
このようなお悩みを抱えている方は少なくありません。
結論からお伝えすると、婚約中の浮気であっても、婚約者や浮気相手に対して慰謝料を請求することは可能です。ただし、請求が認められるためには、いくつかの法律上の条件を満たす必要があります。
この記事では、男女問題に詳しい弁護士が、婚約中の浮気にまつわる慰謝料請求について、次のようなポイントをわかりやすく解説します。
- 婚約中の浮気が慰謝料請求の対象になる理由
- 慰謝料請求が認められるための条件
- 浮気相手への請求が可能なケース
- 慰謝料の相場や証拠の集め方
婚約中の浮気は「結婚前だから許される」という問題ではありません。信頼を裏切られた精神的苦痛に対して、適切な対応をとることが重要です。
一人での対応が不安な方は、この記事を参考にされた上で、全国対応・相談無料の当事務所までお気軽にご相談ください。
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目次
婚約中の浮気は慰謝料請求の対象になる
婚約とは、将来結婚することを当事者同士が約束した法律上の契約です。婚姻届のような公的手続きは不要ですが、一度婚約が成立すれば、夫婦に準じた法的保護を受ける関係とみなされます。
このため、婚約者にはお互いに対して誠実に交際する義務、いわゆる「貞操義務」があると考えられており、婚約中に他の異性と性的関係を持つ行為(不貞行為)は、重大な契約違反=債務不履行にあたります。
また、浮気相手に対しては、婚約関係を侵害した不法行為(民法709条)に基づく慰謝料請求が可能です。
実際の裁判例でも、婚約中に浮気をされた被害者が、婚約者に対しては債務不履行責任を、浮気相手に対しては不法行為責任を追及し、それぞれ慰謝料が認められたケースがあります。
「結婚前だから浮気しても許される」という考えは誤りであり、婚約中であっても法律上の責任を問われる可能性があるという点を押さえておく必要があります。
婚約中の浮気で慰謝料請求が認められる4つの条件
婚約中に浮気された場合でも、すぐに慰謝料請求が認められるとは限りません。請求を成立させるには、法的に次の4つの条件を満たす必要があります。
- ① 婚約が成立していること
- ② 浮気が不貞行為に該当すること
- ③ 慰謝料請求が時効にかかっていないこと
- ④ 浮気相手に故意または過失があること
① 婚約が成立していること
慰謝料を請求するには、まず当事者間で婚約が成立していたことが必要です。単なる交際関係では法的保護は認められません。
婚約は書面や届出がなくても、将来結婚する合意があれば成立します。ただし、相手が「婚約していない」と主張してくるケースもあるため、以下のような事情があれば証拠として有効です。
- 結納や両家の顔合わせを済ませている
- 婚約指輪を贈与している
- 結婚式の予約をしていた
- 両親や知人に婚約を報告していた
② 浮気が不貞行為に該当すること
慰謝料請求が認められるには、婚約者が自由な意思で他の異性と性的関係を持った、いわゆる「不貞行為」があったことを証明しなければなりません。
食事やLINEのやり取り、デートだけでは不貞とは認められず、肉体関係の存在を裏付ける証拠が必要です。探偵の調査報告書や、ホテルに出入りしている写真・動画などが該当します。
③ 慰謝料請求が時効にかかっていないこと
慰謝料請求には「消滅時効」があり、永遠に請求できるわけではありません。
婚約中の浮気による慰謝料請求は「不法行為に基づく損害賠償請求」として扱われ、以下のいずれか早い方で時効が成立します。
- 被害者が不貞行為と加害者を知ってから3年
- 不貞行為があった時から20年
なお、加害者である浮気相手の氏名や住所がわからない場合、「加害者を知った」とは言えず、3年の時効は進行しません。
④ 浮気相手に故意または過失があること
浮気相手にも慰謝料請求をするには、その相手が婚約の事実を知っていた(故意)か、知らなかったことに落ち度がある(過失)が必要です。
たとえば次のような事情があると、浮気相手に過失があったと判断されやすくなります。
- 休日や日中に一切会えないなど、不自然な交際状況
- 家族・友人を紹介されないまま性的関係に至った
- 婚約の事実が周囲に知られていた
このような状況下で「婚約しているとは知らなかった」と主張しても、注意義務を怠ったものとして慰謝料請求が認められる可能性があります。
なお、浮気相手が「婚約しているとは知らなかった」と主張するケースについては、次のような関連記事も参考になります。
相手が既婚者であることを知らないふりすれば慰謝料から逃げられる?
