このようなことでお悩みではないでしょうか。
弁護士費用はけして安い額ではありませんから、預貯金などを相手配偶者が管理していて最低限の生活費しか受け取っていなかった方や、お子さんの生活費・教育費や住宅ローンなどが嵩んで貯金にお金が回せなかった方からすればそう簡単に捻出できる額ではないでしょう。
とはいえ、離婚請求を認めてもらいたい場合や、親権、養育費、慰謝料などに関して有利な条件で離婚するにはやはり弁護士のサポートが必要となることも。
そこで活用したいのが、法テラスによる「代理援助」という救済制度です。資力が一定以下などの条件を満たすことでこの制度を利用することができ、法テラスが弁護士費用の立て替え払いをしてくれます。
この記事では、離婚問題に強い弁護士が、この代理援助の制度についてわかりやすく解説していきます。
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目次
離婚の弁護士費用がない場合には法テラスの「代理援助」を利用
離婚の弁護士費用が払えない場合は法テラスの代理援助を利用することを検討してみましょう。
なお、以下では、代理援助の重要ポイントについて解説していますが、詳細を確認したい方は、民事法律扶助業務|法テラスをご参照ください。
法テラスの代理援助
法テラスの代理援助とは、弁護士が相手と交渉したり、調停などの裁判の手続きなどを依頼者の代わりに行うことを法テラスが援助してくれる制度です。
援助の内容は、
- 法テラスが弁護士費用を立て替え払いしてくれる
- 立替費用は後日、法テラスに対し分割で返済していく
というものです。毎月の返済額は5,000円~15,000円が一般的です。
法テラスの代理援助を使わない場合に比べて弁護士費用が安いほか、法テラスが立て替え払いしてくれるため、弁護士に依頼するにあたってまとまったお金(着手金)が必要ない点もメリットです。
代理援助継続中に生活保護を受給している方には返済の猶予制度、援助後も生活保護を受給する方には返済の免除制度も用意されています。
代理援助の利用条件
代理援助は誰でも利用できるわけではありません。以下のすべての条件をクリアした方のみ利用することができます。
資力が一定以下であること
資力いついては「収入」と「資産」の両方の条件をクリアする必要があります。
収入条件
まず、収入については次の表の条件をクリアすることが必要です。
人数 | 月の手取額(※①) | 加算限度額(※②) |
1 | 18万2000円(20万200円)以下 | 4万1000円(5万3000円)以下 |
2 | 25万1000円(27万6100円)以下 | 5万3000円(6万8000円)以下 |
3 | 27万2000円(29万9200円)以下 | 6万6000円(8万5000円)以下 |
4 | 29万9000円(32万8900円)以下 | 7万1000円(9万2000円)以下 |
※①()内は東京、大阪など生活保護一級地に居住している場合の金額です。なお、離婚で代理援助を利用する場合は相手の収入は合算しません。
※②家賃または住宅ローンを負担している場合は、月の手取額に加算限度額をプラスすることができます。加算限度額の()は住居地が東京都特別区の場合です。
資産条件
次に、資産については次の表の条件をクリアすることが必要です。
人数 | 資産合計額 |
単身者 | 180万円以下 |
2人家族 | 250万円以下 |
3人家族 | 270万円以下 |
4人家族 | 300万円以下 |
資産とは不動産(自宅などを除く)、有価証券の時価や現金、預貯金などです。離婚で代理援助を利用する場合は相手の資産は合算しません。将来負担する予定のある医療費、教育費などの出費がある場合は相当額が控除されます。
勝訴の見込みがないとはいえないこと
勝訴するか敗訴するかやってみないとわからないという場合は代理援助を利用できます。調停、和解で解決する見込みがある場合でも利用できます。一方、敗訴することが明らかな場合は利用できません。
民事法律扶助の趣旨に適すること
報復目的や権利の濫用にあたる場合などは代理援助を利用できません。
離婚の弁護士費用とは?
上記の通り、法テラスの代理援助を活用することで、今現在、離婚の弁護士費用を払えない方でも立て替え払いにより弁護士に依頼することが可能です。
とはいえ、あくまでも立て替え払いですので、あとで返済しなくてはなりません。そのため、最終的に弁護士費用がいくらかかるのか気になる方も多いことでしょう。
そこでここでは、離婚の弁護士費用の内訳や、費用相場について解説していきます。
離婚の弁護士費用の内訳
離婚の弁護士費用の内訳は主に以下の5つです。
費用項目 | 内容 | 支払時期 |
相談料 | 弁護士に正式に離婚の弁護活動を依頼する前に法律相談した場合の費用 | 依頼前 |
着手金 | 弁護士に依頼する時にかかる費用です。弁護活動の成果にかかわらず発生しますので返金を求めることはできません。 | 依頼時 |
成功報酬 | 弁護活動の成果により発生する費用です。何をもって「成功」とするかは依頼時に取り決めしておく必要があります。 | 終了時 |
日当 | 弁護士が調停・審判・裁判に出廷したり、法律事務所外に出向いて相手と交渉した時に発生する費用です。 | 都度または終了時 |
実費 | 文書の郵送費、調停・訴訟にかかる印紙代、公正証書作成費、出張時の宿泊代・交通費など | 都度または終了時 |
離婚の弁護士費用の相場
離婚の成否につき弁護士をたてて争う場合の弁護士費用の相場は以下の通りです。
協議離婚 | 20万円~60万円。離婚協議の内容・合意条件を記した離婚協議書を公正証書にする場合の依頼費用は5万円~15万円。 |
離婚調停 | 40万円~70万円。 |
離婚裁判 | 40万円~70万円。ただし離婚調停から継続して同一弁護士に依頼した場合は70万円~110万円(離婚調停と離婚裁判の弁護士費用の合計額)です。 |
なお、離婚の成否だけではなく、養育費、慰謝料、財産分与、親権についても争点となっている場合には、以下のような成功報酬が別途かかります。
争点の内容 | 弁護士に支払う成功報酬 |
慰謝料請求 | 獲得金額の10%~20% |
財産分与 | 獲得金額の10%~20% |
養育費の獲得 | 1年分の養育費の10%程度 |
親権の獲得 | 10万円~20万円 |
離婚の弁護士費用はいくら?相場と安くするためのポイントを解説
離婚の弁護士費用が払えないときは弁護士に相談してみる
もし、法テラスの代理援助の利用できないけれども少しでも費用の負担を抑えたいという方は、弁護士に相談したときに着手金や報酬金を分割で払えないか確認してみるとよいでしょう。着手金等は一括払いが多いですが、事務所によっては柔軟に対応してくれるところもあります。
また、少しでも弁護士費用が安い事務所に依頼するには複数の事務所に相談し、費用の見積もりを出してもらい比較検討することです。複数の事務所に相談することで、どの弁護士が一番あなたに合った弁護士かもわかりますので、時間のある方はぜひ実践してみましょう。
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