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【相談】モラハラを理由に婚約破棄されました。慰謝料請求できますか?
私は30代の男性です。もともと学生時代の同級生だった女性と交際し、昨年プロポーズをして婚約しました。お互いの家族にも紹介済みで、挙式の日取りや招待客のリストアップなども進めていた段階です。
ところが、ある日突然、彼女の父親から電話で「○○(彼女の名前)は精神的に追い詰められていた。結婚は白紙に戻したい」と告げられました。彼女本人とは直接話すことすらできず、LINEも既読にはなるものの返事は一切ありません。
後日、彼女の両親を通じて「あなたから精神的な圧力を受けていた」「モラハラに苦しんでいた」との説明がありました。主な内容は以下の通りです。
- 会話中、意見を否定されたと感じることが多かった
- 食事の好みや服装について、細かく注文されることがストレスだった
- ミスを責められているように感じ、自信を失っていた
私は彼女に対して、人格を否定するような言動や暴言、無視、暴力などの行為をした覚えはまったくありません。むしろ、お互いにオープンに話すことを大切にしてきたつもりです。
一方で、彼女はもともと感情を表に出すのが苦手なタイプで、トラブルを抱え込んでしまう傾向がありました。私の伝え方に至らない点があった可能性は否定できませんが、「モラハラ」とまで言われることに大きな違和感を覚えています。
このような一方的な婚約破棄をされ、私自身も精神的に非常に辛い思いをしています。婚約が成立していたことは間違いないと思いますし、結婚に向けて様々な準備をしてきた以上、このまま納得できるはずがありません。
私は、彼女に対して慰謝料を請求できるのでしょうか?
また、仮に彼女がモラハラを立証しようとしても、どういった証拠が必要となるのでしょうか? そもそも、どのような行為が「モラハラ」と判断されるのでしょうか?
【弁護士の回答】慰謝料請求の可否
今回のケースでは、相談者が一方的に婚約を破棄された立場であり、その破棄理由として相手方が「モラハラ被害」を主張している状況です。したがって、まずは婚約が法的に有効に成立していたかどうか、そして相手方の主張するモラハラが婚約破棄の正当な理由といえるかどうかが、慰謝料請求の可否を判断するうえでの重要なポイントとなります。
モラハラは婚約破棄の正当な理由にあたるか
結論から言えば、モラハラは婚約破棄の正当な理由として認められる可能性があります。
民法上、婚約は法的拘束力のある契約とされており、正当な理由なく一方的に破棄すれば損害賠償責任(慰謝料)が生じることがあります(判例上確立された考え方です)。
そして「正当な理由」として認められるのは、結婚生活を継続することが客観的に著しく困難であるような事情であり、モラハラもその一つとされています。
では、どのような行為が「モラハラ」にあたるのか?
法的にモラハラが認定されるには、人格を否定する発言や継続的な精神的圧力があったと認められる必要があります。
例えば以下のようなケースが典型です。
- 「お前はダメな人間だ」といった侮辱的な発言の繰り返し
- 無視や無言の圧力によって相手を支配しようとする態度
- 怒鳴る・机を叩くなどの威圧的な行動
- 外出・交友関係を不当に制限する行為
これらが継続的かつ執拗に行われたと認められた場合には、婚約破棄の正当な理由となり、慰謝料請求は困難になります。
本件における慰謝料請求の可能性
今回のご相談内容では、モラハラに該当するかどうかは微妙なラインです。
相手方の主張は主観的な感情(「圧を感じた」「素を出せなかった」)にとどまっており、客観的にモラハラと認定するには不十分と評価される可能性が高いでしょう。
仮に裁判になった場合、どちらの言い分が信用できるか、どのような証拠が提出されるかがカギとなります。
相談者側としては、次のような証拠を集めておくと有効です。
- 婚約の成立を裏付ける証拠(両家顔合わせの写真、式場予約、結婚指輪の購入記録など)
- 相手が主張するモラハラに該当しないことを示す証拠(日常のLINEやメールのやりとり、冷静な会話内容の録音、周囲の証言など)
これらの証拠をもとに、「婚約破棄には正当な理由がなく、不当な一方的破棄である」と主張できる場合には、慰謝料の請求が認められる可能性が十分あります。
なお、婚約破棄の慰謝料額は事案ごとに異なりますが、相場としては50万円〜200万円程度が多いとされています。
婚約破棄の慰謝料請求は弁護士に相談
モラハラを理由に一方的に婚約破棄され、納得のいかない思いを抱えている方は、まずは弁護士にご相談ください。
婚約破棄の問題は、証拠の有無や主張の正当性など、法的判断が求められる繊細なトラブルです。
弁護士に相談すれば、次のようなサポートが受けられます。
- 婚約の成立や破棄の正当性に関する法的評価
→ 事案を客観的に分析し、慰謝料請求の見通しを検討します。 - モラハラに該当しないことを示す証拠の整理・助言
→ LINEのやり取り、録音、第三者の証言などの収集方法をアドバイスします。 - 相手との交渉の代理や、訴訟対応
→ 直接の連絡を避けられるため、精神的な負担が軽減されます。
一人で抱え込まず、専門家に頼ることで、有利な解決へとつながる可能性が高まります。
まとめ
モラハラは、婚約破棄の正当な理由として認められることがあります。
ただし、「圧を感じた」「素を出せなかった」といった主観的な感情だけでは、正当な理由とは認められません。社会的に見て、婚約を継続できないほどの継続的かつ悪質な精神的圧力が必要です。
したがって、相手(婚約破棄した側)の主張が一方的で、あなたに明確な落ち度がない場合には、不当な婚約破棄として慰謝料を請求できる可能性があります。
慰謝料請求には、婚約の成立を示す証拠や、モラハラがなかったことを裏付ける客観的資料が重要になります。
納得のいかない婚約破棄でお悩みの方は、できるだけ早く弁護士に相談し、証拠の整理や対応方針を固めることが大切です。
当事務所では、モラハラを理由とした婚約破棄に関するご相談を多数お受けしています。全国どこからでも無料でご相談いただけますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
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