
「パパ活で妊娠してしまった…私はこれからどう対処すべきだろう…」
「中絶費用や慰謝料を払ってもらえるのだろうか…」
「子どもを産む場合、パパから養育費をもらうにはどうすればいいのだろう…」
このようなお悩みを抱えている方は少なくないでしょう。
本記事では、パパ活トラブルに強い弁護士が、次の点について詳細に解説していきます。
- パパ活で妊娠した場合の対処法
- パパに妊娠中絶の費用や慰謝料を請求できるのか
- 子どもを産むと決意した場合の対応方法
当事務所では、パパ活で妊娠して慰謝料請求や認知請求を検討されている女性のほか、妊娠を告げられた男性からのご相談にも対応しております。お困りの際には、ぜひ当事務所の弁護士にご相談ください。
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目次
パパ活で妊娠したらすべきこと
パパ活中に妊娠が発覚すると、不安や動揺からすぐに相手へ連絡したくなるかもしれません。しかし、焦って妊娠を告げると、相手が責任を避けようとして連絡を絶ってしまうおそれがあります。
そのような事態を防ぐためにも、まずは冷静に行動し、以下の4つのステップを踏むことが大切です。
- 病院で診察を受けて診断書をもらう
- パパの個人情報をできる限り把握する
- 妊娠前後の証拠を保存しておく
- 中絶・出産・結婚など今後の方針を話し合う
①病院で診察を受けて診断書をもらう
妊娠検査薬で陽性反応が出たら、速やかに産婦人科を受診し、医師による正式な診断を受けましょう。あわせて、診断書を発行してもらうことをおすすめします。
診断書には妊娠週数が記載されるため、妊娠時期の特定や父親が誰であるかを示す根拠になり得ます。また、妊娠の事実を相手に伝える際、「詐欺ではないか」と疑われるリスクを下げるためにも診断書は有効です。
さらに中絶を検討している場合には、「人工妊娠中絶手術の同意書」も病院からもらっておきましょう。中絶手術には、通常、父母双方の署名・捺印が必要となるため、早めの準備が重要です。
②パパの個人情報をできる限り把握する
妊娠を告げられた男性の中には、責任を逃れるために突然連絡を絶つケースがあります。パパ活サイトを退会し、LINEやメールもブロックして姿を消すといった行動は珍しくありません。
妊娠の事実を伝える前に、次のような情報をできるだけ確保しておきましょう。
- 名刺をもらう(本名や勤務先の確認)
- 携帯電話番号を控えておく
- 車で来ている場合はナンバープレートを記録する
名刺がもらえなかった場合でも、携帯番号や車のナンバーから相手の情報を調べる手段があります。たとえば、弁護士を通じて弁護士照会制度を利用したり、探偵に調査を依頼することも可能です。
生まれた子どもは、認知されれば父親の法律上の相続人となります。将来的に遺産相続の問題が生じる可能性もあるため、相手の身元を正確に把握しておくことは非常に重要です。
③妊娠前後の証拠を保存しておく
パパに妊娠を伝えた後に連絡を絶たれた場合でも、過去のやり取りが残っていれば、関係性や責任の所在を証明するための証拠になります。妊娠を告げる前の段階から、証拠を意識して残しておきましょう。
たとえば以下のような証拠は、将来的に法的手続きで役立つ可能性があります。
- LINEやメールでのやり取り
- 会っていた日時・場所のメモ
- 相手と一緒に写っている写真
- 金銭のやり取りに関する記録や送金履歴
これらの記録は、妊娠の経緯や相手との関係性を立証する有力な材料となり得ます。削除せずに慎重に保管しておきましょう。
中絶・出産・結婚など今後の方針を話し合う
妊娠が判明したら、今後どうするかについて相手と話し合う必要があります。母体保護法では中絶が認められるのは妊娠22週未満(21週6日まで)とされており、時間的な余裕がありません。
特に次の点について、早めに話し合っておきましょう。
- 中絶するのか、出産するのかの意思確認
- 中絶する場合の費用負担について
- 出産を選ぶ場合の認知や養育費について
なお、現実的には少数ですが、妊娠をきっかけにパパ活の関係から結婚に至るケースも存在します。こうした選択肢についても、相手との関係性や将来の意思を冷静に確認しておくことが大切です。
中絶手術を受けるには、原則として父親の署名・捺印が必要です。相手になりすまして署名・捺印をする行為は、有印私文書偽造・同行使という犯罪に該当するおそれがあるため、絶対に行わないでください。
ただし、病院によっては父親の同意書が不要となる場合もあります。連絡が取れない事情がある場合などは、事前に医療機関へ相談し、対応を確認しておきましょう。
パパ活で妊娠した場合に中絶費用は請求できる?
