公然わいせつ罪の不起訴率と不起訴を目指すためにすべきこと

公然わいせつ事件で不起訴を獲得できれば、刑事裁判を受ける必要はなく、前科もつきません。

検察統計によると、公然わいせつ事件の不起訴率は約46%。適切な対応をとることで、不起訴を目指すことは十分に現実的な選択肢です。

「公然わいせつで不起訴になる可能性はどのくらいあるのか」「不起訴を獲得するためには具体的に何をすればいいのか」。こうした疑問をお持ちの方に向けて、本記事では公然わいせつ事件に強い弁護士が以下のポイントをわかりやすく解説します。

  • 公然わいせつの不起訴率と不起訴になった場合のメリット
  • 不起訴を獲得するために取るべき5つの具体的な対応
  • 弁護士に依頼することで不起訴の可能性が高まる理由

なお、公然わいせつについて早急に対応したいとお考えの方は、この記事をお読みいただいた後、全国どこからでもご利用いただける当事務所の無料相談をお気軽にご利用ください。

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そもそも公然わいせつ罪とは?

まず、そもそも公然わいせつ罪とはどのような罪なのか解説します。

公然わいせつ罪の成立要件

公然わいせつ罪が成立するための要件は「公然」と「わいせつな行為」をしたことです。

公然とは、不特定または多数の者が認識できる状態のことをいいます。認識される状態であればよく、現実に不特定または多数の人に見られたことが要件ではありません。たとえば、公園や道路は、仮にその場に誰もいなかったとしても、いつ不特定または多数の人に見られるかわからないため公然性のある場所といえます。また、屋内や車内などのプライベートな空間であっても、そこが人の目が容易に届くような場所であれば、やはり公然性のある場所といえます。

さらに、近年はネット上でわいせつな行為をして公然わいせつ罪で逮捕される事例を目にしますが、ネット上の空間も不特定または多数の人が容易にアクセスできる場所であることから、公然性が認められます。

次に、わいせつな行為とは、行為者または他の人の性欲を刺激・興奮・または満足させる行為であって、普通人の性的羞恥心を害し、善良な性的道徳観念に反するものをいうとされています。他人にとって性欲を満足させる行為ではなくても、行為者にとって性欲を満足させる行為であれば、わいせつな行為にあたります。

また、「普通人の~」とあるように、どのような行為がわいせつな行為かどうかは、通常の性的感覚をもった人を基準に考えるということです。したがって、行為者の感覚からすれば「大したことではない」という行為であっても、他の人の感覚からすれば「いやらしい」「恥ずかしい」と思わせる行為であれば、わいせつな行為にあたる可能性があるということになります。

公然わいせつ罪にあたる行為の具体例

以上の公然わいせつ罪が成立するための要件からすると、以下の行為が公然わいせつ罪にあたると考えられます。

  • 公園で全裸になった
  • 公園で性交した
  • ズボンのチャックを開けて陰茎を出しながらコンビニのレジで精算した
  • 人通りが多い駐車場に停めた車の中で、人に見せつけるように陰茎を出した
  • ネット上で性交の状況をリアルタイムで配信した

公然わいせつ罪の罰則

公然わいせつ罪の罰則は6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金、あるいは拘留もしくは科料ですが、実際に科される刑罰としては拘禁刑または罰金であることがほとんどです。

※拘禁刑とは、刑務所などの刑事施設に収容して改善更生を図る刑罰です。令和4年の刑法改正により、従来の懲役刑と禁錮刑が統合され、令和7年6月1日から施行されています。

もっとも、不起訴になれば、これらの刑罰を科されることもありませんので、公然わいせつ事件を起こした場合は不起訴を獲得することが重要となってきます。万が一逮捕された場合の手続きについては「公然わいせつで逮捕されたらどうなる?流れや逮捕されるケース」で詳しく紹介しています。

公然わいせつで不起訴になる可能性は?

公然わいせつ事件では、どのくらいの割合で起訴を免れているのでしょうか。ここでは、そもそも不起訴とは何を意味し、それによってどのような利点が得られるのかというところから解説していきます。

不起訴とは?どんなメリットがあるのか?

