妊娠詐欺の手口と4つの対処法|無視してもいい?警察に相談すべき?

交際相手や出会い系・マッチングアプリで知り合った女性から突然「妊娠した」と告げられ、中絶費用や慰謝料を請求されている方の中には、「本当に妊娠しているのだろうか」「これは詐欺ではないか」と不安を感じている方もいるのではないでしょうか。

妊娠詐欺(中絶詐欺)は、偽の妊娠検査薬やエコー写真まで用意する巧妙な手口で男性を騙し、金銭を要求してくる悪質な犯罪です。焦って支払ってしまうと被害が拡大するおそれがあるため、冷静な対処が欠かせません

この記事では、妊娠詐欺の典型的な手口や見分け方から、被害を防ぐための対策、そして実際に被害に遭った場合の具体的な対処法までを弁護士が解説します。

なお、妊娠詐欺の被害について早急に対応したいとお考えの方は、この記事をお読みいただいた後、全国どこからでもご利用いただける当事務所の無料相談をご利用ください

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妊娠詐欺とは

妊娠詐欺(中絶詐欺)とは、妊娠したかのように嘘をつき、男性から中絶費用、慰謝料などの金銭を騙し取ることを言います。

特に、出会い系サイトやマッチングアプリ、パパ活アプリ、SNS、ギャラ飲みで知り合った女性と、援助交際やワンナイトといった遊びで関係をもった場合にこのような被害にあうケースが目立ちます。

妊娠詐欺の手口

基本的な手口と流れ

まずはSNSや出会い系マッチングアプリ、パパ活アプリなどを利用して騙せそうなターゲットを探します。女性慣れしていない男性の他、ある程度の収入が見込まれるであろう中高年や、異性トラブルを避けたい既婚男性がターゲットに選ばれる傾向があります。

妊娠詐欺は手っ取り早くお金を騙し取るためにも、会ったその日のうちに女性が性交渉に応じるケースが多く、女性の方から「今日は安全日なの」「子どもが出来にくい体質なの」「外に出せばいいよ」などと積極的に避妊具なしでの性行為を誘ってくることもあります。

そして行為から1~2週間程度経過してから、LINEやメールで「生理が来ない」「検査薬で陽性反応が出た」「病院に行ったら妊娠していると言われた」と妊娠報告の連絡を寄こしてきます。その際、陽性反応の出た妊娠検査薬やエコー写真を見せてくることがありますが、妊娠の嘘を見抜く方法で書かれているように、オークションサイトや偽造写真の販売業者から購入したものであることがほとんどです。クリニックの診断書を見せてきた場合でも、ネットでダウンロードした診断書のフォーマットを利用して作成された偽造診断書であることもあります。

妊娠を告げてからは、女性の方からダイレクトに中絶費用を請求してくることもあれば、「せっかく授かった命だし産もうか迷っている…」と男性の不安を煽り、男性自ら中絶費用を払うよう仕向けることもあります。中には、先に中絶手術を済ませたという設定で、「流産した」「子供が生めない身体になった」「術後はしばらくお仕事を休まざるを得ない」などと言って慰謝料や休業補償を要求してくることもあります。

ここで騙されてお金を支払ってしまう男性もいますが、支払いを拒絶する男性に対しては、「アナタの会社や家族に全部バラす」と恐喝してくる手口も常套手段です。このように出会い系やマッチングアプリで知り合った相手から脅迫・恐喝された場合の対処法については出会い系で脅迫や恐喝された人は必見!状況別、脅しへの4つの対処法をご参照ください。

