親族とは?その範囲や、血族や姻族との違いを家系図で分かり易く解説

相続などの場面で必ず生じる疑問が「親族とは誰か?」「親族の範囲はどこまでか?」ということではないでしょうか?

親族の範囲は民法という法律で規定されていますが、もしかしたら皆さんが抱いている親族と民法で規定されている親族にはズレがあるかもしれません。

そこで、この記事では、年間1000件以上の遺産相続のご相談を受けている法律事務所の弁護士が、

  • 親族の定義やその範囲
  • 血族、姻族、親等の意味
  • 親族の分類

につき、親族の関係図を交えてわかりやすく解説していきます。

およそ3分程度で簡単に読めますし、法律上の親族の意味や範囲を知りたい方は最後まで読んでみてください。

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親族とは

親族とは、6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族です(民法725条)。

(親族の範囲)

第725条
次に掲げる者は、親族とする。
一  六親等内の血族
二  配偶者
三  三親等内の姻族

「親戚」と混同して用いられることがありますが、親戚の意味は、goo国語辞典によると、以下のように定義されています。

血縁や婚姻によって結びつきのある人。親類。

つまり、”親戚”は、全ての血族や姻族を意味する言葉であり、6親等内・3親等内と範囲が限定された”親族”とは異なります。

では、これまでに出てきた、「血族」や「姻族」、また、「親等」とはどのような意味なのでしょうか。以下で詳しく解説していきます。

※親族の範囲を家系図でわかりやすく理解したい方はこちらをクリック

血族・姻族とは

⑴ 血族とは

血族とは「自然血族」と「法定血族」に分けることができます。自然血族とは自然的な血のつながりのある血族のことをいいます。たとえば、

  • 自分とその子
  • 自分と祖父母、孫

などがその典型でしょう。

他方、法定血族とは本来は血のつながりはないものの、法的に血のつながりがあるとされる血族のことをいいます。法的血族とされるのは養子縁組を結んだ場合のみです。

≫血族についてもっと詳しく知りたい方はこちら

6親等内の血族とは

自分を中心として、以下の表のに該当する人が6親等内の血族となります。

※血族の範囲を家系図でわかりやすく理解したい方はこちらをクリック

6親等内の血族 一覧表
1親等父母・子供
2親等祖父母・孫・兄弟姉妹
3親等曽祖父母(そうそふぼ)・曽孫(ひまご)・伯叔父母(おじおば)・甥姪
4親等高祖父母(こうそふぼ)・玄孫(やしゃご)・祖父母の兄弟姉妹・従兄弟姉妹(いとこ)・甥姪の子
5親等高祖父母の父母・来孫(らいそん)・高祖父母の兄弟姉妹・祖父母の甥姪・従兄弟姉妹の子・甥姪の孫
6親等高祖父母の祖父母・昆孫(こんそん)・高祖父母の父母の兄弟姉妹・高祖父母の兄弟姉妹の子・祖父母の甥姪の子…(省略)

⑵ 姻族とは

姻族とは、配偶者の血族、本人の血族の配偶者です。

本人A(夫)、配偶者B(妻)とした場合、

配偶者の血族の例として、Aから見て、

  • Bの両親(つまり義理の親)
  • Bの兄弟姉妹(つまり義理の兄弟姉妹)

などが姻族にあたります。

本人の血族の配偶者の例として、Aから見て、

  • Aの兄弟姉妹の夫・妻
  • Aのおじ・おばの夫・妻

などが姻族にあたります。

3親等内の姻族とは

自分を中心として、以下の表のに該当する人が6親等内の血族となります。

※姻族の範囲を家系図でわかりやすく理解したい方はこちらをクリック

3親等内の姻族 一覧表
1親等配偶者の親、子の配偶者
2親等配偶者の兄弟姉妹、配偶者の祖父母、孫の配偶者、兄弟姉妹の配偶者
3親等配偶者の伯叔父母(おじおば)、配偶者の曽祖父母、配偶者の甥姪、曽孫(ひまご)の配偶者、甥姪の配偶者

親等(しんとう)とは?

次に、民法7251号、3号にはそれぞれ「親等」という言葉が出てきました。

親等とは、自分から見た親族との法的な距離関係を示す単位です。近い方から1親等、2親等、3親等などと示されます。

たとえば、自分から見て親(父母)は「1親等」です。また、子も「1親等」です。

祖父母は親の親ですから2親等(=1親等+1親等)です。兄弟姉妹は誰の兄弟姉妹かに関係なく「2親等」と覚えておくと便利です。

したがって、自分の兄弟・姉妹は「2親等」ですし、また親の兄弟姉妹、つまり自分から見てのおじ・おばは「3親等(1親等(親の親等)+2親等(兄弟姉妹の親等)」ということになります。

