トレントで逮捕される可能性は?逮捕事例と開示請求対応を解説
  • プロバイダから意見照会書が届き、どう対応すべきか不安
  • 「トレントを利用していて逮捕される可能性があるのか気になる
  • 実際にどのような事例で検挙されているのかを知りたい

こうしたお悩みを抱える方は少なくありません。

トレントは仕組み上、ダウンロードと同時にアップロードが行われるため、著作権法違反にあたり、逮捕や検挙の対象となるリスクがあります。実際に、音楽・映画・アニメ・漫画・アダルト作品など幅広い分野で逮捕事例が報道されており、警察や権利者団体はトレント利用を厳しく監視しています。

この記事では、トレント関連の案件を多数取り扱ってきた経験をもとに、弁護士が次の点について詳しく解説します。

  • トレント利用で逮捕される可能性のあるケース
  • 実際に逮捕・検挙された具体的な事例
  • 発信者情報開示請求が届いたときの対処方法

これらを理解することで、トレント利用に潜む法的リスクを正しく把握し、逮捕を回避するための初動対応を知ることができます。

万一、意見照会書や損害賠償請求が届いてお困りの場合は、この記事をご覧いただいた上で、全国どこからでも無料で相談できる当法律事務所までお気軽にご相談ください。

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トレント利用で逮捕される可能性のあるケース

トレントは便利なファイル共有の仕組みですが、安易に利用すると思わぬ法的リスクに直面する可能性があります。
ここでは、実際に逮捕につながる3つの典型的なケースを整理してご紹介します。

  • ① 違法アップロードをした場合
  • ② 違法ダウンロードをした場合
  • ③ 刑法上違法な内容を含む作品を扱った場合

①違法アップロードをした場合

著作権侵害は、意図せずとも罪に問われる可能性のある犯罪です。特に、トレントを利用した違法なファイルのやり取りは、気づかないうちに法律違反となるリスクが潜んでいます。

「トレント」は、ファイルをダウンロードすると同時に、そのファイルの一部を他のユーザーに送信する違法アップロードの仕組みを持つ特殊なP2P(ピアツーピア)技術です

著作権者が許可していないコンテンツをトレントでダウンロードすることは、結果として違法アップロードに加担することになります

著作権法では、インターネットを通じて他者が著作物を利用できるようにする行為を「公衆送信権」の侵害と定めています。著作権者の許諾を得ずにサーバーにファイルをアップロードする行為は、著作物をインターネットなどを通じて不特定多数の人々がアクセスできる状態に置くことになり、「送信可能化権」の侵害にあたります。

トレントでは、この送信可能化権を侵害する行為が自動的に行われるため、ダウンロードするだけで逮捕の対象となる可能性があるのです。

このような違法アップロードを行った場合、「10年以下の拘禁刑」または「1000万円以下の罰金」、もしくはその両方が科される可能性があります。

②違法ダウンロードをした場合

違法にアップロードされた著作物だと知りながらダウンロードする行為も、著作権法違反(違法ダウンロード)にあたります

上記の通り、トレントの特性上、ダウンロードと同時にアップロードも行われるため、警察は著作権侵害の立証が容易な違法アップロードの取り締まりに注力しているのが現状です。過去の逮捕事例をみても、違法ダウンロードのみを理由としたものはほとんどありません。これは、事実上、違法ダウンロードを証明するために、侵害者がダウンロードしたコンテンツがスマホやパソコンの中に保存されていることを確認することが難しいからです。

ただし、違法にアップロードされた作品と知っていてダウンロードする行為自体が著作権侵害であることに変わりはありません。また、トレントを利用した時点でアップロードにも加担しているとみなされるため、違法ダウンロードをしていたユーザーが、違法アップロードの容疑で逮捕される可能性は十分にあることを理解しておく必要があります。

このような違法ダウンロードを行った場合、「2年以下の拘禁刑」または「200万円以下の罰金」、もしくはその両方が科される可能性があります。

③刑法上違法な内容を含む作品の場合

著作権法に違反していない場合でも、ダウンロードやアップロードした作品自体が刑法上違法なコンテンツである場合、逮捕される可能性があります

具体的には、わいせつ物頒布罪(刑法175条)や児童買春・ポルノ禁止法(児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律)に抵触するような、アダルトコンテンツや児童ポルノなどがこれにあたります。これらの違法な作品をアップロードする行為は、著作権侵害とは別の法律違反となり、逮捕の対象となります。