パパ活で妊娠した場合、中絶手術の費用をパパに請求することは可能です。 一般的に、合意のもとで行われた性行為による妊娠では、中絶費用は男女で折半するのが原則とされています。ただし、女性の経済的負担が大きい場合には、経済的に余裕のあるパパに全額負担を求めることも選択肢の一つ です。
一方で、お腹の子の父親が特定できない場合は、中絶費用を請求することが困難になります。複数の男性と関係を持っていた場合、誰が父親であるかを明確にできなければ、女性が全額負担しなければならない可能性が高くなるでしょう。
パパ活で妊娠した場合に慰謝料請求できる?
原則として慰謝料は請求できない
妊娠したことや中絶したことについて、原則的には、女性からパパに対しての慰謝料請求は認められません。予想外の妊娠とはいえ、性行為をすることについて男女間の合意があった以上、パパから女性に対して不法行為(民法709条)があったとは言えないからです。
ただし、レイプされた場合や、ゴムをつけていないのにつけたことにして性行為をされて妊娠した場合には、慰謝料の請求も可能です。
また、産むか堕胎するかの判断を女性に一方的に委ね、話し合いに応じなかった男性に100万円の慰謝料(別途、治療費約34万円、弁護士費用10万円)を支払うよう命じた判例もあります(東京高裁平成21年10月15日判決)。この判例からすると、パパが妊娠した後の話し合いに応じず逃げ回っているようであれば慰謝料請求できる余地もあるでしょう。詳しくは、中絶で慰謝料が認められる4つのケースと相場・請求方法を解説を参考にしてください。
逆にパパの妻から慰謝料請求されるリスクもある
パパの妻に妊娠したことが発覚し、不倫の慰謝料請求されるリスクもあります。
例えば、パパ活女子から妊娠を告げられたパパが、精神的に耐えかねて妻に全てを打ち明けてしまい、妻が女性に対して慰謝料請求してくることも考えられます。この場合、パパが既婚者であることを女性が知っていたのであれば、妻に不貞行為(不倫)の慰謝料を支払わなくてはなりません。
不貞の慰謝料相場は、パパとその妻が離婚や別居をしない場合は50万円~100万円程度、別居に至った場合は100万円~200万円程度、離婚した場合は150万円~500万円程度です。
このリスクについて詳しく知りたい方は、パパ活で不倫の慰謝料請求をされる・されない場合をご覧になってください。
なお、パパが既婚者であることを知らなかった場合には、パパの妻からの慰謝料請求を免れる可能性があります。慰謝料請求される事態に備えて、既婚者だと知らなかった証拠は?証拠があれば不倫慰謝料請求を拒否できる?を合わせて読んでおくことをお勧めします。
子どもを産むと決意した場合の対応
養育費を請求するために認知請求する
パパ活の結果として妊娠し、子どもを産んで育てることを決意した場合、養育費を確保するためにはどうすればいいのでしょうか。
養育費を請求するためには、まずパパ活相手の男性に子どもを「認知」してもらうことが不可欠です。
認知とは、婚姻関係にない男女の間に生まれた子どもについて、父親が自分の子どもであることを法的に認める手続きのことです。
母親の場合、出産によって当然に親子関係が成立しますが、父親との関係は認知を通じて確定される必要があります。
認知が完了すると、法律上の親子関係が生じ、父親に対して養育費の請求が可能となります。
認知請求の方法は?