婚約中の浮気で請求できる慰謝料の相場と増減する要因
婚約中の浮気に対する慰謝料は、一般的に50万円〜200万円程度が相場とされています。ただし、婚約の実態や浮気の内容によって金額は増減します。
以下のような事情があると、慰謝料額が増額される傾向があります。
- 浮気の期間が長期にわたり継続していた
- 複数回にわたって性的関係を持っていた
- 婚約期間が長く、同棲していた・事実上の夫婦と見なされる実態があった
- 結婚式や新居の準備など、経済的損害を伴っていた
- 浮気相手が妊娠・中絶・出産した
一方、婚約期間が短い、精神的損害が軽微と判断される、あるいは浮気後に関係修復の努力があったなどの事情がある場合は、慰謝料が減額される可能性もあります。
金額はあくまで個別の事情を踏まえた上で裁判所が判断するため、具体的な証拠や交渉内容も大きな影響を与えます。
婚約中の浮気で慰謝料請求するために必要な証拠とは?
婚約中の浮気で慰謝料を請求するには、法的な根拠となる証拠の準備が不可欠です。証拠が不十分だと、たとえ真実でも慰謝料が認められない可能性があります。
必要となる証拠は、大きく分けて次の3つです。
- ① 婚約の成立を示す証拠
- ② 浮気が不貞行為に該当することを示す証拠
- ③ 浮気相手に過失があることを示す証拠
① 婚約の成立を示す証拠
婚約が成立していたことを客観的に示す証拠がなければ、相手から「そもそも婚約していなかった」と反論されるおそれがあります。以下のような資料が有効です。
- 結納や顔合わせ時の写真・スケジュール表
- 婚約指輪の購入記録、SNS投稿など
- 結婚式場の予約書、内金の領収書
- 「結婚しよう」と約束するLINE・メール・通話録音
このような証拠を複数そろえることで、婚約の事実を裏付ける強い材料になります。可能であれば複数の証拠を組み合わせて、より説得力を持たせましょう。
② 浮気が不貞行為に該当することを示す証拠
LINEのやり取りや食事の写真だけでは足りません。性的関係があったと判断できる証拠が必要です。
- ラブホテルや自宅への出入りを記録した写真・動画
- 性行為をうかがわせるメッセージや通話録音
- ホテルのレシートやポイントカード
- 探偵による調査報告書
こうした証拠があれば、「不貞行為があった」と裁判で認定されやすくなります。
③ 浮気相手に過失があることを示す証拠
浮気相手に慰謝料を請求するには、相手が「婚約中であることを知っていた」または「知らなかったことに過失があった」と示す必要があります。
- 「婚約している」と伝えたLINEやメール
- 婚約の事実が周囲に知られていたことを示す会話記録や証言
- 週末や夜しか会えない、家族を紹介されないなど不自然な交際状況
こうした証拠から、「普通の感覚なら婚約を疑うべきだった」と判断されれば、過失が認められる可能性が高まります。
婚約者や浮気相手に慰謝料請求する流れと対処法
婚約中の浮気に対して慰謝料を請求するには、冷静かつ段階的に対応を進めることが重要です。以下のようなステップで進めるのが一般的です。
- 話し合い(任意の示談交渉)
- 内容証明郵便の送付
- 調停の申し立て
- 裁判(訴訟)の提起
① 話し合い(任意の示談交渉)
まずは当事者間で話し合い、慰謝料の金額や支払方法について合意できるかを検討します。婚約破棄の事情や浮気の事実をもとに、冷静な対話を心がけましょう。
交渉に不安がある場合や、相手と直接やり取りしたくない場合は、早めに弁護士に相談することをおすすめします。
② 内容証明郵便の送付
話し合いで解決しない場合には、内容証明郵便で正式な請求意思を伝える方法があります。これは「誰が・いつ・誰に・どのような内容を送ったか」を証明できる手段で、相手に心理的プレッシャーを与える効果も期待できます。
文書には、婚約の事実、浮気による精神的苦痛、請求金額、支払期限などを明記します。
③ 調停の申し立て
内容証明にも応じてもらえない場合には、家庭裁判所に調停を申し立てることが可能です。調停では第三者(調停委員)が仲介に入り、双方の主張を踏まえて解決を図ります。
直接顔を合わせずに話を進めることができるため、精神的な負担を軽減したい方にも適した手続きです。
④ 裁判(訴訟)の提起
調停が不成立に終わった場合や、そもそも調停が不適当な場合は、裁判を通じて慰謝料を請求することになります。裁判では、婚約関係や不貞行為の存在、精神的損害などについて客観的証拠をもとに主張・立証していく必要があります。
訴訟の準備には法的知識が求められ、長期間に及ぶこともあるため、早い段階から弁護士に依頼しておくと安心です。
浮気した婚約者とやり直す場合にしておくべき対応とは?
