
「パパ活(P活)で望まない妊娠をしてしまった。相手に中絶費用や慰謝料を払ってもらえるのだろうか」。そう悩んでいる方に結論からお伝えすると、パパ活で妊娠した場合、中絶費用は相手にも負担を請求できますが、慰謝料は原則として請求できません。
「妊娠を伝えたら逃げられるのではないか」「親にも友人にも言えない」と、一人で抱え込んでいる方も多いはずです。
この記事では、男女トラブルに強い弁護士が、次の点について解説します。
- 妊娠がわかったらまずすべきこと
- 中絶費用や慰謝料は相手に請求できるのか
- 相手に逃げられたときはどうするか
- 子どもを産む場合の認知と養育費の請求
お読みいただくことで、相手に何を求められるのか、そして今日から何をすべきかを整理できます。
なお、妊娠のことでお困りの方は、この記事をお読みいただいた後、当事務所の無料相談へご連絡ください。中絶には期限があるため、早めの対応が大切です。ご相談は地域を問わず承っており、妊娠を告げられた男性からのご相談もお受けしています。
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パパ活で妊娠したらすべきこと
パパ活中に妊娠がわかると、すぐに相手へ知らせたくなるかもしれません。しかし、焦って妊娠を告げると、相手が責任を避けようとして連絡を絶ってしまうおそれがあります。まずは次の順に動きましょう。
- 病院で診察を受けて診断書をもらう
- パパの個人情報をできる限り把握する
- 中絶か出産かを相手と話し合う
①病院で診察を受けて診断書をもらう
市販の妊娠検査薬で陽性が出たら、できるだけ早く産婦人科を受診し、医師の診察で妊娠を確定させましょう。その際、診断書も発行してもらうと安心です。中絶を考えている場合は、手術を受けられる時期や同意書の扱いも受診先で確認しておきましょう。
診断書には妊娠週数が記載されるため、会っていた時期の記録と照らし合わせることで、相手の子であることを裏づける材料になり得ます。パパ活の相手に妊娠を伝えたとき「お金目当ての嘘ではないか」と疑われるのを防ぐうえでも、医師の診断書は役立ちます。
②パパの個人情報をできる限り把握する
パパ活の相手のなかには、妊娠を知った途端にアプリを退会し、LINEをブロックして姿を消す人もいます。妊娠を伝える前に、パパの個人情報として次のようなものをできるだけ押さえておきましょう。
- 名刺など、本名や勤務先がわかるもの
- 携帯電話番号などの連絡先
- 車で来ていた場合はナンバープレート
名刺がなくても、携帯電話番号や車のナンバーがあれば、後で弁護士が相手を特定する手がかりになります。
あわせて、LINEやメールのやり取り、会った日時や場所のメモ、送金の記録などは消さずに保存しておいてください。連絡を絶たれた後でも、相手との関係や経緯を示す証拠になります。
③中絶か出産かを相手と話し合う
妊娠がわかったら、産むのか中絶するのか、場合によっては結婚も含めて、今後どうするかを相手と話し合う必要があります。中絶できるのは、国の通知により妊娠22週未満(21週6日まで)とされており、迷っていられる時間は長くありません。次の点は早めに確かめておくとよいでしょう。
- 中絶するのか、出産するのか
- 中絶する場合の費用の分担
- 出産する場合の認知と養育費
人工妊娠中絶の同意について、母体保護法が求めているのは本人と「配偶者」の同意です(14条1項)。配偶者には事実婚の相手も含まれますが、パパ活の相手は通常これに当たらないため、あなたが未婚であれば相手の署名がなくても手術を受けられるのが原則です。ただし、医療機関によっては同意書への相手の署名を求める運用もあるため、相手に逃げられて連絡が取れない場合は事前に受診先へ問い合わせておくのが無難です。
なお、相手の名前を勝手に書いて署名・押印する行為は、有印私文書偽造・同行使(他人の名前で文書を作り、使う罪)に当たるおそれがあります。絶対にしないでください。
パパ活で妊娠した場合、中絶費用や慰謝料は請求できる?
