毀損罪(刑法230条)に問われることもあります。
(名誉毀損)
第二百三十条 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
名誉毀損罪は、不特定または多数が知りうる状態で具体的な事実を示し、相手の社会的評価を下げたときに成立します。裸や性行為を写した画像・動画の公開は、撮影対象者の社会的評価を大きく傷つける行為にあたるため、リベンジポルノでは防止法違反とあわせてこの犯罪が成立することがあります。
名誉毀損罪の法定刑は、リベンジポルノ防止法の公表罪と同じく「3年以下の拘禁刑」または「50万円以下の罰金」です。
どこまでが「公然と事実を摘示した」にあたるのかは「名誉毀損罪はどこから成立する?構成要件を解説」をご参照ください。
児童ポルノ禁止法違反
リベンジポルノの画像や動画に写っているのが児童(18歳未満の者)であれば、児童ポルノ禁止法にも触れます。
同法は、自己の性的好奇心を満たす目的で児童ポルノを所持することを禁じており(処罰されるのは、自分の意思で持つに至ったことが明らかに認められる場合に限られます)、この単純所持の法定刑は「1年以下の拘禁刑」または「100万円以下の罰金」です(児童ポルノ禁止法7条1項)。
さらに、児童ポルノを第三者に提供した場合は「3年以下の拘禁刑」または「300万円以下の罰金」(同条2項)、不特定もしくは多数の者に提供し、または公然と陳列した場合は「5年以下の拘禁刑」もしくは「500万円以下の罰金」、またはその併科と定められています(同条6項)。
リベンジポルノとしてSNSや掲示板に投稿する行為は、この6項にあたるため、同じ画像でも手元に持っているだけの場合と比べて刑が大きく重くなります。児童との性交等を、対償を渡して、または渡す約束をして行っていた場合には、別途、児童買春という犯罪(同法4条・5年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金)にも問われます。
提供の態様によって刑がどう変わるかや、立件された場合の手続については「児童ポルノ禁止法違反となる行為と罰則は?逮捕後の流れを解説」をあわせてご確認ください。
性的姿態等撮影罪
リベンジポルノの素材になった画像や動画そのものの撮り方によっては、令和5年(2023年)7月13日に施行された性的姿態等撮影罪という犯罪にもあたります。
正当な理由がないのに、ひそかに性的姿態等を撮影する行為は、撮影罪として「3年以下の拘禁刑」または「300万円以下の罰金」の対象となります。
処罰されるのは「ひそかに」撮った場合だけではありません。相手が同意しない意思を示せない状態に乗じて撮った場合、性的な撮影ではないと誤信させて撮った場合、「自分以外には見せない」と誤信させて撮った場合も対象です。さらに、相手が13歳未満のとき、または13歳以上16歳未満で撮影者が5歳以上年長のときは、相手が同意していても撮影罪が成立します(性的姿態等撮影処罰法2条1項)。交際中に同意を得て撮ったつもりでも処罰されうる点に注意が必要です。
また、撮影によって作られた画像・動画のデータ(条文では「性的影像記録」といいます)を特定・少数の者に提供する行為も、性的影像記録提供罪として同じ法定刑が定められています。
これを不特定の相手や多数の人へ渡したり、公然と陳列したりすれば、さらに重く「5年以下の拘禁刑」もしくは「500万円以下の罰金」、またはその併科となります。
こうした提供・陳列の前提になる撮影行為がどこまで処罰されるかは「性的姿態等撮影罪(撮影罪)とは?盗撮罪との違いと刑罰を解説」で詳しく紹介しています。
脅迫罪
脅迫罪とは、被害者の「生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した」場合に成立する犯罪です。
本人だけでなく、その親族の生命・身体・自由・名誉・財産に害を加えると告げた場合も脅迫罪にあたります(刑法222条2項)。
例えば、リベンジポルノをほのめかして、元恋人や元夫が「お前の裸の写真・性行為を撮影した動画をばらまくぞ」と脅すことは脅迫罪の構成要件に該当する行為です。
脅迫罪の法定刑は、2年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金です。
さらに「晒されたくなければ〇〇万円払え」と金品を要求し、実際に支払わせれば恐喝罪が成立します。法定刑は10年以下の拘禁刑で、支払わせるに至らなくても恐喝未遂として処罰されます。
