落書きで逮捕される場合の罪は?器物損壊?逮捕後の流れ・対処法を解説
落書きをするとどんな罪で逮捕されるのだろう…逮捕されるとその後どうなってしまうのだろう…

このようにお考えではないでしょうか。

結論から言いますと、落書きをすると、器物損壊罪などの罪で逮捕される可能性があります。警察に逮捕されると、検察官が刑事処分(起訴または不起訴)を決定するまで最大で23日間身柄拘束されます。起訴されると刑事裁判にかけられ、有罪判決となれば前科がついてしまいます

この記事では、刑事事件に強い弁護士が、

  • 落書きはどのような犯罪で逮捕される可能性があるのか
  • 落書きで警察は捜査・逮捕しないのか
  • 落書きに関する逮捕事例
  • 落書きで逮捕された後の流れ
  • 落書きの罪を犯してしまった場合の対処法

などについてわかりやすく解説していきます。

なお、落書きで逮捕されるおそれがある方や、既に逮捕された方のご家族の方で、この記事を最後まで読んでも問題解決しない場合には、全国無料相談の弁護士までご相談ください

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落書きはどんな罪で逮捕される可能性がある?

器物損壊罪

器物損壊罪とは、建造物等以外の「他人の物を損壊し」た場合に成立する犯罪です

器物損壊罪が成立した場合には、「3年以下の懲役」または「30万円以下の罰金若しくは科料」が科されます(刑法第261条)。

看板や記念碑、街路樹、標識、ガードレール、公園の遊具などもすべて他人が所有する「他人の物」に該当します。公共物についても各自治体が所有権を有しているため、他人の物に当たります

「損壊」について判例・通説は、物の効用を害する一切の行為という「効用侵害説」を採用しています。後述の判例においても、「落書き行為は、本件建物の外観ないし美観を著しく汚損し、原状回復に相当の困難を生じさせたものであって、その効用を減損させたものというぺきであるから、・・・『損壊』に当たる」と判示しています。

なお、器物損壊罪は親告罪ですので、被害者による告訴がなければ検察官は公訴を提起(起訴)することができません。

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建造物等損壊罪

さらに他人の家・壁、ビルなどに落書きをした場合には、「建造物等損壊罪」に該当する可能性があります

「他人の建造物又は艦船を損壊した」場合には、建造物等損壊罪が成立します(刑法第260条)。同罪の法定刑は、「5年以下の懲役」が科されます。

「建造物」とは、家屋その他これに類似する建造物をいい、屋根があり壁または柱で支持され土地に定着し、少なくともその内部に人が出入りすることができるものをいいます。「艦船」は、軍艦または船舶のことを指します。

このような建造物等損壊罪は、客体の重要性により器物損壊の刑罰が加重されたものと考えられています。また、器物損壊罪とは異なり非親告罪であるため、被害者による告訴がなくても公訴提起ができます。

なお、家屋の外囲に建て付けてある雨戸や板戸のように損壊することなく自由に取り外せる物については建造物には当たらないため、前述の器物損壊罪が成立することになります。

文化財保護法違反

「重要文化財を損壊し、毀棄し、又は隠匿した」場合や「史跡名勝天然記念物の現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をして、これを滅失し、毀損し、又は衰亡するに至らしめた」場合には、文化財保護法違反となります(同法第195条、196条参照)。

そのため、重要文化財や史跡名勝天然記念物に落書きをした場合には、文化財保護法違反の犯罪が成立する可能性があるのです。

上記のような文化財保護法違反に該当する場合には、「5年以下の懲役若しくは禁錮」または「100万円以下の罰金若しくは科料」が科されます。

公職選挙法違反

公職選挙法は、「交通若しくは集会の便を妨げ、演説を妨害し、又は文書図画を毀き棄し、その他偽計詐術等不正の方法をもつて選挙の自由を妨害したとき」には選挙の自由妨害罪が成立することを規定しています(公職選挙法第225条2号)。

