個人再生するとクレジットカードが使えない!3つの対策とは?

個人再生によって借金問題を解決する場合、背負っている債務(借金)すべてが債務整理の対象となります。

このためクレジットカードを利用して作った債務も個人再生によって大半が免除となるため、現在持っているカードはすべて利用できなくなります

さらに、個人再生後5年から10年間は、クレジットカードの新規作成が非常に難しくなってしまうのが一般的です。

ただし、カード会社によってはそれよりも早くクレジットカードの発行が認められるケースもあるのです。

今回は、個人再生した場合のクレジットカードへの影響と3つの対策、個人再生後になるべく早くカードを作るための知識についてご紹介します。

当記事は重要ポイントを赤ペンで強調してありますので、そのポイントだけを読んでいただければ一通り理解可能な構成となっています。
その場合、ほんの1~2分程度で最後まで目を通していただけますので、ぜひ最後までお読みください。

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個人再生した場合のクレジットカードへの影響とは?

個人再生は裁判所での手続きを通して借金を減額してもらい、減額後に残った借金を基本的に3年間で分割返済するという債務整理方法です。

借金の貸し手である金融機関からすると、貸したお金の全額が戻ってこないということになるため、金融機関に迷惑がかかることになります。

このため、個人再生するとクレジットカードを利用することができなくなります。

カードを利用したショッピングはもちろんのこと、キャッシングでお金を借りることもできなくなるので注意してください。

個人再生することが目前に迫っているにもかかわらずカードを利用した場合、詐欺的な行為とみなされ問題となる可能性も否定できません。

個人再生を検討している場合には、カードの利用は極力控えるようにしてください。

クレジットカードの利用分はすべて個人再生の対象

個人再生する場合、債務者の負っている債務はすべてが対象となります。

クレジットカードによる債務には、ショッピング分のほかにキャッシング分も含まれます。

ショッピングとは、実際の店舗やネットで商品を購入する際に代金をカード払いにしたもの。キャッシングとは、カードを利用してお金を借りた場合のことを指します。

任意整理の場合には、債務のすべてを対象とする必要はなく自由に選択することができます。

しかし、個人再生では負っている債務全てを対象としなければならないため、カードによって作った債務(ショッピング分とキャッシング分)も手続きの対象とする必要があるのです。

個人再生では債権者を平等に扱う必要がある

個人再生や自己破産する場合、法律上要求される「債権者平等の原則」が厳格に適用されることになります。

「債権者平等の原則」とは、文字どおり全ての債権者を平等に扱わなくてはならないというルールのことです。

このルールがあるため、個人再生する場合にはカード会社からの債務だけを手続きの対象から外すということができないのです。

カード会社からの債務も手続きの対象とする以上、それ以降カードの利用ができなくなってしまいますが、これは仕方ないことです。

個人再生する場合には、隠すことなくすべての債務を申告するようにしてください。

個人再生するとクレジットカードは使用できなくなるのか?

個人再生した場合、個人信用情報機関において債務者のデータに「事故情報(異動情報)」が記録され、さらに官報にもその旨が掲載されることになります。

いわゆる「ブラックリスト入り」することになるため、結果としてクレジットカードを利用してショッピングしたりキャッシングすることができなくなるのです。

ショッピングやキャッシングの利用ができなくなる!

個人再生の手続きを弁護士等に依頼すると、それを受けた弁護士等は受任通知をすべての債権者に発送します。

債権者の中には、当然カード会社も含まれます。

受任通知が債権者に届くと債権者からの取り立ての連絡がストップしますが、この時点でクレジットカードは確実に利用できなくなります。

使用していないカードはどうなるのか?

弁護士等からカード会社に対して個人再生を行う旨の受任通知が発送されると、その情報が個人信用情報機関によって記録されます。

いわゆる「ブラックリスト入り」という状態になるのです。

このため、たとえ利用していないクレジットカードがあったとしても、それらすべては使用することができなくなります

弁護士に依頼する時点でクレジットカードは利用できなくなる

個人再生を弁護士や司法書士に依頼することが正式に決まった場合、持っているクレジットカードはすべて弁護士等に渡すことになります。

この時注意すべきなのは、たとえ利用していないカードでも自分名義のものはすべて渡す必要があるということです。

クレジットカードを預かった弁護士等は、クレジットカードにハサミを入れるなどして事実上使用不可能な状態にしてカード会社に返却するのが一般的です。

個人再生申立て直前のカード使用は要注意|詐欺罪の恐れも

繰り返しになりますが、個人再生申立て前にクレジットカードを利用することは非常に問題のある行為となる可能性があります。

「返済できない」または「返済しない」ことが自分でわかっていながらカードを利用することは、最悪のケースとして「詐欺罪」に問われる恐れがあるからです。

詐欺罪に問われた場合には刑罰を受けるのはもちろんのこと、個人再生の手続きにも失敗し、結果として借金問題がまったく解決しないことになってしまいます。それでは、元も子もありません。

そのようなことにならないためにも、個人再生申立て前のカード利用は避けるようにしてください。

個人再生後にクレジットカードは作れるか?

