個人再生の廃止事由6つ|手続きが中止になるケースと対処法

「個人再生の手続き中に廃止になったらどうしよう」「廃止になるのはどんな場合だろう」と不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

個人再生の「廃止」とは、手続きが途中で中止され、借金問題が未解決のまま終了してしまうことをいいます。小規模個人再生の場合、廃止事由は主に6つ定められており、事前に把握しておくことで廃止を回避できる可能性が高まります

この記事では、個人再生の廃止について以下の内容を弁護士がわかりやすく解説します。

  • 個人再生の「廃止」とは何か
  • 廃止された場合の効果
  • 6つの廃止事由の具体的な内容
  • 廃止になった場合のその後の流れ

なお、個人再生の廃止を回避するための対策について早急に相談したいとお考えの方は、この記事をお読みいただいた後、全国どこからでもご利用いただける当事務所の無料相談をご検討ください。

個人再生が失敗する4つの原因

個人再生という手続きは、裁判所で行われる厳格な債務整理方法です。手続きが厳格である以上、条件を満たせない場合には個人再生が失敗することがあります。

個人再生が本来の債務整理の目的を達成できず、失敗してしまう原因にはつぎのようなものがあります。

  • 申し立ての却下
  • 個人再生の廃止
  • 再生計画案の不認可
  • 再生計画の取り消し

今回こちらでは、個人再生の「廃止」に関してご説明いたします。

なお、説明内容は基本的に小規模個人再生に関してのものとなります。実務上、利用されている個人再生の大多数が小規模個人再生であるという実情を考慮してのことですので、ご了承ください。

個人再生の「廃止」とは?

個人再生の申し立てが、裁判所によって却下されることなく受け付けられると、手続きの開始決定が行われます。これによって、個人再生はめでたく手続きが開始されることになります。

そして、この手続きが問題なく順調に進んでいき、終盤にさしかかるころになると再生計画案を裁判所に提出することになります。裁判所によって指定された期間内に再生計画案を提出し、これが裁判所によって認可されれば、基本的には個人再生の手続きはほぼ終了することになります。

しかし、裁判所によって再生計画案が認可されるまでの間に、何らかの問題が発生し手続きが中止されてしまうことがあります。これを「廃止」といいます。

個人再生の手続きが廃止された場合、個人再生はその目的を達成しない状態のまま、手続きが将来に向かって終了することになります。つまり、借金問題解決のために申し立てた個人再生が失敗に終わり、借金問題は未解決のまま残ってしまうのです。

また、廃止後の状況によっては、手続きが個人再生から自己破産に移行することもあります。「個人再生には適さないけれど、破産原因あり」と裁判所が判断した場合には、裁判所は職権で破産手続きを開始することができます。

個人再生の6つの廃止事由とは?

個人再生では、法律で定められている事由に該当する事実が申立人にある場合には、手続きが中止(廃止)されてしまいます。これを「廃止事由」といいます。

小規模個人再生の場合、廃止事由は主に6つ定められています。

ここでは便宜上、民事再生法第191条と同法第237条をまとめてご説明します。

つぎのような事由があるときに、手続きは中止となります。

①決議するに足りる再生計画案の作成の見込みがないことが明らかな場合

簡単に言えば、しっかりした内容の再生計画案が作成される見込みがないことが、明らかとなった場合のことです(民事再生法第191条第1号)。

手続き開始後、法律の条件を備えた再生計画案が作成される可能性がないことが裁判所に判明した場合、手続きは中止となります。

②再生計画案提出期間内に再生計画案の提出がない場合、あるいは提出された再生計画案が決議するに足りない場合

しっかりした内容の再生計画案が裁判所の定める期限内に提出されない場合、または、期間内に再生計画案を提出したとしてもその内容が法律の条件を満たしていない場合のことです(民事再生法第191条第2号)。

このような場合、再生手続きは廃止となります。

③債権届出期間の経過後再生計画認可の決定の確定前において、再生手続開始事由が存在しないことが明らかになった場合

これは、個人再生を申し立てた債務者が、実は借金の返済を楽にすることができるほどの収入や財産があることが判明した場合などのことです(民事再生法第192条第1項)。

本来、個人再生という手続きは、借金の返済に行き詰まり困り果ててしまっている人を救うための制度です。つまり、借金の返済に本当に困っている人以外は利用できない制度なのです。

④個人再生申立人が、裁判所による業務および財産に関する保全命令に違反した場合、又は裁判所の許可を得ずに財産の処分や借金をしたり、営業を譲渡した場合

個人再生を申し立てた人が事業を営んでいるなど、一定の事情がある場合には、裁判所によりその財産等の処分が制限されることがあります。

この制限を破った場合、個人再生手続きは廃止されます(民事再生法第193条第1項)。

⑤多数の債権者によって再生計画案が不同意とされた場合

再生計画案が債権者によって否決された場合のことです(民事再生法第237条第1項)。

小規模個人再生の場合、再生計画案は裁判所に認可される前に、債権者による書面決議によって可決される必要があります。この書面決議で再生計画案が否決されると、個人再生の手続きは廃止となります。

具体的には、議決権を有する債権者で「再生計画案に同意しない」とした者が、議決権者総数の頭数の半数以上である場合、又はその議決権額が議決権総額の2分の1を超える場合に否決となります。

⑥債務者が財産目録に記載すべき財産を記載せず、又は不正の記載をした場合

いわゆる「財産隠し」が裁判所に発覚した場合のことです(民事再生法第237条第2項)。

財産隠しの行為が発覚した場合、個人再生手続きは中止されることになりますが、事態はそれだけでは済みません。冒頭でも述べたとおり、個人再生が失敗する原因には「却下」「廃止」「不認可」「取り消し」の4つがありますが、実は財産隠しはこれらすべての原因となる行為なのです。

財産隠しは、法律上「詐欺再生罪」(民事再生法第255条)という犯罪に該当する可能性のある重大な違法行為です。決して、このような行為だけはしないように気を付けてください。

個人再生の廃止が心配な方は弁護士にご相談ください

個人再生の廃止事由は6つ定められていますが、事前に把握し適切な準備を行うことで、廃止を回避できる可能性は高まります。

弁護士に依頼することで、再生計画案の作成や期限管理を専門家がサポートし、廃止事由に該当しないよう手続きを進めることができます。また、債権者から不同意が出そうな場合には、給与所得者等再生への切り替えを検討するなど、状況に応じた対策を講じることも可能です。

「個人再生を検討しているけれど、廃止になったらどうしよう」「すでに手続き中だが、今後の進め方が不安」という方は、一人で悩まず専門家にご相談ください。

当事務所では、個人再生をはじめとする債務整理に関するご相談を、全国どこからでも無料でお受けしております。借金問題でお悩みの方は、ぜひお気軽にご連絡ください。