- ワンナイトで妊娠してしまった…私はどうすればいいのだろう…
- 今後のことについて話し合いをしたいけど、一夜限りの相手なので連絡先がわからない(あるいは、連絡がつかない)…
このようなことでお悩みではないでしょうか。
一夜限りとはいえ妊娠した女性は子供を産むか堕胎するかの選択を迫られます。もし産む場合には養育費請求のために認知という手続きが必要ですし、堕胎する場合には中絶費用の負担の問題も生じるでしょう。中には男性から慰謝料をもらいたいとお考えの女性もいます。
もっとも、ワンナイトの場合には男性の連絡先を知らないケースや、連絡先は知っていても連絡が取れなくなってしまうケースも少なくありません。
そこでこの記事では、男女の妊娠トラブル問題に強い弁護士が、
- ワンナイトで妊娠した場合にまずは何を優先すべきか
- 連絡先を知らない、または、連絡が取れない相手の身元を特定するための方法
- ワンナイトで妊娠した場合の対処法
などについてわかりやすく解説していきます。
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目次
ワンナイトで妊娠をして後悔している方へ
街で声をかけられた男性やマッチングアプリで知り合った男性と、一夜限りの肉体関係を持って、のちのち妊娠が発覚した場合どうすればいいのでしょうか。
このようなワンナイトな関係だと、相手の男性について詳しい素性も人柄も知らないといううケースも少なくなく、途方に暮れている人も多いのではないでしょうか。
しかし後悔しても始まりません。
あなたが悩んでいる間にも、お腹の中の子どもはどんどん育っていきます。中絶期間を過ぎてしまうと、育てるか否かは置いておくとしても、産まなければならなくなってしまいます。
したがって、お腹の子どものためにも、中絶するのか産むのかを早急に決める必要があるのです。
あなたが悩むのは、次にどのような行動を取れば良いのか分からないからです。そこでこの記事ではワンナイトで妊娠が発覚した場合、次にどのような行動をとる必要があるのかについて詳しく解説していきます。
ワンナイトで妊娠した時の最優先事項と注意点
ワンナイトで妊娠した時の最優先事項
ワンナイトで妊娠した場合には、まずは相手の男性と話し合いの場を用意する必要があります。
そのため男性の身元特定をすることが最優先となります。
妊娠については男女双方の問題でもあるため、あなた一人が悩まなければならないものではなりません。お互いに話し合って今後どうするのかについて決めていけることが理想的です。
しかし、ワンナイトのように一夜限りを前提として関係の場合には、相手の個人情報はおろか相手の連絡先すら知らないというケースも多々あります。そのような場合には自力で男性の身元を特定するにも限界があります。
そのような場合でも諦める必要はありません。男性の身元特定の方法については後述しましょう。
身元を特定するまでに注意すべきこと
自分の場合は相手方男性と連絡がとれているので大丈夫、という方も1点注意しておくポイントがあります。それは、相手方男性の身元特定が済むまでは、妊娠の事実は絶対に伏せておくべきだということです。
ほとんどの男性にとって一夜限りの女性はあくまでも性欲処理の相手であって、将来を伴にしたいなどと微塵も考えていませんし、それは子供ができたことを知った場合でも同じです。
後述しますが、子供を中絶するとなると男性も中絶費用を負担しなくてはなりません。また、万一にでも女性が子供を産むと決断した場合には、一般的に男性は子供が成人するまで毎月養育費を支払わなくてはなりません。「遊びの女にそんなお金はかけたくない」というのが男性の本音でしょう。そのため、男性に子供が出来たことを告げれば責任回避のために逃げられてしまう可能性が高くなります。
したがって、相手方の男性に責任をとってもらいたいと思っている場合には、会う約束を取りつけて個人情報を入手するまでは、妊娠の事実を伏せておくことが賢明です。
ワンナイトで妊娠した女性が知っておくべきこと
中絶費用は男性と折半
子どもを出産してもさまざまな理由から育てられない場合や、そもそも子どもを持つつもりがなかった場合などは人工妊娠中絶を選択することもあります。
人工妊娠中絶の手術を行うためには費用がかかります。また中絶手術は女性側の身体や心に大きなダメージを与える可能性もあります。そのため相手方の男性に負担してもらいたいという方も多いでしょう。
そして当事者同士が合意のうえで行った性行為によって妊娠し、人工妊娠中絶についても当事者が合意している場合には、原則として中絶費用は男性と折半であると考えられています。