他の男性との間での妊娠を悪用する手口

女性がたまたまパートナー(夫や彼氏)や別の男性(割り切りの相手)との間で妊娠したことに乗じて、他の男性に妊娠詐欺を働く手口もあります。

妊娠自体は事実であるため、本物の診断書やエコー写真を証拠として男性に突きつけることができます。そのため、詐欺被害に男性が気付きにくいという傾向があります。

もちろんこの手口の妊娠詐欺を働く女性に出生前の親子鑑定(DNA鑑定)を提案しても応じることは当然ありません。

夫を名乗る男が不貞の慰謝料を請求してくる手口

金銭の支払いを拒む男性に対し「旦那にアナタと関係を持ったことがバレて凄く怒っている」などと女性が伏線を張り、後日、夫を名乗る男が不貞(不倫)の慰謝料を請求する美人局の手口もあります。

「俺の妻に手を出した上に妊娠までさせてただじゃすまない」「家や職場くらい簡単に割り出せる」「慰謝料払わないなら奥さんや職場の上司に報告せざるを得ない」といった美人局で頻繁に用いられる常套句でお金を要求してきます。こうした美人局の具体的な手口や対策については美人局とは?6つの手口と特徴・被害にあった時の対処法で詳しく解説しています。

妊娠詐欺にあわないための対策

避妊しなくて良いと言う女性との性交渉はしない

本来であれば、「知り合ったばかりの素性もわからない女性と性行為をしないこと」が妊娠詐欺を回避するための最善の対策と言いたいところですが、男性の性(サガ)がある以上、難しい話でしょう。

とはいえ、少なくとも、「避妊具をつけなくていい」と言ってくる女性との性交渉は避けるべきです

「今日は安全日だから大丈夫」「ゴムなしで外に出してくれるならいいよ」など、普通の女性であれば、妊娠や性病のリスクを考えて口にできないような台詞を口にしてくる時点で妊娠詐欺を働く可能性が高いでしょう。

もっとも、コンドームを装着すれば安心かといえばそうではありません。婦人科クリニック運営のサイトの情報によると、コンドーム装着による避妊率は約85%、つまり約15%ほどの確率で妊娠する可能性があります。そのため、コンドームを装着していたことをもって、女性からの妊娠報告を完全否定するだけの根拠とはならないのです。

したがって、コンドームを装着していたとしても妊娠詐欺を完全に防げるわけではない点は頭に入れておいてください。

個人情報を知られないようにする

前述の通り、妊娠詐欺の手口として、お金を騙し取れない場合に「家族や会社に全部バラす」と恐喝の手段に転じるケースも多くあります。

ホテルのトイレやお風呂に入っている間に免許証や社員証、保険証等を見られて自宅の住所や勤務先を知られないよう、女性と会う時はそれらの物を持参しないか、鍵付きカバンに入れておくなどの対策が必要です。

また、電話番号から個人特定はできる?住所・氏名を割り出す3つの方法に書かれているように、携帯番号から個人情報を割り出せますので、女性とのやり取りはメールやLINEに留めておくようにしましょう

妊娠詐欺は詐欺罪・恐喝罪に当たる

実際には妊娠していないのに「妊娠した」と偽り、中絶費用や慰謝料の名目でお金を引き出す行為は、人を欺いて財物を交付させる詐欺罪(刑法第246条)にあたります。法定刑は10年以下の拘禁刑です。

さらに、支払いを渋る相手に「応じなければ会社や家族にばらす」などと脅して金銭を求めた場合は、恐喝罪(刑法第249条)に問われることもあります。こちらの法定刑も10年以下の拘禁刑です。

このように、妊娠詐欺は被害の経緯しだいで詐欺罪にも恐喝罪にもなりうる、れっきとした犯罪です。

妊娠詐欺の逮捕事例

妊娠詐欺は、実際に女が詐欺の疑いで逮捕され、報道されている犯罪です。ここでは報道された事件を2つ紹介します。

1つ目は、2026年に、風俗店で働いていた20代の女が、客の男性に「妊娠した。示談金や検査費用が必要」などと嘘をつき、振込や手渡しで3回にわたり合計約270万円をだまし取ったとして、詐欺の疑いで逮捕された事例です。この女は容疑を否認しています(出典:静岡朝日テレビ、2026年5月報道)。

