40万人近いユーザーがブログを開設しているとされるアメブロ。日本国内でも有数の巨大ブログサービスであることから、誹謗中傷を受けてしまったときの被害も大きくなりがちです。
今回は、アメブロで誹謗中傷を受けてしまったときの対策方法について解説します。今誹謗中傷の被害に遭って悩んでいる方はもとより、アメブロを解説している方も参考にしてください。
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記事の目次
アメブロとは
アメブロとは、サイバーエージェントという会社が運営している無料のブログサービスです。サイバーエージェントは「Ameba」と名付けた一連のコミュニケーションサービスを展開しており、そのブログ版がアメブロということになります。
アメブロは2004年にサービスが開始され、2018年にはユーザー数が40万人、Amebaサービス自体の会員数は6,200万人を突破するほどの規模となっています。
アメブロの大きな特徴が、芸能人や有名人などが多くブログを開設していること。中には1日1億アクセスを稼ぐ芸能人もおり、このようなアクセスの多さがアメブロ自体のインターネット上での価値を押し上げているともいえます。
また、芸能人や有名人だけでなく、ビジネス利用も非常に多いのがアメブロの特徴です。アメブロはもともと商用利用ができませんでしたが、現在は商用利用もできるようになっているため、個人事業主をはじめ、様々な人がアメブロ上で広告を出したり、商品やサービスをPRしています。
一時期は、個人事業主が開業したらアメブロを開設することがスタンダードとなっているような時期もあったほどです。
ただその一方で、利用者が多くアカウントを持たない人もコメントを書き込めることなどから、誹謗中傷や営業妨害となる書き込みが問題になることも少なくありません。検索にもかかりやすく、多くの人の目に触れやすいアメブロでの誹謗中傷や営業妨害は、被害を受けた人にとっては損害が大きく、すぐに投稿の削除などの対策を取る必要があります。
アメブロが禁止している行為とは
投稿を削除する方法はこれからご紹介しますが、どのような投稿でも削除の対象になるわけではありません。アメブロは「Ameba利用規約」を定めており、その中で「この規約に違反したものは内容を削除したり、サービスの利用停止などの措置をとります」と定めています。
では、どのような内容が規約違反にあたるのでしょうか?それは以下の内容です。
(2) 他の会員や利用者、当社、その他第三者を中傷したり、名誉を傷つけたりするもの、権利を侵害するもの
① 他の会員や利用者、当社、その他第三者について、誹謗中傷もしくは侮辱する、又は名誉や信用を傷つける行為、表現・内容の送信等
② 人種、民族、性別、信条、社会的身分、居住地、身体的特徴、病歴、教育、財産等による差別につながる表現・内容の送信等
③ 本人の承諾のない個人情報(但し、一般に公開されている著名人などの情報は除く)の送信等
④ 第三者の商標権、著作権、著作者人格権等の知的財産権、肖像権及びパブリシティ権等の権利を侵害する、又はその恐れのある行為、表現・内容の送信等
⑤ 第三者の財産、プライバシー等個人の権利を侵害する、又はその恐れのある行為、表現・内容の送信等
このように、中傷したり名誉を毀損したりするような内容の送信は、削除の対象となるとされています。アメブロで誹謗中傷を受けたと感じたときには、まずこの規約を確認し、規約に違反しているかどうかをチェックしましょう。
削除方法①投稿者に直接連絡して投稿を削除してもらう
アメブロを通じて誹謗中傷の被害を受けてしまったときは、できるだけ早く対策を取らなければなりません。誹謗中傷の内容がどんどん拡大してしまえば、被害を受けた人のイメージが大きく低下し、ビジネスにも影響を及ぼす可能性があるからです。
まずとりうる方法としては、誹謗中傷の内容を投稿している投稿者に対して直接連絡を取り、投稿を取り消し、または修正してもらうように依頼するという方法があります。
アメブロでは、Amebaアカウントを持っていればメッセージを送ることができます。このメッセージ機能を使って、「この投稿を取り消してください」と連絡するのです。
誹謗中傷の投稿を行っている人の中には、自分のしている行為が違法な行為ではないと思っている人もいます。たいした問題ではないと軽く考えている投稿者の場合、こうしたメッセージが来ることで削除の依頼に応じてくれることもあります。
しかし、投稿者が悪意を持って誹謗中傷を行っている場合、返って火に油を注いでしまうことにもなりかねません。投稿者に直接連絡しても削除してくれない場合には、次の方法に移ります。
削除方法②サイバーエージェントに連絡して削除を依頼する
投稿者が削除依頼に応じてくれない、または、そもそも直接依頼しても削除には応じないことが明らかであるようなときは、アメブロの運営者であるサイバーエージェントに投稿の削除を依頼することになります。
アメブロの運営者であるサイバーエージェントは、「権利者向け窓口」という問い合わせ窓口を設置して誹謗中傷の被害に対応しています。そこで、この窓口を利用してサイバーエージェントに対して投稿の削除を依頼するのです。では、削除依頼の手順を見ていきましょう。
