
「トレントはダウンロードするだけだから違法じゃない」—残念ながら、これは大きな誤解です。著作権法では、違法にアップロードされた著作物をダウンロードする行為自体が違法と定められています。さらにトレントでは、ダウンロードと同時に自動的にアップロードも行われるため、結果的に二重のリスクを負うことになります。
実際に当事務所に相談される方の多くが「ダウンロードしただけなのに、なぜ数百万円の請求が来るのか分からない」と困惑されています。ある日突然プロバイダから通知が届き、初めて自分が法的リスクに直面していることを知るケースがほとんどです。
こうしたトラブルは年々増加しており、対応を誤れば高額請求や刑事告訴に発展するおそれがあります。本記事では、トレント関連事案の解決実績300件超の弁護士が、なぜ「ダウンロードのみ」でも違法となるのか、発信者情報開示請求・損害賠償・刑事告訴といった具体的なリスク、そして実際に通知が届いた場合の対処法を、実例とともに詳しく解説します。
もし既に通知が届いている方は、対応を誤ると被害が拡大する可能性があります。全国対応・相談無料の当事務所まで、できるだけ早めにご相談ください。迅速な初動こそが解決への第一歩です。
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記事の目次
トレントでダウンロードのみした場合でも違法?
「ダウンロードのみなら問題ない」と考えている方が多いですが、これは誤解です。トレントの仕組み上、ダウンロードした時点で自動的にアップロードも行われているからです。
実際に、トレントを利用してコンテンツをダウンロードした結果、著作権者から発信者情報開示請求を受け、高額な損害賠償を請求されるケースが後を絶ちません。「ダウンロードしただけ」という認識が、なぜ法的なリスクを生むのか、その理由について詳しく解説していきます。
そもそもトレントとは?仕組みを解説
「トレントはダウンロードするだけで、アップロードはしていないから違法ではない」と思っている方も少なくありません。しかし、そのような考えは非常に危険です。トレントはその仕組み上、ダウンロードした時点で、違法なアップロードを同時に行っている可能性が高いからです。
そもそも、「トレント(Torrent)」とは、パソコンなどの端末同士で直接ファイルを送受信するP2P(Peer to Peer)形式の通信技術です。μTorrent(マイクロトレント)やBitComet(ビットコメット)、BitTorrent(ビットトレント)などのクライアントソフトを使って利用します。
一般的なダウンロードは、画像や動画などのファイルが保存されているサーバーから、ユーザーが自分の端末にファイルを取得します。しかし、サーバーにアクセスが集中すると、通信速度が遅くなったり、サーバーがダウンしてしまったりするリスクがありました。
これに対し、トレントはサーバーを介さず、ユーザー同士が直接ファイルをやりとりします。
ユーザーは「スウォーム」と呼ばれるネットワークに参加し、他のユーザーからファイルの断片を受け取り、最終的に一つの完全なファイルを完成させるのです。このように、特定のサーバーに負荷が集中しない仕組みのため、大容量のファイルでも比較的速くダウンロードできるというメリットがあります。
P2P形式の最大の特徴は、ダウンロードした側もファイルの送信者(アップローダー)となるという点です。トレントのネットワークでは、ダウンロードを完了したユーザーは「シーダー」と呼ばれ、これからダウンロードする他のユーザー(ピア)に、自分が持つファイルの断片を送信する役割を担います。これにより、ネットワーク全体の負荷を分散させ、効率的なファイル共有を実現しているのです。
トレント自体は違法ではない
「トレント」という言葉を聞くと、違法なものというイメージを持つ方もいるかもしれませんが、トレントという技術自体は違法ではありません。
トレントは、大容量のデータを高速で共有できる非常に便利なツールです。例えば、オープンソースのソフトウェアや、LinuxなどのOSの配布、企業の公式プロモーション用ファイルの共有など、合法的な目的で広く利用されています。