これらの行為に対しては、以下の刑罰が科される可能性があります。

わいせつ物頒布等罪 2年以下の拘禁刑または250万円以下の罰金または科料、もしくは拘禁刑と罰金の両方
児童ポルノを不特定多数に提供・公然陳列等 5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金もしくはその両方
児童ポルノの単純所持 1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金

著作権侵害の場合とは異なり、被害者がいないため示談で解決することは極めて困難です。そのため、これらのコンテンツのアップロードで逮捕された場合、刑事罰を免れるのは非常に難しくなる可能性があることには注意が必要です。

トレント利用により逮捕・検挙された事例

実際に、トレントを悪用した著作権侵害行為によって逮捕・検挙された事例は少なくありません。
音楽やアニメ、映画、漫画、さらにはアダルト作品に至るまで、幅広いコンテンツが違法にアップロードされ、摘発に至っています。
ここでは、過去に報道された代表的な事例を取り上げ、トレント利用がどのように刑事事件へ発展するのかを具体的に解説します。

音楽ファイルを違法アップロードして逮捕された事例

2019年、一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)が著作権を侵害されたとして告訴した事件で、大阪府内の5名が著作権法違反の容疑で大阪地方検察庁に送致されました。

逮捕されたのは大学生2名、高校生1名、アルバイト2名で、彼らはファイル共有ソフト「μTorrent」を使い、JASRACが管理する音楽ファイル(J-POP、アニソン、洋楽など)を不特定多数のユーザーがダウンロード可能な状態にしていました。

これは、著作権者の有する公衆送信権を侵害する行為と判断されました。JASRACが「BitTorrent」系のファイル共有ソフトの悪用を理由に刑事告訴したのはこれが初めてであり、トレント利用者が逮捕される可能性を社会に示した象徴的な事例として注目を集めました。

参考:「μTorrent」による著作権侵害で5名を逮捕(JASRAC) | ScanNetSecurity

全国的な摘発により一斉検挙された事例

2016年、警察庁が主導する全国一斉集中取り締まりが実施され、ファイル共有ソフトを悪用した著作権法違反事件で、8名が全国7警察によって検挙されました。

佐賀県では人気アーティストの限定盤CD、福岡県では複数のCDアルバム、島根県ではアニメの音楽や映像、秋田県ではアニメBlu-ray特典CD、山口県ではCDアルバム、静岡・山梨県ではアニメDVD、福島県ではアニメCDをそれぞれ違法にアップロードしていた男性らが逮捕されました。

これらの事件は、いずれもファイル共有ソフトのネットワーク上で著作物を自動的に公衆送信できる状態にしていた著作権法違反(公衆送信権侵害)として立件されました。この広範囲にわたる取り締まりは、トレントを含むファイル共有ソフトの違法利用が、特定の地域に限らず、警察の監視対象となっていることを明確に示しています。

参考:ファイル共有ソフト「Cabos」、「Share」および「BitTorrent」を用いた著作権法違反事件全国7警察が音楽ファイルの違法アップロード者8名を検挙 | 一般社団法人 日本レコード協会

BitTorrentでアニメ約170作品を違法アップロードし逮捕された事例

2019年、ファイル共有ソフト「BitTorrent」を利用してアニメ動画を違法にアップロードし、制作会社の著作権を侵害したとして、三重県在住の会社員の男が逮捕されました。

この容疑者は、人気アニメやテレビ番組など約170作品を違法に公開しており、その被害額は推定で約18億円にものぼるとされました。

逮捕の決め手となったのは、トレントの特性を活かした捜査でした。警察は、違法動画のアップロード元を特定し、そのアカウント情報やIPアドレス、通信ログといったデータから容疑者を割り出し、逮捕に至りました。逮捕された男性は「自分が編集した動画をみんなに見てほしかった」と供述していました。

この事例は、被害規模が莫大になると逮捕につながる可能性が高まること、そしてトレントの通信記録から個人を特定する捜査が可能であることを示唆しています。

参考:アニメ違法動画被害額18億円 著作権法違反の疑いで会社員逮捕/芸能/デイリースポーツ online

漫画の違法アップロードにより検挙された事例

2019年、長崎県警はファイル共有ソフト「BitTorrent」を通じて、漫画作品を無断でアップロードしていた30代の男性を著作権法違反(公衆送信権侵害)の疑いで地検に送致しました。

この男性は、海賊版サイト「Nyaa.si」などのトラッカーサイトを利用して、講談社の「鬼灯の冷徹」や集英社の「僕のヒーローアカデミア」といった人気漫画の電子版を違法に入手し、トレントのネットワーク上で不特定多数のユーザーに送信できる状態にしていました。

