自己破産で名前は一覧に載る?破産者名簿の仕組みと閲覧制限を解説

「自己破産すると破産者名簿に名前が載って、周囲にバレてしまうのでは?」

このような不安から、自己破産をためらっている方も多いのではないでしょうか。

結論からお伝えすると、現在の運用では自己破産しても97%以上の方は破産者名簿に名前が載ることはありません。また、仮に名前が載ったとしても、破産者名簿は非公開であり、他人が閲覧することはできません。

この記事では、破産者名簿の仕組みや目的、名前が載るケースと載らないケース、戸籍への影響などについて詳しく解説します。

  • 破産者名簿とは何か、なぜ存在するのか
  • 破産者名簿に名前が載る5つのケース
  • 破産者名簿から自己破産がバレる可能性
  • 復権による記録の抹消について
  • 戸籍への影響の有無

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「破産者名簿」とは何か?

個人の本籍地を管轄する役所には、「破産者名簿」というものが備えられています。破産した場合には、この名簿に「破産者」として名前が載る仕組みになっています。破産者名簿はその名前のとおり、破産者の名前を記録し管理するための名簿です。

このため自己破産を検討している人の中には、破産者名簿に名前が記録されることを恐れ、自己破産をためらう方もいます。この名簿の記載から、自分が破産したことを誰かに知られてしまうのでは……と不安に思うからです。

しかし、破産者名簿に関しては必要以上に心配する必要はありません。

現在の運用では、自己破産したとしても大半の人は名簿に名前が載ることは、まずないからです。

破産者名簿の存在意義

ある種の職業に就職する場合、法律の規定により、破産者ではないことが就職の条件とされることがあります。他人の財産を管理する可能性のある職業では、このような条件が付いていることが多いようです。

破産者である間は、これらの職業に就くことができません。現在そのような職業に就いている場合には、最悪失業する可能性もあります。

自己破産すると、このような「資格制限」を受けることになりますが、この資格制限を受ける職業に就くときに破産者名簿が利用されます。

役所の発行する「身分証明書」について

市区町村などの役所で発行してもらえる証明書に「身分証明書」というものがあります。これは個人に関する一定の事項を証明する公的な証明書で、証明項目のひとつに「その人が破産者であるかどうか」があります。

資格制限のある職業に就く場合には、自分が破産者ではないことを証明する必要があり、通常は役所の発行する「身分証明書」を提出して証明します。

破産者名簿は公的証明書作成のためにある

破産者名簿が役所に備えられている理由は、資格制限のある職業に就くときに必要な「身分証明書」を作成する際に使用するためです。破産者名簿の記載によって、「身分証明書」の請求者が破産者かどうかを確認できます。

破産者名簿に名前が記録されていない場合、「身分証明書」には「破産宣告又は破産手続開始決定について、それぞれ通知を受けていない」と記載されます。

つまり破産者名簿は、ある人が「破産者である」ことを証明するのではなく、「破産者ではない」ということを証明するために存在するといえます。

「破産者ではない」ことを役所に証明書として発行してもらい、それを資格制限のある職業に就くときに提出することで、自分が制限の対象ではないことを証明できます。

破産者名簿から自分が破産したことがバレる?

冒頭でも述べましたが、破産すると破産者名簿に名前が載るために、自分が破産したことが世間にバレてしまうのではないか?と心配される人がいます。

しかし、現在ではつぎのような理由により、そのような心配をする必要はほとんどありません。

自己破産者の大半は破産者名簿に名前が載らない!

以前の運用では、自己破産した場合、その多くの人が名簿に登録される扱いでした。しかし、平成17年の破産法の改正により、その運用が大きく変わりました。

現在の運用では、自己破産しても圧倒的多数の人は名前が名簿に登録されません。

名簿に載るのは、「破産開始決定から一定の期間が過ぎても免責許可決定が確定しない場合」など一定の場合に限定されているからです。

自己破産者の9割以上で免責許可が出ている

破産者名簿に名前が登録されることになるのは、破産手続きにおいて最終的に裁判所に免責許可をもらえなかったケースが大半です。

しかし裁判所における実際の運用では、自己破産を申し立てた場合、日本弁護士連合会の調査(2023年)によると97%以上に免責許可決定が出ています。そしてこの決定は、よほど特別な事情がない限り、一定の時間の経過をもって確定することになるのです。

このため自己破産したとしても、通常の場合においては破産者名簿に名前が載ることはほとんどありません。

破産者名簿に名前が登録されるのは、破産手続きになんらかの問題があり、免責許可決定を出してもらえなかったなど特殊な事例に限定されると考えてよいでしょう。

破産者名簿に名前が載っても一般人は閲覧不可

うえの「破産者名簿は公的証明書作成のためにある」で述べたように、破産者名簿は主に、ある人が「破産者ではない」ことを証明するために存在します。

このため、この証明書を請求することができる人は基本的に本人や家族などごく限定されており、他人が閲覧や証明書の交付を請求することはできないのです。

このため、仮に破産者名簿に名前が記録されていたとしても、この記録から他人に自己破産した事実が漏れてしまう恐れはほとんどありません。

破産者名簿に名前が記録される5つのケースとは?

上記のように、破産者名簿に名前が記載されることは例外的な事例です。それでは、どのような場合に破産者名簿に名前が載ることになるのでしょうか?

つぎの5つのケースに該当する場合、破産者名簿に破産者として名前が載ることになります。

  • ①破産開始決定から1か月が経過しても免責手続きが始まっていない場合
  • ②破産開始決定から1か月経過後、免責許可申請がすべて取り下げられた場合
  • ③破産開始決定から1か月経過後、免責許可申請がすべて却下された場合
  • ④免責の不許可決定が確定した場合
  • ⑤免責取り消し決定が確定した場合

これらに該当する場合、裁判所は破産者の本籍地を管轄する役所に対して破産者である旨を通知します。役所ではこの通知を受けて、破産者名簿にその者を記録します。

破産者名簿に名前が載っても「復権」すれば記録は抹消される

仮に破産者名簿に名前が載ってしまったとしても、この記録は永久に残るものではありません。

「復権」とは、破産者が破産者としての法的な地位を脱し、資格制限などが解除されることをいいます。復権には、免責許可決定の確定による当然復権のほか、破産手続開始決定から10年が経過した場合なども含まれます。

復権すると、破産者名簿から名前が削除されます。その際、記録は完全に抹消されるため、過去において自分が自己破産したという記録が残ることもありません

自己破産したからといって戸籍に記録されることはない!

破産者名簿に関する心配だけでなく、自己破産すると「戸籍に記録されるのでは?」と心配される方もいます。しかし、これも現在では心配不要です。

たしかに以前は、自己破産した場合、その旨が戸籍に記録されていました。古い戸籍謄本などには「破産」と記載されているものを目にすることがあります。

しかし、現在の戸籍事務の運用では、破産したことは戸籍への記載事項にはなっていません。自己破産しても、戸籍にその旨が記録されることはありません。

自己破産をお考えの方へ

この記事で解説したとおり、現在の運用では自己破産しても97%以上の方は破産者名簿に名前が載ることはありません。仮に名前が載ったとしても破産者名簿は非公開であり、戸籍に記録されることもないため、周囲に知られる心配はほとんどないといえます。

免責許可を確実に得るためには、破産手続きを適切に進めることが重要です。弁護士に依頼することで、免責不許可事由への対応や必要書類の準備を適切に行うことができ、スムーズに手続きを完了できる可能性が高まります。

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