そのため、選挙ポスターに落書きした場合には公職選挙法違反の罪が成立する可能性があります

同罪に法定刑は、「4年以下の懲役若しくは禁錮」または「100万円以下の罰金」と規定されています。

軽犯罪法違反

上記のほか、落書きをした場合には、軽犯罪法違反に該当する可能性があります。

同法は、「みだりに他人の家屋その他の工作物にはり札をし、若しくは他人の看板、禁札その他の標示物を取り除き、又はこれらの工作物若しくは標示物を汚した者」に対して、「拘留」または「科料」を科す旨が規定されています(軽犯罪法第1条33号)。

このほかにも各自治体が定めた迷惑防止条例や落書き防止条例がある場合には、それらの条例違反として刑罰の対象となる可能性があります。

落書きで警察は捜査・逮捕しない?

捜査されて逮捕されることもある

落書きを含む器物損壊事件で逮捕されることはありえるのでしょうか。

検察統計(2021年)罪名別 既済となった事件の被疑者の逮捕及び逮捕後の措置別人員」によると、同年の検察庁における毀棄・隠匿について処理された件数は約7600件で、そのうち逮捕されていないものは約4700件です。

したがって、約6割の毀棄・隠匿に係る事件は逮捕されていないことが分かります。

しかし、事案に応じて毀棄・隠匿事件であっても逮捕されているケースもありますので、落書きにより器物損壊事件であるから絶対に逮捕されないと安心することはできないため注意が必要です。

捜査の結果、監視カメラや目撃証言などから後日警察が尋ねてきて逮捕されてるという場合も十分考えられます

逮捕されずに在宅事件になることも

落書きについて事実を認めて反省している場合には、逃亡・罪証隠滅のおそれがないとして逮捕されずに在宅事件として手続きが進むケースもあります。

在宅事件となった場合には、身体拘束を受けませんのでこれまで通り日常生活を送ることができますが、警察や検察官の呼出に応じて取り調べを受けることになります。在宅事件であっても身柄事件と同様に検察官が起訴・不起訴の判断をします。そのため在宅事件になったからといって、その後起訴されて有罪となれば前科記録が残ることになります。また、有罪判決となれば、勤務先の会社を解雇されたり、通学中の学校で退学処分を受けるリスクを負うこととなります。

そのため、有罪となることを回避するためには早期に弁護士に依頼して、不起訴に向けた弁護活動をしてもらうことが重要となります

落書きにに関する逮捕事例・判例

公衆便所の落書きが建造物損壊罪に当たると判断した事例

この事案は、公園内の公衆便所の白色外壁に、ラッカースプレーで赤色及び黒色のペンキを吹き付け、「反戦」、「戦争反対」及び「スペクタクル社会」と大書きしたことが器物損壊罪に該当するとして現行犯逮捕、その後、起訴されたものです。

公衆便所の壁に対する落書き事件に関して、最高裁判所は、「本件落書き行為は、本件建物の外観ないし美観を著しく汚損し、原状回復に相当の困難を生じさせたものであって、その効用を減損させたものというべきであるから、刑法260条前段にいう「損壊」に当たると解するのが相当であり、これと同旨の原判断は正当である」と判示し、落書きが建造物損壊罪に該当することを認めました(最高裁判所平成18年1月17日決定)。

落書きが器物損壊罪ではなく軽犯罪法違反であると判断された事例

この事案は、被告人が、市内路上において、同所に設置された町内会所有の掲示板に黒色油性ペンで「8/6 E バクハツ」と落書きをして汚損したことが器物損壊罪に該当するとして現行犯逮捕、その後、起訴されたものです。

この事案で裁判所は、「本件落書きは、本件掲示板の美観を著しく損ねるものとはいえるが、原状回復に相当の困難を生じさせたものとはいえない。そして、他に本件落書きが本件掲示板の効用を減損すると認めるに足りる証拠はない。したがって、本件落書きが本件掲示板の効用を減損させたものとは認められないから、被告人が本件掲示板を汚損したとは認められない。・・・他方で、上記認定のとおり、本件落書きは本件掲示板の美観を損なうものであるから、被告人の本件落書きは軽犯罪法1条33号の「汚す」に該当する」と判示しています。