2つ目は、知り合った60代の男性に「妊娠した」などと嘘のメールを繰り返し送り、中絶費用の名目で4回にわたり合計114万円をだまし取ったとして、20代の女が詐欺の疑いで逮捕された事例です(出典:上越妙高タウン情報、2020年11月報道)。

妊娠詐欺の対処法

安易に無視をしない

「妊娠詐欺にあったようなのですが、対応としては無視でも大丈夫でしょうか?」このような質問が、ヤフー知恵袋や教えてgooなどの質問サイトで見受けられます。しかし、自分の勘だけで妊娠詐欺と判断し、女性からの連絡に対して無視を決め込むことはリスクが高すぎます。

もし本当に女性が妊娠していた場合、母体保護法により妊娠22週目に達すると中絶ができなくなります。男性に連絡を遮断され、中絶費用も準備することができず、中絶可能期間が過ぎてしまうケースもあります。

そして、女性は子供を出産せざるを得なくなり、産んだ後はあなたに認知請求をしてくることでしょう。認知調停の過程でDNA検査が行われ、男性が子供の父親であることがわかれば、最終的には強制認知が認められるでしょう。

そうなれば、養育費の支払や、将来的には相続財産がその子に渡るなど、金銭的な損失は計り知れません

「妊娠詐欺っぽい」という曖昧な判断で無視するのではなく、詐欺であることに確信がもてるレベルまで確認をするべきです。

また、氏名や住所、勤務先などの個人情報を既に知られていたり、調べられる可能性がある場合、無視することで自宅に押しかけてきたり職場に電話してくるなどの嫌がらせ行為に及ぶことも実際にあります。

そのため、間違いなく妊娠詐欺であると確認し、且つ、個人情報を知られていない(知られるおそれがない)場合に初めて、"無視する"という対応が正解となるのです。

事実確認ができるまでは絶対にお金を払わない

妊娠を告げられても、すぐに信じ込まずに事実かどうかを見極めることが先決です。検査薬の陽性写真は使い回しや加工がきくため、それだけでは妊娠の裏づけになりません。エコー写真や医師の診断書といった客観的な資料を出してもらい、可能であれば「きちんと対応したいので一緒に医師の話を聞きたい」と受診への同席を持ちかけてみましょう。実際に妊娠していれば断る理由はないはずで、同席も資料の提示もかたくなに避けるようなら、詐欺を疑うべきサインといえます。

妊娠詐欺では…と疑いつつも、早く対処しなくては問題が大きくなる。そう焦ってしまい、「お金で解決できるならば…」と女性の求めに応じて支払をしてしまう男性も少なくありません。

しかし、焦って支払ってしまったことで「カモ」扱いされ、継続して金銭を毟り取られる被害が頻発しています。どのような理由があれ、妊娠が確認できるまでは『絶対にお金は払わないで下さい』

加害者を逮捕してもらいたいなら警察に相談

上記で妊娠詐欺の逮捕事例を紹介しましたが、妊娠したと嘘をついて相手からお金を騙し取る行為は、前述のとおり詐欺罪に当たりますので、警察に相談し、被害申告をすることで逮捕してもらえることもあります。

ただし、"妊娠が嘘であることの証明"がないと、警察が被害届や告訴状を受理してくれる可能性は低くなります

そのため、警察に相談に行く前に、女性とのメール・LINE・SNSでのメッセージのやり取り及び送受信された画像を全てプリントアウトするとともに、(受け取っていたのであれば)陽性反応が出た妊娠検査薬、診断書、エコー写真も合わせて証拠として持参しましょう。

また、詐欺事件として警察が動いてくれなかったとしても、女性からの金銭要求の態様が悪質な場合には恐喝事件として対応してくれることも期待できます。恐喝・脅迫の被害届を出す具体的な方法やメリットについては恐喝・脅迫の被害届を出す3つのメリットと出し方をわかりやすく解説をわかりやすく解説で詳しく紹介しています。