問題となるのは、トレントの使い方です。具体的にどのような使い方が違法となるのか、以下で解説します。
ダウンロードが違法になるケース
トレントの利用で違法となるのは、具体的にはどのようなケースなのでしょうか。
著作権法では、著作権者に無断で著作物を複製したり、公衆に送信(アップロード)したりすることを禁止しています。トレントで違法になるのは、この著作権を侵害する行為です。
著作権法第30条1項では、私的使用目的であれば、著作物の複製は許容されています。しかし、その例外として「違法にアップロードされたものであることを知りながらダウンロードすること」は違法と定められています(著作権法第30条1項3号)。
ここでいう「違法にアップロードされた著作物」とは、映画、アニメ、音楽、ゲームソフト、漫画、写真集など、著作権で保護されているコンテンツ全般を指します。
例えば、映画会社が公開していない映画のファイルや、レコード会社が公式に配信していない音楽ファイルをダウンロードした場合、「正規に販売されているものではない」という認識が持てるため、違法アップロードされたものであると判断される可能性が高いでしょう。
さらに、違法アップロードであることを認識した上で、これらのコンテンツを反復・継続してダウンロードする行為は、「2年以下の拘禁刑」もしくは「200万円以下の罰金」、またはその両方という刑事罰の対象となります(著作権法第119条3項2号)。
ダウンロードのみのはずが、違法アップロードもしている点に注意
トレントを利用する上で最も注意すべき点が、「ダウンロードした時点で、違法なアップロードも同時に行っている」という事実です。
前述したように、トレントはP2Pの仕組みで成り立っています。ダウンロードする際に、他のユーザーからファイルの断片を受け取りますが、ダウンロードが進行するにつれて、今度は自分がダウンロードした断片を、まだファイルを持っていない他のユーザーに送信する役割を担います。
この「ファイルの断片を送信する行為」が、著作権法上の「公衆送信」にあたります。つまり、「ダウンロードのみ」という認識であったとしても、違法な著作物をトレントでダウンロードすれば、知らぬ間に公衆送信権の侵害、つまり違法アップロードの加害者になってしまうのです。
たとえダウンロードしたファイルが、著作権侵害の要件を満たすかどうかわからない場合でも、トレントの利用はリスクを伴う行為であることを理解しておくべきです。
トレントで違法ダウンロードした場合のリスク
トレントを利用して違法に著作物をダウンロードした場合、思わぬ法的リスクに直面することになります。代表的なのは、発信者情報開示請求による身元特定、損害賠償請求、そして場合によっては刑事告訴です。以下に主なリスクを整理します。
- ① 発信者情報開示請求をされる
- ② 損害賠償請求される
- ③ 刑事告訴される
①発信者情報開示請求をされる
トレントによる著作権侵害が発覚した場合、著作権者によって身元が特定されるリスクがあります。
トレントの仕組み上、ファイルの送信者(アップローダー)のIPアドレスはネットワーク上で公開されています。このIPアドレスを基に、著作権者はプロバイダに対し、発信者の氏名や住所などの情報開示を求めることができます。
このようにプロバイダに対して発信者の個人情報の開示を求めていく手続きを「発信者情報開示請求」といいます。
この請求を受けたプロバイダは、通常、契約者本人に対して「発信者情報開示請求に係る意見照会書」という書面を送付します。これは、「あなたの情報について開示請求が来ているが、開示してよいか?」という問い合わせのための書類です。
この書面に対し「開示を拒否する」と返答することも可能ですが、プロバイダが任意で開示することもありますし、裁判所が情報開示を認めた場合は、開示を拒否することはできません。
この意見照会書が届いた時点で、著作権侵害の事実を把握されている可能性が極めて高いと言えます。この段階で無視したり、安易な対応をしたりすると、その後の損害賠償請求や刑事告訴に発展する可能性が高まるため、迅速かつ適切な対応が求められます。
②損害賠償請求される
