公然わいせつ罪の不起訴率と不起訴を目指すためにすべきこと

公然わいせつ事件で不起訴となれば、裁判を受ける必要はなく、前科もつきません。これは、将来の生活や社会的信用を守るうえで、非常に重要な意味を持つ結果です。

実際、検察統計によると、公然わいせつ事件における不起訴率は約44%。正しい対応をとれば、不起訴を目指すことは決して非現実的なことではありません。

本記事では、公然わいせつ事件に強い弁護士が、次の3つのポイントについてわかりやすく解説していきます。

  • 公然わいせつ事件で不起訴になるメリットと不起訴率
  • 不起訴を目指すために実際に取るべき対応
  • 弁護士に依頼することで得られるサポートとメリット

「このまま起訴されたらどうしよう…」「何をすれば不起訴になるのか分からない」――そんな不安を抱える方にこそ、ぜひ最後までご覧いただきたい内容です。

当事務所では、全国どこからでも無料でご相談を受け付けています。この記事を最後まで読まれた上で、公然わいせつで不起訴を目指したいとお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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そもそも公然わいせつ罪とは?

まず、そもそも公然わいせつ罪とはどのような罪なのか解説します。

公然わいせつ罪の成立要件

公然わいせつ罪が成立するための要件は「公然」と「わいせつな行為」をしたことです。

公然とは、不特定または多数の者が認識できる状態のことをいいます。認識される状態であればよく、現実に不特定または多数の人に見られたことが要件ではありません。たとえば、公園や道路は、仮にその場に誰もいなかったとしても、いつ不特定または多数の人に見られるとも限らないため公然性のある場所といえます。また、屋内や車内などのプライベートな空間であっても、そこが人の目が容易に届くような場所であれば、やはり公然性のある場所といえます。

さらに、近年はネット上でわいせつな行為をして公然わいせつ罪で逮捕される事例を目にしますが、ネット上の空間も不特定または多数の人が容易にアクセスできる場所であることから、公然性のある場所といえます。

次に、わいせつな行為とは、行為者または他の人の性欲を刺激・興奮・または満足させる行為であって、普通人の性的羞恥心を害し、善良な性的道徳観念に反するものをいうとされています。他人にとって性欲を満足させる行為ではなくても、行為者にとって性欲を満足させる行為であれば、わいせつな行為にあたります。

また、「普通人の~」とあるように、どのような行為がわいせつな行為かどうかは、通常の性的感覚をもった人を基準に考えるということです。したがって、行為者の感覚からすれば「大したことではない」という行為であっても、他の人の感覚からすれば「いやらしい」「恥ずかしい」と思わせる行為であれば、わいせつな行為にあたる可能性があるということになります。

公然わいせつ罪にあたる行為の具体例

以上の公然わいせつ罪が成立するための要件からすると、以下の行為が公然わいせつ罪にあたると考えられます。

  • 公園で全裸になった
  • 公園で性交した
  • ズボンのチャックを開けて陰茎を出しながらコンビニのレジで精算した
  • 人通りが多い駐車場に停めた車の中で、人に見せつけるように陰茎を出した
  • ネット上で性交の状況をリアルタイムで配信した

公然わいせつ罪の罰則

公然わいせつ罪の罰則は6月以下の懲役または30万円以下の罰金、あるいは拘留もしくは科料ですが、実際に科される刑罰としては懲役または罰金であることがほとんどです。

もっとも、不起訴になれば、これらの刑罰を科されることもありませんので、公然わいせつ事件を起こした場合は不起訴を獲得することが重要となってきます。

公然わいせつで不起訴になる可能性は?

公然わいせつではどのくらいの割合で不起訴になっているのでしょうか?ここでは、そもそも不起訴とは何か、不起訴となることでどんなメリットがあるのか、というところから解説していきます。

不起訴とは?どんなメリットがあるのか?