また、「晒されたくなければ、俺と付き合え/復縁しろ」などと義務のないことを強いた場合には強要罪が成立し、3年以下の拘禁刑に処せられます。
どのような文言が脅迫罪にあたるのかは「脅迫罪になる言葉・ならない言葉は?成立要件と刑罰を解説」もあわせてご確認ください。
ストーカー規制法違反
元交際相手・元配偶者がリベンジポルノとして性的な画像や動画を投稿した場合には、ストーカー規制法違反という別の犯罪にあたる可能性もあります。
ストーカー規制法は、恋愛感情やそれが満たされなかったことへの怨恨の感情を満たす目的で行う一定の行為を「つきまとい等」として規制しています。その類型には「その名誉を害する事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと」(同法2条1項7号)と、「その性的羞恥心を害する事項を告げ若しくはその知り得る状態に置き」「その性的羞恥心を害する電磁的記録その他の記録を送信し若しくはその知り得る状態に置くこと」(同項8号)が含まれ、リベンジポルノはその両方にあたりえます。
例えば、「お前の裸をSNSにアップしてやる」と相手に伝える行為は、性的羞恥心を害する事項を告げる行為にあたります。
そして、実際に相手の性的な動画や画像を被害者自身に送りつけたり、実際にインターネット上などに公開したりした場合には、相手の名誉を傷つける行為となります。被害者の性的動画・画像を自分が持っていると知らせるために連絡をすることも、「つきまとい等」にあたりえます。
また、相手が拒否しているにもかかわらず執拗に電話やLINE等で連絡をする場合にも、ストーカー規制法が禁止する「つきまとい等」に該当することになります。
ただし、つきまとい等にあたる行為を1回しただけで処罰されるわけではありません。処罰の対象となる「ストーカー行為」とは、同一の相手につきまとい等を反復してすることをいい(同法2条4項)、反復に至らない段階では警告や禁止命令等といった行政上の措置にとどまります。
リベンジポルノを伴うストーカー行為をした場合の法定刑は、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です(同法18条)。禁止命令を受けたのにストーカー行為を繰り返した場合は、2年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金と、より重く定められています。
リベンジポルノの逮捕後の流れ
法務省の令和7年版犯罪白書によると、令和6年(2024年)に警察が受理した私事性的画像被害に関する相談等は2,128件で(刑罰法令に抵触しないものも含みます)、リベンジポルノ防止法の施行以降で最多となりました。被害者と加害者の関係は、交際相手(元交際相手を含む)が1,047件(49.2%)と約半数を占めています。
投稿したリベンジポルノの画像が被害者の目に触れれば、警察に相談され、捜査が始まる可能性は十分にあります。ここでは、逮捕された場合にどのような手続きが進み、最終的にどのような処分がありうるのかを確認しておきましょう。
逮捕から勾留までの流れ
リベンジポルノ事件では、被害者が警察へ相談し、告訴状や被害届が提出されることで捜査が始まるのが一般的です。投稿に使われたアカウントの契約者情報や、端末に残された画像データなどから、捜査機関によって被疑者が特定されます。
逮捕された場合、警察(司法警察員)は、被疑者の身体を拘束した時から48時間以内に、事件を検察官へ送致しなければなりません(刑事訴訟法203条1項)。
送致を受けた検察官は、被疑者を受け取った時から24時間以内、かつ身体拘束の時から72時間以内に、裁判官へ勾留を請求するか、釈放するかを決めます(同法205条1項・2項)。リベンジポルノ事件でも、この時間の制限は変わりません。
勾留が認められると、勾留請求の日から10日間、身体拘束が続きます。検察官の請求により、裁判官がやむを得ない事由があると認めるときは、通じて10日を限度に延長されるため、逮捕からの身体拘束は最長で23日間に及ぶ可能性があります(同法208条)。
もっとも、リベンジポルノ防止法違反で必ず逮捕されるわけではありません。被疑者の身元がはっきりしており、証拠の隠滅や逃亡のおそれが小さいと判断されれば、逮捕されずに在宅のまま捜査が進む(在宅事件)ことも珍しくありません。
起訴・不起訴の判断と前科がつく場合の影響
勾留されている場合は勾留期間の満了までに、在宅事件では捜査が終わった段階で、検察官はリベンジポルノ事件を起訴するか不起訴にするかを決めます。リベンジポルノ防止法違反は親告罪であるため、被害者が告訴を取り消せば、検察官は起訴することができません。示談の成否が処分を大きく左右するのは、このためです。
