借金問題は、とても厄介な問題です。一度借金に手を出してしまうと、毎月高額な利息を支払わなければならないため、なかなか借金を完済することができないからです。このため、借金生活が長引く間にさらに何かの事情で借金を重ねてしまい、結果として多重債務に陥る……世間ではよくある話です。
このように厄介な借金問題ですが、法的にこれを解決する方法があります。それが「債務整理」という手続きです。債務整理を行うことで、たいていの借金問題は解決することができるのです。
この債務整理には、基本的に4種類の手続きがあり、裁判上行うものと裁判外で行うものがあります。この中で、裁判所で行う債務整理方法は手続きが複雑になるなどデメリットもありますが、裁判所を利用する手続きだけあって強力な効果が期待できます。その代表が「自己破産」と「個人再生」です。
今回は「個人再生」について説明いたします。
こちらでは主に、個人再生という手続きの概要や、ほかの債務整理方法と比較した場合のメリットやデメリットなどを見てみることにしましょう。
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個人再生の概要
冒頭でも述べましたが、個人再生とは借金問題を解決する法的手段である「債務整理」のひとつの方法です。
個人再生は自己破産と同様、裁判所で行うものであるため手続きが厳格で費用も掛かります。しかしその反面、大幅な債務(借金)のカットやマイホームを手放さずに債務整理が行えるなど、大きなメリットも存在します。
個人再生には2種類の方法がある
個人再生には2種類の方法があります。「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」のふたつです。
それぞれに特有の特徴がありますが、まずは両者に共通の特徴を見てみることにしましょう。
小規模個人再生・給与所得者等再生に共通の特徴
小規模個人再生と給与所得者等再生のふたつに共通する特徴はつぎのようになります。
債務総額が5000万円以下であれば利用可能
個人再生を利用するためには、債務総額が5000万円以下であることが法律上の条件とされています。この「債務総額」の中には借金の元本だけでなく、利息や遅延金もすべて合算しなければなりません。その結果、債務総額が5000万円を1円でも超えた場合には個人再生は利用できません。
ただし、「住宅ローン特則」を利用して個人再生する場合には、この「債務総額」の中には住宅ローン等は含みません。
借金が最大90%もカット可能!
個人再生が裁判所で認められた場合には、負っている借金の額が最大で80~90%もカットされます。自己破産のように債務の全額が免除されるまでは行きませんが、この大幅な債務のカットは大きな魅力です。
ただし、この債務のカット率は個人再生を申し立てる人の負っている債務の額や所有している財産など諸事情によって変動します。
個人再生した場合、ご自分の債務がどれくらいカットされるか具体的に知りたい方は以下の参考記事にわかりやすく丁寧に解説されていますのでご覧になってください。
残債務は3~5年間の分割返済でOK
個人再生の手続きが成功した場合、借金額は大幅に減額されることになります。
減額されず残った債務は返済する必要がありますが、これも分割で返済すればよいのです。
その期間は基本的には3年間とされています。もし3年での返済が厳しいようであれば、最長5年間まで返済期間を延長してもらうこともできます。
このため、残債務の返済は3年から5年という長期間での分割で行えばよいため、毎月無理なく返済できる可能性が高くなるのです。
残債務に利息が付かない!
個人再生が成功することにより大幅に減少した債務であったとしても、それに毎月利息が付いては返済が大変です。一般的な借金では、毎月当然に利息が発生するため返済が苦しくなるのです。
しかし個人再生では、手続きが成功することによって減額された債務には、一切利息が付かないことになっています。
このため、返済した分がすべて債務元本に充当され、毎月確実に債務が減っていきます。
マイホームを維持したまま借金問題の解決が可能!