浮気をした婚約者を許し、やり直すという決断をされる方もいらっしゃいます。
しかし、感情的に「水に流す」のではなく、再発を防ぐためにも、浮気の事実を記録に残しておくことが重要です。
特に、将来的に再度同じようなトラブルが起きた場合に備えて、次のような対応をとっておくことをおすすめします。
- 浮気をした事実を示すLINEや写真、証拠類を保存しておく
- 浮気相手と会わない・連絡を取らないといった誓約を明記する
- 慰謝料の支払いについて取り決める
- 再度浮気をした場合には損害賠償請求する旨を記載しておく
こうした誓約書を交わすことで、当事者間の責任の所在が明確になります。
同時に、今後の信頼回復に向けてしっかりと話し合いの場を設けることも大切です。
婚約中の浮気で慰謝料請求するなら弁護士に依頼するメリット
弁護士に依頼することで得られる主なメリットを4つご紹介します。
- ① 相手と直接関わらずに済む
- ② 適切な金額の慰謝料を請求できる
- ③ 有利な条件で交渉を進められる
- ④ 手続きにおけるストレスを軽減できる
① 慰謝料請求に必要な証拠のアドバイスが受けられる
婚約や不貞行為を証明するには、適切な証拠が欠かせません。弁護士であれば、どのような証拠が有効か、どう収集すべきかを具体的にアドバイスしてくれます。
② 相手との交渉をすべて任せられる
婚約者や浮気相手と直接やり取りするのは精神的な負担が大きくなりがちです。弁護士を代理人に立てることで、本人が関与せずに交渉を進めることができます。
③ 調停・訴訟まで一貫して対応できる
話し合いで解決できなかった場合も、弁護士がいれば調停や裁判にスムーズに移行できます。法的手続きや主張立証の準備まで一任できるため、安心して対応を進められます。
④ 適切な金額を請求しやすくなる
慰謝料の相場は状況により異なりますが、弁護士は過去の事例や判例に照らして適切な金額を見極め、交渉を有利に進めてくれます。
また、結婚準備にかかった費用や精神的苦痛など、慰謝料に含めるべき損害の範囲についても、専門的な判断が可能です。
「一人では不安」「相手と関わりたくない」と感じた時点で、ぜひ弁護士にご相談ください。
なお、婚約破棄そのものを理由とした慰謝料請求について詳しく知りたい方は、以下の記事もご参照ください。
まとめ|婚約破棄・浮気トラブルは弁護士にご相談を
婚約中に浮気された場合でも、一定の条件を満たせば慰謝料を請求することができます。請求対象は、婚約者本人だけでなく、浮気相手に対しても可能です。
慰謝料請求が認められるための主な要件は、以下の4点です。
- ① 婚約が成立していたこと
- ② 浮気が不貞行為に該当すること
- ③ 慰謝料請求が時効にかかっていないこと
- ④ 浮気相手に故意または過失があること
もっとも、こうした請求を実現させるには、的確な証拠収集や適切な交渉、法的手続きの理解が必要です。精神的な負担も大きく、一人で進めるには限界があります。
当事務所では、婚約中の浮気による慰謝料請求に多数対応してきた経験をもとに、親身・誠実に、依頼者の方を全力でサポートいたします。全国対応どこからでもご相談は無料ですので、どうぞお気軽にご相談ください。
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