発信者情報開示請求によって身元が特定されてしまった場合、著作権者からの著作権侵害に基づく損害賠償を請求されてしまう可能性が高いです。
著作権法では、著作権を侵害した際の損害額の算定方法が定められています(著作権法第114条)。一般的には、侵害行為がなければ著作権者が得られたであろう利益を損害額として請求されます。
トレントの場合、「ダウンロードされた回数 × 著作権者が得られたであろう利益(例:販売価格)」といった形で算定されるケースが多く見られます。
もし、多くのユーザーに違法なファイルがダウンロードされていた場合、その損害賠償額は数百万円にのぼることも珍しくありません。また、複数のコンテンツの著作権を侵害していた場合は、それぞれの著作権者から個別に損害賠償請求を受けるリスクも生じます。
③刑事告訴される
著作権侵害は、損害賠償請求といった民事上の責任だけでなく、刑事罰の対象にもなります。
違法アップロードをした場合には、「10年以下の拘禁刑」もしくは「1000万円以下の罰金」、またはその両方という重い罰則が科されます(著作権法第119条1項)。
違法アップロードとは、著作権者の許可を得ずに、その著作権者の著作物を違法にアップロードする行為を指します。
違法アップロードは、著作権者に無断でファイルを「公衆送信」する行為であり、これは送信可能化権の侵害にあたります。
なお、著作権侵害は親告罪であり、被害者である著作権者が告訴しない限り、起訴されることはありません。しかし、多くの著作権者は、違法アップロードの被害が大規模な場合や、悪質なケースに対しては積極的に刑事告訴を行います。刑事告訴が受理されると、警察の捜査が開始されます。
警察は、被疑者に逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断すれば、逮捕に踏み切ることがあります。検察官により起訴され、刑事裁判で有罪判決を受ければ、前科がつくことになります。
一度前科がつくと、その後の社会生活に大きな影響を及ぼします。就職や転職に不利になるだけでなく、特定の資格が制限されるなど、長期にわたって不利益を被る可能性があります。
トレントで違法ダウンロードした直後の対処法
トレントを利用して違法な著作物をダウンロードした場合、「すぐにファイルを削除すればバレないだろう」と考えるのは危険です。
著作権者側があなたを特定するIPアドレスは、あなたがファイルをネットワーク上で共有(アップロード)した瞬間に、トレントのネットワーク上に記録されています。
自分のPCからファイルを削除したとしても、一度ネットワークに流出したあなたのIPアドレスの証拠は消えません。著作権者は、このIPアドレスを手がかりに、プロバイダを通じてあなたの身元特定(発信者情報開示請求)を進めます。
したがって、ファイルを削除しても特定のリスクをゼロにすることはできません。
しかし、ファイルを早期に削除すること自体は、損害賠償額がこれ以上膨らむことを抑える上で意味があります。
トレントに関する賠償額は、違法なファイルを保有し、かつ共有可能にしていた期間に応じて算定されることが多いためです。ファイルを早く削除すれば、他のユーザーへのアップロード行為が停止し、それ以上の著作権侵害の継続を防げます。これにより、損害拡大を食い止め、結果的に賠償額の減額に繋がる可能性があります。「どうせバレるから」と放置せず、違法なデータやトレントクライアントソフトは直ちに削除してください。
トレントでダウンロードして意見照会書が届いた場合の対処法
プロバイダから「発信者情報開示請求に係る意見照会書」が届いた場合、多くの方が動揺し、どう対応すべきか判断を誤ってしまいがちです。感情的に著作権者へ直接連絡してしまったり、通知を無視したりすると、損害賠償請求や刑事告訴といったリスクを高める結果になりかねません。
このセクションでは、実際に意見照会書が届いたときに取るべき適切な初動対応を、具体的なポイントごとに解説します。
冷静な対応と家族への説明
プロバイダから「発信者情報開示請求に係る意見照会書」が届くとパニックに陥りがちですが、感情的な判断ミスが後の交渉で致命的な不利益をもたらします。