必要な項目を入力する
問い合わせフォームに、必要な情報を書き入れていきます。
ここで注意が必要なのが、侵害内容と侵害されている権利の部分でしょう。サイバーエージェントは、権利侵害が行われていることが対応の前提となっているため、この二つの項目はしっかりと記載しなければなりません。
ポイントは、客観的に権利侵害があることがわかるように記載することです。
送信防止措置請求を行う
サイバーエージェントに権利者向け窓口を通じて削除依頼を行ったとき、サイバーエージェントから、必要書類を提出するように求められることがあります。このときは、サイバーエージェントの指示に従い、送信防止措置請求の申し出を行うことになります。
送信防止措置の申出の流れは以下のとおりです。
送信防止措置依頼書をダウンロードして必要事項を記入し、簡易書留で郵送する
まず、こちらから侵害情報の通知書兼送信防止措置依頼書をダウンロードします。
なお、送信防止措置依頼書を送るときには、以下の書類を添付することになりますので、準備に漏れがないように気をつけてください。
・個人の方
押印と同じ印影の3ヶ月以内の印鑑登録証明書
住民票、パスポート、運転免許証、保険証等の、ご本人様であることを証明できる公的書類の写し
・法人の方
押印と同じ印影の3ヶ月以内の代表取締役印の印鑑登録証明書
発行3ヵ月以内の代表者の資格証明書(登記簿謄本など)
・個人・法人共通
代理人による申立ての場合は、上記の本人を証明する書類に加え、委任状の写し
サイバーエージェントで審査が行われる
送信防止措置依頼書が届いたら、サイバーエージェントが投稿の削除が適切かどうかの審査を行うことになります。このとき、投稿の削除という措置が適切であると判断された場合には、誹謗中傷の投稿が削除されます。
一方、サイバーエージェントが削除措置が適切かどうか判断できない場合には、削除依頼を行った人に対してサイバーエージェントから連絡が来ることがあります。
投稿者にサイバーエージェントから意見照会が行われる
さらに、投稿の削除が適切かどうかが判明しない場合は、投稿者に対してもサイバーエージェントが「投稿の削除に同意するかどうか」についての意見を照会します。
このとき、投稿者から7日経っても連絡がなければ投稿は削除されますが、投稿者から削除には同意しないという返答が来た場合は、サイバーエージェントが投稿の削除をするかどうかを判断することになります。
サイバーエージェント側が投稿を削除するかどうかを判断し、対応する
最終的にサイバーエージェントが「投稿削除が適切だ」と判断した場合、投稿が削除されます。もし投稿を削除することが適切ではないと判断した場合は、その旨通知されます。
削除方法③弁護士に依頼する
アメブロ側が投稿削除に応じてくれない場合、それでも投稿を削除してほしいと考えるのであれば、次に取る方法として、弁護士に依頼するという方法があります。
アメブロ側が投稿削除に応じないという判断をしたということは、権利侵害が行われているかどうかが不明確、または権利侵害がなされていないと判断したためと考えられます。そこで、法律の専門家である弁護士に依頼して、権利侵害があったということを明らかにしてもらうのです。
投稿削除の仮処分を申し立てる
弁護士を通じて、「権利者向け窓口」から対応を依頼することもできますが、早く解決したいのであれば、投稿削除の仮処分の申し立てを行うという方法があります。仮処分の申し立てを行えば、2週間から1ヶ月程度で裁判所が「投稿削除が適切かどうか」を審理し、適切であると裁判所が判断したときには、暫定的に削除の仮処分命令を出してくれます。
投稿者を特定し、損害賠償を請求したいとき
誹謗中傷の書き込みによって甚大な被害を受け、投稿を削除されただけでは気が収まらない、受けた損害を賠償してほしいと考えるときには、投稿者を特定して損害賠償請求などの法的措置に移ることになります。
まず、投稿者を特定するためには、発信者開示請求をアメブロ側に行う必要があります。この請求にアメブロ側が応じてくれた場合、投稿者のIPアドレスを開示してくれますので、それを基にプロバイダを特定し、プロバイダに対して再度発信者情報開示請求を行うことになります。
プロバイダが発信者情報開示請求に応じると、投稿者の氏名や住所、連絡先などの情報を提供してくれますので、それを基にして損害賠償の請求などを行っていくことになります。
もしもアメブロやプロバイダが発信者開示請求に応じてくれない場合、それでもなんとかして投稿者を特定したいのであれば、発信者情報開示請求訴訟という訴訟を提起していくことになります。
訴訟をするとなると費用も時間もかかるため、弁護士に相談しながら適切な解決方法を考えていきましょう。
まとめ
アメブロは、芸能人が多く利用することから知名度も高く、ビジネス利用をしている人も多いため、誹謗中傷が起きると被害が大きくなりがちです。できるだけ早く誹謗中傷の被害を解決するためには、法的知識と対策の手順を知っていることが不可欠です。できるだけ早い段階から弁護士に相談して対策を進めていきましょう。
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