パパ活の相手にどこまで金銭的な負担を求められるかは、中絶費用と慰謝料とで結論が分かれます。あわせて、逆に請求を受けるリスクも確認しましょう。
中絶費用の請求は可能
中絶手術の費用は、妊娠した男女双方で折半するのが一般的な考え方です。合意のうえでの性行為である以上、一方だけが責任を負うのは公平でないためです。
もっとも、双方の経済状況に大きな差があるときなどは、交渉で全額の負担を求めることもでき、実際に応じる男性もいます。費用は妊娠週数が進むほど高くなるため、早めに動くことが大切です。
一方、複数の男性とパパ活をしていて胎児の父親がわからない場合は、誰に請求すべきかがはっきりせず、結局は自分で負担せざるを得ないこともあります。
自分で負担する場合も、公的な給付を受けられることがあります。こども家庭庁の「妊婦のための支援給付」は、中絶の場合でも医療機関で胎児の心拍が確認されていれば対象となり、5万円に加えて胎児1人につき5万円が支給されます(申請先は市区町村)。また、健康保険などに加入していれば、妊娠4か月(85日)以降の中絶は出産育児一時金(妊娠22週未満は1児につき48万8000円)の対象になります。なお、性犯罪・性暴力による妊娠の場合は、中絶費用を公費で負担する制度を利用できることもあります。
慰謝料の請求は原則できない
中絶費用と違い、パパ活の相手に慰謝料を求めることは原則としてできません。性行為が合意のうえで行われたのであれば、民法上の「不法行為」(故意や過失によって他人の権利を侵害する行為)には当たらないと考えられているためです。
ただし、例外的に慰謝料請求が認められるケースもあります。たとえば、
- レイプなど強制的な性行為があった場合
- パパが避妊具のコンドームを装着していないのに「装着した」と偽って性行為に及んだ場合
- 妊娠後、パパが一方的に無視を決め込み、話し合いにも応じず女性に判断を丸投げした場合
などです。特に最後のケースでは、裁判で慰謝料100万円の支払いを命じた判例も存在します(東京高裁平成21年10月15日判決)。このような場合には、中絶に至った事情や相手の対応次第で、慰謝料請求が認められる余地もあることを理解しておきましょう。中絶に伴う慰謝料請求について詳しくは「中絶の慰謝料は請求できる?認められるケースと相場・請求方法」をご参照ください。
相手が既婚者だった場合のリスクにも注意
気をつけたいのは、慰謝料を求めるどころか、逆にあなたが支払いを求められる側に回る可能性があるという点です。パパ活の相手が既婚者で、妊娠をきっかけに関係が妻に知られると、妻から不倫の慰謝料を請求されるおそれがあります。妻から実際に請求を受けたときの対応については「パパ活は不倫?慰謝料請求されたら払う必要があるケースと相場」をご覧ください。
妻からの請求が認められるかは、パパが既婚者だと知っていたか、注意すれば気づけたかで変わります。
独身だと偽られていて、知ることもできなかった場合には、支払いを免れる可能性があります。
そのため、既婚者だと知らなかったことを示すやり取り(LINEなど)は消さずに残しておきましょう。具体的な証拠の残し方については「既婚者だと知らなかった証拠とは?6つの例と活用法を解説」で詳しく解説しています。
子どもを産むと決めた場合の認知と養育費
パパ活で妊娠した子を中絶せずに産むなら、子どもの生活を支える養育費を確保しておくことが欠かせません。そのために必要になるのが「認知」の手続きです。
養育費を請求するために認知請求する
母親と子の親子関係は出産によって生じますが、パパ活での妊娠で生まれた子は、そのままでは父親と法律上の親子関係がありません。
認知とは、結婚していない男女の間に生まれた子について、父親が法律上自分の子であると認めることです。認知されれば法律上の親子関係が生じ、父親に養育費を請求できるようになります。
認知請求の方法は?