まず、恐怖や焦りから、著作権者や相手方弁護士に直接電話で状況を説明しようとするのは絶対に避けてください。その際の発言は全て記録され、「罪を認めた」という不利な証拠として利用されるリスクがあります。
重要なのは、意見照会書に記載された回答期限日(通常2週間程度)をカレンダーに正確に記録することです。期限を過ぎるとプロバイダが任意で情報開示に応じてしまう可能性が高まり、弁護士へ相談し適切な対応を検討する時間が失われます。
また、同居家族がいる場合は、同一回線を使用しているため、家族全体が事件に巻き込まれる可能性があります。特に、契約者が親で、実際にトレントを利用したのが子どもの場合など、法的責任の所在が複雑になります。
このような場合には、まず家族会議を開き、通知の事実を共有し、今後の対応方針について合意を形成することが不可欠です。
対応の窓口は速やかに弁護士に一本化し、冷静に対処する体制を整えましょう。
権利侵害が明らかな場合は示談成立を目指す
あなたが違法ダウンロードおよびアップロードを行っていたことが客観的に明らかである場合は、プロバイダへの意見照会への回答を通じて、素直に情報開示に同意し、著作権者との示談成立を目指すべきです。
なぜなら、この段階で開示請求を無視したり、不当に拒否したりしても、著作権者が裁判所に訴えれば、裁判所はほぼ確実に情報開示を認めるからです。結果的に、開示の遅延によって著作権者側の心証を悪化させるだけで、民事訴訟や刑事告訴といったより重いリスクを招くことになります。開示請求に素直に応じることで、後の交渉で「反省の態度」を示す土台を作ることができます。
ただし、法的知識がないまま、多額の賠償請求に慣れた著作権者側の弁護士と直接交渉することは、不当に高額な示談金を支払わされる、あるいは追加請求をしない確約を得られないなど、不利な条件での示談になる危険性があります。そのため、情報開示に同意すると同時に、速やかに弁護士に依頼し、適切な示談交渉を進めることが賢明な戦略となります。
トレントで違法ダウンロードして発信者情報開示請求をされた事例
実際にトレントで著作物をダウンロードした結果、発信者情報開示請求を受けてしまったケースは少なくありません。ここでは、当事務所が実際に取り扱った事案をもとに、漫画・映画・音楽・アダルト動画といったジャンルごとの具体的な事例をご紹介します。なお、依頼者のプライバシー保護のため、内容の一部については変更を加えています。
漫画をダウンロードした事例
大学進学を機に一人暮らしを始めた大学生のAさん(20歳・男性)は、好きな漫画を読み放題にしたくて、トレントで漫画のファイルをダウンロードしていました。友人から「トレントはダウンロードするだけでアップロードはしていないから大丈夫」と聞いていたため、違法性についてはあまり深く考えていませんでした。
しかしある日、プロバイダから「発信者情報開示請求に係る意見照会書」が届き、事態の深刻さに気づきました。ご両親に知られることを恐れ、また刑事罰や高額な損害賠償を請求されるのではないかと不安になり、当事務所に相談に来られました。
事件の依頼を受けた当事務所の弁護士がAさんの代理人として著作権者側の弁護士と交渉を開始しました。
複数回にわたる漫画のダウンロード行為は著作権者が主張する損害賠償額を高額にする要因となりましたが、本人が深く反省していること、また大学生で資力がないことを丁寧に説明しました。
結果的に、元の請求額から大幅な減額を勝ち取り、無理のない範囲での分割払いを提案し、示談で解決に至りました。早期に弁護士に相談したことで、ご両親に知られることなく、また刑事事件に発展することもなく、問題の解決ができました。
映画をダウンロードした事例
会社員のBさん(40代・男性)は、週末の暇つぶしにトレントで最新映画のファイルをダウンロードして鑑賞していました。しかし、その行為がきっかけでプロバイダから発信者情報開示請求の通知が届いたことから、問題の深刻さに気付き、当事務所に相談に来られました。
Bさんは、映画をダウンロードしただけでアップロードはしていないと認識していましたが、トレントの仕組みを説明したところ、ご自身の行為が違法アップロードに該当していたことを理解されました。