やっと手に入れたマイホーム。いくら借金問題で生活が苦しいとは言え、手放したくないと思うのは誰でも当然のことと言えるでしょう。
しかし、自己破産した場合にはマイホームは手放さなければなりません。自己破産では債務全額の免除が受けられる反面、所有しているある程度以上高額な財産は手放す必要があるからです。
これに対して個人再生の場合には、債務整理により借金問題の解決を図りながらマイホームを手元に残すことが可能です。
小規模個人再生の特徴
それではつぎに、個人再生の基本的な手続きである小規模個人再生の概要について見てみましょう。
小規模個人再生に特有の特徴としては、主につぎのようなものがあります。
利用できる人の範囲が広く使いやすい
自己破産もそうですが個人再生の場合も、その制度を利用するためには法律上の各種条件をクリアしている必要があります。
つまり逆に言えば、それらの条件をクリアできていない場合には、手続きの利用ができないということになります。
小規模個人再生を利用するための基本的な条件のひとつに、「反復・継続的に収入があること」が必要とされています。
反復・継続的に収入があればよいということは、収入の額がそれほど多額でなく、また定期的なものでなくてもよいということです。
このため、アルバイトやパート勤めの方でも小規模個人再生という手続きは利用可能です。さらに、主婦をされている方でも反復・継続的な収入があるのであれば利用できるのです。
これに対して給与所得者等再生の場合には、「定期的」な収入が必要であるなど、利用のための条件が厳しくなっています。このため給与所得者等再生を利用できるのはサラリーマンなどある程度限定された人になってしまいます。
利用できる人の範囲が広いということは、小規模個人再生の大きな特徴のひとつといえます。
債務の返済額が比較的少額で済む
すでに述べたように、個人再生が成功すると元の債務の大半が免除されます。しかし、免除されなかった債務に関しては、法律上返済義務が残ります。
この残存する債務の額は、元の債務総額や所有している財産の額などによって変動するのですが、通常の場合この額は給与所得者等再生の場合と比べると少額で済みます。
手続きの成功のためには債権者の消極的同意が必要
小規模個人再生が成功するためには、法律の規定により債権者の「消極的同意」が必要とされています。これを簡単に言うと、債務者が個人再生することに対して一定数以上の債権者から積極的な反対が出ないことが必要ということです。もし積極的に反対する債権者が、法律で定める一定数以上存在する場合には小規模個人再生は失敗することになります。
なお、小規模個人再生の手続きなどに関して、より詳しい情報が知りたい方は以下の参考記事にわかりやすく徹底解説していますので合わせてご覧になってください。
給与所得者等再生の特徴
2種類ある個人再生のうち、給与所得者等再生という手続きは小規模個人再生の発展形とでもいうべき手続きです。
給与所得者等再生に特有の特徴としては、主につぎのようなものを挙げることができます。
サラリーマンなど一定以上収入の安定している人が利用できる制度
給与所得者等再生を利用するためには、小規模個人再生で要求される「反復的」「継続的」な条件のほかに、さらに「定期的」な収入があることが条件とされます。
この「定期的な収入」とは、「反復的」「継続的」な条件より厳しい条件ということができます。つまり、比較的短い間隔で何度も繰り返して得られる収入であることが必要なのです。
この条件のため、アルバイトやパート社員は給与所得者等再生を利用することは難しくなります。給与所得者等再生を利用できるのは、基本的にサラリーマンや公務員、年金受給者などに制限されることになります。
収入の変動幅が大きい場合も利用不可!
給与所得者等再生を利用する条件には、収入の変動幅が比較的小さいことも法律上の条件とされています。つまり、定期的な収入のあるサラリーマンであったとしても、毎月の収入の額に大きな波があるような場合、給与所得者等再生を利用することができないということです。たとえば、毎月の給料がその月の営業成績によって顕著に変動するような場合がこれに該当します。
実際の運用上、この収入の変動幅は20%以内でなければならないとされています。
返済すべき債務額が小規模個人再生よりも多くなる
給与所得者等再生の場合、手続き後に返済すべきことになる債務額は「可処分所得の2年分以上」という条件をクリアする必要があります。「可処分所得」とは、簡単に言うと毎月の収入から各種生活費などを差し引いた金額のことです。この可処分所得の2年分とは、意外と高額であることが通常です。このため、給与所得者等再生をした場合の残債務額は小規模個人再生の残債務額よりも高額となることが一般的です。
個人再生手続きを債権者に妨害される恐れがない