認知の方法には「任意認知」と「強制認知」の2種類があります。
まず、「任意認知」とは、父親が自らの意思で子どもとの父子関係を認め、認知を行う方法です。相手の男性が認知に応じる場合、以下の手続きで認知が成立します。
- 認知届を作成し、必要事項を記入する
- 市区町村役場に認知届を提出する
- 役所で手続きが完了すると、法的な認知が成立する
また、生まれる前の胎児の段階で認知を行うことも可能で、これを「胎児認知」といいます。
胎児認知の場合も、父親が認知届を提出することで手続きが進められますが、この場合は母親の同意が必要です。胎児認知をしておくことで、生まれた後の手続きがスムーズになり、早い段階で養育費の請求が可能になります。
次に、「強制認知」について解説します。
もし相手のパパ活男性が認知を拒否した場合は、裁判所を通じて強制的に認知を求めることができます。相手の意思に関係なく認知を求めることになるため、「強制認知」と呼ばれ、以下のような手順で進めます。
- 認知調停の申立て
→家庭裁判所に対して、認知調停の申立てを行います。裁判前に調停を行い、話し合いで合意を形成します。 - 調停成立の場合
→調停が成立すれば、裁判所の審判によって認知が確定します。 - 調停不成立の場合
→調停で合意に至らなかった場合は、家庭裁判所に「認知の訴え」を提起します。裁判ではDNA鑑定が実施され、一般的に科学的証拠を基に父子関係が立証されます。鑑定の結果、父親であることが認められれば、裁判所の判決によって認知が確定します。
強制認知が成立すれば、相手の男性は法律上の父親としての責任を負うことになり、養育費の支払い義務が生じます。
パパ活で妊娠した場合に弁護士に相談するメリット
パパ活で妊娠した場合、金銭的・法的な問題が複雑になりがちです。弁護士に相談することで、妊娠に伴うトラブルをスムーズに解決する手助けが得られます。主なメリットは次の通りです。
- ① 慰謝料や中絶費用の請求をしてもらえる
- ② 認知請求や養育費の請求をしてもらえる
①慰謝料や中絶費用の請求をしてもらえる
パパ活相手に対して慰謝料や中絶費用を請求する場合、まずは相手の特定が必要です。しかし、SNSやマッチングアプリを通じて出会った相手の場合、本名や住所がわからないことが多く、個人で調査することには限界があります。
弁護士に依頼することで、弁護士照会制度を活用し、相手の携帯番号や銀行口座情報などから身元を特定することが可能です。これにより、相手に対して正式に慰謝料や中絶費用を請求する手続きが進めやすくなります。
さらに、相手が支払いを拒否した場合でも、弁護士が交渉を行い、必要に応じて裁判を提起することもできます。これにより、金銭的な補償を受け取るための手続きがスムーズに進行する可能性が高まります。
②認知請求や養育費の請求をしてもらえる
パパ活で妊娠が発覚した後、相手男性が責任を回避しようとし、連絡を断つケースもあります。LINEやSNSでブロックされたり、着信拒否をされると、直接交渉が困難になります。
このような場合でも、弁護士を通じて認知請求や養育費請求の手続きを進めることができます。認知請求には、家庭裁判所での調停を経て、合意が得られなければ訴訟を提起することが求められます。弁護士がいれば、証拠収集や法的手続きを迅速に進めることができ、認知手続きを確実に進めることができます。
認知が成立した場合、相手には養育費の支払い義務が生じます。養育費は子どもの生活費や教育費に必要な資金であり、確実に確保するためには弁護士に相談することが有効です。
以上のとおり、パパ活による妊娠後のトラブルに対して弁護士の力を借りることで、相手の特定、金銭請求、認知請求などの問題を解決しやすくなります。弁護士への早めの相談が円滑な解決への第一歩となるでしょう。
まとめ
パパ活で妊娠した場合、パパの個人情報を確保したうえで、中絶費用の負担を請求できるか検討することが重要です。時間が経過すると、中絶費用や母体への負担が増すため、早急な対応が求められます。
また、当事務所では、パパ活における性交渉は推奨しておりません。 妊娠のリスクを回避できたとしても、性行為の対価として金銭を受け取る行為は(罰則規定はないものの)売春防止法3条に抵触する可能性があり、加えて性病感染のリスクも伴います。大人ありのパパ活には多大なリスクがあることを理解し、慎重に判断する必要があります。
当事務所では、パパ活に関する妊娠トラブルの解決実績が豊富です。 依頼者に寄り添い、親身かつ誠実にサポートいたしますので、お困りの際はぜひ当事務所の弁護士にご相談ください。
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