- なぜ彼女は婚約破棄をしたいと考えたのだろう…その理由がわからない
- 彼女から婚約破棄を言い渡されたけど、どう対処していいの?
- 婚約破棄となった場合に彼女に請求できるお金にはどのようなものがあるの?
この記事では、これらの疑問や悩みを、男女問題に強い弁護士が解消していきます。この記事を最後まで読むことで、破談を避けるにはどう対処すればいいのか、それでも破談になってしまった場合に女性にどのようなお金を請求できるのかを知ることができます。
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目次
婚約破棄を女性からする理由
女性側から結婚の約束を破棄する理由はどのようなものがあるのでしょうか。女性特有の理由も存在していますので男性としては思わぬ理由で婚約破棄されてしまうということもあるでしょう。以下に詳しく説明していきます。
女性側がマリッジブルーになってしまう
マリッジブルーとは結婚を直前に控えていることから精神的に憂鬱になってしまう心理状態のことを指す言葉です。
例えば、
- 結婚を機にこれまでの生活スタイルが変わることに対する不安
- 将来の展望が見えないことへの不安
- 結婚式の準備や段取りのわずらわしさ
- パートナーへの不安
などさまざまな理由から精神的に衰弱してしまうことがあります。男性よりも女性に多いと言われますがこのような精神状態が長く続くと結婚自体を取りやめてしまいたいと考えることもあります。
価値観の相違
女性側がパートナーとの価値観が違うことにストレスを感じて破局を切り出すパターンも考えられます。価値観の相違としては、朝型・夜型などの生活スタイルや金銭感覚、食事の趣味などの小さな違いについても積み重なることでこれから2人で生活していくことで大きな不安を感じてそのことを契機に婚約破棄に繋がることがあります。
男性側の稼ぎに不満がある
婚約破棄の理由として男性側の収入が低いという不安をあげることができます。女性の社会進出が進んだといっても日本社会ではなお同世代では女性より男性の方が収入は高いことも事実です。
また共働き世代が増えたと言っても全体の4割は専業主婦が占めています。そのため家計の状況は男性の収入に影響されることも多いでしょう。男性側の収入が低い場合には相手との結婚を考え直す契機になる可能性も高いです。
パートナーに負債がある
これも上記と同様に経済的な原因として考えられる破局理由です。パートナーに多額の負債がある場合には、仮に一定の収入があったとしても将来が不安になることでしょう。
浪費癖があったり信販会社やクレジットカードに対して多重債務を抱えていたりする場合や長期にわたる奨学金の返済が固定費として家計から支出されている場合などさまざまな負債状況が考えられます。また借金の場合は将来パートナーになる女性自身も連帯保証人や相続によって債務者になってしまうリスクもあります。
同棲して一緒に生活できないと悟った
婚約を機に同棲したことを原因として婚約破棄に至る場合も考えられます。上記で解説した「価値観の相違」や「収入や負債状況」は相手と近くで生活してみなければ中々分かりにくい事情です。婚約したことで晴れて公然と2人が同居を開始すると今まで見えていなかった問題点に気づかされるということは往々にしてあります。そこで今まで気づかなかった点や相手の嫌な面に同棲することで気づかされ結婚できないと悟ることも考えられます。
パートナーの実家との不和
結婚は当事者の2人が決めることができます。しかし実際に結婚すると家族となる以上、相手の両親や親戚と良好な関係を維持しなくてはならないのも事実です。
パートナーの実家や親せきとの関係にトラブルがある場合も、今後の結婚生活に支障がでてくることが容易に想像できます。相手の実家の生活様式や風習、現代では時代遅れと思われる伝統を重視しているなどの違いを受け入れることができず結婚に踏み切れない理由として挙げられることもよく聞かれます。
婚約破棄を女性からされた男性がとるべき対処法
それでは上記に挙げたような理由で女性側から婚約破棄を言い渡された場合に男性側はどうすればいいのでしょうか。具体的な対処方法について解説していきます。
冷静になるためにもまずは距離を置く
婚約破棄を言い出された場合には、言い出した女性側も伝えられた男性側もお互いに興奮状態にあると思います。そのような場合には冷静に話し合うこともできませんし、最悪の場合にはお互いに口論になったり不満のぶつけ合いに発展したりして収拾がつかなくなる可能性も高いです。
そのため、婚約破棄を伝えられた場合にはその場で急いで関係を修復しようとせずにまずは一旦冷静になるためにもお互いに距離をおいてみることをおすすめします。特に女性側のストレスが積み重なって感情が爆発したような場合には男性側が反省する必要もありますが、女性側もいったん冷静になれば事態も修復に向かうという可能性も考えられます。
一時の感情の高鳴りで結婚という人生の一大局面について意思決定するべきではありません。お互いに距離をおいて1人になることで自分の感情や考えについて整理することができます。女性側が男性側の「どこに不満」を持っていて「今後どうして欲しいのか」という争点が整理されやすくなりますので、それを洗い出したうえで男性側も真摯に相手と向き合う必要があります。
