はてなブログの誹謗中傷記事を削除する方法と注意点を解説

はてなブログは、日本国内でも規模の大きなブログサービスです。アカウントがなくても誰でもブログを見ることができるほか、検索上位にも表示されやすい特性を持つため、誹謗中傷をされたときの影響力も大きいという特徴があります。

今回は、はてなブログで誹謗中傷をされたときの投稿削除の方法などをご紹介します。

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はてなブログの特徴

はてなブログは、2011年にサービスが開始し、2013年に正式リリースされたブログサービスです。はてなダイアリーやはてなブックマークなどのサービスを展開しており、はてなブログを含むすべてのユーザー数は、600万人を超えるとされています。

はてなブログは個性的なものが多い

また、はてなブログのユーザーにも特徴があります。はてなブログは30代を中心に幅広く利用されており、IT系のテクニカルームやエンタメに関するブログなども多く開設されています。

アクセスを気にしない日記系の記事というよりも、アクセスを集めてビジネスにつなげるアフィリエイト系やエンタメ系のブログも多いのが特徴です。

他のブログサービスに比べると個性的なブログが多く、公的サービスや何らかのスクールに行ったときに不利益を受けたというようなことを実況しているブログなども見かけることがあります。

はてなブックマークでさらに拡散される

こうしたはてなブログの大きな特徴が、「はてなブックマーク」というコミュニティです。

はてなブックマークとは、ユーザーが気に入ったブログをブックマークすることができる機能のことですが、このブックマークはオンライン上で行われます。

そのため、ブックマーク数が多いブログについては「人気エントリー」として公開されます。そうすると、さらにそれを見た人がアクセスしてくるため、広く拡散されていくという特徴があるのです。

SEOが強い

無料のブログサービスは利用者が増えたために、SEOは一時期に比べて弱くなったとは言われていますが、その中でもはてなブログはSEOに強いとされています。

実際にはてなブログは、検索すると上位に表示されることが多々あり、アフィリエイターやブロガーたちも多く利用しています。こうした一面も、はてなブログの特徴といえるでしょう。

はてなブログの炎上は少なくない

はてなブックマークを増やしてブログにアクセスを集めたいと考えるブロガーなどは、より個性的で尖った内容のブログを書こうとします。

こうした傾向によって、はてなブログには個性的なブログが多く集まっているともいえるのですが、その反面、尖ったブログはやはり炎上しやすい特徴があります。

また、内容を尖らせるために他人を誹謗中傷してしまうこともあります。前述したようにはてなブログは広く拡散され、影響力も高いため、はてなブログ上で誹謗中傷されてしまった場合、大きな被害を受ける可能性があります。

はてなブログの削除の基準とは

誹謗中傷の被害を受けてしまったとき、まずするべきことは、誹謗中傷となる投稿をできるだけ多くの人の目に触れさせないようにすることです。そのためには、その投稿をネット上から一刻も早く消すことが重要です。

この「投稿を削除する」という行為は、基本的に投稿者か、はてなブログの運営者しかできません。「気に入らないから」といって、第三者がその投稿を削除することはできないのです。

これは日本の憲法で定められている「表現の自由」にも関わるところですが、たとえはてなブログの運営でも、表現の自由を無視して好き勝手に削除できるわけではありません。

では、「表現の自由」が認められているにもかかわらず削除することができる内容とは、どのような内容なのでしょうか?

ここで出てくるのが、はてなブログのガイドラインです。はてなブログは、「こうした内容は注意勧告や利用停止の対象になります」という基準を公開しています。

少し長いので、誹謗中傷に当たる箇所を抜粋します。全体的なガイドラインは、公式サイトの「はてな情報削除ガイドライン」を参考にしてください。

名誉毀損・侮辱(個人)
名誉とは、人の品性、徳行、名声、信用等の人格的価値について社会から受ける客観的な社会的評価のことである。 この社会的評価を低下させる行為は名誉毀損として民事及び刑事の責任が発生する場合がある。また、事実を摘示しないで、公然と人を侮辱することについても同様である。