Bさんはご自身で著作権者と交渉することも考えたそうですが、法律の知識がなく、相手の要求をすべて受け入れてしまうのではないかと不安を感じて当事務所にご依頼されました。
当事務所の弁護士がBさんの代理人として、著作権者側の弁護士と交渉しました。Bさんの行為は決して悪質なものではなく、反省の態度も見られることを粘り強く伝え、示談交渉を進めました。その結果、刑事告訴や裁判を回避し、最終的には示談金を支払うことで和解が成立しました。
音楽をダウンロードした事例
音楽好きのCさん(30代・女性)は、欲しかった音楽ファイルをトレントで見つけ、ダウンロードして聞いていました。トレントはすでに使用をやめていましたが、数カ月後、突然プロバイダから著作権侵害に関する通知が届きました。Cさんはすでにファイルを削除していたため、なぜ今になって請求が来たのか分からず、不安になって当事務所にご相談されました。
トレントを利用していた時期は数年前であり、まさか今になって問題になるとは思っていなかったそうです。
弁護士が著作権者側の弁護士に確認したところ、CさんのIPアドレスから複数の音楽ファイルのアップロード履歴が確認されていました。ダウンロード行為が自動的にアップロードにつながっていたのです。
Cさんの行為は、意図しないものでしたが、法律上は違法なアップロードと判断される可能性が高い状況でした。当事務所は、Cさんの代理人として、交渉のテーブルにつきました。数年前の行為であること、また、すでにトレントの利用を止めていることを強調し、Cさんの経済状況を考慮した上で、現実的な金額での示談を提案しました。結果的に、合意に至り、すべての問題が解決しました。
アダルト動画をダウンロードした事例
自営業を営むDさん(50代・男性)は、自宅のPCでアダルト動画をトレントでダウンロードしていました。ある日、複数の著作権者から発信者情報開示請求の通知が立て続けに届き、パニックになって当事務所にご相談されました。
Dさんの行為は長期間にわたり、複数の著作権者の作品に及んでいたため、賠償額も高額になることが予想されました。また、ご家族に知られてしまうのではないかと強い不安を感じていました。
当事務所の弁護士が、すべての著作権者側の弁護士と一括で交渉する体制を整えました。それぞれの著作権者と個別に交渉するよりも、包括的な解決を図ることで、全体の示談金を抑えることが目的でした。その結果、個別に請求された総額を大幅に減額するとともに、分割払いでの支払いで合意できたことで、Dさんの経済的負担を軽減し、無事にすべての問題が解決しました。
ご家族に知られることもなく、また刑事罰を科されることもなく、平穏な日常を取り戻すことができました。
AVをトレントでDL後に開示請求された際の対処法を実例で解説
トレントで違法ダウンロードした場合に弁護士に相談するメリット
発信者情報開示請求の通知や損害賠償請求を受けると、多くの方は「どう対応すればよいのか」「家族や職場に知られないか」といった強い不安に直面します。こうした状況で弁護士に相談することには大きな意味があり、精神的な安心だけでなく、交渉面でも有利に働きます。以下に主なメリットを整理します。
- ① 精神的な不安から解放される
- ② 適切な条件での示談交渉を任せられる
①精神的な不安から解放される
発信者情報開示請求の通知は、突然自宅に届くことがほとんどです。これにより、「いつ損害賠償請求が来るのか」、「いきなり逮捕されるのではないか」といった、先の見えない不安に襲われることになります。
現に、プロバイダから「発信者情報開示請求に係る意見照会書」が届いた場合、それは著作権者側があなたの身元を特定し、損害賠償請求や刑事告訴を検討しているサインです。この段階ですみやかに弁護士に相談・依頼することで適切な対応をとることができます。
弁護士に事件を依頼すれば、あなたが対応する必要はなくなります。弁護士があなたの代理人として窓口となり、著作権者側の弁護士と直接やり取りを行います。
また、今後の手続きや見通しについても丁寧に説明するため、不安な日々から解放され、安心して任せることができます。
法的知識を持たないまま一人で悩むよりも、専門家である弁護士に相談することで、精神的な負担を大きく軽減できるのです。