この事件は、警察のサイバーパトロールが端緒となり、その後、著作権者である出版社と連携して摘発に至りました。漫画の違法アップロードに対する権利者の厳しい姿勢を示すとともに、トレントの利用が漫画のようなコンテンツでも逮捕の対象となることを明確にした事例です。

参考:BitTorrentを通じて漫画ファイルをアップロード、男性送致 | 著作権侵害事件 | ACCS

テレビ番組をBitTorrentで無断配信し逮捕された事例

2010年、録画したテレビ番組をファイル共有ソフト「BitTorrent」を利用して公開し、誰でもダウンロードできる状態にしていたとして、埼玉県在住の男性が警視庁により著作権法違反の疑いで逮捕されました。

数か月にわたり約160本の番組を配信していたとされ、BitTorrentを使った摘発事例として当時大きな注目を集めました。

参考:TV番組無断配信で逮捕 ファイル共有ソフト使用 | ライブドアニュース

BitTorrentで入手したアニメをFC2で配信し逮捕された事例

2014年、北海道警は、動画投稿サイト「FC2動画」を通じてアニメ作品を無断で配信していた東京都の男性を著作権法違反の疑いで逮捕・送検しました。

警察の発表によれば、この男性は利用者からのリクエストに応じて作品を用意しており、その入手経路としてBitTorrentを使っていたとみられています。トレントで取得したファイルを別の動画サービスに転載した場合でも、違法配信として摘発対象になることを示した事例です。

参考:アニメ作品「BitTorrent」で入手し、「FC2動画」で配信か | INTERNET Watch

劇場公開映画を違法アップロードし検挙された事例

2021年、劇場公開されたばかりのアニメ映画「閃光のハサウェイ」をBitTorrentを使って違法にアップロードしたとして、茨城県警が3名を著作権法違反の疑いで書類送検しました。

この映画は劇場入場者限定で販売されたブルーレイディスクの内容が流出したもので、3名は互いに面識がなく、それぞれ個別にBitTorrentを利用していたとされています。

茨城新聞の報道によれば、男らは「コロナ禍で劇場に行けなかった」「節約のため」と供述していました。

この事件は、劇場公開直後の新作映画についても権利者と警察が厳しく監視しており、違法アップロードが確実に摘発対象となることを改めて示した象徴的な事例といえます。

トレントの利用で逮捕を回避するには?

トレント利用による著作権法違反は、著作権者からの告訴がなければ起訴されない親告罪です。したがって、逮捕や刑事罰を回避するためには、著作権者と示談を成立させ、告訴しないことを約束してもらうことが最も重要になります。

著作権者側がトレント利用者の存在を知るきっかけは、プロバイダから届く「発信者情報開示に係る意見照会書」です。これは、著作権者から開示請求があったことを通知する書類で、この段階での対応が逮捕を回避できるかどうかの分かれ道となります。

AVをトレントでDL後に開示請求された際の対処法を実例で解説

トレントの利用に身に覚えがあるのであれば、裁判所が開示請求を認める可能性が高いため、開示に同意し、誠実な姿勢を見せることが、その後の示談交渉をスムーズに進める上で重要でしょう。

その後、著作権者から内容証明郵便などで損害賠償請求や警告が送付されてくることが一般的です。この段階で、専門家である弁護士に相談し、今後の対応を一任することが最善策となります。

弁護士は、請求された賠償額が適正かどうかの判断や、著作権者との交渉を代行してくれます。

示談交渉の際には、「宥恕(ゆうじょ)条項」と呼ばれる「被害者は加害者の行為を許し、刑事告訴を行わない」旨の条項を必ず示談書に盛り込むことが重要です。この条項が示談書に含まれていれば、著作権者が告訴することはなくなり、逮捕されるリスクを回避することができます。

トレントでの逮捕を回避したい方は当事務所までご相談ください

突然、プロバイダから意見照会書が届けば、誰しも強い不安を抱えるものです。
「どうすれば逮捕を避けられるのか」「相手にどう対応すればいいのか」――一人で考え込んでしまう方も少なくありません。
対応を誤れば、損害賠償請求や刑事告訴といった深刻な事態に発展するおそれもあります。

当事務所では、これまでにトレント関連の案件を多数取り扱ってきた実績があります。特に示談による解決を得意としており、適切な対応により多くのケースで円満解決を実現してきました
ご依頼者一人ひとりの状況に寄り添い、親身かつ誠実に対応しながら、最善の解決を目指して共に歩んでいきます

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