申し立て者が名誉毀損、侮辱の対象となる者であると特定できない場合は削除を行わない
当該情報に対象者の実名が正確に記載されていない場合であっても、文脈から申し立て者が名誉毀損、侮辱の対象となる者であると容易に特定できる場合、原則として削除手続きを進める
誹謗・中傷等特定人の社会的評価を低下させる情報が掲載された場合は、原則として削除手続きを進めるが、発信者から以下の3つの要件を満たす合理的な理由をもって正当な反論を受けた場合、削除不可と判断する
・当該情報が公共の利害に関する事実であること(特定の犯罪行為や携わる社会生活上の地位に基づく行為と関連した情報等)
・当該情報が、公益を図る目的で掲載されたものであること
・当該情報が真実であるか、または発信者が真実であると信じるに足る相当の理由があること。

もしも投稿がこのガイドラインに違反している場合は、はてなブログの運営が投稿削除という措置を取ってくれる可能性が高まります。

誹謗中傷の投稿を削除する手順

では、はてなブログで誹謗中傷や名誉毀損、プライバシーの侵害などの違法な投稿による被害を受けたとき、その投稿を削除するためにはどのような方法をとればよいのでしょうか。

手順1 運営に通報する

まずは、はてなブログの運営に通報するということが考えられます。手順はこの通りです。

投稿によって、どのような権利の侵害があったのかを確認する

はてなブログの記事により、被害者が名誉毀損やプライバシーの侵害など、どのような法的権利を侵害されているのかを明らかにします。やや専門的な知識が必要になることもあるため、どの権利が侵害されているのかがよくわからないときは、この時点で弁護しなどに相談するのも一つの方法です。

侵害情報の送信防止措置依頼を申し立てる

侵害されている権利が確定したら、はてなに対し、侵害情報の送信防止措置依頼を申し立てます。この方法は、文書を郵送するほか、メールやFAXでも行うことができます。

送信防止措置依頼とは、プロバイダ責任法に定められた法的な投稿削除の手順です。

はてなが調査する

申立がはてなに受理されれば、はてながその内容を基に「この投稿が本当に権利侵害を行っているか」という調査を行います。その判断基準となるものが、はてなの利用規約です。基本的に、はてなの利用規約に反しているかどうかという判断を行うことになります。

投稿者に照会手続きが行われる

はてなの調査により、送信防止措置が適切だと判断された場合、はてなから誹謗中傷などの権利侵害にあたる投稿をした投稿者に対して、今回の送信防止措置が行われたことを通知することになります。

このときに、投稿者に伝えられる内容はこの5つです。

・権利が侵害されたとする情報
・侵害されたとする権利
・権利が侵害されたとする理由
・送信防止措置を希望することの意思表示
・当該通知が到達した後、7日以内にメールにて反論を行わない限り、削除等の送信防止措置を行うことの説明

この照会手続きに対して投稿者が何も反論をしなければ、投稿が削除されることになります。ちなみに、申立者が「投稿者に氏名を伝えてもよい」と書面上で同意していれば、申し立てた人の氏名も投稿者に開示されます。

手順2 弁護士に依頼して仮処分申請

こうした投稿削除依頼に対する対応は、ブログサービスやSNSによって異なりますが、はてなは「どのように対応するか」についてもしっかりと公式サイト上で明示しており、比較的真摯に対応してくれるブログサービスといえます。

しかし、投稿削除依頼を行ったら必ず対応してくれるわけではありません。利用規約に反していないとはてなが判断した場合は、削除に応じてくれないこともあります。

それでも投稿を削除してほしい、権利侵害が行われていると考えるのであれば、次に考えたい方法が、投稿削除の仮処分命令の申立です。

これは、裁判所に対して行う手続きとなっており、裁判所が「投稿の削除が適切だ」と判断すれば、はてなに対して「投稿を削除しなさい」という命令を下すことになります。裁判所からの命令という形をとるため、ユーザーが個人的にはてなに対して働きかけるよりも効果が高いのが特徴です。

ただ、その一方で裁判所に対して誹謗中傷や権利侵害があったことを法的に説明しなければならないため、ややハードルの高い手続きといえます。仮処分の申立に関しては、ユーザーが自分ですることもできはしますが、弁護士に依頼したほうが安心です。

【補足】コメント拒否という方法も

また、特定のユーザーから誹謗中傷のコメントがつく、という場合は、こうした投稿削除という手続きの他に「コメントを拒否する」という対応もできます。

拒否したいアカウントのID、またはIPアドレスを指定してコメント拒否設定を行うことができます。もしくは、公開したくないということであれば、コメントを承認してから公開するという設定にしておくという方法もあります。

