パパ活でオジサンに身体を弄ばれた挙句に報酬を得られずに逃げられる…。これからパパ活で大人(お金をもらって性的関係を持つこと。売春)を考えている女性からすれば絶対に避けたい事態でしょう。既にやり逃げされたのであれば腹の虫がおさまらないはずです。
そこでこの記事では、パパ活トラブルに強い弁護士が、
- パパ活でよくあるやり逃げの手口
- パパ活でのやり逃げを防止する対策
- パパ活でやり逃げをされた場合の対処法
について詳しく解説していきます。
この記事を最後まで読むことで、パパ活でのやり逃げ被害に遭わないようになりますし、被害に遭った場合にどうすべきかが分るようになります。
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目次
パパ活でのやり逃げの手口
女性のシャワーやトイレの最中に逃げる
いわゆるやり逃げをしようと思っている男性は、性行為のあとタイミングを見計らって逃走することを考えています。とくに、ホテルで女性側がシャワーを浴びていたりトイレや洗面所を使用したりしているタイミングでこっそりと姿を消すケースが多発しています。
また、一旦渡した現金をパパがバッグや財布から抜き取って逃げ去ってしまうケースもあります。女性側も既に現金を受け取ったと安心し油断していると、シャワーやトイレの最中に回収されてしまうというリスクもあります。パパ活中には貴重品が入っている財布やバッグを男性だけがいる空間に放置することは避けましょう。
もっとも、お泊りのパパ活の場合には、自分が寝ている間のパパの行動を常に監視することは難しいですので、受け取った現金はコンビニを利用するといってすぐにATMで自分の口座に振り込んでしまいましょう。そうすることで一旦支払われた現金を取り返される心配はありません。
コンビニの反対側の出口から逃げる
パパ活で性行為が終わってから、「お手当てが財布の中だけだと足りないから帰りにコンビニでおろしてくるね」といって、帰りにあなたのもとを離れようとするパパには注意が必要です。
コンビニによっては利便性を考慮して出入口が複数ある店もあります。「お金をおろしてくる」と言ってコンビニに入って行ったパパが奥の別出口から通り抜けて逃げてしまったというケースがあります。出入り口が複数ある店舗は逃げられる可能性も十分あるため、一緒に店舗内に入るなど注意を払うようにしましょう。
愛人契約で月末振り込みの約束をする
パパの中にはあなたと愛人契約を結んで1か月に数回会うことを要求して、「対価としての現金を月末に銀行振り込みで支払う」と言ってくる人もいます。その場合「数十万円」を振り込むと高額な提示をしてくる場合もあり、それを信じて安易に契約に合意してしまうことは絶対に避けてください。
このようにあなたが先に契約上のサービスを提供しなければならないような約束のもとでは、あなたが1回または数回サービスを提供したとしても約束の日に男性側が金銭を支払う保障はどこにもないのです。
数回デートを重ねた段階で男性とは連絡が取れなくなり当然約束の支払いを受けることもできなかったというパターンが容易に想定できます。あなたの債務の履行が先で相手が後払いの約束には絶対に避けるべきでしょう。
ネットバンキングの振り込み予約画面を見せる
パパ活では対価の現金を先に受け取れることが理想的ですが、少なくとも同じタイミングであれば問題ないといえます。
しかし、ネットバンキングを利用した入金には注意が必要です。性行為の前にスマホからあなたの指定する銀行口座に入金すると言って、「振り込み予約の画面」を見せてあなたを安心させるという手口もあります。
しかし、振り込みの予約は振り込みを実行するまではキャンセルできます。そのためネットバンキングの場合には、あなたもスマホアプリで銀行口座に入金されているかきちんと確認を取る必要があります。もし相手が予約段階で手続きをしていない場合にはあなたの口座に入金はないはずです。
予約画面を見せられて安心せずに、最終的にあなたの口座の数字が増えているか否かをきちんと確認することが重要です。
相性確認のため初回のお手当てを低く見積もる
「毎月30万円支払うが、最初は相性の確認があるので1万円だけ支払います」などと言ってくる相手もいます。このような申し出についても承諾してはいけません。
男性側からすれば1万円で性行為を行い、その後は理由を付けて関係を拒否することができてしまいます。そのような逃げ道として男性側は「身体の相性が良くなかったから」と言えるようにしているのです。
