職務強要罪とは?わかりやすく解説

職務強要罪とは、公務員に、ある処分をさせ、若しくはさせないために、又はその職を辞させるために、暴行又は脅迫を加えた場合に成立する犯罪です。刑法第95条2項に規定されています。罰則は3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金です

職務強要罪は、刑法第5章「公務の執行を妨害する罪」の箇所に規定されています。同罪は公務執行妨害罪と異なり、一定の処分をさせる・させないように強要する・その職を辞させる目的で暴行または脅迫を行う犯罪です。

この記事では、刑事事件に強い弁護士が、職務強要罪の成立要件などにつき、判例を交えてわかりやすく解説していきます。

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職務強要罪の成立要件

職務強要罪は、公務員に、ある処分をさせ、若しくはさせないために、又はその職を辞させるために、暴行又は脅迫を加えることで成立します。

「公務員の処分」とは、当該公務員の職務に関係ある処分であればよく、その職務権限内の処分であるか否かは問題となりません(最高裁判所昭和28年1月22日判決)。

例えば、生活保護費の支給を求めて市役所の担当職員に対して「保護費を給付しなければ殺す」「火をつける」などと直接または電話などで脅す行為は職務強要罪に該当します。また、仮に課税方法が不当であったとしても、その是正は税法所定の方法によるべきであるため、直接税務署係官を脅迫して課税処分の変更を求めた場合には職務強要罪が成立します(最高裁判所昭和25年3月28日判決)。

職務強要罪は、このような所定の目的をもって暴行・脅迫を加えることによって直ちに成立し、その結果として当該公務員が加害者の目的とした処分をしたこと・しなかったことまでは必要とされていません

職務強要罪と他の犯罪との違い

強要罪との違い

職務強要罪に似た犯罪として「強要罪」があります。

強要罪は、「生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した」場合や、「親の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行為を妨害した」場合に成立する犯罪です(刑法第223条1項2項)。強要罪の法定刑は「3年以下の懲役」とされています。

職務強要罪との違いとしては、同罪は公務員が加害者の目的とした処分をしたこと・しなかったという結果までは必要とされていませんが、強要罪は他人に義務のないこと強制・権利行使の妨害結果が生じることまで必要とされています

強要罪の場合には、暴行・脅迫をして強制・妨害結果が発生しなかった場合には、強要未遂罪となりますが、職務強要罪の場合には、暴行・脅迫をはたらいた時点で職務強要罪の既遂が成立します。

公務執行妨害罪との違い

公務執行妨害罪が、公務員の現在の職務執行を保護しようとしているのに対して、職務強要罪は、将来の職務執行をも保護する形で補完していると考えられています

判例も、職務強要罪は公務員の正当な職務の執行を保護するばかりでなく、広くその職務上の地位の安全をも保護しようとするものである、と判示しています(最高裁判所昭和28年1月22日判決)。

まとめ

この記事では、職務強要罪に関する概要や他の犯罪との違いについて解説してきました。

市区町村の職員に対する暴言や有形力の行使は、職務強要罪にあたるとして逮捕・起訴されてしまう可能性があります。

職務強要罪の公訴時効は「3年」です。ご自身やご家族が市区町村の職員と揉めて暴行・脅迫をはたらき、時効が完成するまでいつ逮捕されるかわからない不安な日々を送るのは精神的にもお辛いでしょう。そのため、はやめに弁護士に相談することをおすすめします。

刑事事件の経験豊富な弁護士に早期に依頼することで、逮捕や起訴を回避するために適切な対応をお願いすることができます。

当事務所では、刑事事件で逮捕されることの回避、不起訴の獲得を得意としており実績があります。親身誠実に弁護士が依頼者を全力で守りますので、職務強要罪で逮捕されるおそれのある方や、既に逮捕された方のご家族の方は当事務所の弁護士までご相談ください。お力になれると思います。

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