この記事では、当事務所が扱った、彼女の浮気が原因で婚約破棄に至った2つの事例を紹介していきます(プライバシー保護の観点から一部内容を変更しています)。
また、事例の紹介の後に、浮気をした彼女やその浮気相手への損害賠償請求のポイントについても解説しますので、彼女の浮気で婚約破棄や損害賠償請求をご検討の方は最後まで読んでみてください。
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目次
彼女の浮気が原因で婚約破棄に至った事例
彼女が元彼と浮気していたケース
この男性(30代・会社員)は、マッチングアプリで知り合った女性(20代・会社員)と交際することになり、2年が経過しました。2人とも同じ県内に居住していましたが、自宅も職場も離れているため、週末にデートを重ねていました。
男性は女性との結婚を真剣に考えるようになり、ある日のデートで女性に婚約を申し込みました。女性も男性の申込みを受け入れ2人は婚約しました。
それからというもの、2人の間の会話は、同棲の話や結婚式の準備の話でもちきりでした。
そして結婚式まで残り数週間を切ったある日、突然、彼女から電話で「婚約を解消したい」と告げられました。
婚約解消の理由を濁す彼女でしたが、しつこく問いただしたところ、彼女は男性と交際していた2年間も、元カレと連絡をとり定期的に会っていたことが発覚しました。
結婚直前まで悩んだものの、元カレとよりを戻すことを選び、婚約解消を申し出たとのことでした。
結婚式場の予約も完了し、親族や友人にも招待状を送っています。2人の新居になる予定の転居先も決め契約してしまっていました。
困り果てた男性は、ネットで検索して見つけた当事務所に依頼。依頼を受けた弁護士は、彼女に対して、式場のキャンセル料、新居の解約手付相当額について損害賠償請求し、全額取り返すことができました。また、慰謝料も合わせて請求し、男性は50万円の慰謝料を受けることができました。
交際期間である2年間、ずっと彼女は婚約者である彼氏を裏切り続けてきていたわけですから、慰謝料額がもう少し高額になってもいい事案ともいえます。しかし彼女は、元カレとはキスやハグはあったものの、決して肉体関係はなかったと主張しており、不貞行為(性的関係をもつこと)にあたる浮気があったことを証明できる証拠もなかったためこの額で示談成立となりました。
彼女が職場の同僚と浮気していたケース
この男性(30代・会社員)は、SNSで知り合った女性(30代・会社員)と3年間交際を続け、男性が他県に転勤することが決まったことを機に婚約しました。彼女も退職して男性と一緒に引っ越しをすることを予定していました。
転勤までの3カ月の間に結婚式と入籍を済ませてしまおう、という話になっていました。
2人は、結婚式場を下見し、婚約指輪も購入しました。
男性は転勤に際して、転居の準備や仕事の引継ぎなどで忙しく、式場との打ち合わせなどは彼女が進めてくれることになっていました。
そんなある日、彼女が頻繁に彼女の会社の同僚男性とLINEのやり取りをしていることに気づきます。浮気を疑った男性が問いただすと、彼女は浮気を認めました。
彼女は「一人で準備するのが寂しかった」「結婚に不安を抱えていた」と言い訳をするばかりでした。
浮気相手は、彼女と同じ部署に勤務している同僚男性でした。式場に関する相談や結婚への不安を相談するうちに親密な関係に発展したということです。
裏切られた男性は彼女とは結婚できないと思い、婚約を破棄したうえ、被った損害や慰謝料を請求したいと思い、当事務所の弁護士に相談しました。
男性から事件の依頼を受けた弁護士は、浮気をした女性と同僚の男性を相手に、結婚式場のキャンセル料相当額や慰謝料(80万円)を損害賠償として請求しました。
女性と同僚男性が連帯して支払いに応じたため、男性は、すべての損害の賠償を受けることができました。
彼女の浮気による婚約破棄で慰謝料請求する場合のポイント
婚約の成立と性的関係のある浮気があったことを証明する必要がある
慰謝料とは精神的苦痛に対する賠償金のことですが、彼女の浮気が民法709条の不法行為(故意または過失により他人の権利を侵害すること)に該当すれば、婚約者である男性は彼女に対して慰謝料請求が可能です。