ただし、警察は民事にはノータッチですので、騙し取られた中絶費用などの金銭を取り返すには民事訴訟を別途起こさなくてはなりません。また、事情聴取のために警察から頻繁に連絡が入ることもあり、同居されているご家族などがいる場合には何かしら異変に気付かれる可能性もあるでしょう。刑事裁判となれば、平日の日中に証人として呼び出される可能性もあります。こうしたデメリットも踏まえたうえで、警察への相談が自分にとって最善かどうか判断してください。

穏便に解決したいなら弁護士へ相談

妊娠詐欺を警察沙汰にして万一にでも家族や勤務先に知れたら困るといった方は、弁護士に相談して穏便に解決を図るという選択肢もあります。

弁護士が、刑事告訴や訴訟も辞さない姿勢で交渉にのぞめば、逮捕や損害賠償を免れたい相手は聞く耳を持たざるを得ません。

また、弁護士であれば、弁護士照会制度を利用することで相手女性の携帯番号や銀行の口座情報から本名や住所などの身元を調べることも可能です。なお、病院によって応じるかどうかは異なりますが、女性が診察を受けたと主張する病院に対して情報開示を求めることも弁護士であれば可能です。

詐欺師の目的は"お金"です。弁護士が交渉すれば多くのケースにおいて穏便に解決が図れますのでまずは相談してみましょう。実際にマッチングアプリで知り合った相手から脅迫・恐喝を受けた男性が弁護士の介入で解決に至った事例をマッチングアプリで脅迫・恐喝された男性が解決に至った実例で紹介していますので、あわせてご確認ください。また、風俗店で知り合った女性から妊娠を理由に高額な示談金を請求されたものの、弁護士の交渉で大幅に減額して解決した事例をソープ嬢から妊娠を告げられ300万円請求されるも20万円で示談が成立した事例で紹介しています。

妊娠詐欺の被害でお困りの方は弁護士にご相談ください

妊娠詐欺は、偽のエコー写真や診断書を用意するなど手口が巧妙化しており、被害者が自力で真偽を見極めることは容易ではありません。事実確認が済むまでは金銭を支払わないこと、そして安易に無視せず冷静に対応することが被害を防ぐ鍵となります。

弁護士に依頼すれば、弁護士照会制度を活用して相手の身元を特定したうえで、刑事告訴も視野に入れた交渉を行うことが可能です。逮捕や損害賠償請求を恐れる相手に対して毅然とした姿勢を示すことで、多くのケースで早期の解決が見込めます。

「家族や職場に知られたくない」「すでにお金を支払ってしまった」など、お一人で抱え込んでいる方もいらっしゃるかもしれません。妊娠詐欺の問題は時間が経つほど状況が複雑になるため、少しでも不安を感じたら早めに専門家へ相談されることをおすすめします。妊娠詐欺に伴う恐喝・脅迫被害への対応や、警察と弁護士の使い分けについては脅された時の対処法は?恐喝・脅迫被害の相談先も弁護士が解説で詳しく解説しています。

当事務所は、家族や職場に知られることなく妊娠詐欺の被害を穏便に解決した実績が多数ございます。全国どこからでも無料でご相談いただけますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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この記事の監修者

若井亮 弁護士

若井 亮

代表弁護士

弁護士法人若井綜合法律事務所
東京弁護士会所属(登録番号:47827)

弁護士紹介ページ

脅迫・恐喝被害の解決に豊富な実績を持つ。一般社団法人 詐欺・不当要求対策協会の代表理事として、不当要求対策の研究・啓発活動にも取り組んでいる。「警察沙汰にしたくない」「家族や会社に知られたくない」といった被害者特有の事情に寄り添い、粘り強い交渉で解決に導く。他の事務所で断られた案件にも積極的に対応。

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メディア掲載 フジテレビ「とくダネ」/ ダイヤモンド・オンライン / @DIME / サイゾー 他多数
講演実績 「不当要求対応の基礎」「犯罪組織によるマネー・ロンダリングと投資詐欺への法的処置」等
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