酷いケースだと、「毎月〇〇万円(かなり高額)払えるけど体の相性が大切だから初回お試しは無料でいいよね?」といった誘い文句のパパもいます。高額なお手当てに冷静な判断力を失い応じてしまうと、タダでやり逃げされるのがオチですので、”お試し”の話しには乗らないようにしましょう。
やり逃げする可能性が高いパパの特徴
高額な支払いを約束してくる場合
パパ活に対して高額な支払いを約束する相手の場合には注意が必要です。
初回であるにもかかわらず、相場を大きく超える金額を提案してくる場合にはやり逃げ目的の可能性があります。
なぜなら、最初から手当を支払う意思がないため金額が大きくても財布が痛まないと考えているおそれがあるからです。また、経済力があると信用させることで、女性側が油断している隙をついて逃走しようとしている可能性もあります。
パパ活をして相手と楽しい時間を過ごせるかどうかは、実際に相手に会ってみないと分からないものです。相手を気に入って関係を続けてもらうためには徐々に金額を上げていくのが一般的でしょう。
初回から高額な金額を提示してくるということは、その金額も支払う意思がなく、2回目以降に会うつもりもない(やり逃げ目的)というリスクが懸念されます。
初回格安にこだわる場合
前述の通り、やり逃げをする男性の特徴として、「初回お試し」という手口もあります。
具体的には、初回は無料や格安の支払いを約束させて、「よかったら、次回〇倍のお手当を支払う」というものです。
女性側に二度目があると誤信させて初回無料・格安で大人の関係を持ったところ、初回の手当すら払わずに逃げられてしまったというケースがあります。
このように初回格安で大人の関係を要求してくる男性は、継続して関係を構築しようとは考えていない可能性があるため、対価を支払わずに逃げてしまうおそれがあるのです。大人の関係を要求してくるのに無料や5000円などの提示をしてくる相手には要注意です。
SNSを利用してパパ活をしている場合
TwitterやInstagramなど無料で利用できるSNSアプリでパパ活をしている男性にも注意が必要です。
なぜなら、課金が必要なパパ活アプリや有料マッチングアプリを利用しないのは、それらの月額使用料を支払えない程度の経済力である可能性があるからです。
無料で利用できるSNSはパパ活やマッチングのために設計されているものではありません。そして、基本的には無料のSNSアプリの場合には年齢確認や本人確認の登録が不要であるため、ユーザーのモラルが低いリスクがあります。
誰でも簡単に、最小限の個人情報でアカウントを取得することができます。したがって、そもそもやり逃げ目的でSNSのアカウントをパパ活に利用しているおそれがあります。
先払いを頑なに拒否する場合
実際に男性と会って先払いをお願いした際に、頑なに拒否したり、明らかに不機嫌になったりする場合にも要注意です。
そもそも、女性に対して金銭を支払う意思がある男性の場合には、先払いを要求されても大きく拒否反応を示すことはありません。
これに対してやり逃げ目的の男性は、そもそもお金を払う意思がありませんので、先払いを要求されてもこれに応えることができないのです。
やり逃げ目的の男性に限って、「先に金を要求するのは非常識・感じが悪い」や「金だけとるつもりだろ」などと、逆に女性側を口汚く責め始めるおそれがあります。
やり逃げ被害に遭わないためには基本的に先払いを約束しておくべきですが、それを頑なに拒否する場合には、それ以上は関係を続けず解散を判断しても良いくらいでしょう。
逃走ルートを確保している場合
男性側が逃走ルートを確保していないかどうかも注意深く観察してください。
具体的に、特定のレストラン・飲食店やコンビニを利用したがる場合には注意が必要です。
パパ活でやり逃げや食い逃げを繰り返し行っている男性は、逃走ルートが確保できている店舗や場所を何度も利用している可能性があります。
喫煙スペースが店外にあるレストランや、出入口が複数あるコンビニなどを利用することで、支払い前に女性のもとから逃げようと企てている可能性があります。
したがって、男性側が特定の飲食店や店舗を指定してくる場合やしきりに特定のコンビニや店に行きたがる場合には、逃げようとしているおそれがあるため注意が必要です。
パパ活のやり逃げ被害を防止するためには?