不起訴とは、起訴されないという検察官の刑事処分の一つです。

起訴されると、公判請求の場合は法廷で刑事裁判を受け、略式請求の場合は書面審理で罰金の略式命令を受けます。いずれも有罪が確定すれば前科がつきます。一方、不起訴は起訴とは反対の結果です。つまり、刑事裁判を受ける必要がなくなり、拘禁刑・罰金などの刑罰も受けるおそれがなくなります。前科もつきません。

現行犯で逮捕された場合でも、不起訴となれば裁判を受けずに済み、前科も回避できます。

公判請求されれば、裁判所に行き法廷で裁判を受けなければいけません。また、判決までどのような刑罰を受けるのか不安を抱えて過ごすことになります。不起訴となれば、こうした負担からも解放されます。

公然わいせつ事件の不起訴率は約46%

令和7年(2025年)の検察統計によると、公然わいせつ罪で起訴された人は814人、不起訴となった人は693人とのことです。このことから、公然わいせつ罪での不起訴率は約46%ということになります。

犯罪全体では約60%が不起訴とされており、公然わいせつ事件はこれを14ポイント下回ります。何もしなければ起訴される可能性の方が高いのが実情です。とはいえ、4割を超える事件が起訴されずに終わっているのも事実です。適切な対応を尽くせば、不起訴を目指すことには十分な現実性があります。

なお、起訴された814人のうち、正式起訴された人は175人、略式起訴された人が639人とのことです。つまり、公然わいせつ罪で起訴された人の約79%が罰金の略式命令を受けているということになります。公然わいせつ罪がどのようなケースで成立するかについては「公然わいせつの有名判例を弁護士が解説」もご参照ください。

公然わいせつで不起訴となる理由とは?

ひと口に不起訴といっても、その理由は一つではありません。ここでは、実際の統計も踏まえながら、次の3つの理由についてわかりやすくご紹介します。

  • ① 起訴猶予
  • ② 嫌疑不十分
  • ③ 嫌疑なし

①起訴猶予

起訴猶予とは、罪を犯したことは明らかであるものの、犯人の性格、年齢および境遇、犯罪の軽重および情状ならびに犯罪後の情況により、起訴を見送った方がいいという判断に至ったときにくだされる不起訴の理由です。つまり、検察官が起訴すれば有罪を獲得できる見込みは十分にあるものの、諸般の事情から起訴を見送るときになされる不起訴ということです。

先ほどの統計によると、起訴を免れた693人のうち579人、つまり公然わいせつで不起訴となった人の約84%が、この起訴猶予によるものでした。

公然わいせつ事件では、目撃者の供述や防犯ビデオ映像など犯罪を証明し得る証拠が集まりやすく、本人が罪を認める自白事件も多いため、嫌疑不十分による不起訴は生じにくくなります。その結果、不起訴となる場合はその約84%が起訴猶予によるものとなっています。

このように、事実関係を争わない公然わいせつ事件では、起訴猶予の獲得を基本的な方針に据えることが重要になります。

②嫌疑不十分

次に、嫌疑不十分とは、犯罪の成立を認定すべき証拠が不十分なときにくだされる不起訴の理由です。検察官が起訴しても証拠不十分で無罪判決を受ける可能性がある場合に、このような判断がなされます。

公然わいせつ事件でも、目撃者の供述が曖昧であったり、防犯カメラ映像などの証拠が十分でない場合には、嫌疑不十分による不起訴となることがあります。

同じ統計では、不起訴となった693人のうち108人、つまり約16%が嫌疑不十分によるものでした。

なお、身に覚えがない、公然性やわいせつ性の評価に争いがあるといった事件では、反省を示すのではなく、証拠の弱さを指摘して嫌疑不十分を目指すという別の方針になります。どちらで臨むかは初期に固める必要があり、供述が途中で変われば信用性を疑われます。争いがあるなら取り調べの前にご相談ください。

③嫌疑なし

最後に、嫌疑なしとは、被疑者が犯人でないことが明白なとき、または犯罪の成否を認定すべき証拠がないことが明白なときにくだされる不起訴の理由です。誤認逮捕や冤罪といったケースがこれにあたります。

公然わいせつ事件でも、人違いや証拠の明確な欠如があれば嫌疑なしとなりえますが、実際には非常に稀です。

実際の統計を見ても、公然わいせつ事件で嫌疑なしによる不起訴となった人は0人でした。やはり、捜査機関もその人が犯人かどうかを慎重に見極めたうえで検挙に踏み切るからです。

公然わいせつ事件で不起訴を目指す方法

公然わいせつ事件で不起訴を目指すためには、どのような対応をとればよいのでしょうか。ここでは、不起訴の中でも多くを占める「起訴猶予」を獲得するためのポイントを中心に解説します。具体的な方法は次の通りです。

