児童ポルノで不起訴になるには?示談と実際の事例

児童ポルノ事件で捜査を受けたり逮捕されたりすると、前科がついてしまうのか、仕事や家庭はどうなってしまうのかと、強い不安を抱える方は少なくありません。児童ポルノ事件は、適切な弁護活動によって不起訴(起訴猶予)で終わり、前科を残さずに済むケースもあります。ただし、示談すれば必ず不起訴で終わるとは限らず、事案に応じた対応が欠かせません。

この記事では、児童ポルノ事件の解決実績が豊富な弁護士が、次の点について解説します。

  • 児童ポルノで不起訴になるための方法
  • 実際に不起訴となった事例
  • 起訴率・不起訴率から見る不起訴の可能性

なお、児童ポルノ事件でお悩みの方は、この記事をお読みいただいた後、全国どこからでもご利用いただける当事務所の無料相談へお気軽にご連絡ください。

児童ポルノで不起訴になるには

児童ポルノ事件でも、不起訴(起訴猶予)で終わり、前科を残さずに済むケースはあります。ただし、示談が成立したからといって、必ず不起訴になるとは限りません。というのも児童ポルノ禁止法は、被害を受けた児童本人の権利だけでなく、社会全体で子どもを性的搾取から守るという利益も保護しており、示談後もなお起訴すべきだと検察官が判断する場合があるからです。不起訴の可能性を高めるには、示談・贖罪寄付・再犯防止の取り組み・家族の監督といった材料をできるだけ積み上げ、それを検察官へ的確に伝えていくことになります。

被害児童の保護者と示談を成立させる

被害者がいる児童ポルノ事件では、被害者側との示談が不起訴に向けた大きな材料になります。示談書に、加害者を許す(宥恕する)、処罰を求めないといった内容を盛り込めれば、被害届が取り下げられたり、検察官が起訴をためらう方向に働いたりします。逮捕・勾留されている場合でも、身柄拘束を続ける理由が薄れ、早期の釈放につながることがあります。

被害を受けた児童は18歳に満たないため、示談は本人ではなく、親権者にあたる保護者との間で進めます。保護者はわが子が被害に遭ったことへの怒りが強く、加害者本人が直接連絡をとろうとしても、話が進まないどころか事態を悪化させかねません。弁護士が代理人として謝罪と交渉にあたることで、ようやく話し合いの席につけるケースも少なくありません。

示談金の額は事案によって幅がありますが、児童ポルノや児童買春の事件では、おおむね30万円から100万円程度で合意に至ることが多いようです。撮影など製造を伴うケースでは、より高額になる傾向があります。前述のとおり、児童ポルノ事件では社会的法益の観点から、示談が成立しても不起訴が確約されるわけではない点には注意してください。

被害者と示談できないときは贖罪寄付で反省を示す

単純所持やインターネットへの公開(公然陳列)のように、示談すべき特定の被害者がいない事件や、被害者側が示談に応じない事件もあります。こうしたケースで反省の気持ちを形にする方法の一つが贖罪寄付です。公益的な団体などへ寄付を行い、その事実を検察官へ示すことで、真摯に反省していることの裏づけとします。示談の代わりになる万能の手段ではありませんが、次に述べる再犯防止の取り組みと組み合わせることで、起訴猶予を求める材料になります。贖罪寄付の効果や進め方は「贖罪寄付とは?その効果と寄付を検討すべき2つのケース、手続の流れ」で解説しています。

再犯防止に取り組み、家族の監督体制を整える

検察官は、同じ行為を繰り返すおそれがあるかどうかも見て、起訴・不起訴を判断します。そこで、性犯罪の再犯防止プログラムや専門クリニックでのカウンセリングを受け、行動の背景に向き合っている姿勢を示すことが有効です。あわせて、家族が本人を見守り、生活を立て直せる環境が整っていることを具体的に伝えます。

弁護士は、示談の状況、反省の内容、再犯防止への取り組み、監督体制をまとめた意見書を検察官へ提出し、起訴猶予が相当であることを主張します。逮捕・勾留された場合には、勾留の判断に対する準抗告など、身柄の解放を求める活動も並行して行います。

児童ポルノの不起訴事例

ここでは、当事務所が児童ポルノ事件で不起訴を獲得した事例の一部を紹介します。

(※)個人のプライバシーの観点から内容に一部変更を加えています。

児童ポルノをネットに公開した容疑で逮捕・勾留後、不起訴を獲得した事例

この事案は、児童ポルノ禁止法に違反する児童ポルノをインターネット上に公開(公然陳列)する行為をしたとして、警察に逮捕されてしまった事案です。児童ポルノ禁止法違反による逮捕後の流れについては「児童ポルノ禁止法違反となる行為と罰則は?逮捕後の流れを解説」をご参照ください。