クレジットカードは、非常に便利なものですよね。その便利さに一度慣れてしまうと、カードなしの生活には不便に感じてしまいます。

個人再生するとカードは利用できなくなってしまいますが、それでは個人再生後はどうなるのでしょうか?

個人再生後、新たにクレジットカードを作ることができるのかという問題について見ていきましょう。

一定期間経過後であればカードの作成は可能

個人再生を行った場合、個人信用情報機関によっては事故情報が記録され、ブラックリストに入ることになっています。

事故情報は、ブラックリスト入りしてから5年から10年は抹消されないため、その期間内に新たにクレジットカードを作ることはまず不可能と考えておく必要があります。

個人再生による返済後もしばらくは新規作成が難しい

個人再生は、減額された借金の残額を基本的に3年間で返済していく債務整理方法です。

特別な事情がある場合には、5年間まで返済期間を延長してもらうことができますが、返済完了後もしばらくの間はクレジットカードの新規作成は難しいと思ったほうがよいでしょう。

個人再生すると、最大80%~90%も借金の免除を受けることができます。

これは金融機関からすると、貸したお金の大半を返してもらえず、大きな損失を被るということに他なりません。

このため個人再生したばかりの人に対してクレジットカードを発行したとしても、その人には十分な返済能力がないと判断され、結果としてクレジットカード発行の際の審査に落ちることになるからです。

しかし一定の条件を満たした場合には、後述するようにブラックリスト掲載期間中であってもクレジットカードを新しく作れるケースもありますので諦めずトライしてみてもよいでしょう。

ブラックリスト入りの期間

個人の信用情報を登録している機関には、CIC・JICC・KSCの3つが存在します。

個人再生をした場合、各信用情報機関では事故情報を以下のように扱うことになっています。

  • CIC((株)シー・アイー・シー):事故情報としては扱いません
  • JICC(日本信用情報機構):5年間
  • KSC(全国銀行個人信用情報センター):10年間

各信用情報機関では、上記期間の経過後に事故情報を削除することになっています。

「自社ブラック」には要注意!

各個人信用情報機関における事故情報の掲載期間は、上記のように最長でも10年間となっています。

しかし、ここで注意すべきポイントがあります。それが「自社ブラック」というものの存在です。

「自社ブラック」とは、債務整理によって迷惑をかけられた各金融機関がその会社内でひそかに作成しているブラックリストです。

金融機関によっては、過去において債務整理することで迷惑をかけられた顧客の情報をいつまでも保存しているケースがあるのです。

このため債務整理後何年経過したとしても、その金融機関ではローンやカードの新規発行が認められない可能性があります。

この自社ブラックの情報は、その金融機関のグループ内で共有されていることもあるため、さらに注意が必要です。

たとえば楽天カードを個人再生の対象とした場合には、楽天グループ内の金融機関すべてにおいて事故情報が共有されることになります。

個人再生後にカードの新規発行を申し込む場合には、過去に迷惑をかけたカード会社はもちろんのこと、その会社と同一グループ内の会社は除外しておいたほうがよいかもしれません。

クレジットカードが使用できない期間の対策

クレジットカードは便利なものですがブラックリストに入っているため新規の作成が難しい場合、どのように対処したらいいのでしょうか?

クレジットカードを新しく作れない期間中は、つぎのような対策を検討するとよいでしょう。

  • (1)現金で支払うことを心がける
  • (2)デビットカードを利用する
  • (3)ETCパーソナルカードを利用する

上記「デビットカード」「ETCパーソナルカード」は、クレジットカードに類似した機能を持つものです。必要に応じて利用を検討してみることをおすすめします。

(1)現金で支払うことを心がける

何度も言うようにクレジットカードは非常に便利なものではありますが、いくら使ったのかわからなくなるという大きなデメリットも持ち合わせています。

個人再生することによってカードの利用ができなくなったことを機会として、それ以降はすべての支払いを現金にするよう心がけてみてはいかがでしょうか?

