このようなことでお悩みではないでしょうか。
インスタグラムでアカウントを乗っ取られると、悪質なスパムメッセージを送るのに利用されたり、詐欺を働いてフォロワーからお金を騙し取るなどの被害に遭います。
そこでこの記事では、
- インスタで乗っ取りをした犯人の特定方法
- インスタを乗っ取られないための対策
- インスタで乗っ取りされた場合の対処法
などについて、インスタでの乗っ取り・なりすまし被害に強い弁護士が解説しています。
既に被害に遭われた方で、この記事を最後まで読んでも問題解決しない場合には弁護士までご相談ください。
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インスタの乗っ取り犯人を特定する方法
発信者情報開示請求を利用する
インスタの乗っ取り犯人を特定するためには、「発信者情報開示請求」制度を利用できます。
この「発信者情報開示請求」とは、SNSなどのインターネット上の投稿によって自己の権利を侵害された人が、SNSなどを運営する「コンテンツプロバイダ(CP)」や発信者がSNSなどに侵害情報を記録する通信を媒介した「アクセスプロバイダ(AP)」に対して、発信者情報の開示を請求する手続きです。
犯人を特定するためには、まずインスタ運営会社(Meta社(旧Facebook社))に投稿者のIPアドレスの開示請求をしていきます。そして判明したIPアドレスから接続プロバイダを特定し、そのプロバイダへ投稿者の契約者情報(氏名・住所など)の開示を請求するという流れで、乗っ取り犯人を特定することができます。
ここで「IPアドレス」とはネットワークにつながっているスマホやパソコンなどの機器に割り振られた単なる番号であるため、IPアドレスの開示を受けてたとしてもすぐに犯人を特定することはできません。IPアドレスから接続プロバイダに対して契約している者の個人情報を開示してもらうことで犯人の氏名や住所、電話番号などを特定することができるのです。
発信者情報開示請求については、以下の2つの記事に目を通していただけたら理解しやすいと思います。
ネットトラブルに精通している弁護士に相談する
インスタの乗っ取り被害に遭った場合には、ネットトラブルに精通している弁護士に相談するという方法も有効でしょう。
近年SNSなどを通じた誹謗中傷・名誉棄損など様々なトラブルが発生しており、弁護士を介して法的に解決を図るケースも増加傾向にあります。
前述の発信者情報開示請求についても、認められるためにはプロバイダ責任制限法の一定の要件に該当していることが必要ですので、要件を過不足なく書面に記載しなければなりません。
また発信者情報開示請求をする場合に注意が必要なポイントは、接続プロバイダなどが保有する投稿者のアクセスログの保存期間が一般的に「3カ月〜6カ月」程度であるという点です。
そのためインスタ運営会社に対する発信者情報開示請求をしている間に、プロバイダ側のアクセスログの保存期間が過ぎてしまうと、折角IPアドレスの開示を受けても投稿者の個人情報を得ることができなくなってしまいます。
そこで、そのような時間制限があるなかで犯人を特定しようとする場合には、ネットトラブルを専門的に取り扱っている弁護士に手続きを依頼しておくことでスムーズな解決につながるで可能性が高いです。
また犯人が特定され民事上の賠償請求をする場合にも弁護士に任せておくことで、適切に交渉をして依頼者の権利を損なわないように取りまとめてもらえることが期待できます。
捜査機関に確認する
刑事事件となった場合には、捜査機関に確認することで被疑者に関する情報を教えてもらえる場合があります。
犯罪捜査規範には「捜査を行うに当たつては、被害者等に対し、刑事手続の概要を説明するとともに、当該事件の捜査の経過その他被害者等の救済又は不安の解消に資すると認められる事項を通知しなければならない」と規定されています(同10条の3)。そのため損害賠償請求をするため必要であるとして被疑者の氏名・住所等を教えてもらえる場合もあります。
ただし、捜査その他の警察の事務若しくは公判に支障を及ぼしたり関係者の名誉その他の権利を不当に侵害するおそれのある場合などには捜査機関の判断で開示してもらえないこともあります。
また犯人を特定するためには、「被害者等通知制度」を利用する方法も考えられます。
この「被害者等通知制度」とは、被害者その他の刑事事件関係者に対し、事件の処理結果、公判期日、刑事裁判の結果などを通知することにより、被害者を始めとする国民の理解を得るとともに刑事司法の適切かつ円滑な運営のために創設された制度です。
この被害者等通知制度で通知してもらえる内容は以下のような情報です。
- 事件処理の結果
- 裁判期日
- 裁判の結果
- 起訴の場合の犯罪事実の要旨
- 不起訴の場合の主文・理由の骨子
- 加害者の身柄の状況 など
刑事裁判を傍聴する
インスタ乗っ取りの犯人が検察官に公訴提起され刑事裁判を受ける場合には、刑事裁判は公開の法廷で行われているため、裁判を傍聴することができます。
刑事裁判では冒頭手続きとして被告人の本人確認をしますので、氏名・住所・本籍・職業などを確認することができます。
さらに検察官の冒頭陳述や被告人質問などで、動機や犯行に至る経緯などを詳しく聞くこともできる可能性が高いです。
社会的関心が高い事件など傍聴希望者が多い場合には、抽選となる可能性もあります。その場合には、集合時間までに裁判所の指定場所に行き傍聴券を入手する必要があります。
そもそもインスタの乗っ取りとは?