不起訴とは、起訴されないという検察官の刑事処分の一つです。

起訴されると刑事裁判を受け、裁判で有罪となれば懲役・罰金などの刑罰を受けます。裁判が確定すれば前科もつきます。一方、不起訴とは起訴とは反対の結果となります。つまり、刑事裁判を受ける必要がなくなり、懲役・罰金などの刑罰も受けるおそれがなくなります。前科もつきません。

これは、公然わいせつ事件においても同様です。たとえ現行犯で逮捕された場合であっても、不起訴となれば裁判を受けずに済み、前科も回避できます

刑事裁判となれば、裁判所に行き法廷で裁判を受けなければいけません。また、判決を受けるまではどのような刑罰を受けるのか不安を抱えながら生活していくことでしょう。不起訴となれば、こうした負担や不安からも解放されます

公然わいせつ事件の不起訴率は約44%

2023年度の検察統計によると、公然わいせつ罪で起訴された人は822人、不起訴となった人は637人とのことです。このことから、公然わいせつ罪での不起訴率は約44%ということになります。

犯罪全体の不起訴率が約60%であるのに対し、公然わいせつ事件の不起訴率はやや低い傾向にあるといえるでしょう。とはいえ、一定数の公然わいせつ事件が不起訴となっているのも事実であり、不起訴を目指すことには十分な現実性があります。

なお、起訴された822人のうち、正式起訴された人は151人、略式起訴された人が671人とのことです。つまり、公然わいせつ罪で起訴された人の約82%が罰金の略式命令を受けているということになります。

公然わいせつで不起訴となる理由とは?

公然わいせつ事件で不起訴となる場合、どのような理由があるのでしょうか。ここでは、不起訴処分の主な理由について、実際の統計も踏まえてわかりやすくご紹介します。主な理由は次の通りです。

  • ① 起訴猶予
  • ② 嫌疑不十分
  • ③ 嫌疑なし

①起訴猶予

起訴猶予とは、罪を犯したことは明らかであるものの、犯人の性格、年齢および境遇、犯罪の軽重および情状並びに情況により、起訴を見送った方がいいという判断に至ったときにくだされる不起訴の理由です。つまり、検察官が起訴すれば有罪を獲得できる見込みは十分にあるものの、諸般の事情から起訴を見送るときになされる不起訴ということです。

先ほどの統計によると、不起訴となった人の637人のうち554人、つまり、公然わいせつで不起訴となった人の全体の約87%が、この起訴猶予による不起訴となっています。

特に、公然わいせつ事件では、目撃者の供述や防犯ビデオ映像など、犯罪を証明し得る証拠が集まりやすい傾向があります。また、刑事事件においては犯人が罪を認める自白事件が多いため、起訴猶予による不起訴となるケースが多いといえるでしょう。

このように、公然わいせつ事件で不起訴を目指す場合は、起訴猶予による不起訴の獲得を基本的な方針とすることが重要です。

②嫌疑不十分

次に、嫌疑不十分とは、犯罪の成立を認定すべき証拠が不十分なときにくだされる不起訴の理由です。つまり、検察官が起訴しても証拠不十分で無罪判決を受ける可能性があるという場合の不起訴ということです。

公然わいせつ事件でも、目撃者の供述が曖昧であったり、防犯カメラ映像などの証拠が十分でない場合には、嫌疑不十分による不起訴となることがあります。

先ほどの統計によると、不起訴となった人637人のうち74人、つまり不起訴となった人の全体の約12%がこの嫌疑不十分による不起訴となっています。

③嫌疑なし

最後に、嫌疑なしとは、被疑者がその行為者でないことが明白なとき、または犯罪の成否を認定すべき証拠がないことが明白なときにくだされる不起訴の理由です。つまり、誤認逮捕や冤罪といった場合の不起訴ということです。

公然わいせつ事件においても、たとえば人違いや証拠の明確な欠如があれば、嫌疑なしとして不起訴になることは理論上ありえますが、実際には非常に稀です。

先ほどの統計によると、公然わいせつ事件で、嫌疑なしで不起訴となった人はいませんでした。やはり、捜査機関もその人が犯人かどうかを慎重に見極めたうえで検挙に踏み切るからです。