すでにご説明したように、個人再生という手続きをすれば債務の大半のカットが可能となります。しかし、カットを受けるためには、当然のことですが裁判所において個人再生手続きが成功することが必要です。
個人再生の基本形ともいえる小規模個人再生の場合には、手続き上、債権者の消極的同意が必要とされています。このため、債務者が個人再生することについて反対する債権者がいる場合、手続きが失敗する可能性があります。
これに対し給与所得者等再生の場合には、手続き上、債権者の同意が不要です。このため、手続きを債権者によって妨害されるような恐れがないのです。
この点は、給与所得者等再生における最大のメリットといえるでしょう。
なお、給与所得者等再生の手続きに関しての、より詳しい情報は以下の2つの記事にわかりやすく解説されています。
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個人再生のメリット・デメリットについて
それではつぎに、個人再生のメリットとデメリットについて考えてみることにしましょう。
小規模個人再生・給与所得者等再生に共通のメリット・デメリット
小規模個人再生と給与所得者等再生の両者に共通のメリット・デメリットには、つぎのようなものがあります。
メリット
上記「個人再生の概要」と重複しますが、小規模個人再生・給与所得者等再生に共通するメリットの主なものはつぎのようになります。
債務の大半を免除してもらえる
裁判所において個人再生が成功した場合、元の債務額と比較すると最大で80~90%が減額されます。
自己破産とは異なり債務全額の免除を受けることはできませんが、元の借金が圧倒的に少額となるため、返済が非常に容易になります。
残債務は3年から5年の分割で支払い可能
個人再生後に返済すべき債務に関しては、基本的に3年間で分割返済することになります。ただし、3年間では返済が厳しいような事情がある場合には、裁判所の許可を得て返済期間を最長5年まで延長してもらうことも可能です。
残債務には一切利息がつかない
上記のように個人再生が成功した場合、元の借金の大半(最大80~90%)が免除されます。債務の全額が免除されるわけではないため、一定の債務は残りますが、これに対して将来利息は一切発生しません。
借金問題がなかなか解決できない理由のひとつに、借金の元本に利息が発生することが挙げられます。しかし個人再生では、免除されたあとに残る債務に関して利息が発生しないため、返済が非常に楽になるのです。
マイホームを手放さずに債務整理ができる
所有している自宅に住宅ローンなどが残っている場合、一定の条件をクリアしていればマイホームを手放さずに債務整理することが可能です。しかも、このローンは住宅を購入した際のローンに限りません。リフォームした際のローンや借り換えしたローンでも対象となります。
住宅ローンは当初の契約どおりに返済する必要がありますが、それ以外の債務について大幅な免除を受けることができるというのは大きな魅力です。
この点はある意味、個人再生の最大のメリットととらえることもできるでしょう。
デメリット
メリットが多く、有用性の高い個人再生ではありますが、同時にデメリットも存在します。その主なものを挙げると、つぎのようになります。
一定の債務が残る
繰り返しにはなりますが、個人再生は自己破産と異なり、手続き後に一定額の債務を返済する必要があります。このため、自己破産のように一気に借金問題を解決することはできません。
個人再生によって元の借金の大半は免除され、返済すべき債務はかなり減少します。しかし、その残債務は、基本的に3年間分割で支払い続ける必要があります。逆に言えば、個人再生に成功しても、向こう3年間は債務の支払いを継続しなければならないことになります。
ブラックリストに載る
個人再生した場合、個人信用情報機関において基本的に事故情報が記録されます。これが「ブラックリストに載る」ということです(ただし、一部の機関ではブラックリストに載せない扱いとしているようです)。
しかし、この扱いは個人再生に限ったことではありません。どのような方法であれ債務整理をする以上、ブラックリストに載ることを避けることは、まず不可能なのです。ブラックリストに自分の名前が載った場合、新たな借金ができない、クレジットカードが作れないなど各種の不利益を受けることは確かです。しかし、ブラックリストに載ることによる不利益を考えるより、債務整理することで借金問題が解決できるというメリットに目を向けるべきでしょう。
「官報」で個人再生したことが公告される
個人再生する場合、債務者について個人再生した旨が数回「官報」で公告されることになっています。「官報」とは、政府が基本的に毎日発行する国の広報誌のようなものです。これは現在、ネットでも閲覧することができるようになっています。そのため、自分が個人再生したことが他人に露見してしまうのではないかと心配される方もいらっしゃいます。
