個人再生はメリットだけではない!知っておくべき5つのデメリット

借金問題を法律的に解決する方法である債務整理には、基本的に4つの方法があります。それら4つの方法それぞれに一長一短の特色があり、それぞれメリット・デメリットが存在します。残念ながらデメリットのない債務整理方法は存在しません。何らかの債務整理をする以上、かならず多かれ少なかれデメリットをこうむることは覚悟しておかなくてはならないのです。

ということは当然、個人再生する場合にもメリットやデメリットが存在するということです。メリットの部分は個人再生を検討される方の多くがすでにご存じであることが多いと思います。しかし、意外とデメリットを知らずに手続きをしようと思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

個人再生したのはいいものの、そのデメリットについて知らなかったため、あとから大きな不利益をこうむってしまうことも充分考えられます。

いったん個人再生してしまうと、もはや後戻りはできません。後悔してもしきれないことになってしまいます。

そのようなことにならないためにも、手続きを踏む前に個人再生することから発生するデメリットに関して充分知っておく必要があります。

今回は、個人再生する場合のメリットとデメリットをご説明いたします。

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個人再生の5つのメリット

まずは、個人再生する場合のメリットに関してみてみましょう。

大きく分けると、つぎのように5つのメリットが考えられます。

すべて重要事項ばかりですので、しっかりと頭に入れておいていただきたいと思います。

1.自己破産できない場合でも利用可能

自己破産の場合、借金を作った原因が問題になることがあります。たとえば、借金の原因がギャンブルや浪費などであるケースは、世間的にかなり多い事例です。しかし、このような場合には、自己破産が裁判所によって認められない可能性があります。法律上、このような原因で借金を作った場合には、自己破産が認められないこととされているためです。

これに対して個人再生の場合には、借金原因がギャンブル・浪費などであっても裁判所は認めてくれます。そのような原因で作った債務でも、一切問題とされることはありません。

2.最大80%の債務カットが望める

個人再生手続きが裁判所で最終的に認められた場合、現在負っている債務額を最大で80%もカットしてもらえる可能性があります。たとえば、債務総額が1000万円の人の場合、800万円の支払いは免除してもらい200万円の支払いだけで済むことになるのです。

個人再生の場合には、手続き後弁済しなければならないとされる債務額は最低でも100万円以上という制限はありますが、多くのケースで大幅に債務額が減額されることになります。

自己破産による債務の免除には及びませんが、最大80%もの債務カットが望めるというのは、非常に大きなメリットです。

3.将来利息もカット!

上で述べたように、個人再生では債務額を最大80%もカットしてもらえる可能性があります。しかし、個人再生のメリットはこれだけではありません。

さらにありがたいことには、将来利息が一切発生しないのです!

多重債務に陥り、借金がどんどん増えてしまう原因は、利息の高さが最大の原因といっても過言ではないでしょう。その利息が全く発生しないということも、個人再生の大きなメリットです。

4.手続き後の債務は分割払いが可能

個人再生する場合、実際の手続きでは多くの事例において、返済すべき債務額は100万円となります。通常、債務額は500万円以下であり、これといった財産がない事例が圧倒的に多いからです。

個人再生が裁判所で認められた場合には、この債務をつぎのような方法で支払うことになります。

基本は3年間の分割返済

個人再生手続きが認められることにより、支払うべき債務額が確定します。そこで再生計画に従い、この債務額を3年間毎月分割返済する方法で支払うことになります。つまり、36回の分割払いで支払うのです。

これを単純計算すると、毎月の支払額は2万8千円弱となります。実際の支払いは、相手業者の銀行口座に振り込みする形になります。そのため、この振込手数料などを考慮したとしても、月に3万円前後が返済に必要な資金となります。つまり、毎月これくらいの返済が可能であれば、個人再生は利用することができるということです。

将来利息も発生しないため、毎月返済した分どんどん元金が減っていくため、返済意欲も維持できるでしょう。

最長5年まで分割返済が可能

上記のとおり債務の返済期間は、基本的には3年間の36回払いです。しかし、これではまだ毎月の返済額が多くて支払いが苦しいという特別な事情がある場合もあるでしょう。

このような場合には、裁判所に申請することで最長5年まで返済期間を延長してもらうこともできます。この場合には、支払うべき債務額が100万円とした場合には、毎月1万7千円+各社への振込手数料程度で済むことになります。

手続き前まで借金の返済に追われていた生活から考えれば、驚くほど少ない返済で済むことになりますね。これなら大抵の方が、無理なく返済していけるはずです。

住宅を手放さずに債務整理できる

自己破産する場合、基本的に所有している財産はほぼすべてを手放さなければなりません。自宅を持っている場合には、当然出ていかなくてはならなくなります。せっかく手に入れたマイホームを手放すことになります。

しかし、個人再生の場合には自宅を維持しながら、借金問題の解決を図ることができるのです。住宅ローンは基本的に当初の契約どおり支払わなくてはなりませんが、その代わり自宅を維持しながら債務整理することが可能になるのです。

この点はある意味、個人再生の最大のメリットといえるかもしれません。

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個人再生の5つのデメリット

今まで見てきたように、個人再生にはほかの債務整理にはないメリットがたくさんあります。多重債務を抱え毎月の返済に苦しんでいる方にとっては、どれも非常に魅力的なメリットでしょう。