公然わいせつ事件で不起訴を目指す方法

公然わいせつ事件で不起訴を目指すためには、どのような対応をとればよいのでしょうか。ここでは、不起訴の中でも多くを占める「起訴猶予」を獲得するためのポイントを中心に解説します。具体的な方法は次の通りです。

  • ① 罪を素直に認め、反省の意思を示す
  • ② 目撃者に謝罪し、示談交渉を行う
  • ③ 贖罪寄付などで反省の姿勢を示す
  • ④ 再犯防止に向けた具体的な取り組みを行う
  • ⑤ まだ発覚していない場合は自首を検討する

①罪を素直に認め、反省の態度を示す

公然わいせつ事件で不起訴を目指すにあたって、まず重要となるのが、罪を認め、反省の態度を示すことです。

起訴猶予による不起訴を獲得するには、検察官に対し再犯のおそれがないことを示す必要があります。そのためには、まずは自分のやったことを素直に認めることが大前提となります。

反対に、罪が成立することが明らかであるにもかかわらず頑なに否認し続けていると、反省の態度がみられない、再犯のおそれがあると判断され、不起訴を獲得することが難しくなります。

反省の態度を示すには、取り調べに応じ、自分のやったことを記憶にある限りすべて話すことが必要です。加えて、反省文を書いて検察官に提出する、示談を成立させる、贖罪寄付をする、再犯防止に向けた具体的な行動に出る、自首するといったことなども反省の態度を示す方法として有効でしょう。

②目撃者に真摯に謝罪し、示談交渉を行う

公然わいせつ事件では、目撃者との示談交渉が不起訴につながる重要な要素となることがあります。

確かに、公然わいせつ罪は不同意性交等罪などの個人の法益を守る罪とは異なり、社会の健全な性秩序という社会の法益を守る罪です。つまり、個人を守る罪ではない以上、個人と示談交渉し、その人に示談金を払ったとしてもさほど意味はないという考え方もあります。

しかし、公然わいせつ事件の多くは、目撃者からの通報により端を発することがほとんどで、その目撃者に不快な思い、不安な思いをさせたことは間違いありません。目撃者とはいっても被害者に近い存在といえます。

したがって、目撃者と示談を成立させることで、公然わいせつで不起訴を目指すうえでも効果的な対応といえます。公然わいせつ事件における示談の重要性についてはこちらでも詳しく解説しています。

仮に、目撃者が示談交渉の結果を踏まえ、「これ以上、事件に関わりたくない」といって捜査機関に協力できない態度を示すようであれば、不起訴となる可能性は高くなるでしょう。

③贖罪寄付をする

目撃者との示談が難しい場合や、目撃者がいない公然わいせつ事件では、贖罪寄付を行うことも有効な方法です。

贖罪寄付とは、慈善団体などに金銭の寄付をすることです。目撃者が示談交渉に応じない、示談が成立しない、目撃者がそもそも存在しないといった場合にとられる方法であり、不起訴を目指すうえで反省の態度を示す手段として一定の効果が期待できます。

実際、公然わいせつ事件においても、贖罪寄付の実施が起訴猶予による不起訴の判断に影響した例は少なくありません。

④再犯防止に向けた具体的な取り組みを示す

検察官に「もう二度と同じことを繰り返さない」と思わせることは、公然わいせつ事件で不起訴を目指すために非常に重要です。

再犯防止に向けては、家族などの周囲の理解・協力が不可欠です。したがって、まずはご自分の状況を周囲に説明し、理解してもらい、協力を得られる状況を作らなければなりません。

家族と離れて暮らしている方は同居することなども考える必要があるでしょう。また、盗撮など他の性犯罪の前科・前歴があり、性癖が根深い場合は、性癖治療専門の病院に定期的に通院し、専門家の指導のもとで治療を進めていくことも重要です。