以上は血族親等の数え方ですが、姻族親等の数え方も血族親等の数え方と同じです。

つまり、自分の配偶者の両親は「1親等」です。また、自分の兄弟姉妹の配偶者は「2親等」、自分の配偶者のおじ・おばの配偶者は「3親等」ということになります。

親族の範囲

⑴ 家系図で見る親族の範囲

親族の範囲を家系図で示すと以下のとおりです。

長方形の枠内が親族です。

長方形の枠内のうち、青色文字は6親等内の血族、赤色文字は3親等内の姻族です。

①~⑥までの数字は親等数を表しています。

家系図

⑵ 異母兄弟、異父兄弟も親族

異母兄弟姉妹も異父兄弟姉妹(以上、父母のいずれか一方が異なる半血の兄弟姉妹)も自分から見て兄弟姉妹であることに変わりありません。

したがって、異母兄弟姉妹、異父兄弟姉妹も全血の兄弟姉妹と同様「2親等」の血族で親族にあたります。

⑶ 離婚して疎遠になった親子も親族

親と子は血族関係にあります。そして、親の離婚によって親と子の血族関係が終了するわけではありません。

したがって、離婚後も、父から見た子、母から見た子はかわらず「1親等」の血族で親族にあたります。

⑷ 認知された非嫡出子も親族

非嫡出子とは、婚姻関係にない男女の間に生まれた子どものことをいいます。母から見た非嫡出子は「1親等」の血族で親族です。

他方で、父と非嫡出子は認知によってはじめて父子関係(親族関係)が生じます。

⑸ 養子も親族

養子と養親は法定血族ですから親族関係にあります。親等の考え方も自然血族と同様に考えます。

たとえば、養子から見た養親は「1親等」です。養親に実子がいれば、養子から見たその実子(=養子との兄弟姉妹)は「2親等」です。

もっとも、養子縁組後の親族(養親やその親族)と、養子の実の親族とは親族関係にありません。

また、養子縁組前に生まれていた養子の子と、養子の親族(養親やその親族)とは親族関係にありません。

他方、養子縁組後に生まれた養子の子と、養子の親族(養親やその親族)は親族関係にあります。

なお、普通養子縁組で縁組した場合、養子と実の親族との親族関係は継続しますが、特別養子縁組で縁組した場合は消滅します。

⑹ 連れ子も親族

連れ子を持つ再婚相手と婚姻した場合、再婚相手の一方から見たの連れ子は「1親等」の姻族ですから親族です。

再婚相手の一方と連れ後が養子縁組をすれば、その養親と連れ子(養子)は血族(法定血族)としての親族となります。

親族の分類

親族はこれまでご紹介した「血族」、「姻族」という分類のほかに⑴直系・傍系、⑵尊属・卑属という分類もあります。

⑴ 直系と傍系

直系とは、自分から見た上下の関係ことをいいます。たとえば、自分から見た

  • 親(1親等)
  • 祖父母(2親等)
  • 子(1親等)
  • 孫(2親等)

などがこれにあたります。他方、傍系とは、自分から見た兄弟姉妹など、上下ではなく横の関係のことをいいます。たとえば、自分から見た兄弟姉妹(2親等)のほか、

  • 兄弟姉妹の子(=甥っ子、姪っ子)(3親等)
  • 親の兄弟姉妹(=おじ、おば)(3親等)
  • 親の兄弟姉妹の子(=いとこ)(4親等)

などがこれにあたります。

以上は「血族」の例ですが、直系、傍系の関係は「姻族」についても同様のことがいえます。したがって、直系姻族とは、たとえば、自分から見た

  • 配偶者の両親(1親等)、祖父母(2親等)
  • 配偶者の子(連れ子)(1親等)

など、傍系姻族とは、たとえば、自分から見た

  • 配偶者の兄弟姉妹(2親等)
  • 配偶者の兄弟姉妹の子(=甥っ子、姪っ子)(3親等)

などがこれにあたります。

⑵ 尊属と卑属

尊属とは、自分から見た上の世代にある血族をいいます。たとえば、自分から見た

  • 祖父母
  • 親の兄弟姉妹(=おじ、おば)

などがこれにあたります。他方、卑属とは、自分から見た下の世代にある血族をいいます。たとえば、自分から見た

  • 甥っ子、姪っ子

などがこれにあたります。

自分と同世代の

  • 兄弟姉妹
  • いとこ
  • またいとこ

は尊属でも卑属でもありません。また、姻族については尊属、卑属の区別はありません。したがって、直系尊属(卑属)、傍系尊属(卑属)という場合、すべて血族関係にある人を意味しています。

≫直系尊属や直系卑属についてもっと詳しく知りたい方はこちら

親族であることの法的効果

親族関係の効果としては⑴相互扶助義務(民法730条)⑵扶養義務(民法877条)⑶相続権(887条~890条)などがあります。

⑴相互扶助義務

親族関係にある者はい互いに助け合わなければならないという義務です。もっとも、倫理上の義務に過ぎませんから強制されることはありません。

⑵扶助義務

直系血族、兄弟姉妹は互いに扶養しなければならないとする義務です。⑴と異なり、一方当事者は他方に対して扶養する法的義務を負います。

⑶相続権

相続とは、被相続人に属していた財産を引き継ぐことをいいます。親族の中でも特に誰が、どの順番で相続できるのかについて民法で規定されています。

7.まとめ

上記のとおり、法的な意味での親族には一定の範囲があります。親族の具体的範囲を知るためには、血族、姻族、親等の知識も必要不可欠です。この際にご確認いただければと思います。

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