公然わいせつは示談で解決できる?示談で逮捕されない?弁護士が解説
公然わいせつ事件を起こしてしまった…どうすればいいのだろう…被害者と示談すれば解決できるのだろうか…

このようにお考えではないでしょうか。

公然わいせつ罪は「社会的な性風俗・慣習」という保護法益を侵害する犯罪であり、形式的には被害者の存在しない犯罪とされています。しかし、実質的には被害者が存在します。そのため、早期に被害者との示談が成立すれば、逮捕を回避できる可能性もあります。また、公然わいせつ事件における被害が一定程度回復したと検察官が判断し、不起訴処分となる可能性が高まります。さらに、仮に起訴された場合でも、量刑が軽減されることが期待できます

この記事では、公然わいせつ事件に強い弁護士が、

  • 公然わいせつは示談で解決できるのか
  • 公然わいせつで示談をするときのポイント

についてわかりやすく解説していきます。

なお、公然わいせつ事件で警察から捜査を受けている方で、この記事を最後まで読んでも問題解決しない場合には、全国無料相談の弁護士までご相談ください

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公然わいせつは示談で解決できる?

そもそも公然わいせつとは?

「公然とわいせつな行為をした」場合には、公然わいせつ罪が成立します(刑法第174条)。

公然わいせつ罪は、「社会的な性風俗・慣習」を侵害する犯罪です

不同意わいせつ(旧:強制わいせつ)罪や不同意性交等罪(旧:強制性交等・強姦)罪が、性的意思決定の自由という個人法益を侵害する犯罪であるのに対して、公然わいせつ罪やわいせつ物頒布罪などは性秩序・健全な性的風俗といる社会的法益を侵害する犯罪です。

公然と」とは、わいせつ行為を不特定または多数の人が認識できる状態であることを指します。実際にわいせつ行為が認識されることまでは不要で、認識可能性があれば公然性が肯定されることになります。また、特定・少数であったとしても不特定・多数を勧誘した結果であればなお公然性が認められます。

わいせつな行為」とは、いたずらに性欲を興奮・刺激させ、かつ一般人の正常な性的羞恥心を侵害し、善良な性的道義観念に反する行為であると説明されます。

例えば、公園や駅、公道、電車・バスなどの不特定・多数の者が利用する場所で、下半身を露出させたり、性行為・自慰行為をしたりした場合には、公然わいせつ罪の構成要件に該当することになります。

公然わいせつ罪に問われた場合には、「6月以下の懲役」もしくは「30万円以下の罰金」または「拘留」若しくは「科料」が科されることになります。

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示談をする効果は?

公然わいせつ事件を起こした場合には、できるだけ早く被害者と示談をすることが大切です。

公然わいせつ事件の被害者との示談が成立した場合には、被害者が被害届や告訴を取り下げることがあります。また、示談の成立によって、犯罪の違法性が一定程度減少したとして加害者側に有利に判断される可能性が高いです

示談が成立した場合には、当事者間で示談書の取り交わしが行われます。一般的に示談書には以下の事項を確認し記載することになります。

  • 事件発生日時や場所
  • 加害者や被害者の氏名
  • 加害の状況や形態など事件の内容
  • 示談金額の支払い約束
  • 宥恕(ゆうじょ)条項
  • 清算条項

上記のうち、宥恕条項と清算条項については、起訴・不起訴や量刑の判断に非常に大きな影響を与えます

宥恕条項とは、加害者が被害者を許すことを示す条項です。清算条項とは、当事者の間で示談された事件についてこれ以上の債権債務関係がないことを示す条項です。

これらの条項が示談書に記載されることで、公然わいせつ事件の被害が一定程度回復したことがわかるため、犯罪による影響は消滅した、あるいは、相当程度減少していると評価することができるのです。

以上のように、公然わいせつ事件の被害者と示談をすることは、加害者にとって有利な事情となるため、特定の被害者がいる場合には速やかに示談交渉をすることが重要となります

特定の被害者がいない公然わいせつでも示談は有効?