こうした取り組みを通じて、公然わいせつ事件で不起訴の可能性を高めることが期待できます。

⑤自首する

まだ事件が発覚していない段階であれば、自首するという選択肢もあります。これは、公然わいせつ事件においても同様です。

自首するということは罪を全面的に認めていることが前提となります。したがって、自首するということは反省していることを示すことにもつながります。

また、自首は法律上の減軽事由です。公然わいせつ事件で不起訴を目指すうえでも、自首は有力な選択肢の一つとなります。公然わいせつで自首するメリットや注意点についてはこちらをご覧ください。

公然わいせつ事件で不起訴を目指す際に弁護士に相談するメリット

公然わいせつ事件で不起訴を目指すにあたっては、弁護士のサポートが非常に重要です。ここでは、弁護士に相談・依頼することで得られる具体的なメリットをご紹介します。弁護士費用の相場や依頼することのメリットについてはこちらもご参照ください。

  • ① 取り調べ対応について適切なアドバイスが受けられる
  • ② 目撃者との示談交渉を任せることができる
  • ③ 自首に際して適切な準備や同行サポートを受けられる
  • ④ 再犯防止策を検察官に的確に伝えてもらえる

①取り調べの対応について、弁護士からアドバイスがもらえる

公然わいせつ事件で不起訴を目指す場合、最初の関門となるのが取り調べ対応です。

取り調べでは、たとえば、余罪についてなど、何をどこまで話すべきなのか判断に迷うときが出てきます。そうした場合に弁護士に依頼していれば、状況に応じて適格なアドバイスを受けることができます

②示談交渉を任せることができる

公然わいせつで不起訴を目指すうえで、目撃者との示談は大きな意味を持ちますが、交渉のハードルは高いものです。

前述のとおり、目撃者との示談交渉によって示談を成立させることで、不起訴につなげることができます。

しかし、多くの場合、目撃者との面識がなく、目撃者の連絡先を知らず示談交渉を始めようにも始めることができないというケースがほとんどでしょう。

この場合、警察から目撃者の連絡先を入手する必要がありますが、警察が犯人に直接目撃者の連絡先を教えることはありえません。入手できるのは示談交渉にあたる弁護士しかいません

つまり、目撃者との示談交渉を希望する場合は弁護士に依頼するほかないということになります。

③自首に同行してもらえる

まだ事件が発覚していない場合でも、公然わいせつ事件で不起訴を目指すならば、自首を有効に活用することも選択肢になります。

自首するといっても、ただ単に警察署に出頭すればいいというわけではありません。逮捕の回避や不起訴獲得につなげるための準備をし、警察とも密に連絡を取り合った上で出頭する必要があります。

自首するまでに何を準備してよいかわからない、自首した後にどう対応したらいいのか不安という方にとっては、弁護士のサポートはとても心強いものとなるでしょう。

④再犯防止対策のサポートをしてもらえる

公然わいせつで不起訴を目指す場合、再犯防止に真剣に取り組んでいることを検察官に示すことが重要です。

弁護士に相談、依頼すれば、弁護士のこれまでの経験から、今何をすべきか個人の状況に応じてアドバイスしてくれるでしょう。

なお、いくら再犯防止に向けて取り組んでいても、検察官にアピールできなければ意味がありません。

弁護士であれば、取り組み内容を書面にまとめるなどして検察官に的確にアピールし、不起訴獲得につなげてくれます。

公然わいせつで不起訴を狙うなら当事務所にご相談を

公然わいせつで逮捕・書類送検されたとしても、必ずしも起訴されるとは限りません。逮捕後の流れや対応について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
不起訴を獲得できれば、裁判を受ける必要もなく、前科がつくこともありませんご自身の今後の生活や社会的信用を守るためにも、不起訴という結果を目指すことは非常に重要です。

しかし、どのように動けばよいのか分からず、ただ時間が過ぎていくのを待つしかない…そう感じている方も少なくありません。

当事務所では、公然わいせつ事件に関する豊富な経験と実績をもとに、一人ひとりの事情に寄り添いながら、不起訴の可能性を高めるための具体的なアドバイスと対応を行っています。

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「起訴されてしまうのではないか」「どう対応すべきかわからない」と不安を感じている方こそ、早めのご相談が大切です。状況に応じた最適な対応を一緒に考えましょう。

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