現金で支払うようにすれば、実際にいくらお金を使ったのか自覚しやすくなるため、必要以上に無駄なお金を消費することを避けるという効果も期待できます。

(2)デビットカードを利用する

各金融機関などが発行する「デビットカード」は、クレジットカードに類似した機能を持っています

デビットカードを利用すると、カードと銀行口座が紐づけされているため現金を使うことなく商品の購入などが可能となるのです。

デビットカードはクレジットカードとは異なり、作成する際に審査が不要です。

このため個人再生した直後であっても、デビットカードは新規に作成してもらうことができます。

デビットカードは、あくまでも自分の銀行口座の残高の範囲内で利用することのできるカードです。

このため「使いすぎて借金が膨らんでしまった」などという事態も避けることができるというメリットもあります。

(3)ETCパーソナルカードを利用する

個人再生することでクレジットカードが利用できなくなると、同時にETCカードも利用できなくなってしまいます。

しかしそれでは高速道路を利用する際、不利益を受けることになります。

自動車による移動の多い方は、ETCパーソナルカードの利用を検討するのも有効な対策です。

有料道路での支払いに限定されることにはなりますが、ETCパーソナルカードを利用すればETCカードが利用できなくても現金で料金を支払わずに済みます。

ETCパーソナルカードは、チャージ式となっておりクレジットの機能がありません。

このため新規作成の際に審査を受ける必要がなく、とても作りやすいカードとなっています。

デビットカードと同様に、うっかり使いすぎてその後の返済に行き詰まるような危険性もないため、高速道路などを利用する機会の多い方にはおすすめのカードと言えるでしょう。

個人再生後にクレジットカードを作るための知識

すでにご紹介したように個人再生後5年から10年は、クレジットカードを新規で作ることはできません

しかし、ケースによってはそれより短い期間で新しくクレジットカードを作ることができるパターンもあります。

個人再生後2~3年でクレジットカードを作れるケースも!

クレジットカードを新たに発行するかどうかを決めるのは、あくまでもカード会社の判断次第です。

このため申込先のカード会社によっては、個人再生後数年でカードの作成が認められるケースも存在します。

カード発行の審査基準は各会社で異なるので、個人再生後どうしてもクレジットカードが欲しい場合には、つぎのような知識を活用して発行の申請をしてみるのもよいでしょう。

  • (1)返済能力をアピールする
  • (2)営業ノルマの達成シーズンに申し込む
  • (3)高金利商品を利用する

それぞれについて、簡単に確認しておきましょう。

(1)返済能力をアピールする

申込者の返済能力が高いと判断された場合、クレジットカードの審査に通りやすくなる傾向があります。
カード会社では、主として以下のような項目を重視して申込者の返済能力を判断しています。

  • ①新規申込者の勤務先
  • ②勤続年数
  • ③年収
  • ④所有している不動産の有無

上記のような項目において返済能力の高さをアピールできれば、カードの発行審査をパスできる可能性があります。

(2)営業ノルマの達成シーズンに申し込む

毎年3月末は、その年度の営業成績を上げることを目的として各社がクレジットカードの新規顧客獲得を強化するシーズンです。

この時期には、営業担当者がノルマ達成のために多少無理をしてでも新規の顧客を集めようとします。

その結果、カードの新規発行における審査が緩くなる傾向がみられます。

(3)高金利商品を利用する

カードの返済方法が「リボ払い」などとするとカードの審査にパスしやすくなる傾向がみられます。

これはリボ払いによる金利は一般の返済方法の場合よりも高いため、カード会社にとってメリットが大きいからです。

このため、カードの返済方法でリボ払いを利用する形で発行申請すると審査にパスしやすくなるといわれています。

ただし、上記のようにリボ払いは一般の場合より高金利となるため、安易な利用は要注意

リボ払い方法を利用したことが原因で借金が膨らみ、多重債務に陥ってしまったという事例も多数あるので、その利用はくれぐれも慎重に行う必要があります。

まとめ

今回は、個人再生とクレジットカードの関係についてご紹介しました。

個人再生するとクレジットカードの利用が禁止され、その後5年から10年はカードを作ることが難しくなってしまいます。

個人再生する際には、このようなデメリットがあることを十分理解したうえで債務整理してください。

個人再生後、再び借金生活を送らないようにするためにも、できるだけクレジットカードに頼らない生活を心がけるようにしましょう。

もし借金の返済に行き詰まり、個人再生を検討されている場合には、当事務所へご相談ください。1日24時間年中無休で、全国どちらからのご相談・ご依頼でも承っております。

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