しかし通常の場合では、個人再生したことが自分の周りの人たちにバレてしまうなどということはないと考えてよいでしょう。個人でありながら、毎日官報の記載情報をチェックしているような人がいるとは、通常では考えにくいからです。
ただし、この公告内容をもとに事故情報を記録している個人信用情報機関が存在するので、この点は注意する必要があるかもしれません。
小規模個人再生のメリット・デメリット
それではここで、小規模個人再生に特有のメリット・デメリットを考えてみましょう。
メリット
小規模個人再生をする場合には、給与所得者等再生よりも有利な点がいくつかあります。その主なものは、つぎのようになります。
利用できる人の範囲が広い
小規模個人再生を利用するために法律上要求される条件は、「反復的」「継続的」な収入があることです。つまり、たとえ不定期でも反復的または継続的な収入がある人であれば、小規模個人再生をすることが可能です。
ただし、最低限の条件として、手続き後に返済することになる債務を毎月返済することができるだけの収入は必要です。
これに対して給与所得者等再生の場合には、「定期的」な収入が必要とされます。また、その収入額はある程度以上安定していることも条件とされているため、サラリーマンなどでないと利用が難しい制度となっています。
手続き後の返済額が比較的少額で済む
給与所得者等再生の場合、手続き後に返済すべき債務額を決める条件として「可処分所得の2年分以上」という要件が加わります。このため給与所得者等再生をした場合、手続き後に返済すべきとされる債務額は、小規模個人再生の場合よりも高額となることが一般的です。
これに対して小規模個人再生の場合には、この条件がないために、手続き後に返済すべき債務額は比較的少額で済むことが多いのです。
実際の事例では100万円の返済で済むことが多い
実際に個人再生を利用しようとする方の債務総額は、500万円以下であることが大半です。しかも、多くの事例において債務者の方には、裁判手続きで「資産」とみなされるような財産がほとんどないのが実情です。
この場合に小規模個人再生をすると、手続き後に返済すべきことになる債務額は100万円となることが多いのです。
では、個人再生後に返済すべき債務額が100万円となった場合、毎月の返済額はいくらになるでしょうか?
100万円を3年間毎月返済する場合、返済回数は36回の分割返済となります。この場合、毎月の返済額は3万円弱です。つまり、毎月これだけの額の返済ができるだけの収入があるのであれば、個人再生によって借金問題を解決できる可能性が高いのです。
もし、この金額でも毎月の返済が厳しいようであれば、返済期間を5年まで延長することも可能です。返済期間を5年とした場合、毎月の返済額は2万円弱となり、さらに家計への負担を軽減することができるのです。
再度の申し立ての場合でも時間的な制限がない
給与所得者等再生の場合には、過去に自己破産したり給与所得者等再生をしたことがあるケースでは一定の期間が経過していない場合には、再度の申し立てができません。
これに対して小規模個人再生の場合には、このような時間的な制限がありません。そのため、過去にも小規模個人再生や自己破産または給与所得者等再生をしたことがあっても、その時からの時間的な制限なしに申し立てができるのです。
デメリット
以上のように多くのメリットがある小規模個人再生ではありますが、デメリットも持ち合わせています。
その主なものは、つぎのようなものになります。
手続きを債権者に妨害される恐れがある
小規模個人再生の手続きでは、法律上、その手続きに対して債権者が積極的に反対しないことが成功のための条件とされています。つまり小規模個人再生では、債権者の反対によって手続きが失敗させられてしまう可能性があるということです。この点は小規模個人再生の最大のデメリットと言えるでしょう。
これに対して給与所得者等再生の場合には、法律上、債権者の意見は基本的に手続きの成功・失敗に影響しません。
なお、この点について詳しく知りたい方は以下の記事にわかりやすく解説しておりますので参照してください。
給与所得者等再生のメリット・デメリット
それではつぎに、給与所得者等再生をする場合のメリット・デメリットを見てみましょう。
メリット
給与所得者等再生する場合に考えられるメリットの主なものは、つぎのようになります。
債権者に手続きを妨害される恐れがない
給与所得者等再生は小規模個人再生と異なり、その手続きにおいて金融業者など債権者の意向により手続きが妨害される恐れがありません。
うえで述べたように、小規模個人再生では債権者がその手続きに反対の意思を持っている場合、手続き上のプロセスである「再生計画案の書面決議」に参加して反対の意思表示ができるのです。