それでは、公然わいせつ事件の場合、「特定の被害者」というものは存在するのでしょうか。被害者が誰なのかは、犯罪行為によって保護法益を侵害された者が誰かによって決まることになります。

前述のとおり、公然わいせつ罪の保護法益は、性秩序・健全な性風俗という社会的な法益であって、特定の個人の法益を保護するものではありません。このような立場からすると、公然わいせつ事件の現場に居合わせた目撃者などが受ける不快感や迷惑というものは、社会的な法益の中に吸収されて評価されており、当該目撃者らが個人的な法益を侵害されたわけではないと考えられます。

したがって、事件の現場にいた人たちは、形式的には被害者ではないということになります

それでは、公然わいせつ事件に被害者がいないとすると、被害者と示談するということはおよそ不可能なのでしょうか。

この点、公然わいせつ行為は民事上の賠償責任を発生させる可能性があります。

公然わいせつ行為を直接目撃した人は、「見たくないものを見せられた」「性的なしゅう恥心を害された」として一定の精神的なショックを受ける可能性が高いでしょう。そうすると、行為者には民事上の賠償責任が発生することになり、事実上の被害者と評価することができます

事実上の被害者に慰謝料を支払って示談ができた場合には、加害者の起訴・不起訴を決める検察官の判断は、不起訴に傾きやすくなります起訴されたとしても、比較的軽い処罰で済む可能性があるのです。

その意味で、公然わいせつ事件においても、公然わいせつ行為の相手方(目撃者)と示談することは重要です。

公然わいせつで示談する時のポイント

示談に加えて再犯防止に取り組む

示談に加えて、再犯防止のための取り組みをすることがポイントです

具体的には、専門の医療機関が実施している再犯防止プログラムを受けることを検討してください。

再犯防止プログラムの内容としては、認知行動療法や薬物治療などを行います。

認知行動療法では、性的問題行動に関連していると思われる強い感情や考え方、衝動的な行動の意味や妥当性を深く考え、対処法を身につけ徐々に行動や考え方を適切なものに修正していくことになります。

薬物療法は、性衝動が高い場合や、性についての考えに囚われている状態などに対して、対症療法的に行われます。薬物療法は飲んですぐに効果があるものではなく、飲み続けることによって徐々に効果が現れるという点には注意が必要です。

また、同居している親や妻など監督能力のある人に、今後の生活を監督してくれるよう頼むことなども同じような公然わいせつ事件を起こさないようにするためには有効です。

そして、このような再犯防止措置を講じた上で、弁護士がその取り組みを検察官に適切に伝えます。そうすることで、検察官は被疑者の再犯リスクが低く、社会に対する危険性が減少したと判断し、不起訴処分となる可能性が高まります

示談できない場合は贖罪寄付をする

公然わいせつ事件で被害者と示談ができない場合には、贖罪(しょくざい)寄付を検討してください。

贖罪寄付とは、被害者がいない刑事事件・被害者に弁償できない刑事事件の場合に、被疑者・被告人が事件への反省の気持ちを表すために、弁護士会や慈善団体などに寄付を行うことを指します。寄付されたお金は、被害者救済などの公益活動に役立てられます。

贖罪寄付をすると、寄付を受けた団体・機関から「贖罪寄付証明書」が交付されます。検察官が起訴・不起訴を検討している段階でこれを提出すれば、検察官が不起訴処分を下す材料となり得ます。また、すでに起訴されて刑事裁判の被告人となってしまった段階でも、裁判官に提出することで、情状面で有利にはたらき、量刑が減軽される可能性があります

弁護士に依頼する

公然わいせつ事件を起こした場合には、弁護士に相談してください

公然わいせつなどの刑事事件では、初動が何よりも重要です。初動が速ければ逮捕前にも捜査機関と弁護士が話をつけてくれ、在宅事件に切り替えてもらえます。

公然わいせつ事件が捜査機関に発覚した場合、逮捕されるケースは全体の4割程度です。弁護士による弁護活動次第では、逮捕されることを回避できる可能性があります

また、被害者の連絡先を知っている場合には、被害者との示談交渉を弁護士に任せておくことができます。公然わいせつ事件など性犯罪の場合、目撃者や被害者は精神的なショックを受けた結果、被疑者との接触を拒否するケースも少なくありません。しかし、弁護士が代理人として交渉する場合には、直接のやり取りをせずに済むため被害者も示談に応じやすくなります

