
本番行為や盗撮などの風俗トラブルで店やキャストから慰謝料を請求され、「本当に払わなければいけないのか」「店にまで払う必要があるのか」と不安を抱えていませんか。
払う必要があるかどうかは、相手によって変わります。キャスト本人には支払う責任を負うことがある一方、店に対する支払義務は原則としてありません。
ただし、その場で言われるままに払ったり書面にサインしたりすると、不利な条件のまま終わってしまうおそれがあります。
この記事では、風俗トラブルの解決実績が豊富な弁護士が、次の点を解説します。
- 請求された慰謝料を払う必要があるのか
- どんな行為で請求されるのか
- 示談で払うときの金額と示談書の注意点
お読みいただくことで、いま求められている支払いに応じるべきか、応じる前に何を確かめるべきかを判断できます。
なお、慰謝料の請求でお困りの方は、この記事をお読みいただいた後、当事務所の無料相談へお早めにご連絡ください。早期対応が結果を左右します。ご相談は地域を問わず承っています。
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風俗トラブルで請求された慰謝料は払わなければいけない?
風俗トラブルで請求された慰謝料を払う必要があるかは、誰に対する支払いなのかで分かれます。キャストの同意なく本番行為や盗撮などをしたのであれば、キャスト本人への慰謝料の支払いは避けにくい一方、店に対して慰謝料を払う義務は原則としてありません。
慰謝料とは、相手に与えた精神的な苦痛を償うためのお金で、他人の権利を侵害した人が負う民事上の損害賠償の一つです(民法709条・710条)。
風俗トラブルでは「示談金」という言葉もよく使われます。示談金は、示談(当事者どうしの話し合いによる解決)のときに支払うお金の呼び方で、慰謝料はその中身の一つです。
同意のない行為で精神的な苦痛を受けたのは、接客した風俗嬢(キャスト)本人です。そのため、慰謝料を払う相手は原則としてキャスト本人になります。
これに対し、店(経営者)は行為を直接受けた被害者ではありません。店から「迷惑料」などの名目で金銭を求められても、慰謝料として払う義務は原則としてないと考えられます。もっとも、店の備品を壊したなど、店そのものに実際の損害を与えた場合は、その賠償を求められることがあります。
店が利用規約を根拠に求める罰金や違約金を払う必要があるかは、「風俗店・デリヘルの罰金は払わなくていい?本番など4ケースと対処法」で詳しく解説しています。
キャスト本人からの請求でも、キャストの同意を得たうえでの行為や、身に覚えのない行為を理由に請求されているのであれば、原則として慰謝料を払う義務は生じません。ただし、本番行為では後から同意の有無が争われることがあります。
請求された直後の対応で大切なのは、その場で現金を渡したり、示談書(示談の内容をまとめた書面)にサインしたりしないことです。示談は一度成立すると、原則としてやり直しがききません(脅されて署名した場合などは、取り消せる余地があります)。払う必要があるか、金額が妥当かは、まず弁護士に確かめてください。
どんな風俗トラブルで慰謝料を請求される?
ソープランドやヘルスなどの風俗店やデリヘルで慰謝料を請求される原因になるのは、主に次のような行為です。本番行為、盗撮・録音、サービス外の行為は、キャストの同意なく行えばその権利を侵害する行為で、内容によっては犯罪にもあたります。相手が18歳未満の場合は、同意があっても処罰の対象になります。
- 本番行為をした場合
- 盗撮・録音をした場合
- サービス外の行為を強要した場合
- 相手が18歳未満だった場合
本番行為をした場合
本番行為は、風俗店では一般に禁止されている行為で、慰謝料の請求につながる風俗トラブルの典型です。
キャストが同意しない意思を持つことや示すこと、貫くことが難しい状態にさせたり、その状態に乗じたりして性交等をすると、不同意性交等罪(刑法177条1項)にあたるおそれがあります。法定刑は5年以上の有期拘禁刑(刑務所に収容する刑罰)です。同意の有無がどのように判断され、実際にどのような場合に事件として扱われるのかは、「風俗・デリヘルでの本番強要は逮捕される?要件と対処法」をご参照ください。
合意のうえの本番行為については、売春防止法3条が売春の相手方となることも禁じていますが、違反した客を罰する規定は設けられていません。ただ、後から「無理やりだった」と言われたり、避妊具を使わなかったことを理由に請求されたりして、慰謝料の問題になることがあります。