インスタの乗っ取りとはなにか
「インスタの乗っ取り行為」とは一般的に、第三者によってアカウントを不正にログインされ、悪用されてしまうことを指します。
アカウントの乗っ取りの具体的な流れとして多いのは、犯人がハッキングなどの不正な方法によって個人のインスタグラムのパスワードを特定し、本人に許可なくログインするというものです。このような不正ログインによって、犯人は被害者のフリをして当該インスタを運用することができるようになるのです。
乗っ取られるとどんな被害に遭う?
インスタアカウントを乗っ取られることで、以下のような被害に遭う可能性があります。
- 完全に別のアカウントとして運用される
- アカウントと紐づけている個人情報が流出してしまう
- 本人のふりをして第三者の権利を侵害するような投稿をする
- 本人のふりをして本人の権利を侵害するような内容を投稿する
- 乗っ取ったアカウントで悪質なスパムメッセージを拡散する
- 本人の投稿を全て削除するなど嫌がらせを受ける
- なりすまし詐欺により、登録している友達が詐欺被害を受ける など
インスタの乗っ取りは犯罪
インスタの乗っ取り行為は、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律(不正アクセス禁止法)」に違反する犯罪行為に該当します。
具体的に不正行為の内容に応じて、以下のような犯罪が成立することになります。
- 不正アクセスをした場合:不正アクセス罪として「3年以下の懲役」または「100万円以下の罰金」が科されます(不正アクセス禁止法第3条、11条)。
- パスワードの不正に取得した場合:不正取得罪として「1年以下の懲役」または「50万円以下の罰金」が科されます(同法第4条、12条1号)。
- 更にパスワードを伝達した場合:不正助長罪として「1年以下の懲役」または「50万円以下の罰金」が科されます(同法第5条、12条2号)。
- 不正にパスワードを保管した場合:不正保管罪として「1年以下の懲役」または「50万円以下の罰金」が科されます(同法第6条、12条3号)
インスタの乗っ取りを防ぐための対策
複雑なパスワードを設定しておく
インスタの乗っ取りを防ぐために、設定するパスワードを複雑なものにしておくことが有効です。
アカウント名から容易に推測できるものや数字の連番、ユーザーの誕生日などをパスワードにしておくことはおすすめしません。
具体的には、大文字・小文字を組み合わせたアルファベットと数字を用いて複雑なパスワードを設定しておくことで、乗っ取りを防止できる可能性が高まります。
パスワードの使いまわしは避ける
他のサービスと同じパスワードを使いまわすことも回避してください。
インスタグラムとツイッター、フェイスブックのパスワードが同じ場合には、インスタを乗っ取られたと同時に他のSNSも同時に乗っ取り被害を受ける可能性があります。
逆に他のサービスのログイン情報が流出したことが原因で、インスタアカウントが乗っ取られるというパターンもありますので、共通のパスワードを設定しておくことにはリスクがあるのです。
しかし全く異なるパスワードを各サービスごとに設定しておくのは、非常に煩雑で忘れてしまうおそれもあります。そのため一部別の文字列を追加しておくだけでも乗っ取りを防げる可能性が高まります。
パスワードの見直し・二段階認証の導入
他のサービスのログイン情報が流出したことによる二次被害を受けてしまうケースもあります。
そのため、このような被害を避けるためにも定期的にパスワードの設定を変更することは、ハッキングのリスクを下げるために非常に有効です。
定期的にパスワードを変更するのは非常に負担が大きいと感じる方は、是非「二段階認証」を導入してください。二段階認証とはID・パスワードの入力のほかに、セキュリティーコードなどによる認証を行うことで、本人確認の精度を上げる仕組みです。
スマホが手元にある限り、不正ログインされてしまうリスクを大幅に減らすことができるでしょう。
インスタで乗っ取られた場合の対処法
他のSNSアカウントで乗っ取り被害を報告しておく
インスタのアカウントが乗っ取りの被害に遭った場合には、LINEやフェイスブックなど他のSNSで周囲の人間にインスタが乗っ取られている事実を報告しておくことも重要です。
不正ログインの場合には乗っ取りの犯人が本人のフリをして更に詐欺行為をはたらく可能性があります。そのため、「現在インスタグラムのアカウントが乗っ取り被害に遭っている」「インスタから連絡が来た場合には詐欺被害に遭うおそれがあるため無視してください」といった内容を報告しておきましょう。
あなたと繋がっている知人と情報共有をしておくことで、インスタ乗っ取りから更なる二次被害が発生することを回避することができるでしょう。
弁護士に犯人を特定してもらい法的な責任を追及する
インスタが乗っ取りの被害に遭った場合には、弁護士に相談して犯人に法的な責任を追及するようにしましょう。
そもそもインスタを乗っ取る行為自体が、不正アクセスにあたる犯罪行為ですので、警察が動くべき刑事事件です。ただし具体的な被害が発生していないような場合には、被害届を提出したとしても警察も迅速に動いてくれない可能性があります。
弁護士に依頼することで発信者情報開示請求などを利用して迅速に犯人を特定して、損害賠償請求できるケースもあります。
前述のようにプロバイダにはアクセスログの保管期間があるため、犯人を特定するためには迅速に行動を起こす必要があります。
当事務所では、インスタのアカウントを乗っ取った犯人の特定を得意としており実績があります。親身誠実に弁護士が全力で対応しますので、インスタのアカウントを乗っ取られて困っている方は、是非ネットトラブルの解決に精通している当事務所の弁護士に一度ご相談下さい。
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