これに関して中絶費用の負担を認める多くの裁判例は、民法の不法行為の規定を根拠にしています。東京高等裁判所平成21年10月15日判決では、女性の身体的・精神的苦痛、経済的負担は、「男性と女性が共同で行った性行為に由来し、その結果として生ずるものであるから、男性と女性とが等しくそれらによる不利益を分担すべきである」と示しました。そのうえで、男性側には女性の「不利益を軽減、解消、あるいは分担するための行為をする法的義務を負っている」として、男性側に損害賠償の支払いを命じました。
中絶費用の負担割合については、法律に明確なルールが規定されているわけではありません。しかし上記裁判例によれば、女性側が一方的に負担すべき性質の費用であると考えられていないことは明らかです。
したがって、当事者間で話し合いがまとまらない場合には、中絶費用は当事者間で折半となるのが原則であると考えられます。
原則として慰謝料請求はできない
ワンナイトで妊娠したとしても、原則として相手方男性に慰謝料を請求することはできません。慰謝料とは、相手方の不法行為よって被害者が受けた精神的苦痛に対して支払われる賠償金のことをいいます。
ワンナイトでの性行為といえども、通常双方の同意のもとで行われます。そしてそのような同意のある性交渉の結果、妊娠し中絶という選択肢をとることになったとしても女性側に「権利または法律上保護される利益」が侵害されたということができません。
したがって、権利・利益侵害要件を欠くことから、男性の行為は不法行為に該当しません。
しかし、男性側に権利・利益を侵害する行為があった場合には、例外的に慰謝料を請求できる可能性もあります。具体的には以下のようなケースでは、男性に対する慰謝料請求が認められることがあります。
- 女性の同意に基づかず、男性が強制的に性行為に及んだケース
- 脅迫、暴行などによって中絶を強要されたケース
- 男性が避妊していると嘘をつき、女性が騙されて性交渉に応じたケース
- 妊娠、中絶に対して男性側が配慮義務に違反していたケース
詳しくは、中絶で慰謝料が認められる4つのケースと相場・請求方法を解説を参考にしてください。
ワンナイトで妊娠した場合も認知請求できる
ワンナイトで妊娠した場合には、男性側に認知請求することができます。
認知とは、婚姻関係にない男女の間に生まれた子どもと父親との間に法的な父子関係を創設することです。
父親が自分の意思で子を認知する任意認知は、男性の意思に基づき行うことになります。
しかし、男性が任意に応じない場合には強制認知を求めることもできます。
「子,その直系卑属又はこれらの者の法定代理人は,認知の訴えを提起することができる」と規定されています(民法第787条)。このような認知は当事者の意思によらず判決によって認知を実現することから「強制認知」と呼ばれています。
任意認知または強制認知により親子関係が発生することによるメリットとしては、以下のような効果を挙げることができます。
- 子どもが父親の相続財産について相続権を有するようになる
- 子どもに対して父親は扶養義務を負うことになり養育費の支払い義務が発生する
- 子どもに戸籍法上父親が記載され、子どもは父親と同一の戸籍に入ることができるようになる
- 父親が子どもの親権者になることができる など
子を認知するメリットについては、子供の認知とは?そのメリットと認知されない子供のデメリットで詳しく解説されています。
ワンナイトで妊娠したが男性の連絡先を知らない場合の身元特定方法
ワンナイトの相手男性との出会いが、街でナンパされて、あるいは、クラブや飲み屋で意気投合してといった場合には、一切の連絡先を知らない事態もあり得るでしょう。
このようなケースで男性の身元を特定するための方法を以下で解説します。
相手と出会った具体的な場所を訪れてみる
ワンナイトで妊娠した場合に男性の個人情報が分からない場合には、出会った方法を再現することが効果的なケースがあります。つまり相手方の男性と出会った具体的な場所を再訪問してみることです。
相手と出会ったのが、バー、居酒屋、クラブなどの場所であるなら、時間を作って同じ場所に再度行ってみてください。
なぜなら相手方の男性が、性行為の相手をナンパするために定期的に同じ場所に顔を出してる可能性があるからです。出会った場所でもう一度彼を発見することができた場合には、相手のLINEや電話番号、氏名などの個人情報を聞き出すことができる可能性が高まります。
ただし、ワンナイトの女性とばったり出会うということを避けるために、同じ店やクラブは利用しないという用心深い男性の場合には空振りで終わる可能性もあります。
男性を知っている人に居所・連絡先を聞いてみる
次に、相手方の男性を知っていると思われる関係者に情報を聞いてみることも有効です。
居酒屋やバーなどで女性を探している男性の場合には、店員や常連客の中に彼を良く知る人物がいる可能性があります。
相手方の男性に会える場所を教えてくれたり、運が良ければ相手の連絡先・居所などを教えてもらえたりする可能性もあります。