被疑者が逮捕された場合にも、すぐに被害者との示談を成立させることが早期釈放のためには重要ですが、捜査機関は被疑者個人に被害者等の個人情報を教えることはありません。他方で、弁護士が示談交渉をする目的の場合には、被害者に意思確認をしたうえで、連絡先を教えてもらえる可能性があります。

さらに、刑事事件に強い弁護士に依頼することで、会社や家族に知られることを回避できる可能性もあります。刑事事件の解決実績が豊富な弁護士であれば、被害者との交渉方法や謝罪の仕方などの対処法を熟知しているため、事件解決まで内密に事件を進められる可能性があります。経験豊富な弁護士であれば、性的趣向のカウンセリングなどを紹介し再犯防止に努めるためのアドバイスを受けられる場合もあります。

公然わいせつ事件の示談による解決事例

ここでは、当事務所の弁護士による公然わいせつ事件の示談による解決事例を紹介します(プライバシー保護の観点から内容を一部加工しています)。

①被害者らに検挙されたが、示談により被害届が提出されなかった例

被疑者が、女子高生が通う通学路で、女子高生2名に対してズボンを下ろして性器を露出した姿を見せつけた事案です。

被疑者は、女子高生2名から通学路にいた教師に被害を報告され、現場から約100メートル離れた時点で身柄を取り押さえられています。女子高生2名は、はじめ警察に被害届を提出することを考えていました。しかし、被疑者から依頼を受けた弁護士が、女子高生2名に謝罪の意と被疑者に遠方の実家に引越しの手続きを取らせたことを伝え、示談金各10万円を提示したところ、示談することができました。

その結果、女子高生2名から警察に被害届を提出されずに済みました

②本件に加えて余罪件を起訴されたものの、示談により執行猶予を獲得した例

被疑者が、コンビニエンスストアのレジの店員に対して性器を露出して陰茎を見せたという公然わいせつ罪で逮捕された事案(本件)です。

被疑者は、本件以外にも、同じ区内のコンビニエンスストア(4店舗)で同様の手口による公然わいせつを行っていたことがお店の防犯ビデオカメラなどから判明し、本件と併せて5件の公然わいせつで起訴されました。被疑者は、本件より半年ほど前に、盗撮で罰金30万円の略式命令を受けた前科を有していたことから、実刑の可能性も否定できませんでした。そこで、弁護士は、すべての被害者及び被害店舗に対して謝罪及び示談交渉を進め、示談の支払い、今後、被告人が店舗に立ち入らないことなどを条件に示談を成立させました。

また、前科や今回の犯行などに照らすと性犯罪性向が進んでおり、このまま何ら対策も打たなければ、再犯を繰り返すおそれがあったため、被告人にご家族の協力のもと、性犯罪治療の専門医療機関で治療を受けることを勧めました。そして、ご家族が協力的で被告人も真面目に治療に専念したことから、裁判では治療経過や今後の見通しなどを立証し、あわせて5件とも示談が成立していることを主張しました。

その結果、懲役4月、執行猶予4年(保護観察付き)の判決を獲得することができました。

まとめ

以上のとおり、公然わいせつ事件を起こした場合には、すぐに弁護士に対応を相談することが重要です

逮捕を回避するためには、被害者との示談を成立させることが何よりも重要です。弁護士に示談交渉を行ってもらうことで、身体拘束からの早期釈放や不起訴処分を獲得できる可能性が高まります。

被害者との示談が難しい場合には、贖罪寄付や再犯防止プログラムに参加するなどの対処が有効な場合もあります。

公然わいせつ事件を起こして、逮捕を回避して家族や勤務先にバレないようにしたい・逮捕された場合にも早期釈放で会社や学校に復帰したい・前科がつかず解雇や退学を免れたいという方は、できるだけ早く弁護士に相談するようにしてください

当事務所には、公然わいせつ事件を含む刑事事件の解決実績が豊富な弁護士が在籍しております。弁護士が親身かつ誠実に依頼者を全力で守りますので、公然わいせつ事件の解決をご希望の方は、お気軽にご相談ください。

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