ただし、彼女との婚約が成立していなければ、単なる交際関係として自由恋愛の範囲と考えられるため、彼女が交際相手以外の男性と性的関係を結んでも不法行為にはあたりません。
また、仮に婚約が成立していても、彼女と婚約者以外の男性との間に性的な関係がなく、キスやハグ、デートをしたといった程度では、婚約関係にある男女に認められる「夫婦同様の共同生活の平和を維持する」という法的権利・利益が侵害されとはいえないため、この場合も不法行為にはあたりません。
そのため、彼女の浮気による婚約破棄で慰謝料請求が認められるためには、
- 婚約が成立していたこと
- 不貞行為にあたる浮気(性的関係がある浮気)があったこと
を証明する必要があります。
婚約中の浮気でも慰謝料請求できる!請求できる条件や相場を解説
証拠となり得るもの
婚約が成立していたことを証明できる証拠としては、以下のようなものが挙げられます。
- 結婚式の申込書、予約票、内金を払込みした際の領収書
- 婚約指輪、あるいは婚約指輪を購入したことを裏付ける資料
- 結納品、あるいは結納品を購入したことを裏付ける資料
- 結婚の約束を取り交わす内容のメール・LINE等のSNSのやり取り・通話を録音した音声
不貞行為にあたる浮気(性的関係がある浮気)を証明する証拠としては以下のようなものがあります。
- 性行為自体やラブホテル・自宅似通っている様子を捉えた写真や動画
- 性行為自体や性行為が推認できる内容のやり取りや通話データ
- 不倫相手と利用したラブホテル・ビジネスホテルの利用明細
- 不倫してることがわかる探偵の調査報告書 など
また、彼女の浮気相手に慰謝料請求する場合には、その浮気相手が、彼女が婚約中であることを知っていたか、知らないことにつき過失があったことを証明する必要があります。
慰謝料相場
婚約中の彼女が浮気した場合の慰謝料相場は、50万円~200万円程度です。
ただし、この慰謝料額は、裁判を介して請求した場合の額ですので、当事者同士の話し合いによってはこの相場以上、あるいは以下ともなり得ます。
また、裁判で慰謝料額を算定するにあたって、以下のような事情があれば、慰謝料額が高額になる可能性があります。
- 相手方の婚約者が浮気が長期間に及んでいること
- 浮気の回数が多いこと
- 婚約期間が長く、事実上夫婦と認められる実態があったこと
- 結婚式や挙式の手配を既に済ませていること
- 浮気相手が婚約者の子どもを妊娠または出産したこと など
まとめ
彼女の浮気によって婚約破棄にまで至ってしまった事例を紹介しました。
浮気をされた男性からすれば、将来を一緒に歩んでいこうと選んだ相手が他の男と肉体関係を持ったことは一生頭から離れることはないでしょう。
中には、彼女のことを諦めきれず、婚約中の浮気を許して結婚する方もいます。しかし、ふとした拍子に彼女が他の男と性的関係をもった事実が頭をよぎり、精神的に不安定となったり、また浮気されるのではと不安に駆られる男性も少なくありません。
一度結婚してしまうと、法律で定める離婚事由がない限り、相手(彼女)が拒否すれば離婚することができません。彼女の浮気を許して結婚すべきかどうか悩んでいる方は、この先数十年続くかもしれない結婚生活において、婚約者に浮気をされたことを思い返して苦しい思いをせずにいる自信があるか、過去を蒸し返して揉めることはないと言い切れるのか、よくよく考えたうえで、結婚または婚約破棄を選択すべきでしょう。
そして、婚約破棄を選択する場合には、弁護士に依頼することも検討しましょう。
浮気をした彼女と浮気された男性との話し合いでは、感情的になってしまい慰謝料やその他の損害(婚約指輪の購入費用、式場のキャンセル費用など)の負担について話し合いがまとまらないことが多いです。
この点、弁護士に依頼することで、浮気をした彼女との慰謝料等の交渉を委任することができますし、彼女が支払いを拒んで調停や訴訟になった場合でも、弁護士が代理人として手続き等を進めてくれます。
当事務所では、婚約破棄の原因を作った浮気女性への慰謝料請求や損害賠償請求の交渉を得意としており実績があります。親身誠実に弁護士が依頼者を全力でサポートしますので、お困りの方は当事務所の弁護士までご相談ください。お力になれると思います。
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