起訴されて裁判所の有罪判決が確定すると、罰金刑であっても前科となります。前歴(捜査の対象になった記録)とは違い、前科は刑の言渡しを受けた記録として検察庁に残ります。拘禁刑の前科であれば、資格の制限という形で後の生活に影響が及ぶ場合もあります。
また、刑事責任とは別に、被害者から民事上の損害賠償(慰謝料)を請求される可能性もあります。
なお、事件が報道されるかどうかは、被害者の年齢や被害の規模など事案の性質によって異なり、すべての事件が実名で報道されるわけではありません。もっとも、勤務先や学校に知られれば、懲戒処分や退学処分につながるおそれは否定できません。
リベンジポルノ防止法違反に問われた場合の対応方法
リベンジポルノ防止法違反に問われそうな状況では、まず自分が投稿した画像・動画を削除し、これ以上の拡散を止めることが出発点になります。削除しても犯罪が消えるわけではありませんが、被害の拡大を抑えた事実は、その後の示談や処分の判断で有利に働きます。
そのうえで、被害者との示談を成立させられるかどうかが、処分を大きく分けることになります。
被害者との示談交渉が重要
前述のとおり、リベンジポルノ防止法違反は告訴がなければ起訴できない罪です。
だからこそ、リベンジポルノ事件では被害者と示談をまとめられるかどうかが処分を大きく左右します。示談が成立して、被害者が告訴を取り消した場合には、同法では起訴されません。
したがって、刑事裁判にかけられて有罪となり、前科がつくという不利益を回避できる可能性があります。
ただし、脅迫罪や名誉毀損罪など他の罪も同時に成立している場合、名誉毀損罪も親告罪ですが、脅迫罪やわいせつ物頒布等罪は親告罪ではありません。告訴の取消しだけでは処分が決まらない場合がある点には注意が必要です。
示談交渉は弁護士に任せる
リベンジポルノ防止法の公表罪や公表目的提供罪に問われた場合には、すぐに弁護士に依頼して示談交渉を任せることがポイントです。
弁護士に示談交渉を任せることで、被害者とスムーズに示談が成立して、早期での身体拘束からの解放や、不起訴処分となる可能性が高まります。また被害者が告訴を取り下げない場合であっても、示談金や解決金を支払っていれば、被疑者・被告人に有利な事情として起訴猶予とされたり、軽い刑罰で済むというケースもあり得ます。示談金は、被害の大きさや被害者の処罰感情、当事者の関係性などによって大きく変わります。金額の決まり方と成立までに踏む手順については「刑事事件で示談するメリットは?示談金相場と流れを徹底解説」で具体的に整理しています。
とくに、リベンジポルノの加害者本人やその家族が直接被害者に連絡をとろうとすると、被害者が恐怖心からかえって態度を硬化させたり、接触自体をストーカー行為と受け取ったりするおそれがあります。連絡は弁護士を通じて行うのが安全です。
したがって、リベンジポルノ防止法で逮捕された・立件されそうな場合には、できるだけ早く弁護士に相談・依頼するようにしてください。
リベンジポルノで犯罪に問われそうな方は弁護士にご相談ください
リベンジポルノ防止法に触れると、公表罪なら3年以下の拘禁刑が科されるうえ、わいせつ物頒布等罪や名誉毀損罪など複数の犯罪に同時に問われることもあります。勾留まで進めば身体拘束は最長23日間に及ぶことがありますが、同法は親告罪であるため、起訴される前に示談が成立し告訴が取り消されれば不起訴となる道が開かれます。
一時の感情から行為に及んでしまい、今後どうなるのか不安を抱えている方も少なくないでしょう。すでに被害届を出されている場合や、警察から連絡が来ている場合には、早期の対処が結果を大きく左右します。
当事務所はリベンジポルノ事件における示談交渉の実績があり、被害者の感情に配慮した解決を目指します。
ご家族や勤務先に知られるリスクを抑えるよう配慮しながら、穏便な解決を図ります。全国どこからでもご利用いただける無料相談を設けておりますので、おひとりで悩まず、まずはご相談ください。
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この記事の監修者
刑事事件の弁護に注力する法律事務所の代表弁護士。逮捕回避・早期釈放・不起訴獲得・示談交渉など、被疑者・被告人の権利を守るための迅速な弁護活動に豊富な実績を持つ。痴漢・盗撮・暴行傷害・薬物事件・性犯罪など幅広い刑事事件に対応し、24時間体制で依頼者とそのご家族を全力でサポートしている。