話し合いをして改善策を女性に提案する
一旦お互いが冷静になって問題点が明らかになっても自然と状況が改善されない場合にはお互いに話し合いの場を設ける必要があります。改善策を提案する場合もあなた1人で考えて原因と解決策を提示してそれを相手側に一方的に投げるという行動は控えるべきでしょう。そのようなあなたの独りよがりな行動も問題点のひとつとなっている可能性があります。
重要なことは相手方と「対話」することです。まずは相手方の主張・意見をしっかりと聞く意思があることを示すことが重要です。相手が主張をしている間は自分の反論や意見がある場合も一度最後まで聞き届けるようにして、決して相手の話している途中で遮ったり反論を始めてしまったりしないように注意しましょう。
そのうえで自身に悪い点がある場合には最初にしっかりと謝罪してください。言い訳から入ったり相手に非があることを主張したりしたいという気持ちはぐっとこらえましょう。
まず謝罪を伝え、どうすれば現在抱えている問題を解決することができるのかあなたの考えを伝えましょう。そして必要なら相手の意見を伺うことも重要です。彼女が抱えている不満や不安点をどうすれば解消することができるのか、相手の不安を取り除ける解決策を提示する必要があります。
関係修復が出来ない場合は金銭的な清算をする
両当事者が話し合った結果どうしても関係が修復できない場合には婚約を継続することはできません。その場合には金銭的な清算を行うことになるでしょう。
後述しますが、不当な婚約破棄に対しては女性に慰謝料を請求することもできますし、結婚指輪の取り交わしや結納をしている場合には返還を請求することができます。また、あなたがどうしても納得できない場合には、解決金などの名目で女性側が一定の金銭をあなたに支払って婚約破棄に納得してもらうというパターンもあります。
ただし、あなたの行動に原因の一端がある場合には金銭の支払いを要求することは難しいでしょう。
不当に女性から婚約破棄されたら請求できるお金
それでは不当に女性側から婚約を破棄された場合には男性はどのような請求を女性側にすることができるのでしょうか。
慰謝料
慰謝料とは精神的苦痛を慰謝するために支払われる金銭のことで、民法第709条の不法行為責任に基づく損害賠償請求のひとつです。
そして、婚約破棄された男性は女性に対して慰謝料を請求することができます。
裁判例においては挙式1週間前の婚約破棄の事例について、当事者間には同棲、性的交渉その他の事実婚類似の関係が何も存在しなかったとしても、婚約不履行自体が通常不法行為を構成すると判示したものもあります(徳島地方裁判所昭和57年6月21日判決)。
もっとも、慰謝料請求が認められるためには、女性が不当な理由によって婚約破棄したこと必要です。例えば、性格の不一致、単に心変わりした、親族に結婚を反対された、などは不当な理由に該当するでしょう。
逆に、女性が男性から暴力を受けた・浮気された、男性に多額の借金を抱えていることが判明したなどは”正当な理由”となり、女性から婚約破棄されても男性の慰謝料請求が認められない可能性が高いでしょう。
その他賠償請求など
婚約は有効・適法な「婚姻の予約」であり、正当な理由なく婚姻予約に違反した場合には相手方に対して婚姻予約の不履行を理由として契約上の責任を求めることもできますし、不法行為として損害賠償請求することもできます。
まず結納について判例は、婚姻の成立すべきことを予想し授受する一種の贈与であるので婚約解除の場合には不当利得として返還すべきであると判示しています(大審院判決大正6年2月28日判決)。また、「婚約破棄で指輪を返却する必要はある?指輪代で返さないとダメ?」に書かれているように、婚約指輪も不当利得返還請求として女性から返してもらえます。
また結婚式の挙式のために結婚式場を予約していた場合、直前のキャンセルとなったことでキャンセル代が発生した場合にはその費用も不当破棄と因果関係のある損害として女性側に損害賠償請求することができるでしょう。
婚約破棄を女性からされた場合に弁護士に依頼するメリット
女性から婚約破棄をされた場合、上記で解説してきたとおり相手方に慰謝料などの損害賠償請求ができる場合があります。もっとも、その婚姻破棄が不当といえるかの判断には専門的な法的な知識が必要となります。
この点、弁護士に依頼することで、過去に不当破棄と判断された裁判例をもとにご自身のケースで不当な破棄と言えるか判断してもらえます。ケースに応じた慰謝の料相場についても説明を受けることができます。
また、相手方との関係がこじれてしまった場合であっても弁護士に依頼しておけばあなたの代理人として当事者の間にたって交渉してくれますので手続的な負担・精神的な負担も軽減することができます。そして協議がまとまり決定した事項は公正証書などを作成して蒸し返し紛争が起きないようにしてもらうことができます。
そのため女性側から婚姻を破棄され困っている方は一度弁護士に相談することをおすすめします。
当法律事務所では、婚約破棄をした女性に対する慰謝料・損害賠償請求の実績があります。親身誠実に弁護士が依頼者を全力でバックアップしますので、まずはお気軽にご相談ください。その一歩が解決へ近づきます。
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