  • ① 罪を素直に認め、反省の意思を示す
  • ② 目撃者に謝罪し、示談交渉を行う
  • ③ 贖罪寄付などで反省の姿勢を示す
  • ④ 再犯防止に向けた具体的な取り組みを行う
  • ⑤ まだ発覚していない場合は自首を検討する

①罪を素直に認め、反省の態度を示す

公然わいせつ事件で不起訴を目指すにあたって、まず重要となるのが、罪を認め、反省の態度を示すことです。

起訴猶予による不起訴を獲得するには、検察官に対し再犯のおそれがないことを示す必要があります。そのためには、まずは自分のやったことを素直に認めることが大前提となります。

反対に、罪が成立することが明らかであるにもかかわらず頑なに否認し続けていると、反省の態度がみられない、再犯のおそれがあると判断され、不起訴を獲得することが難しくなります。

反省の態度を示すには、取り調べに応じ、自分のやったことを記憶にある限りすべて話すことが必要です。加えて、反省文を書いて検察官に提出する、示談を成立させる、贖罪寄付をする、再犯防止に向けた具体的な行動に出る、自首するといったことなども反省の態度を示す方法として有効でしょう。

②目撃者に真摯に謝罪し、示談交渉を行う

公然わいせつ事件では、目撃者との示談交渉が不起訴につながる重要な要素となることがあります。

確かに、公然わいせつ罪は不同意性交等罪などの個人の法益を守る罪とは異なり、社会の健全な性秩序という社会の法益を守る罪です。つまり、個人を守る罪ではない以上、個人と示談交渉し、その人に示談金を払ったとしてもさほど意味はないという考え方もあります。

しかし、公然わいせつ事件の多くは目撃者からの通報がきっかけとなっており、その人に不快な思い、不安な思いをさせたことは間違いありません。法的には被害者でなくとも、それに近い存在といえます。

したがって、目撃者と示談を成立させることで、公然わいせつで不起訴を目指すうえでも効果的な対応といえます。示談の具体的な流れや示談金の相場については「公然わいせつの示談金相場は?示談の流れとできない場合の対処法」で詳しく解説しています。

示談が成立し、目撃者が「厳しい処罰までは望まない」との意向を示せば、それは検察官が起訴猶予を判断するうえで有利な事情として考慮されます。

③贖罪寄付をする

目撃者との示談が難しい場合や、目撃者がいない公然わいせつ事件では、贖罪寄付を行うことも有効な方法です。

贖罪寄付とは、慈善団体などに金銭の寄付をすることです。示談交渉に応じてもらえない、話し合いがまとまらない、そもそも目撃者が特定できないといった場合にとられる方法であり、反省の態度を示す手段として一定の効果が期待できます。

贖罪寄付は、反省の態度を客観的に示す資料として検察官に提出でき、有利な情状として考慮されることがあります。贖罪寄付の具体的な手続きや寄付金額の目安については「贖罪寄付とは?その効果と寄付を検討すべき2つのケース、手続の流れ」で解説しています。

④再犯防止に向けた具体的な取り組みを示す

検察官に「もう二度と同じことを繰り返さない」と思わせることは、公然わいせつ事件で不起訴を目指すために非常に重要です。

再犯防止に向けては、家族などの周囲の理解・協力が不可欠です。したがって、まずはご自分の状況を周囲に説明し、理解してもらい、協力を得られる状況を作らなければなりません。

家族と離れて暮らしている方は同居することなども考える必要があるでしょう。また、盗撮など他の性犯罪の前科・前歴があり、性癖が根深い場合は、性癖治療専門の病院に定期的に通院し、専門家の指導のもとで治療を進めていくことも重要です。

こうした取り組みの積み重ねが、不起訴の可能性を高めます。

⑤自首する

まだ事件が発覚していない段階であれば、自首するという選択肢もあります。これは、公然わいせつ事件においても同様です。

自首は罪を全面的に認めていることが前提となるため、反省を示すことにもつながります。

また、自首が成立すれば裁判所の裁量で刑を減軽できます(刑法42条1項)。ただし、犯罪事実または犯人が捜査機関に発覚する前の申告でなければ自首は成立しません。発覚前に自ら申告した事実は、反省の深さと再犯のおそれの小ささを示す事情として起訴猶予の判断でも有利に働くため、不起訴を目指すうえでも有力な選択肢となります。自首のメリットや流れについては「公然わいせつで自首すべき?5つのメリットと自首後の流れ」をご参照ください。