避妊具を使わずに妊娠を告げられた場合は、中絶費用などの負担が問題になる場合もあります。
本番行為がどんな罪にあたるかや、店に知られた後の対処法は、「風俗・デリヘルの本番行為は違法?犯罪と本番トラブルの対処法」にまとめています。
盗撮・録音をした場合
キャストの裸や、ホテルなどの個室で性的なサービスを受けている最中の姿を、スマートフォンなどでひそかに撮影すると、撮影罪(性的姿態等撮影罪)で処罰されるおそれがあります。
法定刑は、拘禁刑なら3年以下、罰金なら300万円以下です。撮影しようとして失敗した場合も、未遂罪が成立すれば処罰されます。
音声だけを録音する行為は、撮影を処罰する撮影罪の対象ではありません。それでも、キャストに無断で録音すればプライバシーの侵害として慰謝料を求められることがあり、録音データの削除を含めた話し合いが必要になります。
盗撮や録音は画像や音声というデータが残るため、行為そのものを否定しにくく、データをどう消すかが示談の条件の中心になります。
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サービス外の行為を強要した場合
風俗店が決めたサービスの範囲を超える行為を、キャストに断られたのに無理に続けた場合も、風俗トラブルとして慰謝料を請求される原因になります。
同意しない意思を持つことや示すこと、貫くことが難しい状態にさせたり、その状態に乗じたりしてわいせつな行為をすると、不同意わいせつ罪にあたるおそれがあり、法定刑は6月以上10年以下の拘禁刑です(刑法176条1項)。同じ状態で口腔性交や肛門性交をさせた場合は、不同意わいせつ罪ではなく不同意性交等罪(刑法177条1項)にあたるおそれがあります。
どこまでがコースやオプションなどのサービスの範囲だったかは、店の規約やその場のやりとりによって変わります。相手に言われるまま非を認めたりせず、弁護士に経緯を整理してもらいましょう。
相手が18歳未満だった場合
風俗店で18歳未満の人に対価を払う約束をして性交等をすると、児童買春・児童ポルノ禁止法の児童買春として処罰の対象になります。法定刑は、拘禁刑なら5年以下、罰金なら300万円以下です。
あわせて、都道府県の青少年保護育成条例に違反するおそれもあります。
相手が未成年だったことを理由に、高額な慰謝料の支払いや家族・職場への連絡をほのめかされることもあります。そうした要求には一人で応じず、「風俗・デリヘルの恐喝・脅迫|本番・盗撮などケース別の対処法」も参考にしてください。
風俗トラブルの慰謝料を払うなら示談を結ぶのが基本
キャストに対して慰謝料を払う責任がある場合は、示談を結んで解決するのが基本です。示談では、支払う金額や支払方法とあわせて、被害届(警察に被害を届け出る書面)を出さないことなどの条件を書面で取り決めます。店が間に入って請求してきた場合も、示談を結ぶ相手は被害を受けたキャスト本人です。
示談が成立し、キャストが被害届を出さない(すでに出していれば取り下げる)と約束すれば、逮捕や起訴(刑事裁判にかけること)を避けられる可能性が高まります。
反対に、請求を無視して連絡を絶つのは危険です。不同意性交等罪や不同意わいせつ罪は被害者の告訴(処罰を求める申し出)がなくても起訴できる犯罪で、被害届が出されれば警察の捜査が始まり、逮捕されることもあります。
示談は、弁護士が相手と連絡を取って金額や条件を話し合い、合意した内容で示談書を作ってから支払う、という順に進みます。弁護士に任せたときの相談から解決までの具体的な流れは、「風俗トラブルに強い弁護士に相談|弁護士費用と解決までの流れ」もあわせてご確認ください。
示談金(慰謝料)の金額は行為の内容や経緯で変わる
風俗トラブルの示談金には、交通事故の慰謝料のような算定の基準がなく、確立した相場はありません。
そのうえで、当事務所が担当した示談交渉で、依頼者が実際に支払った金額でみると、本番トラブルの示談金は20万円〜120万円程度、盗撮・盗聴トラブルでは5万円〜100万円程度で解決しています。金額は、行為の悪質さや、被害届が出て刑事事件になっているかで大きく変わります。
店やキャストが最初に示す金額が、そのまま妥当とは限りません。上の金額から大きく外れた、300万円台のような請求を受けることもあります。言い値で払う前に、同じような経緯のケースがいくらで解決しているかを確かめることが大切です。
