離婚時に結婚式の費用を相手に請求できる?わかりやすく解説
結婚式を挙げるときに式の費用を自分が全額(あるは多く)支払ったけど、離婚になった時に相手に折半相当額を請求できないのだろうか?

このようにお考えではないでしょうか。

結婚は末永く人生を共に歩むことを前提としていますので、どっちが式の費用を負担するかなど気にもしないで全額支払う方も多いでしょう。しかしいざ離婚することになった時点で、「自分だけ負担して損した…取り返すことはできないだろうか」という気持ちになられる方も少なくありません。

そこでこの記事では、離婚問題に強い弁護士がこの疑問をわかりやすく解消していきます。

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離婚時に結婚式の費用を請求できる?

原則として結婚式の費用を財産分与の対象として請求できない

結婚式の費用を夫婦の片方が負担した場合であっても、原則として結婚式の費用は離婚時の財産分与の対象として請求することはできません

夫婦が離婚する場合、一方は相手方に対して「財産分与」を請求することができます(民法第768条1項)。

財産分与とは、夫婦が婚姻期間中に有していた実質上共同の財産を清算分配し、かつ離婚後における一方の当事者の維持を図ることを目的とする制度です(最高裁判所昭和46年7月23日判決)。

つまり、夫婦の一方が婚姻中に稼得した財産については、取得につき他方配偶者の協力があったとみて実質的に夫婦の共有財産であると考えらているため、このような財産を実質的に公平になるように分けるということが財産分与の制度趣旨です。

そして離婚における慰謝料を財産分与手続きの中に含めることもできると考えられており、当事者の一方が過当に負担した婚姻費用の清算のための給付をも財産分与の対象に含めることができます(最高裁判所昭和53年11月14日判決)。

このような財産分与の制度趣旨からは、婚姻前に有していた財産は婚姻中に夫婦が協力して蓄えた財産とは言えませんので分与の対象とはなりません

結婚式の費用についても、夫婦が共同して蓄えた財産から支出されるケースは少ない(負担した側が婚姻前から蓄えていた財産から大部分が捻出されるケースが多い)と評価できることから、財産分与の対象とはならないと考えられます。

このような観点から、結婚式よりも婚姻の届出(入籍)が早いカップルの場合であっても、通常夫婦共同の財産から費用が捻出されたというよりは、他方が婚姻前から有していた財産から捻出されたと評価されることが多いでしょう。

以上のような観点から、「結婚式の費用をどちらか一方が負担した」としても、離婚時に清算できる性質のものではありません

例外的に結婚式の費用が財産分与の対象として請求できるケース

ただし例外的に、結婚式の費用が夫婦の共同財産から支払われた場合や、結婚式の費用が借金で支払われた場合(共同負債と考えられる場合)など、財産分与の対象になる可能性があります

例えば夫婦共有財産として預貯金1000万円があるとして、結婚式の費用のためにブライダルローン400万円が夫名義で組まれていた場合を考えてみましょう。

財産分与請求権は、観念的には夫婦双方に存在しますが、実際は夫婦の一方から他方に対する請求を経て、当事者間の協議・調停・審判によって権利が形成されます。財産分与の範囲(金額)については、特段の事情がない限り2分の1とするのが家庭裁判所の実務の主流ですので、妻は1000万円の半分である500万円の分与を請求します。

これに対して、夫側から400万円のローンは夫婦生活を送っていく上で必要な債務であったと反論して、1000万円から400万円を差し引いた600万円が財産分与の対象であると主張することになります。夫側の主張が認められると600万円を2人で分け合うことになるため、夫から妻に対して300万円を財産分与として支払うことになります。

実務上、2分の1を下回る財産分与額を提示するのであれば、そのような主張をする当事者が当該範囲の根拠について立証すべきであると考えられています。

この点、下級審裁判例の中には、原告が負担した結婚式の費用の清算が認められた事例とみることができるものもあります。

この事例は、離婚した元妻(原告)が、元夫(被告)に対して、婚約中から婚姻成立後にわたって他の女性との間で不倫関係を継続していたことから、婚姻成立後約1か月で婚姻関係を継続することができなくなったとして、婚約当事者の負うべき守操義務違反による損害賠償を請求した事案です。

裁判所は、婚約相手である原告の信頼を裏切ったことは明らかであるとして、被告に対して、婚約中の不貞行為と相当因果関係のある損害として、結婚式の費用約88万円の賠償が命じられました(佐賀地裁平成25年2月14日判決)。

しかしこの事案は、離婚財産分与の対象としてではなく、不法行為に基づく損害賠償請求の損害として結婚費用が認定された事例です。

したがって、「離婚時には結婚費用を負担した当事者は一方に清算を求めることができる」と一般化することは難しいです。

やはり結婚費用については夫婦共同の財産ということが難しいため、特段の事情がない限り、離婚時に費用分担が認められるケースは少ないと考えるべきでしょう

まとめ

結婚式の費用を夫婦の片方が負担した場合であっても、原則として結婚式の費用は離婚時の財産分与の対象として請求することはできません。

ただし例外的に、結婚式の費用が夫婦の共同財産から支払われた場合や、結婚式の費用が借金で支払われた場合(共同負債と考えられる場合)など、財産分与の対象になる可能性があります。

離婚の際には、財産分与、慰謝料、養育費などお金に絡んだトラブルが起きやすいものです。当事者だけの話し合いだとお互いが自分にとって都合のよい主張を展開しがちなため、話がまとまらず泥沼化することも。

早く離婚して新しい人生をスタートさせたいけど、貰えるはずのお金はしっかりもらいたい(あるいは、払わなくていいお金は払いたくない)とお考えの方は、離婚問題に精通した弁護士に相手との交渉を一任するようにしましょう。

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