そして、その反対の意思表示をした債権者が一定以上いる場合、小規模個人再生の手続きは中止(廃止)されることになります。この場合には、個人再生に失敗し、借金問題がまったく解決できないことになります。
メリット
給与所得者等再生する場合、主につぎのようなデメリットがあります。
サラリーマンなど、一定以上安定した収入のある人しか利用できない
給与所得者等再生を利用する場合には、法律の規定によって「定期的」な収入があることがひとつの条件とされています。また別の条件として、収入の変動幅が一定以内であることも要求されます。
これらの条件を満たすためには、サラリーマンなどかなり限定された職業についていることが必要となります。
このため、利用できる人の範囲が狭く、利用しづらい手続きであることは否めません。
小規模個人再生よりも返済額が多くなる
法律上、「可処分所得の2年分以上の返済」が必要。「可処分所得」とは、大まかに言うと収入から生活費などを除いた金銭ということです。
つまり、毎月の収入から生活費などを控除し、残った金銭の2年分以上の金額を債務の返済として業者に支払わなければなりません。
この金額は通常、小規模個人再生した場合の返済額よりも高額となってしまうのです。
再度の申し立ての場合に時間的な制限がある
再度の申し立てをする場合に時間的な制限があるということも、給与所得者等再生に特有のデメリットです。
つまり過去において自己破産や給与所得者等再生、ハードシップ免責などを受けたことがある場合には、法律の定める一定の期間が経過していない限り、新たな給与所得者等再生の申し立てはできないことになります。
新たな給与所得者等再生の申し立てが認められるための期間とは
うえで述べたように、適法に給与所得者等再生を申し立てるためには、時間的な制限があります。
その具体的な期間については、下のようになります。
- ①過去において給与所得者等再生をしたことがある場合 →再生計画案の認可決定確定日から7年
- ②ハードシップ免責を受けたことがある場合 →再生計画案の認可決定確定日から7年
- ③自己破産したことがある場合 →免責決定の確定日から7年
上記の各期間が経過していない場合には、新たに給与所得者等再生を利用することができません。
その他の債務整理方法と個人再生を比較した場合のメリット・デメリット
冒頭でも説明しましたが、借金問題を解決する方法である「債務整理」には基本的に4つの方法があります。裁判所を利用しない方法としては、「任意整理」という方法があります。裁判所を利用する方法としては、「自己破産」「個人再生」「特定調停」などがあるのです。
これらの手続きを個人再生と比較した場合、それぞれの方法にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?みなさんも気になるところだと思います。
この点に関しては、以下の各記事でわかりやすく説明していますので参考にしてください。
まとめ
今回は個人再生の概要についてご説明いたしました。
個人再生は自己破産と並び、裁判上行われる強力な借金問題の解決方法です。
使いようによってはかなり利用できる債務整理方法であり、毎年たくさんの方が利用し、実際に借金問題を解決しています。
それではここで個人再生の概要に関して、もう一度おさらいしてみましょう。
- 反復・継続的な収入のある人であればアルバイトやパート社員などでも利用できる(小規模個人再生の場合)。
- 自己破産のように債務の全額の免除は認められませんが、大幅な債務のカットが可能。カット率は最大80~90%とかなり高率であるため、返済すべき債務が大幅に減額される。
- 残った債務に関しては、将来利息が発生しない。
- 一定の条件をクリアしていれば、マイホームを手放さずに債務整理をすることも可能。
- 自己破産よりもハードルが低い。
- 資格制限のある職業についている人でも利用しやすい。
……などの特徴を有する債務整理方法です。
債務整理にはいくつかの方法がありますが、個人再生の持つこれらの特徴を充分理解することで、自分の借金問題を解決するためにどの方法が適しているのかを適切に判断しやすくなるでしょう。
本文でも述べましたが、借金問題の解決方法として個人再生の利用を検討する場合には、小規模個人再生か給与所得者等再生のどちらかを選択する必要があります。
小規模個人再生は弁済額が少なくて済む反面、手続きには債権者の消極的同意が必要となります。給与所得者等再生は小規模個人再生よりも弁済額が多額とはなりますが、債権者の同意が不要です。これら一長一短を充分理解したうえで、どちらかを選択しなければなりません。
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