認知請求の方法には、相手が自分から認める「任意認知」と、家庭裁判所の手続きで求める「強制認知」があります。
任意認知は、パパ活の相手が子を自分の子だと認め、市区町村役場に認知届を出す方法です。届出が受理されれば、認知が成立します。妊娠中に行う認知は「胎児認知」と呼ばれ、母親の承諾が必要です(民法783条1項)。出生前に済ませておけば、生まれた後の手続きがスムーズになります。胎児認知の具体的な手続きや、相手に拒否された場合の対策は「胎児認知とは?母親が提出可能?手続方法と拒否された場合の対策」で紹介しています。
パパ活の相手が認知を拒むときは、子どもが生まれた後に強制認知を求めることになります。認知を求める裁判は、先に調停をしなければならないと定められているため(調停前置主義)、まず家庭裁判所に認知調停を申し立てます。
調停で当事者が合意し、父子関係について争いがなければ、家庭裁判所は必要な事実(DNA鑑定など)を調べ、その合意を正当と認めるときは「合意に相当する審判」をすることができます(家事事件手続法277条1項)。異議の申立てがなければ、この審判は確定判決と同じ効力を持ち、認知の効力が生じます(同法281条)。合意ができないときや、異議の申立てによって審判が取り消されたり効力を失ったりしたときなどは、家庭裁判所に「認知の訴え」を起こし、DNA鑑定などの結果をもとに判決で父子関係が判断されます。
あわせて読みたい:強制認知とは?手続きの流れと費用、負けるケースを弁護士が解説
弁護士に相談するメリット
妊娠をめぐるお金や認知の問題は、当事者だけで話し合うと行き詰まりがちです。弁護士に相談すると、主に次の2つの面で助けになります。
①相手に逃げられても身元を調べ、中絶費用などを請求できる
パパ活の相手とはアプリやSNSで知り合うことが多く、本名や住所、素性を知らないまま会っている場合もあります。妊娠を伝えた途端にブロックされて逃げられると、自力で相手を特定するのは困難です。
弁護士に依頼すれば、弁護士会照会(弁護士会を通じて役所や企業などに情報の報告を求める制度)を使い、携帯電話番号や振込先の口座などを手がかりに相手の身元を割り出せる場合があります。相手がわかれば、弁護士が中絶費用の支払いを求めて示談交渉し、応じないときは裁判を起こすこともできます。相手に逃げられた場合に慰謝料まで求められるケースについては「妊娠したら逃げられた!男性に慰謝料請求が可能なケースとは?」で解説しています。
②認知請求や養育費の請求をしてもらえる
パパ活での妊娠を機に出産を選んだ後、相手が着信拒否にしたり、LINEをブロックしたりして話し合いに応じなくなることもあります。
そのような場合でも、弁護士を通じて認知や養育費を求める手続きを進めることができます。認知調停や認知の訴えでは、申立ての準備や証拠の整理、裁判所でのやり取りを弁護士が代理人として担います。
養育費の金額の決め方や請求の手続きについては「認知された子の養育費はどうなる?相場・請求手続きと期間を解説」もあわせてご確認ください。
パパ活の妊娠トラブルでお悩みの方は弁護士にご相談ください
パパ活での妊娠では、中絶費用の負担は相手にも求められる一方、慰謝料は原則として認められません。出産を選ぶなら、認知を経て養育費を確保できます。
相手に逃げられたり、話し合いを拒まれたりしても、あきらめる必要はありません。弁護士が間に入れば、相手の身元を調べられる場合があり、中絶費用の請求や認知・養育費の手続きも代わりに進められます。中絶には妊娠22週未満という期限があるため、対応が遅れるほど選べる道は狭まります。
当事務所では、パパ活にまつわる妊娠トラブルのご相談を数多くお受けしてきました。ご相談者のプライバシーに配慮し、相手方とのやり取りは弁護士が引き受けます。
女性の方はもちろん、パートナーの妊娠を知らされた男性の方のご相談にも応じています。全国どこからでもご利用いただける無料相談を設けておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
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この記事の監修者
男女問題・男女トラブルに強い法律事務所の代表弁護士。事務所全体で年間1,500件以上の男女トラブル相談を受けており、不倫慰謝料、妊娠トラブル、婚約破棄、パパ活トラブル、ストーカー被害など、他人に相談しづらい問題を穏便かつ内密に解決することを得意とする。相手の暴力的・脅迫的な言動にも弁護士が毅然と対応し、依頼者の平穏な生活を取り戻すために全力を尽くしている。