②適切な条件での示談交渉を任せられる
著作権者側の弁護士は、当然ながら著作権侵害問題に非常に精通していることが一般的です。一方、法律の知識がない方が自力で交渉しようとしても、相手の要求をすべて受け入れてしまい、不当に高額な示談金を支払わされてしまうというリスクがあります。
弁護士に依頼すれば、法的な観点から適切なアドバイスを受けられます。
まず、相手方の通知の内容を精査し、法的に妥当な請求か否かを判断してもらえます。不適切な請求であれば開示請求を止められる場合もあります。
また、示談交渉においても、あなたの状況を正確に把握し、過去の判例や相場に基づいた適切な示談金額を提案できます。さらに、刑事告訴をしないことや、今後の追加請求をしないことといった、依頼者にとって最も重要な条件を交渉で確実に盛り込むことができます。これにより、無用なトラブルを避け、迅速かつ穏便に問題を解決することが可能になります。
よくある質問
トレントの利用やダウンロードに関するよくある疑問を、Q&A形式で簡潔に解説します。
トレントファイル(拡張子:.torrent)をダウンロードした場合も違法?
トレントファイルをダウンロードしただけでは、違法行為にはなりません。
トレントファイル(拡張子:.torrent)自体には、動画や音楽、画像といった著作物そのものは含まれていないからです。
トレントファイルとは、目的のファイルをダウンロードするために必要な、いわば「設計図」のようなものです。具体的には、ファイルの名称やサイズ、ハッシュ値、そしてどのユーザーからファイルの断片を取得できるかを示す「トラッカー情報」などが含まれています。このトレントファイルを、BitTorrent(ビットトレント)やμTorrentといった専用のクライアントソフトに読み込ませることで、初めてネットワーク上の他のユーザーからコンテンツデータのダウンロードが開始される仕組みになっています。
したがって、インターネット上でトレントファイルを入手した行為自体は、著作権侵害にはあたりません。
トレントはダウンロードと同時にアップロードされることを知らなかった場合も違法?
「トレントの仕組みを知らなかったので、ダウンロードしただけで、アップロードしたつもりはない」という主張は、残念ながら法的には認められない可能性が高いです。
著作権法では、著作物を無断で公衆送信(アップロード)する行為を違法としています。トレントは技術的に、ダウンロードと同時にアップロードも自動的に行われる仕組みであるため、たとえ意図していなかったとしても、違法なアップロード行為と見なされます。
知的財産高等裁判所の判決では、被告が「アップロードされるとは知らなかった」と主張した事案において、裁判所は以下のように判示しています。
「自らがBittorrentを利用して本件著作物を正当な権利者からダウンロードしているものではないことを当然に認識し得たことからすれば、Bittorrentを利用するに当たり違法な行為をしないよう慎重になるべきところ、雑誌やインターネットに掲載された記事などから容易にBittorrentの仕組みを知ることができるのであるから、ダウンロードしたファイル(ピース)を送信可能化したことについて少なくとも過失があると認めるのが相当である。」(知的財産高等裁判所令和4年4月20日判決)。
トレント利用で開示請求された方は当事務所までご相談ください
突然の発信者情報開示請求や損害賠償の通知に、不安や戸惑いを覚えるのは当然です。しかし、放置や自己判断は事態を悪化させ、高額請求や刑事告訴に発展するおそれがあります。
当事務所はこれまでにトレント関連事案の解決実績300件超を有し、多くのケースで示談による早期解決や損害額の減額を実現してきました。経験豊富な弁護士が状況を丁寧に確認し、最適な対応策をご提案します。
初回相談無料・全国対応です。着手金や費用についても、ご相談時に丁寧にご説明いたします。通知を受け取った方は、一人で抱え込まず、できるだけ早めにご相談ください。
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