事案が悪質であるということで、被疑者は逮捕・勾留されてしまいましたが、弁護士は諦めずに身柄解放のための弁護活動を行いました。

被疑者の妻や両親による監督体制が万全であること、職場の上司など周囲の人にも連絡をとりその協力を取り付け、逃亡や証拠隠滅のおそれはなく、捜査にも積極的に協力することを捜査機関・裁判所に説明しました

このような弁護活動が功を奏し準抗告が認められ、被疑者の身柄は解放され日常生活を送りながら手続きを進めることができるようになりました。

また、贖罪寄付をすることに加え、医療機関で性犯罪の再犯防止プログラムを受講し、今後も継続して受講すること等を主張・立証した意見書を検察官に提出したところ、結果的に不起訴処分(起訴猶予)となりました

児童にわいせつな画像を送付させた事案で、示談成立により不起訴を獲得した事例

この事案は、マッチングアプリで出会った当時高校生の児童とLINEなどでやり取りをし、高校生にわいせつな画像を送らせたとして児童ポルノ禁止法違反の製造罪で逮捕されてしまった事案です。被疑者は、お互い合意の上でやり取りをしていたと思っていましたが、児童の保護者が被害届を提出したことで刑事事件となりました。

逮捕直後に弁護の依頼を受けた弁護士は、すぐに被害者家族と示談の申し入れを行い話し合いを行いました。児童の保護者の怒りは大きいものでしたが、真摯な謝罪と示談金の支払いを条件に被害届を取り下げてもらうことができました

被害者との示談が成立し、被疑者が家族の監督体制で捜査に協力することを誓約したことで、早期釈放を獲得でき、結果的に不起訴となりました

起訴率・不起訴率から見る不起訴の可能性

2024年検察統計年報「罪名別 被疑事件の既済及び未済の人員」によれば、児童ポルノ禁止法違反(児童買春も含む)の起訴率は約71%、不起訴率は約29%です。起訴された約71%のうち、約61%が略式起訴、約39%が正式起訴でした。

略式起訴とは書面審理のみの略式裁判を受けるための起訴で、ほとんどのケースで100万円以下の罰金刑の命令が言い渡されます。正式起訴とは正式裁判を受けるための起訴で、罰金刑よりも拘禁刑を受けることが多いでしょう。起訴された場合の処分について詳しくは「児童ポルノで執行猶予を獲得できる確率【司法統計データ】」で解説しています。

※拘禁刑とは、2025年6月1日に施行された改正刑法により、従来の懲役刑と禁錮刑が一本化された刑罰のことです。

児童ポルノ事件で不起訴を目指す方は弁護士にご相談ください

示談や贖罪寄付、再犯防止への取り組みといった弁護活動を早期から積み重ねることで、不起訴(起訴猶予)や早期の身柄解放につながる可能性があります。一方で、被害者の保護者との示談交渉や検察官への働きかけを加害者本人だけで進めるのは難しく、対応が遅れるほど不利になりがちです。

捜査や逮捕の渦中にある方、ご家族が事件を起こしてしまった方は、この先どうなるのかという不安で頭がいっぱいになってしまうものです。すでに警察から連絡が来ている場合や、逮捕されてしまった場合は、一日でも早く弁護士が動くことが結果を左右します。

当事務所は刑事事件を数多く取り扱ってきた実績があり、依頼者の不利益を最小限に抑えるため迅速に対応いたします。全国どこからでもご利用いただける無料相談を設けておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

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この記事の監修者

若井亮 弁護士

若井 亮

代表弁護士

弁護士法人若井綜合法律事務所
東京弁護士会所属(登録番号:47827)

弁護士紹介ページ

刑事事件の弁護に注力する法律事務所の代表弁護士。逮捕回避・早期釈放・不起訴獲得・示談交渉など、被疑者・被告人の権利を守るための迅速な弁護活動に豊富な実績を持つ。痴漢・盗撮・暴行傷害・薬物事件・性犯罪など幅広い刑事事件に対応し、24時間体制で依頼者とそのご家族を全力でサポートしている。

逮捕回避・早期釈放 不起訴獲得 示談交渉 痴漢・盗撮 性犯罪 暴行・傷害
メディア掲載 フジテレビ「とくダネ」/ ダイヤモンド・オンライン / @DIME / サイゾー 他多数
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