しかし、そんな個人再生にも、残念ながらデメリットは存在します。

主なデメリットとして、つぎの5つが考えられます。

1.定期的な収入がないと利用できない

個人再生を利用する場合には、定期的な収入が必要となってきます。これは、法律の定めによるものです。

そのため、現在失業中で収入のない方などは、個人再生の利用自体ができないこととなります。

つまり、個人再生を利用したいと希望する人のすべてが、この手続きを利用できるわけではないのです。

2.手続き後に債務を返済する必要がある

自己破産の場合、免責が裁判所で認められると、それまで負っていた債務は支払い義務が免除されます。つまり、借金をゼロにしてもらえるわけです。当然、手続き後に債務の支払いをしなければならない、ということはありません。

これに対して個人再生の場合には、大幅な債務のカットが望めるとはいえ、やはりある程度は債務を返済する必要があります。

ただし、通常は無理のない範囲での分割返済をしていけばよいので、それほど問題となることは多くありません。

3.所有する財産以上の額を返済する必要がある

個人再生する場合には、清算価値保障の原則という法律上の重要なルールがあります。このため、所有している財産以上の額を債務として返済する必要があります。この原則が、意外と多くの問題を引き起こすのです。

要注意!財産が多いと返済額もアップ!

上で述べた清算価値保障の原則との兼ね合いから、高額な財産を所有している方の場合、手続き上問題が発生する可能性が出てきます。つまり、多くの財産を所有していることが原因となり、個人再生後に返済すべき債務額が大幅に増額されることがあるのです。

典型的な事例として、つぎのようなケースでは特に注意が必要です。実務上、問題となることが多いパターンです。

退職金が出る場合

上述しましたように、高額な財産を所有している場合には、個人再生で返済すべき債務額がアップする可能性が高くなります。不動産や株券などであれば、ご自分が所有している財産としてだれでも気づかれることだと思います。

しかし、自分が保有している財産として、意外と気が付かないのが退職金についてです。会社員の方で、ある程度以上の勤続年数がある場合には、退職後に会社から退職金が支払われることが多いでしょう。法律上、この退職金も立派な財産となります。

そのため、個人再生手続きでは、現在会社を辞めた場合いくら退職金がもらえるかという退職金見込額があなたの財産として扱われます。

この見込み額が高額となる場合には、個人再生後返済すべき債務額がアップする可能性が高くなります。

自宅を持っている場合で、住宅ローンがアンダーローンの場合

まだ住宅ローンの残っている自宅を所有している場合で、ローンの残債務額よりも自宅の資産価値のほうが大きい場合のことをアンダーローンといいます。

このような状態である場合には、ローンの残債務額を超えた自宅の経済的価値部分が財産としてみなされます。たとえば、住宅ローンの残債務額が2000万円、自宅の現在の価値が3000万円である場合、差し引き1000万円が財産としてカウントされることになります。

これに対して、この逆のパターンであるオーバーローン状態の場合には、特に問題になることはありません。

4.信用情報機関でブラックリストに載る!

基本的にほかの債務整理をする場合も同様ですが、個人再生をするということは、業者との契約どおりには返済をしないということになります。これはイコール、相手業者に迷惑をかける行為となり、信用情報機関において事故情報が記録されることになるのです。いわゆる「ブラックリストに載る」ことになってしまうのです。

5年から10年はブラックリストから削除されない

この事故情報は、通常5年から10年は記録が抹消されません。そのため、最低でもこの期間内にはあらたにローンが組めない、新たなクレジットカードがつくれない、などのデメリットが発生することになります。

この点は事前に充分理解したうえで、個人再生手続きをしなければなりません。

借金せずには生活が成り立たない場合は要注意!

このため、個人再生後もどこかから借り入れをしないと生活が成り立たないなどという方は要注意となります。例えば、事業資金としてどうしてもどこかからの借り入れが不可欠な事情がある方は、ほかの債務整理方法または借り換えなどを検討する必要があるかもしれません。

5.官報で公告される

法律上、個人再生をした人は官報で住所・氏名が公告されることになっています。官報とは、政府が発行している広報誌のようなものです。今ではインターネット上でも内容を閲覧することができるようになっています。

つまり、この情報を見れば誰が個人再生したかがわかることになります。

官報の公告のせいで借金がバレるのか?

破産の場合もそうですが、個人再生した場合にもその事実が官報によって世間に公表されることになります。

このため、自分が個人再生したことが周囲にバレてしまうのではないか、という不安を抱かれる方がいらっしゃいます。正直に言うと、その可能性を完全に否定することはできません。

しかし、通常はこのような情報をチェックしている方は極めてまれです。一般的にはそのような恐れはかなり少ないと考えていいと思います。

悪質業者からのDMには要注意!

いわゆる「闇金」など悪質業者の中には、この官報の情報をもとにダイレクトメールを送ってくるものが存在します。表面上は甘いうたい文句で金銭の借り入れを誘ってきます。しかし、個人再生した人物に融資を申し込んでくるような業者は、悪質業者に決まっています。

一度悪質業者のワナにはまってしまうと、なかなか抜け出せません。どんなにお金に困っても、決して騙されないようにしてください。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は、個人再生のメリットとデメリットについてご説明しました。

個人再生という手続きは、債務の大幅な減額が見込めるなど計り知れないメリットがあります。しかしその反面、いくつかデメリットも存在します。

個人再生を検討する場合には、メリットだけでなくデメリットについても充分理解したうえで、手続きをする必要があります。

特にブラックリストに載ることは、決して忘れてはいけないデメリットです。

ブラックリストに一度載ってしまうと、長期間新たなクレジットカードが作れなくなったり、ローンが組めなくなったりします。借金しないで生活するに越したことはありませんが、どうしても借り入れせずには生活できない事情がある方は、債務整理ではなくほかの方法での借金解決を検討する必要があるかもしれません。

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