ただし、いきなり深刻な話だと思われた場合には、関係者も警戒して「相手を売るような真似」はしない可能性が高いです。あくまで好意がある振りをして異性として相手方男性を知りたがっている雰囲気で尋ねてみることで、ハードルが下がる可能性があります。
SNSやネット掲示板などを利用して情報収集する
また、SNSやネット掲示板などで相手方の男性の情報を収集することもできます。
特定の場所やイベントや交友関係・サークルなどについて、男性自身が情報を発信している場合があります。インターネット上にはさまざまな情報が存在しているので、相手方の素性や身元特定の糸口になる情報を手に入れられる可能性があります。
ただし、相手の名前や有益な情報を検索するのに必要となる最低限の情報は把握しておく必要があります。ワンナイトだったため相手の名前もその他も個人情報もまったく知らないという場合には、インターネットを足がかりに情報収集することも難しくなります。
ワンナイトで妊娠したが男性と連絡が取れない場合の身元特定方法
ワンナイトの相手の男性の電話番号やメールアドレス、LINEアカウントなどの連絡先を知っているが、連絡をしても反応がない、あるいは、最初は連絡がとれていたが途中から連絡が取れなくなることがあります。
このケースで男性の身元を特定するための方法を以下で解説します。
探偵のデータ調査を利用する
探偵社や興信所などが行う「データ調査」「個人情報調査」を利用することができます。
携帯番号からわかることにも書いていますが、探偵事務所によっては、携帯番号(解約番号を含む)から氏名や住所を割り出す調査を行うことができます。探偵社によっては比較的低額で個人特定調査を依頼できる場合もあります。
また、探偵や興信所が携帯電話番号から個人特定のための調査をすることを制限する法律は存在していませんので、依頼する側も違法とはなりません。
もっとも、ワンナイトの相手の男性が携帯会社との契約時とは異なる住所に引っ越しをしており、住所変更の手続きをしていない場合には、契約時の住所しか判明しませんので注意が必要です。
弁護士に依頼する
弁護士に依頼することで弁護士会照会制度が利用でき、相手方男性の身元や個人情報が判明する場合もあります。
弁護士会照会制度とは、弁護士が事件の依頼を受けた際に、事実を証明するために必要な情報を公官庁や企業・団体に問い合わせをすることができる制度を指します。
相手方の電話番号しかわからない場合でも、電話会社に対して照会申出をすることにより電話番号から、契約者または購入者の氏名・住所・銀行口座が判明することがあります。
またメールアドレスが分かっている場合には、そこから携帯電話の番号などを照会することができます。そのうえで更に上記照会をすることで個人情報を調査することができます。ただしGoogleなどの外国企業は照会に応じませんので注意が必要です。
また相手方のLINE IDが分かる場合には、LINE株式会社に照会してLINE登録の際の電話番号を照会できる可能性があります(できない場合もあります)。この場合LINE IDが必要であり、登録されたフレンド名やトーク画面のみでは照会できませんので注意が必要です。
ワンナイトで妊娠した場合の対処法
専門の相談窓口に相談する
男性の身元や連絡先が判明しなかった場合には、一般社団法人「全国妊娠SOSネットワーク」や公益社団法人「小さないのちのドア」などに相談することができます。
相談員に対して、身元が分からない相手の子どもを妊娠した経緯を相談して、今後どのように行動するのが適切なのかについてアドバイスをもらうことができます。
電話やメールで相談することができますので、お一人で悩まずまずは誰かに相談してみましょう。
弁護士に依頼する
ワンナイトの相手の男性の素性が不明で困っている場合には、弁護士に依頼することで解決につながる場合もあります。
弁護士に依頼することで、男性の身元特定のほか、中絶費用の請求、認知の請求などをお願いできます。ケースによっては相手方に対して慰謝料請求できる場合もあり、その場合の手続きもすべて一任することができます。また、弁護士が代理人として男性と交渉しますので、アナタが直接男性とやり取りする必要もありません。
ただし、弁護士に依頼するには弁護士費用がかかりますので、「中絶費用の半額だけでも負担させたい」といった場合には費用対効果の面で弁護士に依頼する方が高くついてしまいます。
そのため、以下のようなケースに限り弁護士への依頼を検討すべきでしょう。
- 慰謝料請求が認められる可能性が高い場合
- 子どもを産んで養育費を請求するための認知請求をしたい場合
- 費用の問題を超えて男性にも法的責任を取ってもらいたい場合
弊所では、ワンナイトの男性との交渉や、各種請求を得意としており実績があります。親身誠実に弁護士が依頼者を全力でサポートしますので、まずはご相談ください。
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