被害がそこまで大きくない、ことを荒立てたくないという場合は、この方法も有効です。

削除依頼を行うときの注意点

はてなブログに対して削除を依頼するときの注意点をまとめました。

削除まで時間がかかることがある

はてなに投稿の削除を依頼した場合、先ほど見たとおり、投稿の削除には段階的な手順を踏むことがわかりました。また、投稿者に対して照会を行うため、原則として投稿が削除されるまでには7日以上がかかるということになります。

削除依頼をしたからといって、すぐに投稿が削除されるわけではないということは押さえておきましょう。

削除依頼は投稿者に通知される

削除を依頼したことは、投稿者に通知されます。先ほども見たとおり、どの投稿がどんな権利を侵害しているのかなどがすべて通知されるほか、被害者が同意していれば、被害者の氏名まで相手に伝わることに。

さきほど、はてなブログの特徴として個性的で尖ったブログが多いということをお伝えしました。誹謗中傷の投稿者によっては、こうした投稿削除を逆手にとって「削除依頼がきた」といってブログ上にさらに投稿することも考えられます。

また、送信防止措置依頼の内容に不快感を感じて「こんなことを書かれた」といって依頼の内容まで暴露されることも起きかねません。

二次被害をできるだけ防ぐため、送信防止措置依頼を行うときは、できるだけ客観的に事実を淡々と記載し、感情的な文章や、相手を強く批判するような文章はできるだけ控えた方が賢明といえるでしょう。

コメントで削除依頼をしない

はてなブログはコメントが開放されているため、まずはコメントで誹謗中傷の書き込みを消してもらうよう本人に働きかけるという方法もないわけではありません。

しかしコメント欄は不特定多数が見れる状態になっているため、それを見た第三者が面白おかしく経緯をまとめ、はてなブログ以外の2ちゃんねるやTwitterなどのSNSに拡散されてしまう可能性もあります。コメント欄で削除依頼をかけることは避けましょう。

代行業者に注意する

はてなブログに限ったことではありませんが、こうした誹謗中傷の投稿については、削除依頼の手続きを代行しますと謳う業者がありますが、こうした業者は利用しないよう注意してください。

現時点では、誹謗中傷の削除に関する手続きを代理で行えるのは弁護士だけとなっており、こうした業者が削除を代行するのは、弁護士法に違反する非弁行為となる可能性があるからです。

誹謗中傷した人を裁判で訴えたいときの手順

はてなブログで誹謗中傷の投稿を削除するだけでは受けた被害をカバーするには到底いたらないため、誹謗中傷をした人を特定し、損害賠償を請求したり、刑事告訴をして刑事罰を受けさせたい、と考えることもあるでしょう。

身に覚えのない犯罪の加害者だとでっちあげられ、朝起きたら自分の本名や住所、勤務先などのあらゆる情報がブログで公開されていた。はてなブログではありませんが、こうした被害も実際に起こっています。

また、自分のブログやサイトのアクセスが一気に増えたと思ったら、自分のブログが全く知らない人に引用され、それが炎上していたなどのケースもあります。こうした被害に対して裁判で投稿者を訴えたい場合、まずは投稿した人を特定しなければなりません。
投稿者を特定する手順は以下のとおりです。

  • はてなブログに対して、発信者情報開示請求を行う
  • はてなブログから開示されたIPアドレスを基に、プロバイダに対して発信者情報開示請求を行う
  • プロバイダから、投稿者の氏名や住所、メールアドレスなどが開示される

ただ、このようにスムーズにはてなブログやプロバイダが応じてくれる可能性は非常に低いと言わざるを得ません。それは、投稿者の個人情報を開示することになるからです。

こうした発信者情報開示請求をできるだけ成功させるためには、法的な権利侵害が行われていること、情報を開示することに正当性があるということをはてなやプロバイダ側にしっかりと伝えられることが重要です。

できれば、その後の訴訟も見据えて、法的知識や経験の豊富な弁護士に依頼して行うことをお勧めします。

まとめ

はてなブログで誹謗中傷や権利侵害があったときの、投稿削除の手順について照会しました。はてなブログでは比較的真摯に削除の手続きについて明示されていますので、ガイドラインを参考にしながら、手順に沿って進めていきましょう。

少しでも難しいと感じたら、法的知識の豊富な弁護士に依頼することも視野にいれながら、可能な限り早めに対策を撮るようにしてください。

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