すなわち、裁判所は、当該落書きは器物損壊罪には該当しないものの、軽犯罪法違反に該当すると判断されました(横浜地方裁判所平成30年6月26日判決)。

落書きで逮捕された場合の流れ

落書きで逮捕された後は、以下の流れで手続きが進んでいきます。

  1. 警察官の弁解録取を受ける
  2. 逮捕から48時間以内に検察官に事件と身柄を送致される(送検)
  3. 検察官の弁解録取を受ける
  4. ②から24時間以内に検察官が裁判官に対し勾留請求する
  5. 裁判官の勾留質問を受ける
    →勾留請求が却下されたら釈放される
  6. 裁判官が検察官の勾留請求を許可する
    10日間の身柄拘束(勾留)が決まる(勾留決定)
    →やむを得ない事由がある場合は、最大10日間延長される
  7. 原則、勾留期間内に起訴、不起訴が決まる
  8. 正式起訴されると2か月間勾留される
    →その後、理由がある場合のみ1か月ごとに更新
    →保釈が許可されれば釈放される
  9. 勾留期間中に刑事裁判を受ける

落書きで逮捕されてから最大3日間(48時間+24時間)は弁護士以外の者との連絡はとれません。そのため、会社勤めされている方や学校に通われている方は、弁護士を介して家族から会社や学校に休みの連絡を入れるようお願いしましょう。また、逮捕に引き続き勾留が決定すると、刑事処分(起訴・不起訴)が決まるまで最大20日間身柄拘束されます。

起訴されたら日本では99%以上の確率で有罪判決となってしまうため、落書きで逮捕されてから刑事処分が決まるまでの最大23日間の間に、不起訴に向けた弁護活動が重要となります

不起訴処分となれば刑事裁判にかけられることはありませんので、有罪となることも前科がつくこともありません。つまり、不起訴処分になれば実質的に無罪と同様の効果を得ることができます

落書きの罪を犯してしまった場合の対処法

落書きの罪を犯した場合には、被害者に真摯に謝罪するとともに、示談を成立させることが最も重要です。

被害者が警察に被害を申告する前に示談を成立させることができれば、警察に事件が発覚することを防ぐことができます。被害者に捜査機関に被害を申告しないこと、被害届や告訴状を提出しないことに合意していただけるからです。警察に事件が発覚しなければ、逮捕や厳しい取調べ、逮捕に引き続く長期の身柄拘束、刑罰を受けることを免れることができます。

示談交渉、示談成立のタイミングがはやければはやいほど、得られる効果は大きくなりますので示談交渉を思い立ったらはやめに行動に移すことが大切です

また、万が一被害者に被害申告された後でも示談交渉はすべきです。被害申告された後でも被害者と示談できれば、被害者の告訴を取り下げていただくことになるでしょう。落書きの多くは器物損壊の罪に問われますが、器物損壊は親告罪であるため、被害者が告訴を取り下げると検察官は事件を起訴できない、すなわち、刑事処分を不起訴にせざるをえません

もっとも、落書きをした加害者と直接の示談交渉に応じてくれる被害者は多くありません。また、仮に応じてくれた場合でも、落書きの除去費用を大幅に上回る示談金を請求されるケースもあります。

そのため、落書きの被害者との示談交渉は弁護士に任せることをお勧めします

弁護士であれば示談交渉に応じても良いと考える被害者も多いです。また、弁護士であれば、一定の譲歩は見せつつ柔軟な態度を取りつつも、相手からの不当な要求に対しては毅然とした態度で要求を拒否し、適切な額で示談を成立させることが可能です。

当事務所では、落書き等の器物損壊の被害者との示談交渉、逮捕の回避、不起訴の獲得を得意としており実績があります。親身誠実に弁護士が依頼者を全力で守りますので、落書き事件を起こしてお困りの方は当事務所の弁護士までご相談ください。お力になれると思います。

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