公然わいせつ事件で不起訴を目指す際に弁護士に相談するメリット

不起訴を目指すうえで弁護士のサポートは欠かせません。ここでは、相談・依頼することで得られる具体的なメリットをご紹介します。弁護士費用について知りたい方は「公然わいせつの弁護士費用の相場は?依頼のメリットや選び方を解説」もあわせてご確認ください。

  • ① 取り調べ対応について適切なアドバイスが受けられる
  • ② 目撃者との示談交渉を任せることができる
  • ③ 自首に際して適切な準備や同行サポートを受けられる
  • ④ 再犯防止策を検察官に的確に伝えてもらえる

①取り調べの対応について、弁護士からアドバイスがもらえる

公然わいせつ事件で不起訴を目指す場合、最初の関門となるのが取り調べ対応です。

取り調べでは、たとえば、余罪についてなど、何をどこまで話すべきなのか判断に迷うときが出てきます。そうした場合に弁護士に依頼していれば、状況に応じて的確なアドバイスを受けることができます。なお、後日逮捕の可能性が気になる方は「公然わいせつ罪は現行犯ではなく後日逮捕されることはある?」もあわせてお読みください。

②示談交渉を任せることができる

公然わいせつで不起訴を目指すうえで、目撃者との示談は大きな意味を持ちますが、交渉のハードルは高いものです。

前述のとおり、目撃者との示談交渉によって示談を成立させることで、不起訴につなげることができます。

しかし、公然わいせつ事件の目撃者は通りすがりの第三者であることが多く、面識も連絡先もないため、そもそも交渉を始められないという壁に突き当たります。

この場合、警察を通じて目撃者の連絡先を得る必要がありますが、捜査機関が被疑者本人にこれを教えることは通常ありません。弁護人が就いて初めて、目撃者の同意を前提に連絡先が伝えられることがあります。

つまり、示談交渉の端緒をつかむには、弁護士を通じた働きかけが事実上欠かせないということになります。

③自首に同行してもらえる

まだ事件が発覚していない場合は、自首を有効に活用することも選択肢になります。

ただし、単に警察署へ出頭すればよいというものではありません。逮捕の回避や不起訴獲得につなげるための準備をし、警察とも密に連絡を取り合った上で出頭する必要があります。

弁護士が警察署まで同行すれば、その場で身柄を拘束されるかどうかの見通しを立てたうえで臨むことができ、一人で出頭する不安も避けられます。

④再犯防止対策のサポートをしてもらえる

公然わいせつで不起訴を目指す場合、再犯防止に真剣に取り組んでいることを検察官に示すことが欠かせません。

弁護士に相談・依頼すれば、これまでに扱った事件の経験をもとに、今の状況で何から着手すべきかを個別に示してもらえます。

ただし、取り組んでいても検察官に伝わらなければ意味がありません。弁護士であれば、取り組みの内容を意見書にまとめて検察官に伝え、有利な事情として考慮されるよう働きかけられます。

公然わいせつで不起訴を目指したい方は弁護士にご相談ください

公然わいせつ事件の不起訴率は約46%であり、罪を認めて反省の態度を示すこと、目撃者との示談交渉、贖罪寄付、再犯防止への取り組みなど、適切な対応をとることで不起訴を獲得できる可能性は十分にあります。

ただし、逮捕された場合、起訴・不起訴は原則として逮捕から最長23日以内に決まります。在宅事件でも書類送検後はいつ処分が下りてもおかしくなく、示談も贖罪寄付も処分が決まった後では間に合いません。連絡先の入手や示談交渉、検察官へのアピールは弁護士の介入なしには難しく、相談が早いほど打てる手が増えます。

「警察から連絡が来ている」「すでに取り調べを受けている」「家族に知られる前に解決したい」。そうした方こそ、一人で抱え込まずにご相談ください。

当事務所は公然わいせつ事件をはじめとする刑事事件に豊富な実績があり、ご相談者一人ひとりの事情に応じた対応を心がけています。全国どこからでも無料でご相談いただけますので、不起訴の獲得に向けて、まずはお気軽にお問い合わせください。

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この記事の監修者

若井亮 弁護士

若井 亮

代表弁護士

弁護士法人若井綜合法律事務所
東京弁護士会所属(登録番号:47827)

弁護士紹介ページ

刑事事件の弁護に注力する法律事務所の代表弁護士。逮捕回避・早期釈放・不起訴獲得・示談交渉など、被疑者・被告人の権利を守るための迅速な弁護活動に豊富な実績を持つ。痴漢・盗撮・暴行傷害・薬物事件・性犯罪など幅広い刑事事件に対応し、24時間体制で依頼者とそのご家族を全力でサポートしている。

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