当事務所が対応した事例には、デリヘルでの本番行為の後に店へ呼び出され、店長から「警察行くか?」と迫られて、300万円の示談書にサインしてしまった方がいます。サインした後でしたが、弁護士は、300万円は社会常識に照らして不当に高額で、暴利行為として示談は無効だと主張して交渉しました。その結果、前の示談書を破棄し、キャスト本人から店長への委任状も取り付けたうえで、医療費・慰謝料込みの50万円で示談をやり直しています(プライバシー保護の観点から内容を一部加工しています)。
ケース別の示談金の目安や、示談を進める流れは、「風俗・デリヘルの示談金相場は?盗撮・本番の示談の流れと注意点」で詳しく解説しています。
示談書に入れておくべき条項
示談書は、支払いを終えた後に同じ風俗トラブルで再び請求されないための大切な書面です。少なくとも次の内容が入っているかを確認しましょう。
- 示談書に書いた以外に、お互いに金銭を請求しないことを確かめる清算条項
- キャストが許し、処罰を求めない意思を示す宥恕(ゆうじょ)条項
- 被害届を出さない、またはすでに出した被害届を取り下げる約束
- 免許証のコピーなどの個人情報や、撮影・録音のデータを削除する取り決め
- トラブルの内容をお互いに口外せず、今後は連絡を取らない約束
清算条項が抜けていると、支払った後に別の名目で請求され直しても、断る根拠が弱くなります。
示談書に署名する相手がキャスト本人であるかどうかも、見落とせない点です。店とだけ書面を交わしても、キャスト本人との関係が片づかないことがあります。
当事務所が対応した事例では、デリヘルでの盗撮が発覚し、店のスタッフに「示談で済ますんか、警察行くか、どっちにするか決めろ!」と怒鳴られて示談書にサインし、30万円を振り込んだ方が、約1か月後に、店から、キャストの女性が精神的に参って店を辞めたとして100万円の損害賠償を求められました。示談書にはキャスト本人の委任状が付いておらず、店と示談したにすぎない状態でした。弁護士は、強迫による示談だとして取消しを主張し、店には請求する権利がないことも説明したうえで、キャスト本人と交渉して、支払い済みの30万円ですべてを解決する示談書を新たに交わしています(この事例も、内容を一部変えて紹介しています)。
慰謝料を請求された風俗トラブルの対応は弁護士にご相談ください
風俗トラブルで請求された慰謝料は、同意のない行為を受けたキャスト本人に対しては支払いを避けにくい場合がありますが、店(経営者)に、原則として慰謝料を払う必要はありません。払う場合も、示談書で条件を固めてから支払うのが基本です。
店側はこうした請求のやりとりに慣れていることがあり、一人で向き合うと、根拠のない金額や不利な条件をそのまま受け入れてしまいかねません。
風俗トラブルの交渉を弁護士に任せれば、請求額が妥当かを同じような経緯の解決例と照らして確かめ、示談書の条項まで整えたうえで話し合いを進められます。
「払わなければ家族や職場に知らせる」と言われたり、脅して高額な支払いを迫られたりした場合は、脅迫罪や恐喝罪にあたる可能性もあります。やりとりの記録を証拠として残し、自分では応じずに弁護士へ伝えてください。
弁護士が代理人として窓口になると、店やキャストが本人や家族・勤務先へ電話などで直接連絡してくる事態は事実上抑えられ、周囲に知られるリスクを減らせます。
すでに高額な支払いを求められている方、示談書へのサインを迫られている方、免許証の写しを取られて不安を感じている方は、請求に答える前にご相談ください。後ろめたさから誰にも打ち明けられずにいる方も、一人で抱え込む必要はありません。
当事務所は、周囲に知られることなく内密に解決することを最優先に対応いたします。依頼者の不利益を最小限に抑えるため、弁護士が迅速に動きます。全国どこからでもご利用いただける無料相談を設けておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
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この記事の監修者
風俗トラブルの解決に豊富な実績を持つ。本番行為や盗撮を理由とした高額な罰金請求、風俗店からの脅迫・恐喝被害など、他人に相談しにくいトラブルに数多く対応。「家族や職場に絶対に知られたくない」という依頼者の事情を最優先に、迅速かつ穏便な解決を心がけている。一般社団法人 詐欺・不当要求対策協会 代表理事。