現金の先払いが条件であることを明言しておく
やり逃げの手口は受け取る現金が先払いであれば被害に遭わずに済みます。後々トラブルにならないためにも支払いは先払いであることをはっきりと相手方に伝えておく必要があります。
また、封筒で現金を渡された場合にはその場で中身を確認するようにしておきましょう。中には上部1枚だけ本物の1万円札で下に隠れている部分はただの紙きれだったという手口もあります。
持ち物は肌身離さず
シャワーやトイレの使用中に一旦支払われた現金がこっそり回収されることを防ぐためにも、ご自身の持ち物、とりわけ財布や貴重品についてはシャワーやトイレに持参して肌身離さず持っておきましょう。その際、不自然にならないためにも、パパ活で持参するバッグや財布は小ぶりなものの方が持ち運びやすいでしょう。
初回から男女の関係にならない
初回は性行為を行わず食事やデートだけで済ますべきでしょう。そうすれば初回から大きな金銭のやり取りで揉める必要もありませんし最初は初対面の相手を観察することもできます。
2回目以降会うことになっても問題ないかどうかを判断できる時間を準備しておくことも重要でしょう。
会う前または当日に高額なお手当てを提示されたら疑う
パパ活アプリでのやり取り段階では、パパは女性の容姿の確認がとれていません。また、会った当日でも性行為の前であれば体の相性が合うかどうかもわかりません。
にもかかわらず、その段階で高額なお手当ての提示をしてくるパパは明らかに不自然です。端からやり逃げを目論んでいるため、手っ取り早く性行為をするために高額な報酬を鼻先にぶら下げているに過ぎません。高額なお手当ては魅力的ですが、相場からかけ離れた額を提示してくるパパは疑ってかかりましょう。
パパから離れずに一緒に行動する
やり逃げをされないためには、男性から目を離さずに一緒に行動することが重要です。
やり逃げ目的の男性は、女性と大人の関係を持ったあとに逃走する機会を伺っています。
したがって、相手が逃げられないように以下のような行動をすることがポイントです。
- 男性が買い物に行く際にも男性から離れずについていく
- レストランや飲食店の出入口が死角とならない位置に着席する
- 離れた喫煙スペースには一緒についていく
- ATMやコンビニに行く際も目を離さずについていく
トイレや喫煙スペースの場所についても事前に把握しておくようにしましょう。食事中に男性がトイレに立つ場合に一緒について行くのが難しいケースもありますので、できるだけ自席から男性の姿を視認できるようにしておきましょう。
パパ活のやり逃げは詐欺罪?民事でお金を請求できる?
パパ活でやり逃げしたパパに対して何らかの制裁を加えてやることはできるのでしょうか。民事・刑事双方の視点から法的な制裁を解説していきます。
民事事件としてお金を請求できる?
結論として、女性側は逃げたパパに未払いの対価やそれに代わる金銭の支払いを請求することができません。
「パパ活でお金を返せと言われた場合の法的な返済義務」にも書かれていますが、性行為の対価としてお金を受け取る「売春契約(愛人契約)」は公序良俗(民法第90条)違反となり無効です。
したがって、女性が身体の提供(性的サービスの提供)という債務を履行したとしても、無効な契約である以上、パパ側は対価を払う必要がないのです。つまり、女性は泣き寝入りせざるを得ません。
犯罪にはならないの?
パパ活でのやり逃げは詐欺利得罪が成立することもあります。
詐欺利得罪とは、人を騙して財産上の利益を得る犯罪です(刑法第246条2項)。財産上の利益を得るとは、本来支払うはずだった代金の支払いを免れることも含まれます。つまり、パパ活でのやり逃げは、女性を騙して性行為の報酬支払いを免れているわけですから、この犯罪に該当します。
もっとも、売春におけるやり逃げで詐欺利得罪が成立するかに関しては過去の裁判例でも結論が割れており、やり逃げパパに犯罪が成立すると断定はできません。
また、刑事事件は被告人に刑罰を科すか否かを判断するための手続ですので、女性側に生じた経済的な被害回復を直接的には期待できないという点は理解しておく必要があります。
パパ活でやり逃げ被害に遭った場合の対処法
パパ活でやり逃げされた場合、弁護士に依頼して、パパへの金銭請求をしてもらう方法が考えられます。前述の通り、本来であれば民事での金銭請求はできないのですが、弁護士から詐欺で刑事告訴されたり訴訟を起こされることを恐れて示談金(お手当て+慰謝料)で解決を図ろうとするパパもいます。
しかし、確実性がないばかりか、仮にパパから示談金を受け取ったとしても、弁護士費用の方が高くつくこともあります。女性にとって金銭的メリットは少ないため、弁護士に依頼するかどうかは女性の気持ち次第でしょう。
泣き寝入りはしたくないのでせめてパパに刑事責任をとらせたいとお考えの場合は、警察に被害届を出しに行きましょう。正直、被害届が受理される可能性は高くないですが、同じパパによる被害申告が数多くなされている場合には、悪質性が高い事案として警察が動く可能性もあります。
警察署に出向く場合には、利用したホテル名、ホテルの住所、ホテルに滞在した日時を正確に警察に伝えられるよう事前にメモをして持参しましょう。また、パパがアカウントを削除してメッセージのやり取りが見れなくなる前に、アプリやサイト、SNSでのやり取りはスクリーンショットで保存しておくようにしましょう。
なお、パパ活で起きるトラブルはやり逃げに限ったものではありません。パパ活ではどんなトラブルが頻繁に起きているのか、今後のためにも知っておきたい方は、「パパ活でよくあるトラブル11選」も合わせて読んでおきましょう。
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